前回の講座では、FXの税金や確定申告の方法について解説しました。FXを始めようとしている人や初心者の人の中には、利益を獲得するための手法について悩む人もいるでしょう。 FXをはじめとする投資にはさまざまな取引手法がありますが、外貨預金や投資信託において使われる投資手法に「ドルコスト平均法」があります。
この記事では、ドルコスト平均法とはどのような投資手法なのか、その概要やメリット、FX取引における具体的な活用方法などを詳しく解説します。
ドルコスト平均法とは、外貨預金や投資信託といった価格が変動する金融商品を、定期的に一定額ずつ積み立てて投資する手法です。 つみたてNISAは、ドルコスト平均法の考え方にもとづいた仕組みといえるでしょう。毎回一定金額を投資することから、定額投資法といわれることもあります。
ドルコスト平均法は購入金額が一定なので、投資対象となる金融商品の価格が低いときは購入数量が増加し、価格が高いときは購入数量が減少します。 そうすることで購入価格が平均化されます。
たとえば、外貨預金で毎月1万円ずつを投資して、米ドルをドルコスト平均法で購入するケースを見てみましょう。
| 投資期間 | 1か月目 | 2か月目 | 3か月目 | 4か月目 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 為替レート | 140円 | 145円 | 155円 | 150円 | (a)平均単価 147.28円 |
| 購入外貨額 | 71.43米ドル | 68.97米ドル | 64.52米ドル | 66.67米ドル | (b)合計 271.59 米ドル |
| 投資金額 | 10,000円 | 10,000円 | 10,000円 | 10,000円 | (c)合計 40,000円 |
※1 手数料は考慮しないものとする
※2 (a)=(c)÷(b)
毎月の投資金額は10,000円の定額で、為替レートの変動に応じて購入外貨額が変化します。手数料を考慮しなければ、 4か月購入した場合、投資金額は40,000円になり、平均単価は147.28円に、購入外貨額は271.59米ドルになります。
ドルコスト平均法の主なメリットは次の4つです。
外貨預金や投資信託で使われるケースを参考に、それぞれのメリットを解説していきます。
ドルコスト平均法は、定期的に一定額を購入する投資手法であるため、取引のタイミングについて悩む必要がありません。
FXや投資信託といった価格が変動する金融商品で利益を狙うには、価格が安いときに購入し、高いときに売却するのが基本です。 しかし、ドルコスト平均法では取引金額や購入時期をあらかじめ決めるため、タイミングに悩まずに取引できます。
ドルコスト平均法は、投資対象となる金融商品を一度に購入せず、複数回に分けて時間をかけて購入することから、高値掴みを回避する効果も期待できます。
高値掴みとは、価格の高いタイミングで購入してしまい、その後価格が下がっていく状態のことをいいます。まとまった資金で取引を行って高値掴みをしてしまうと、 大きな損失を被るおそれがあるため、慎重に購入のタイミングを判断する必要があります。
前述のとおり、ドルコスト平均法は、複数回に分けて時間をかけて購入することから、 価格が高いときには購入数量が少なく、反対に価格が安いときには購入数量が多くなる取引手法です。 毎回の投資金額(=購入金額)が一定で、価格が高いときは購入数量が少なくなるため、高値掴みを回避しやすくなります。
ドルコスト平均法は、長期的な資産形成に向いている投資手法でもあります。最初に投資方法を設定すれば、あとは相場の動きに一喜一憂することなく、 感情に左右されずに長期間継続することができます。
ドルコスト平均法は、まとまった資金がなくても始めやすい投資手法です。
たとえば、一度に1,000,000円分の米ドルを購入したい場合は、当然ながら1,000,000円の資金が必要です。しかし、ドルコスト平均法を用いて投資をするなら、 同じ1,000,000円分の米ドルを購入するとしても、10,000円を100回、20,000円を50回というような形で、一度あたりの購入金額を少額にして投資します。
投資は余剰資金の範囲内で行うのが原則です。そのため、購入金額は生活費を圧迫しない金額である必要があります。 毎月数千円や数万円であれば、取り組みやすい人も多いでしょう。
ただし、ドルコスト平均法には、以下の点に注意する必要があります。
外貨預金や投資信託で使うケースをもとに、それぞれの注意点を解説します。
ドルコスト平均法は、長期間にわたって投資をする手法なので、短期間の取引では大きな利益を狙いにくいという面があります。
ドルコスト平均法は、毎回一定金額を長期間投資することで購入価格を平均化する仕組みです。その効果を実感するにはある程度の時間が必要となるため、 短期間で大きな利益を狙う取引には適さないことを理解しておきましょう。
ドルコスト平均法を採用すれば必ず利益が狙える、というわけではありません。価格変動は、経済の動向や政治情勢、金融政策、地政学リスクといったさまざまな要因の影響を受けて生じるもので、 完全に予測することは不可能だからです。そのため、将来の値動きによっては損失を被る可能性があります。
ドルコスト平均法は購入するタイミングを分散することにより購入単価を平均化する効果が期待できる投資手法ですが、 「必ず勝てる」「負けない」というわけではないことを十分に理解しておきましょう。
これまで見てきたように、ドルコスト平均法は投資信託や外貨預金において利用されることが多い手法です。しかし、 FX取引において、ドルコスト平均法を活用して長期的に建玉(ポジション)を保有するというトレードスタイルもあります。
FX取引の特徴の1つにレバレッジがありますが、低レバレッジで外貨積立商品のようなイメージで運用し、ドルコスト平均法を活用することも一案です。
ドルコスト平均法を使う場合は、長期的な運用が前提となるため、為替レートの変動を気にせずに運用できるというメリットがあります。 ただし、その半面、取引の経験を積みにくくなるという面もあります。通常のFX取引とは異なるトレードスタイルと認識するのが良いでしょう。
FX取引で利益を狙うには、投資経験を積むことが重要です。知識の習得と投資経験の積み重ねにより、自分のトレードスタイルを確立していけるよう、 バランスよく投資手法を使い分けることをおすすめします。
FX取引でドルコスト平均法を活用する場合には、以下の2つのポイントに注意して取引を行ってください。
それぞれのポイントについて、詳しく解説します。
ドルコスト平均法は長期の運用が前提となるため、低いレバレッジで取引する必要があります。高いレバレッジで取引した場合、 為替レートの変動によっては強制ロスカットが発生するリスクがあるためです。
また、FX取引では、建玉(ポジション)が増えるほど維持証拠金も増えます。そのため、建玉(ポジション)を増加させると同時に、 預け入れる証拠金も増やさなければ、ドルコスト平均法を活用した投資にならないので、注意しましょう。
レバレッジについては、こちらの記事で詳しく解説していますのであわあせてご確認ください。
ドルコスト平均法を活用した場合でも、FX取引では決済しなければ利益・損失は確定しません。 そのため、決済のタイミングを冷静に判断することも重要です。
決済のタイミングを冷静に判断するためには、 取引を始める前に「〇〇円の利益が出たら利確する」「〇〇円の損失が出たら損切りする」といった、わかりやすい目標を設定する方法もあります。 もちろん、取引に慣れてきたらテクニカル分析などを活用して決済のタイミングを見極めるのも一案です。
なお、セントラル短資FXでは、反対売買による決済のほか、ドルコスト平均法を活用して積み立てた外貨を外貨のまま受け取る「受渡決済」にも対応しています。
たとえば、レバレッジ1倍で、ドル円の買い建玉(ロングポジション)を少しずつ増やし、スワップポイントを受け取りながら、将来的に米ドルを受け取る というトレードスタイルの場合、ドルコスト平均法が大いに役立つと考えられます。
受渡決済については、こちらのページで詳しく解説しています。
外貨預金や投資信託で利用されるドルコスト平均法は、長期的に資産を形成するのに適した投資手法とされています。 長期間、定期的に一定額を投資することで、購入価格を平均化できます。
ドルコスト平均法はFX取引でも活用できます。低レバレッジでの取引が前提となるなど、同手法を活用する場合のポイントにも十分に留意しながら取り組みましょう。
今回が「はじめてのFX講座」の最後となります。
今回を含めて、全30回の講座でFX初心者に役立つトピックを解説してきました。
お読みいただき大変ありがとうございました。
本講座の記事を読んで少しでもFX取引に関心を持った方は、セントラル短資FXの「FXダイレクトプラス」で取引を始めてみてはいかがでしょうか。