FXの注文方法!
種類とメリット・特徴を解説
はじめてのFX講座-第9回

FXの注文方法!種類とメリット・特徴を解説【はじめてのFX講座-第9回】

前回の講座では、FX取引を行う際の判断の根拠となる、テクニカル分析について解説しました。FX取引の注文方法にはさまざまな種類があり、それぞれに特徴やメリット・デメリットがあります。 自分の投資スタイルや相場局面に応じて適切に使い分けることで、より利益を増やし、損失をおさえるFX取引を身に付けましょう。

今回は、FX取引の各注文方法の概要や使い分け方などについて、初心者向けに解説していきます。より利益を増やすFX取引をしていくための参考にしてください。

STEP01
FXの代表的な
7つの注文方法・種類

FX取引にはさまざまな注文方法があり、代表的なものとして次の7つがあります。

注文方法 概要
成行注文 売買レートを指定せずに注文する方法
指値注文 希望する売買レートをあらかじめ指定して注文する方法
逆指値注文 指値注文と同様に、あらかじめ希望する売買レートを指定する注文だが、 指値注文とは反対に「〇円より上がったら買う」もしくは「〇円より下がったら売る」 といった指定をする注文方法
IFD注文 新規注文と決済注文を同時に出す注文方法
OCO注文 異なる2つの注文を出し、どちらかが約定するともう一方が自動でキャンセルされる注文方法
IFO
(IFD-OCO)
注文
IFD注文とOCO注文を組み合わせた注文方法
トレール注文 為替レートの動きに応じて、利益確定や損切りをするレートを一定幅ずつ変化させる注文方法

それぞれの特性を理解し、相場の状況や自分のトレードスタイルに応じて最適なものを選択することで、取引の成績をアップさせましょう。

各注文方法について、詳しく解説していきます。

成行注文

成行注文とは、取引画面に提示されているレートで注文する方法です。注文ボタンを押した時点ですぐに売買の内容が確認され、問題なければ成立(これを約定といいます)します。 すぐに取引を約定させたいという場合に利用される約定優先の取引方法です。

成行注文の仕組み

レートを指定しないため、すぐに建玉(ポジション)を保有できるメリットがありますが、スリッページによって、思っていたレートで約定しない場合もあります。スリッページとは、 自分が約定したかったレートとずれたレートで約定してしまうことです。相場が大きく変動しているときには発生するリスクが高まるため、注意が必要です。

ただし、許容するスリッページは自分で設定することができる場合がほとんどですので、事前にしっかり確認しておくようにしましょう。 もし許容するスリッページ以上にレートが変動した場合、取引は約定しません。

なお、「成行注文」はFX会社によって名称や注文方法が若干異なる場合があります。セントラル短資FXの「FXダイレクトプラス」では、 「ストリーミング成行注文」といいます。

指値注文

指値注文とは、希望する売買レートをあらかじめ指定して注文する方法です。現在よりも安いレートで買いたいときや、高いレートで売りたい場面で利用します。約定に時間がかかってもいいので、 思っていたレートで取引したいという価格優先の取引方法です。

指値注文の仕組み

指値注文では、自分が設定したレートに達すると自動的に約定します。そのため、常に取引画面に向き合う必要がないという点がメリットです。一方で、希望するレートに達するまでは約定しないため、 約定までにかかる時間が読めないことや、相場の状況によっては結局約定しないケースもあります。

逆指値注文

逆指値注文とは、指値注文の逆で、現在よりも不利なレートになったら売買をする注文方法です。主に保有している建玉(ポジション)の決済注文に使われます。 現在よりも高いレートで買いたいときや、安いレートで売りたいときに利用します。

逆指値注文の仕組み

逆指値注文を利用すると、予期せぬ値動きがあった場合に発生する損失をおさえることが可能なため、損切り(ストップロス)に使われます。 また、トレンド転換時に新規注文として逆指値を使用することもできます。

IFD注文

IFD注文とは、新規注文と決済注文を同時に行う注文方法です。

たとえば、1米ドル/円=150円のとき、「149円に値下がりしたら買い、その後151円に値上がりしたら売りたい」と考えたとします。IFD注文では、「1米ドル/円=149円になったら買う」という新規注文と、 「1米ドル/円=151円になったら売る」という決済注文を同時に出すことができます。

IFD注文の仕組み

新規注文が約定すると、決済注文が自動的に発注されるため、エントリーから決済まで自動で行うことが可能です。IFD注文は、たとえば、日中は仕事をしているなどで、 常に取引画面を開いてチャートを確認する時間がないという人に便利な方法です。

OCO注文

OCO注文は、保有している建玉(ポジション)を決済するための、異なる2つの注文(指値注文と逆指値注文)を出す注文方法です。どちらかが約定すると、 もう一方は自動でキャンセルされます。

たとえば、1米ドル/円=150円の買い建玉(ポジション)を保有しているときに、「152円以上で売る」という利益確定のための指値注文と、 「148円以下で売る」という損切りのための逆指値注文を同時に出せます。

この場合、1米ドル/円=152円になると指値注文が約定し、逆指値注文は取り消されます。反対に、1米ドル/円=148円になると逆指値注文が約定し、 指値注文が取り消されるという仕組みです。

OCO注文の仕組み

利益確定と損切りを同時に設定できるというメリットがあります。

FX取引に限らず、100%うまく行く投資など存在しません。利益だけではなく、損失が発生しまうことも多々あります。自分が「どこまでの損失を許容できるか」ということをあらかじめ決めておくことは非常に重要です。 「建玉(ポジション)を保有したら必ずセットでOCO注文も入れる」くらいのリスク管理の姿勢が必要です。

IFO(IFD-OCO)注文

IFO(IFD-OCO)注文は、IFD注文とOCO注文を組み合わせた注文方法です。新規注文を発注すると同時に、利益確定のための指値注文と、損切りのための逆指値注文をセットで発注することが可能です。新規注文が約定すると、 その建玉(ポジション)を決済するための指値注文と逆指値注文が自動で発注されます。

IFOの仕組み

たとえば、1米ドル/円=150円のときに「149円になったら新規買い注文を出し、150円まで再上昇したら利益を確定する、 逆に148円に下落した場合には損切りする」というようなケースで使います。新規注文と決済注文を同時に設定するところではIFD注文を、利益確定と損切りの注文を同時に設定するところではOCO注文を使っていることになります。

IFO注文も、常に取引画面を開いてチャートを確認する時間がない、という人に便利な方法です。

トレール注文

トレール注文とは、保有している建玉(ポジション)に対して、有利な方向に相場が動いたときに利益確定や損切りをする水準を 一定の値幅で自動的に追いかけていく注文方法です。

損切りでトレール注文を利用する場合、たとえば1米ドル/円=151円のときに1,000米ドルを買う新規注文を出し、1米ドル/円=153円まで上昇、 その後1米ドル/円=150円まで下がってしまったとしましょう。

このとき、1米ドル/円=150円で損切りする決済注文を出していた場合は、1,000円の損失が出る計算になります(150円-151円×1,000=-1,000円)。

トレール注文を利用してトレール幅を1円に設定していた場合は、相場の上昇とともに損切りの決済注文が約定する水準も追いかけて上がっていき、1米ドル/円=152円が損切りレートとなります。 この場合は、1,000円の利益が出る計算になります(152円-151円×1,000=1,000円)。

逆に利益確定でトレール注文を利用する場合は、あらかじめ設定した指値注文のレートを超えて相場の上昇が続いても、 決済注文が約定する水準を追いかけるので利益の最大化を目指せます。

STEP02
FXの注文方法の使い分け方

FXの注文方法は、自分のトレードスタイル(基本的な投資スタイル・取引手法のこと)に合わせて適宜使い分けることが大切です。

主なトレードスタイルには、以下の3つがあります。

  • デイトレード
  • スイングトレード
  • ポジショントレード
    (長期トレード)

デイトレードは、数時間から1日の間に取引を完結させるトレード手法で、翌日にポジションを持ち越しません。スイングトレードは数日から1週間程度をめどに取引を完結させるトレード手法です。 ポジショントレードは、建玉(ポジション)を長期間保有して一定の利鞘を狙ったり、スワップポイントによる収益を狙うトレード手法です。

そのほかに、スキャルピングという、数秒から数分といった極めて短い時間に、売買を何度も繰り返して利益を積み上げていくトレード手法もあります。 スキャルピングは取引の難易度が高く、安定して利益を積み上げるには取引経験や分析力が必要なため、初心者向けではありません。

「この手法であればこの注文方法」といった決まりはありませんが、自分に合うトレードスタイルを意識して注文方法を使い分けるとよいでしょう。

STEP03
FXの注文をする時の注意点

FX取引をする際は、次の4点に注意して取引を行いましょう。

  • 誤発注に注意する
  • スリッページが発生する
    ケースを把握しておく
  • 取引数量やレバレッジが
    大きくなりすぎないようにする
  • 損切りの注文を入れる

誤発注に注意するのはもちろんですが、「スリッページ」などのリスクについても知っておかなければなりません。前述のとおり、スリッページは自分が発注したかった為替レートと、 実際に約定した為替レートのずれのことです。相場が大きく変動し、為替レートが目まぐるしく上下しているときは、注文してからFX会社のサーバーを介して約定するまでにかかるわずかな時間差によって生じることがあります。

FX取引に慣れるまでは、たとえ損失が出てしまったとしても、それが最小限となるように取引数量を少なくし、レバレッジを低めにすることも大切です。

また、新規注文をする際には、損切り注文(逆指値注文)も同時に入れるようにしましょう。為替変動リスクへの対策になります。損切りをせずに、 いわゆる「塩漬け」の状態にすると、損失がより拡大する可能性があり、タイムパフォーマンスも低下してしまいます。

STEP04
FX初心者がまず覚えたい
注文方法

FX初心者が最初に覚えたい注文方法は、「成行注文」「指値注文」「逆指値注文」の3つです。まずは、これらの注文方法についてしっかりと理解したうえで、取引を始めるようにしましょう。

「IFD注文」「OCO注文」「IFO注文」「トレール注文」はどれも便利な注文方法ですが、仕組みを理解するのがやや難しい部分もあります。まずは基本的な注文方法からスタートし、 各注文方法のメリット・デメリットを理解したうえで、徐々に取り入れるようにしましょう。

STEP05
スマホアプリを使った
FXの注文の手順

「FXダイレクトプラス」のスマホアプリ

スマホアプリを使ってFXの注文を進めるケースも少なくはありません。ここでは、「FXダイレクトプラス」のスマホアプリでFX取引を行う場合の大まかな手順を簡単にご紹介します。

ウィジェット機能はアプリダウンロード後、すぐにお使いいただけます。

アプリダウンロード

注文の流れ

  • step01

    ユーザーIDと
    パスワードを
    入力しログインする

  • step02

    新規発注する
    通貨ペアを選択する

  • step03

    注文タイプを
    選択する

  • step04

    注文内容を
    入力する

  • step05

    確認・実行
    ボタンをタップする

注文する際はマニュアルを適宜参照し、誤発注に注意しましょう。

KEY POINT
FXの注文方法の種類・
違いと仕組みを理解しておこう

FX取引の代表的な注文方法は7つあり、それぞれ特徴やメリット・デメリット、有効な局面などが異なります。FX取引で利益を得るには、 各注文方法について理解したうえで、自分のトレードスタイルに合ったものを選ぶことが大切です。

状況に応じて注文方法を使い分けると、より大きな利益を狙えるのはもちろん、損失のリスクを軽減できる可能性があります。FX初心者のうちは、まずは成行注文・指値注文・逆指値注文についての理解を深めておき、 FX取引に慣れてきた段階でほかの注文方法を取り入れることを検討するのがよいでしょう。

FX取引では、買い・売りの注文をしてから、決済をしていない状態を「建玉(ポジション)を保有している」といいます。 次の講座ではこの建玉(ポジション)について、より詳しく解説していきます。