テクニカル分析とは?

テクニカル分析とは、過去の値動きをグラフ化したチャートを使って相場を分析・予測する手法で、相場のエネルギーや方向性を歴史的・客観的データに基づいて評価することから、売買のタイミングを見極める手段として有効とされています。

テクニカル分析には、①値動きのトレンド、強さを分析するための「トレンド系」と、②買われ過ぎ、売られ過ぎを判断するための「オシレーター系」の2とおりあります。

type01トレンド系

①のトレンドとは、相場が動いていくやや長めの方向をいいます。為替相場は、細かい上下を繰り返しながら、しばらく一定方向に進む特徴があります。この流れを把握して、それに乗っていくための分析をトレンド分析といいます。
そのため、値動きに方向感があるときに順張りの投資をしようとする場合に用いられます。移動平均線やポイントアンドフィギュアなどが代表的です。
売買にあたって重要なニュースや経済指標などを参考にすることも大事ですが、トレンド分析を使うと、売買のポイントがより見えやすくなります。

移動平均線

移動平均線

ポイントアンドフィギュア

ポイントアンドフィギュア

移動平均線

トレンド分析でよく用いられる移動平均線は、一定期間の相場の平均値をグラフにしたもので、その仕組みのわかりやすさから、多くのトレーダーが相場のトレンドを確認する目的で利用しています。
平均値を出す対象とする期間の長さによって、短期線(5日、7日、14日)、中期線(21日、50日)、長期線(90日、180日、200日)にわかれますが、一般的に7日、21日、90日が使われることが多いようです。

複数の移動平均線が交わることをゴールデンクロスやデッドクロスと呼び、トレンドの終わり、または転換のシグナルとして認識します。

例えば、短期移動平均線が中・長期移動平均線を下から上に抜けるとゴールデンクロスとなり、買いのシグナルとされます。逆に上から下に抜けるとデッドクロスとなり、売りのシグナルとされます。

移動平均線について

ポイントアンドフィギュア

同じトレンド系のポイントアンドフィギュアは、縦軸に価格をとり、横軸に時間の概念がない「不規則時系列チャート」です。
一定の幅を超える値動があるとチャート自体が右側に進んでいくことから、視覚的に大きな波を把握しやすく、小さな値動きにとらわれない大局的な分析ができます。

グラフ上にマス目が設けられ、あらかじめ決めた値幅以上の値動きがあったときに、マスに上げ方向なら「×」印や下げ方向なら「○」印が書き込まれていきます。

売買シグナルとしては、1つ前の「×」印の列の高値を上回った「×」印を記入したときが買い時、逆に、1つ前の「○」印の列の安値を下回った「○」印を記入したときが売り時とされます。

高値・安値を超えられない価格のラインを抵抗線・支持線といい、これを上や下に抜けると一気に動きが加速する傾向があるため、トレンドの転換点と認識されます。

また、○と×の組み合わせによって、何種類か信頼性の高い売買シグナルパターンがあります。

ポイントアンドフィギュア

type02オシレーター系

これまで説明したトレンド系とは異なり、現在の価格が買われ過ぎか、売られ過ぎかを判断するための分析手法です。
一般に、トレンドが発生しているときよりも、揉み合いが続いているときのほうが、有効に機能します。
代表的な指標は、ストキャスティクス、RSI、MACD、ボリンジャーバンドなどです。

RSI

RSI

ボリンジャーバンド

ボリンジャーバンド

ストキャスティクス

ストキャスティクスの基本となるラインは「%K」「%D」と呼ばれます。%Kが%Dを下から上に抜けたときが買い、上から下に抜けたときが売りのシグナルで、%Kも%Dも80%以上だと買われ過ぎ、20%以下だと売られ過ぎなので、80%以上で売りシグナルのときに売り、20%以下で買いシグナルのときに買うと、相場がそのサインと逆の方向に動いていく、いわゆる「ダマシ」に引っかかる恐れが少ないと考えられます。

ストキャスティクス

RSI

RSIも買われ過ぎ、売られ過ぎを判断するための指標で、70を上回ると買われ過ぎ、30を下回ると売られ過ぎとされます。計算日数は9日~15日が基本で、日数が少ないほど70%を上回る、または30%を下回ることが多くなります。それだけ短期の動きに追随しやすくなりますが、一方で「ダマシ」も多くなるので、判断を間違ったと思ったらすぐに損切りができることが求められます。

RSI

MACD

「Moving Average Convergence Divergence」の略で、移動平均線を応用したテクニカルチャートとして開発されました。MACDラインとシグナルラインの2本のラインを用いて相場を読む手法です。

長短2つの移動平均値の差分を1本のラインで表したMACDラインと、MACDラインの値をさらにある期間で平均したシグナルラインを組み合わせて売買のタイミングを見極めます。

MACDチャートは、2本の線だけで示されるため、売買のサインが見やすく、使いやすいチャートのひとつです。

MACD