セミリタイアで必要な生活費はいくら?
実現のための目標設定と方法を解説

セミリタイアで必要な生活費はいくら?実現のための目標設定と方法を解説

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松田 聡子 氏

日本FP協会認定CFP・DCアドバイザー・証券外務員二種

松田 聡子 氏

明治大学卒業後、ITエンジニア、国内生保での法人営業を経て、2007年より独立系FPとして開業。コンサルティングの他、企業型確定拠出年金講師や執筆活動に従事。人生100年時代を最後まで自分らしく生きるためのお金のアドバイスと情報発信がライフワーク。

最近、「セミリタイア」「FIRE」など退職をイメージするキーワードが目につくようになりました。
「会社に縛られことなく経済的に自立する」というライフスタイルが注目されています。そのような考え方に共感できても、実現は難しいと思っていませんか?
今回はセミリタイアに関心がある人のために、実現のための目標設定や資産形成の方法について解説します。

セミリタイアとは

最初に「セミリタイア」とはどのような状態を指すのかを解説します。

セミリタイアとリタイアの違い

「セミリタイア」と「リタイア」の違いはどこにあるのでしょうか?
リタイアとは、完全に退職をし、労働収入を得ずにセカンドライフを送ることです。一方、セミリタイアはメインの仕事を退職しても、アルバイト程度の収入や投資の不労所得などで生活していくことを意味します。

セミリタイアのメリット

会社に縛られず、自由な生き方ができるセミリタイアのメリットを見ていきましょう。

■仕事のストレスから解放される

セミリタイアをしたいと考える人の多くは、仕事でのストレスを抱えているのではないでしょうか?企業では業績に対するプレッシャーや人間関係などで、精神的に病んでしまう人も少なくありません。そのような状況から脱け出せることは、セミリタイアの最大のメリットといえます。

■適度に社会との接点を持てる

セミリタイアをしても自分のペースでアルバイトなどをすれば、社会とのつながりは保てます。投資で収入を得る場合も、オンラインサロンなど情報交換をする場もあるので、同じ志を持った人との出会いがあります。セミリタイアであれば自分で時間をコントロールしながら、最適なワークライフバランスを取れるようになります。

■自由に使える時間が増える

セミリタイアによって仕事に費やす時間の割合が減ると、自由に使える時間が増えます。若いうちにしかできないチャレンジをしたり、オフシーズンに家族と旅行に行くなどの貴重な経験ができるでしょう。

セミリタイアのデメリット

上述したようにセミリタイアは大きなメリットが多いですが、デメリットもあります。

■収入が減る

セミリタイアの収入源は、主にアルバイトなどの労働による収入や、投資による不労所得です。投資の運用利回りは想定どおりにいくとは限らず、資産を取り崩すことも考えられます。収入の安定はセミリタイアにとって重要な課題です。セミリタイア後の資金計画は慎重に立てましょう。

■再就職が困難

セミリタイアした人がさまざまな事情で再就職を目指すことになった場合、ブランクの期間によっては再就職が難しいことも考えられます。特に40代以上になると、正社員として就職するのは簡単ではありません。

年齢が高くても採用されるには、専門的なスキルや経験が求められます。セミリタイアを目指すなら一時的な感情でなく、人生設計全体をよく考えたうえで実行するようにしましょう。

■社会的な信用が低くなる

会社員や公務員としての身分保障がなくなると、社会的な信用は低くなります。「住宅ローンの審査に通らない」「賃貸住宅に入居できない」「クレジットカードが作れない」などの制約が出てくる可能性があることを頭に入れておきましょう。

ローンを組む場合、セミリタイア前の会社員のうちに済ませておくようにしましょう。

セミリタイアで必要な生活費

セミリタイアで必要となる生活費は、個人の望む生活レベルによって異なります。「以前の生活と同等」「よりゆとりある生活をしたい」「質素倹約でつつましく暮らす」など、理想の生活をイメージしましょう。

ちなみに政府統計ポータルサイト(e-Stat)のデータによると、2020年2人以上世帯の1カ月の生活費の平均は約28万円、単身世帯では約17万円でした。

セミリタイアでの収入

セミリタイア後の収入は、主に労働収入と金融資産による不労所得の2つです。

労働収入

労働収入をどの程度見積もるかはセミリタイアの計画上、とても重要です。セミリタイア後の必要生活費のうち労働収入で賄う割合が高いと、それだけ多く働かなくてはなりません。セミリタイアの目的が叶うような働き方を考えましょう。

金融資産

セミリタイアの場合、定年退職と違い、リタイア後の期間が長期にわたります。そのため、セミリタイア前に金融資産を確保することが大事になってきます。まずは生活費を見直し支出を減らすところから始めて、金融資産づくりに臨みましょう。

セミリタイア後は資産を取り崩さず、運用益を不労所得として生活費に充てることが望ましいといえます。米国でブームになった「FIRE」では、年間生活費の25倍の資産を4%で運用できれば、資産を取り崩さずに生活できるといわれました。

セミリタイアでは労働収入があるため、年間生活費の25倍までの資産は必要ないかもしれませんが、毎月の不労所得から逆算して、セミリタイアに必要な金融資産を計算しましょう。

セミリタイアの資産作り

セミリタイア実現のための資産形成には、どのような方法があるのでしょうか。

預貯金で準備するとしたら

セミリタイアのための資産を預貯金で準備することを考えてみます。預貯金は金利が低いため、運用益で生活することは期待できません。よって、預貯金を取り崩し生活していくことになります。仮に金融資産からの収入が毎月15万円必要だとすると、年間180万円です。

40歳でセミリタイアして老後の資金まで準備するとなると、90歳まで生きるとして50年分は準備しなくてはなりません。50年分の生活費は約9,000万円(180万円×50年分)です。これを40歳までに全部預貯金で準備するのは現実的ではありません。

インデックス投資などを利用する場合

インデックスファンドなどの金融資産への投資は、セミリタイアのための資産づくりの選択肢になります。インデックス投資とは、インデックスファンドを買うだけのシンプルな方法です。

たとえば、資産3,000万円でセミリタイアすると、利回り4%の運用益は年間120万円となります。利回りはあくまで想定であり、この通りになる保証はありませんが、自分の生活費をどれくらい賄えるかの目安となります。

FX投資で資産づくり

FX(外国為替証拠金取引)はハイリスクハイリターンなイメージがあり、長期的な資産形成に向かないと思っている人も多いのではないでしょうか。FXは目的によってさまざまな投資手法があり、初心者から上級者まで取り組める投資といえます。

最近ではスワップポイントや自動売買の活用で、大きな利益を狙うよりコツコツ利益を積み重ねる投資スタイルも広がってきました。

FXの運用益は、外貨の売買による為替差益と2通貨の金利差を調整するスワップポイントです。多くのFX会社で1,000通貨から取引できます(米ドルなら1,000米ドル)。また、レバレッジの活用で、差し入れた証拠金の25倍までの取引が可能です。

ただし、レバレッジを上げると利益も大きくなりますが、損失も大きくなるので、生活に支障をきたさないよう計画的に活用するようにしましょう。

FX投資のメリット

セミリタイアをするうえで、FX投資にはどんなメリットがあるのか解説します。

少額からの投資が可能

FXは少額からの投資ができるため、資金の少ない人、リスクに慣れない人も取り組める投資です。1米ドル=110円だとすると、1,000米ドルなら11万円になります。

24時間取引可能

FXは平日であれば24時間取引できます。主要な市場であるロンドンは日本時間の16時から、ニューヨークは21時からのスタートです。昼間仕事で忙しい人でも、帰宅後は海外の市場が活発になる時間帯になります。

会社員でもFXのトレーダーが多いのは、そのためです。

自動売買も活用できる

最近はFX会社ごとにさまざまな自動売買サービスが提供されています。自動売買ではエントリーも決済も自動で行ってくれるので、取引画面を見続ける必要がありません。

時間のあるときに状況確認をして調整すればいいので、仕事を持つ人も負担なく取引できます。

注意事項

FX以外の各投資商品の内容についてのお問い合わせは受け付けていませんので、あらかじめご了承ください。