確定申告の手引き

確定申告が必要な個人の方

FX取引をしていても、必ずしも全員確定申告をしなければならないわけではありません。
では実際にどのような場合に確定申告しなければならないかをチェックしましょう。

確定申告が必要な個人の方

確定申告に必要なもの

  1. 申告書
    税務署や各市区町村の窓口で入手できるほか、国税庁のウェブサイトからダウンロードできます。
    個人番号カードの「公的個人認証サービスに基づく電子証明書」を取得していれば、「e-Tax」での電子申請が利用できます。
  2. 給与所得の源泉徴収票(給与所得者の場合)
    その年1年間に会社から支払われた給与等の金額と自分が支払った所得税の金額が記載された書類で、通常、会社から年末調整後に社員に配られます。
  3. 残高報告書・年次報告書・キャッシュバック報告書
    マイページにログインし、「レポート」メニューから
    ダウンロードしてください。
    残高報告書・年次報告書・キャッシュバック報告書

FXにかかる税率

個人の場合は、FX取引で得た利益は「先物取引に係る雑所得」として申告分離課税の対象となり、税率は一律20.315%です(所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315%)。
復興特別所得税は、2013年1月1日から2037年12月31日までの25年間、所得税額に対し2.1%(所得税15%×2.1%=0.315%)が課されます。

申告分離課税の税率は一律20.315%

申告分離課税の税率一律20.315%

繰越控除

損益通算をしてもまだ損失が残っている場合は、翌年以降3年間に渡って、FX取引や他の取引所先物取引等で発生した利益から損失額を控除できます。
この控除を受けるには、損失が出た年(X年)だけでなく、翌年以降も損失額がなくなるまでは最大4年間続けて確定申告する必要があります。取引が一切ない年も確定申告が必要です。

繰越控除

X年の損益が▲100万円だったとして、
① 1年目(翌年)の損益が+20万円の場合は、X年の損益▲100万円から20万円を相殺できます。翌年への損失繰越は▲80万円です。
② 2年目の損益が+50万円の場合は、翌年への損失繰越は▲30万円です(50万円-80万円)。
③ 3年目の損益が+80万円の場合は、当該年の課税対象額は50万円です(80万円-30万円)。

FX取引での所得金額の計算方法

その年の1月1日から12月31日の取引終了までに発生した益金(売買による為替差益およびスワップポイントの収益)が、その年のFX取引による「先物取引にかかる雑所得等の金額」です。
所得金額の計算方法は以下です。

所得金額=①粗利益-②必要経費-③損失繰越額

① 1年間に決済した取引の為替損益とスワップポイントによる損益の合計。
② 取引の売買手数料や振込手数料、そのほかの経費など
必要経費※として認められる可能性があるのは、FX取引のために直接に要した経費に限ります。

通信費 電話・プロバイダ料金
新聞・図書費 専門紙・書籍・雑誌の代金
パソコン購入費 減価償却費として計上
セミナー受講費 それに伴う交通費も
会議費 取引会社との打合せ費用
事務用品費 筆記用具など

※詳しくは税務署に確認ください。必要経費を計上する際には、原則として領収書などの証明書類が必要です。
③ 前年までの取引による損失。前年までに「損失の繰越控除」の申告をした場合のみ適用されます。損失の繰越は最大3年間適用されます。

申告書の書き方

  1. 申告書(第一表・第二表)
    第一表には、「収入金額等」「所得金額等」「所得から差し引かれる金額」「税金の計算」「その他」の順番に該当するところを記入します。
    第二表には、源泉徴収税額を記入します。もし源泉徴収票で控除の記載がある場合は、「保険料控除等に関する事項」の「保険料等の種類」には「源泉徴収票の通り」と記入します。
  2. 先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書
    FXから得られた所得について記入します。
    1. 書類上部の「雑所得用」を○で囲み、氏名を記入します。
    2. 「取引の内容」の「種類」には「外国為替取引」、「決済の方法」には「仕切」と記入します。
    3. 「総収入金額」の「差金等決済に係る利益又は損失の額」にはFX会社から受け取る「年間損益報告書」の「損益合計金額」を記入します。
    4. 「必要経費等」には経費の項目とその金額を記入します。(例:書籍代 3,000円)
    5. 「所得金額」には「総収入金額」の計から「必要経費等」の計を差し引いた金額を記入します。
  3. 申告書第三表(分離課税用)
    「先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書」で書いた内容を転記します。
    1. 「収入金額」を記入
      「先物取引(ト)」には「先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書」に記入した「総収入金額」を記入します。
    2. 所得金額を記入
      「先物取引(74)」には「先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書」に記入した「所得金額」を記入します。
    3. 税金の計算を記入
      最後に税額を計算して記入します。

各種お問合わせ先

報告書について 取引報告書、残高報告書、年次報告書、期間損益計算書などに関するよくあるご質問
e-Taxについて 確定申告書等をインターネット上で作成して、手続きを行う行政サービスです。
国税庁ウェブサイト 国税庁のウェブサイトです。

注意点

  1. 税金と確定申告についての情報の正確性には万全を期していますが、その完全性を保証するものではありません。
  2. 今後、税制改正等が行われた場合には、内容が変更される可能性があります。(2023年1月現在)
  3. 税制に関する最新情報は、国税庁のウェブサイト「お知らせ」を確認ください。
  4. 当社では、お客さまの個別の取引等の確定申告に関する相談には税理士法上お答えできません。最寄りの税務署または税理士事務所にご相談ください。