FXはいくらから
始められる?
資金の目安等を解説
はじめてのFX講座-第18回

FXはいくらから始められる?資金の目安等を解説【はじめてのFX講座-第18回】

前回の講座では、FXの取引時間について解説しました。次は、「FX取引は資金がいくらあれば始められるの?」という疑問を解決しましょう。

FX取引には、取引の土台となる「証拠金」が欠かせません。資金計画の前提となる証拠金やレバレッジについて正しく理解して、リスクをしっかりコントロールしながら取引を行うことを心がけましょう。

この記事では、まずFX取引がいくらで始められるのかを具体的な数字で示したうえで、証拠金の計算式からFX初心者向けの資金の目安、運用のコツなどをわかりやすく解説します。

STEP01
FXを始めるには
証拠金が必要

FX取引はレバレッジという仕組みを活用して取引をすることができます。そのため、「証拠金」として一定の資金を口座に入金する必要があります。 必要な証拠金の額は「為替レート×取引数量÷レバレッジ」で計算できます。

FX初心者は、余裕のある資金を用意してレバレッジを低めに設定することにより、リスクを抑えた取引を心がけましょう。

証拠金について詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。

STEP02
FXはいくらから
始められる?

FX取引に必要な資金はFX会社によって異なります。通貨ペアにもよりますが、ワンコイン(数百円)から数千円でも取引を始められます。この点を詳しく見ていきましょう。

FXは少額からでも
始められる

FX取引は、通貨ペアによっては数百円から数千円程度の証拠金を用意すると始められます。個別株投資などと比べて少額から始められる点は、FX取引の大きなメリットといえるでしょう。

「金融商品を扱うには大きな元手がないと難しいのでは?」との声もありますが、少ない資金で始めることも可能です。ただし、その分損益額も小さくなることとなります。

FX初心者の場合、取引に慣れていない状態で高額の取引をするのはリスクが大きく、おすすめできません。まずは少額から実際のFX取引を体験し、 コツコツと経験を積んでいくことに重点を置くとよいでしょう。ただし、少額だからといって必ずしも安全な取引とは限りませんのでご注意ください。

FXの取引単位とは

FX取引には取引単位があり、FX会社によってその最小単位は異なりますが、10,000通貨・1,000通貨・100通貨といった単位で取引が行われるケースが一般的です。 取引数量が小さくなるほど、必要な証拠金の額は少なくて済みますが、1pips(値動きの単位)あたりの損益も少なくなります。

なお、セントラル短資FXの「FXダイレクトプラス」では、最小取引単位は1,000通貨単位(ハンガリーフォリント/円は10,000通貨単位)です。詳しくは、 以下のサービス概要ページをご覧ください。

STEP03
FX初心者は
いくらから始める?
計算方法と資金の目安

ここからは、FX初心者向けに、いくらから始めることができるのかを考えるための参考として、証拠金の計算方法やトレードスタイル別のレバレッジ(倍率)の目安を解説します。 取引を始める前に確認し、余裕をもって取引を始めることができるかチェックしておきましょう。

FXを始めるのに
必要な資金の額

FX取引を始めるのに必要な証拠金の額は、「為替レート×取引数量」で計算される取引金額に対してレバレッジを設定することにより求められます。

たとえば、1米ドル=150円で1,000通貨を取引する場合、取引金額は150,000円となります。仮にレバレッジを最大の25倍にすれば、必要な証拠金は6,000円となります。

FXが数千円の資金があれば始められるというのは、このように高いレバレッジで取引する場合のことです。実際には、高いレバレッジでの取引は、リスクも高くなり、 取引を開始して建玉(ポジション)を保有した直後に、相場の変動によって強制ロスカットが発動するおそれもあることを理解しておく必要があります。

以下の表で、1米ドル=150円の場合の取引数量やレバレッジごとの必要証拠金を確認してみましょう。

スクロール
取引数量 取引金額 レバレッジ 証拠金
1,000通貨 150,000
  • 1
  • 2
  • 5
  • 10
  • 25
  • 150,000
  • 75,000
  • 30,000
  • 15,000
  • 6,000
10,000通貨 1,500,000
  • 1
  • 2
  • 5
  • 10
  • 25
  • 1,500,000
  • 750,000
  • 300,000
  • 150,000
  • 60,000

レバレッジについての理解を深めたい方は、こちらの記事もあわせてご確認ください。

FX初心者の資金の目安

FX初心者は、まずは2倍程度の低レバレッジでFX取引を始めてみましょう。たとえば、1米ドル=150円のときにレバレッジ2倍で1,000通貨を取引する場合、 必要な証拠金の額は75,000円です。

また、適切なレバレッジ倍率は、取引スタイルやリスクの許容度合いによっても異なります。まずは、トレードスタイルごとの大まかな目安は以下のとおりです。

  • デイトレード:5倍
  • スイングトレード:3倍
  • 長期保有:2倍

特にFX取引の初心者は、十分に余裕をもたせた資金で取引することが大切です。相場の急変時にも適切に対処できるよう、余裕のある取引を常に心がけましょう。慣れてきたら、少しずつレバレッジを上げていくのもよいでしょう。 繰り返しになりますが、レバレッジを引き上げると同じ相場の動きであっても損益が大きくなることを忘れずに、無理のない取引を行うことを意識しましょう。

STEP04
FXでは元手に対して
いくらの利益が出る?

FX取引では、「いくら稼げるか」ではなく「元手に対してどれくらいのリターンを狙うか」という視点で考えましょう。たとえば、為替レートが10%有利な方向に動いた場合にどのくらいの利益が出るかを、 資金額とレバレッジごとに計算した結果を表で示すと次のとおりです。

下表の計算結果は、1米ドル=150円で買い、1米ドル=165円で決済した場合の利益額の概算を示したものです。具体的な計算例も掲載しましたのでご確認ください。

スクロール
 
利益額
資金額 レバレッジ
1
レバレッジ
2
レバレッジ
5
レバレッジ
10
レバレッジ
25
1,000 100 200 500 1,000 2,500
10,000 1,000 2,000 5,000 10,000 25,000
50,000 5,000 10,000 25,000 50,000 125,000
100,000 10,000 20,000 50,000 100,000 250,000

【計算例】資金額100,000円、レバレッジ2倍、利益額20,000円のケース

1 購入時点の通貨
ペア(米ドル/円)の
取引金額、数量

  • 取引金額:
    100,000円×2(レバレッジ)
    =200,000円A
  • 購入した数量:
    200,000円÷150円≒
    1,333通貨

*FX会社の取引単位によっては1,000通貨未満や100通貨未満の数量の購入ができない場合がありますので、ご注意ください。

2 売却金額

  • 1,333通貨×
    165円≒
    220,000円B

3 利益額

  • B-A=
    220,000円-200,000円
    =20,000円

資金額とレバレッジが大きいほど利益額も大きくなりますが、損失も拡大しやすいため、無理な取引は禁物です。

STEP05
FXを始めるときの
3つのコツ

FX取引を少額から始める場合、以下の3つのコツがあります。

  • 米ドル/円など
    情報を得やすい
    通貨ペアから始める
  • 低レバレッジで取引する
  • 損切りルールを徹底する

それぞれのコツについて、詳しく見ていきましょう。

米ドル/円など
情報を得やすい
通貨ペアから始める

FX初心者には、情報収集がしやすい通貨ペアから始めるのがおすすめです。なかでも米ドル/円は、日本人にとってなじみ深く、世界的にも多くの投資家によって取引されています。 取引量が多い(流動性が高い)ためスプレッドも狭い時間帯が長く、売買回数を重ねても取引コストの負担が大きくなりにくい点も魅力です。

経済指標や要人発言などのニュースも日本語で入手しやすく、値動きの背景を理解しやすいというメリットもあります。 「金利差」や「雇用統計」といった用語とチャートの動きを結びつけることで、分析の練習にもなります。

また、ヨーロッパやオーストラリアの経済に詳しい方は、ユーロ/円や豪ドル/円で取引を始めるのもよいでしょう。 自分の関心や知識とあわせて、情報を集めやすい通貨ペアから取引にチャレンジしてみてください。

低レバレッジで取引する

高レバレッジでの取引を行うと、少ない資金で大きな利益を狙うこともできますが、大きな損失につながる可能性もあります。

少ない資金でFX取引を始める場合でも、無理な取引をせず、レバレッジはできる限り低くおさえて運用するように心がけましょう。 まずは「どれだけ勝てるか」ではなく「どれだけ損失をおさえられるか」を意識することが大切です。

含み損が増えて証拠金維持率が一定の水準を下回ると、強制ロスカットが発動しますので注意してください。強制ロスカットについて、 より詳しく知りたい方は第4回の記事をご覧ください。また、証拠金維持率についての解説は、第12回の記事をご確認ください。

損切りルールを徹底する

FX取引を始めるときには、損失を最小限におさえるために、あらかじめ損切りルールを決めておきましょう。

損切りをせずに予想と反対方向に為替レートが動き続けた場合、含み損が膨らむことで最終的には強制ロスカットが発動し、建玉(ポジション)が自動的に決済されてしまいます。 あらかじめ設定した損切りラインで早めに撤退して強制ロスカットを避けることは、FX取引で長く投資を続けていくうえで極めて重要です。

KEY POINT
FXは余裕のある
資金を用意して
低レバレッジから
取引しよう

個別株投資などと比べると、FXは比較的少額で高いレバレッジをかけた取引をすることにより大きな利益が得られる可能性がありますが、 相場の急変で大きな損失を被るリスクもあります。

余裕のある資金を用意したうえで、低レバレッジで取引を開始しましょう。まずは、米ドル/円などの情報を得やすい通貨ペアを選びながら、 損切りルールを徹底して、リスク管理を意識したFX取引を行うことを心がけましょう。

次回の講座では、10,000円程度の資金でもFX取引を始められるのか、具体的に解説していきます。少額からFX取引を始めたいと考えている方はぜひご覧ください。