前回の講座では「FXはやめとけ」という人がいることとその背後にあるFX取引の誤解などについて解説しました。FXはきちんとリスク管理を行って取引をすれば、利益を狙える投資商品です。
ただ、FX投資に興味はあるけれど、失敗しそうだと不安を感じている方もいるかもしれません。挑戦してみたくても、大切な自分の資金を投資するなら、失敗はなるべく避けたいですよね。
この記事では、FX初心者にありがちな8つの失敗例と、それぞれの具体的な対策をわかりやすく解説します。リスクを抑えながら成長していくためのヒントを紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
FX初心者に多い失敗の1つが「損切りができない」ことです。含み損が出ても「そのうち戻るかも」という根拠のない期待から、決済のタイミングを逃してしまうケースがあります。
相場は思い通りに動いてくれるとは限りません。損失が膨らみ続ければ強制ロスカットが発動し、結果的に多額の資金を失うリスクもあります。強制ロスカットについては、以下の記事で詳しく学びましょう。
損切りできないという失敗を防ぐには、事前にしっかりと損切りルールを決めておくことが大切です。たとえば、「この取引では10万円の損失が出たところで損切りする」といった基準をあらかじめ決めておき、 それを確実に実行することです。そうすると、為替相場が大きく動く局面においても、感情に流されることなく冷静に対処しやすくなります。
長期保有を前提とした取引では、「そもそも損切りをしない」というルールで取引する方法もあります。たとえば、レバレッジ1倍で取引し、 将来外貨をそのまま受け取るような運用方針です(ただし、この方法は「受渡」が可能なFX会社に限ります)。いずれにせよ、重要なのは自分の決めたルールを確実に守ることです。
損切りについては、以下の記事でより詳しく学んでおきましょう。
「短期間に少ない資金で大きく稼ぎたい」と考えて、高レバレッジで取引を始めてしまうFX初心者も少なからずいます。高レバレッジでの取引は、 大きな利益を獲得できる可能性がありますが、逆に大きな損失を被るリスクもあります。
レバレッジの仕組みを理解せずに、FX取引を投資ではなくギャンブルのようなものと誤って捉えてしまうと、あっという間に資金を失ってしまうリスクがあります。
FXを始めて間もない初心者は、まずは低レバレッジの取引から始めましょう。自分の取引スタイルに応じて、以下のレバレッジを目安にすることもできます。
レバレッジの仕組みは、FX取引におけるリスク管理と切っても切り離せない重要な関係があります。以下の記事で改めて、レバレッジについて詳しく学んでおきましょう。
為替レートの上下に一喜一憂し、勘や感情に頼って売買の判断をしてしまうのは、知識や経験が不足しているFX初心者にありがちな失敗です。
「なんとなく上がりそう」「下がり続けて不安だから売ってしまおう」といった根拠のない判断で注文を繰り返すことで、資金を失ってしまうリスクがあります。
勘や感情に任せずに取引するために、利益確定や損切りの決済の基準をあらかじめルール化しておきましょう。
また、リピート売買といわれる手法や、低レバレッジでスワップポイントによる利益を狙う長期保有のように、一時の感情に左右されにくい取引手法を選ぶことも有効な対策です。 テクニカル分析やファンダメンタルズ分析などについてもしっかり理解を深め、根拠のある判断にもとづいた取引を心がけましょう。
万が一損失が出た場合でも、感情的になって無理に取り返そうとせず、一時的に取引を控えて冷静さを取り戻すことも重要です。取引を長く続けていくためには、メンタルのコントロールが大切です。
ナンピンとは、含み損が出た際に、あえて同じ方向にポジションを追加する手法です。たとえば、ポジションを保有している通貨ペアのレートが下落したところでナンピンすると、 平均保有価格を下げることができます。
両建ては、同じ通貨ペアで買い建玉(ロングポジション)と売り建玉(ショートポジション)を同時に持つ取引手法です。
ナンピンや両建ては、成功すれば利益が獲得できますが、FX初心者が無計画に行うと損失を拡大させてしまうリスクもあります。
無計画なナンピンや両建てに頼らず、まずは基礎的な知識や分析手法を身につけることが重要です。
両建ては一見リスク回避に見えても、買いと売りの両方のポジションを持つことで、スプレッド分は損失となります。また、スプレッドが拡大した際に強制ロスカットになってしまうケースもあるため、絶対に安全とはいえません。 また、両建ては、方向感を見失いやすく、経済合理性に欠ける取引でもあることから、基本的にはおすすめできません。ナンピンも無計画に取引すると、損失を拡大させるリスクがあります。
チャート分析や資金管理など、基本的な知識や分析手法をしっかり身につけましょう。
初心者が多くの通貨ペアで取引して、失敗するケースも少なくありません。通貨ペアによって、値動きの特徴や関連する経済イベント、ニュースなどが異なります。すべてを把握するのは難しく、 情報が多すぎて混乱し、判断を誤ってしまうかもしれません。
初心者のうちは、まずは1つの通貨ペアに絞って取引してみましょう。通貨ペアごとの値動きや、その背景を理解するには、 複数を同時に扱うよりも、1つに集中したほうが効率的です。
FX初心者におすすめなのが「米ドル/円」です。アメリカは日本人にとって馴染みがあり、 情報も豊富のため、米ドル/円は相場動向を比較的把握しやすいという特徴があります。
また、少額の資金で取引を始めたい人には「メキシコペソ/円」もおすすめです。メキシコはアメリカの隣国のため、メキシコペソは、アメリカ経済の影響を受けやすいという特徴があります。 アメリカのニュースは、日本にいても話題にのぼりやすいため、情報を比較的入手しやすい通貨ペアと言えるでしょう。
通貨ペアについてさらに知りたい人は、以下の記事を参考にしてください。
取引する時間帯を意識していないと、思わぬ値動きに巻き込まれてしまうリスクがあります。FXは平日であれば基本的に24時間いつでも取引できますが、 時間帯によって値動きなどの特徴が異なる点に注意が必要です。
たとえば、日本時間の早朝や深夜は流動性が低く、FX会社によってはスプレッドが広がることがあります。また、市場で注目されている経済指標が発表される時間帯は値動きが激しく、自身が想定した方向と逆に相場が動くと、 損失が大きくなるリスクも高まります。
初心者のうちは、取引する時間帯をある程度決めておくのがおすすめです。取引時間によって、為替相場の動きには傾向があります。 取引する時間帯を固定することで、その時間帯の相場の傾向や特徴をつかみやすくなるからです。
無理なく継続的に取引ができるよう、自分の生活リズムに合った時間帯を見つけましょう。 FXの取引時間と市場の特徴については、以下の記事を参考にしてください。
「ポジポジ病」とは、常にポジションを持ち続けることにこだわってしまい、根拠のない注文を繰り返してしまう状態のことです。
「利益を獲得するチャンスを逃したくない」「損失を取り返したい」といった感情で取引を繰り返し、思いがけず損失を重ねてしまうケースもあります。 結果として資金を減らしてしまい、FX取引を続けられなくなるリスクもあります。
「いまチャートを見ていないと損をするかもしれない」という根拠のない不安から、相場に張りついて深夜まで取引を続けてしまう人もいます。 それでは精神的にも肉体的にも疲弊してしまい、判断力の低下でミスにつながるおそれもあるでしょう。
「ポジポジ病」を防ぐには、感情に左右されず、あらかじめ決めたルールや分析結果にもとづいて取引することが大切です。 たとえば、「複数の移動平均線が同じ方向に傾いているときだけエントリーする」といった明確な基準を自分の中で定めておくことで、根拠のない衝動的な取引を防ぎやすくなります。
取引する時間を決めたり、意識的にチャートを見ない時間を設けたりすることも有効です。チャートから一度離れることで、気持ちを落ち着け、冷静な判断力を取り戻せるかもしれません。
SNSで話題になっている通貨ペアや取引手法に飛びつき、根拠のないまま取引してしまうFX初心者もいます。「有名なインフルエンサーが発信した内容通りに取引すれば勝てる」と、 根拠のない断定的な情報に影響されて取引することは避けましょう。
特に注意すべきなのは、情報の出どころや発信者の信頼性を確認しないまま取引を進めてしまうケースです。SNSを使えば手軽に情報を得られますが、その情報の信頼性を確認しないまま、 自分で分析せずに取引してしまうのはとても危険です。情報の入手にSNSを使っても、その中身については必ず自分で分析して、裏付けをとるようにしましょう。
SNSをFX取引に活用するなら、情報の根拠や発信者の経歴・実績などを確認する習慣をつけましょう。1つの投稿を鵜呑みにするのではなく、 複数の情報源と照らし合わせることで、内容の信頼性を見極めましょう。
最終的な取引の判断は、チャートの分析や自分の取引スタイルを踏まえて行いましょう。他人の意見に頼るだけではなく、自分で根拠を持って投資判断を行う力は、 FX取引を長く続けるためには欠かせないスキルです。
ここまで、FX初心者にありがちな8つの失敗例を紹介してきましたが、「やっぱりFXって難しそう」「本当に自分にできるのかな?」と不安に感じた人もいるかもしれません。
FX取引では、いきなり大きな利益を獲得しようとするのではなく、まずは基礎を固めることが大切です。 ここでは、FX初心者が失敗を避けるために押さえておきたい、3つの取引の基本を紹介します。
FXは10,000円程度の少額資金でも始められるため、まずは小さな金額で実践しながら学ぶのがよいでしょう。
経験が乏しい状況で大きな資金を投入してしまうと、相場のちょっとした変動でも不安になり、冷静な判断ができなくなる可能性があります。 最初はリスクを抑えて少額の取引から始め、取引に慣れてきたら徐々に資金を増やしていくといいでしょう。
FXが具体的にいくらから始められるのかは、以下の記事を参考にしてください。
FX取引では、運や直感だけで利益を獲得し続けることは不可能です。安定して成果を出すためには、継続的な勉強・学習が欠かせません。
たとえば、テクニカル分析の基礎を学んだり、経済ニュースを読み解いたりと、日々の学びの積み重ねによって取引の質を高めることができます。 初心者のうちは特に「学びながら取引する」という前向きな姿勢を持つことが大切です。
自分の取引を客観的に振り返るには、記録を残すことが効果的です。「いつ・なぜエントリーしたのか」 「どこで利益確定や損切りをしたのか」などをメモしておくことで、成功と失敗それぞれの傾向が見えてきます。
たとえば、「どのタイミングで損切りをためらったのか」「感情に流されて無理な取引をしていないか」といった点も分析すれば、 次の取引に活かせます。日々の取引を記録する習慣を身につけましょう。
FX初心者が失敗を避けるには、事前の準備と冷静な判断が欠かせません。
損切りができない、高レバレッジでの無謀な取引をしてしまう、感情に左右されて判断してしまうといった失敗は、FX取引における失敗の代表例です。 SNSの情報に振り回されることも失敗のリスクにつながります。
まずは少額で、自分でルールを決めて取引することが大切です。継続的に学習し、取引の記録をつけて改善点を振り返りながら、一歩ずつ着実に成長していきましょう。
次回の講座では、初心者におすすめのFX取引の勉強方法について解説するほか、勉強のステップや具体的な方法も紹介します。ぜひご覧ください。