独身の人がセミリタイアするにはいくら必要?30代・40代・50代で調査

独身の人がセミリタイアするにはいくら必要?30代・40代・50代で調査

▼ この記事を書いた人

木内 菜穂子 氏

ファイナンシャルプランナー1級・AFP・日商簿記2級・年金アドバイザー3級

木内 菜穂子 氏

金融機関、税理士事務所、救急医療系財団法人を経て、結婚を機に退職。現在は、金融・保険ライターとして4年半ほど執筆活動中。

皆さんの中には「セミリタイア」に憧れを持っている人も多いでしょう。

社内や取引先との人間関係に疲れ果てる毎日から卒業し、自分らしい時間の使い方でゆったりと過ごしていきたいものです。

しかし、セミリタイアを実現するためには「やるべきこと」があり、その中のひとつに「貯蓄」があります。

そこで今回は、セミリタイアを現実のものとするためには、いくら貯蓄をしておけば良いのか、具体的な金額をシミュレーションしていきます。
また、セミリタイアをするメリットや、貯蓄をするためにおすすめのお金の稼ぎ方も紹介しますので、併せて確認していきましょう。

セミリタイアとは?用語を簡単に解説

セミリタイアとは、あらかじめまとまった貯蓄をしたうえで、定年退職を待たずに会社を退職し、自分らしい時間の過ごし方を選ぶライフスタイルのことをいいます。

「リタイア」という言葉から、完全に仕事をしなくなるというイメージがありますが、あくまでも退職するのはメインの仕事であり、退職後は資産運用や非定期の仕事に就きながら生活をしくことが多いです。

また、セミリタイアと同じように用いられるものに「アーリーリタイア」や「FIRE」がありますので、どういったものなのか簡単に解説します。

アーリーリタイア

定年退職を待たずに、30代~50代のうちに会社を退職することをいい、セミリタイアはアーリーリタイアの一種となります。アーリーリタイアには、退職後に一切仕事をしない「完全リタイア」と、自分のペースで自由に仕事をする「セミリタイア」があります。

FIRE

FIREは「Financial Independence, Retire Early」を略した言葉で、「経済的自立と早期リタイア」という意味があります。FIREは、一生分の生活費を貯蓄してから退職するのではなく、ある程度のまとまった資金を用意しておき、それを運用し、得られる収入で生計を立てていきます。

完全リタイアの場合は、貯蓄を切り崩して退職後の生活に充てますが、FIREは貯蓄を切り崩さずに運用益をメインに生活することを目的としています。

セミリタイアするメリット

それぞれの意味を理解したところで、憧れのセミリタイアのメリットについて詳しく確認していきましょう。

自由な時間が持てる

セミリタイアの大きなメリットのひとつに「元気なうちに自由な時間が持てる」ということがあります。

一般的に、65歳で定年退職をする場合は、やっと会社員生活から卒業できても、体力的にも精神的にも疲れやすくなっていて、病気にかかるリスクも高くなります。

しかし、セミリタイアであれば30代~50代といった若く体力のあるうちに自由な時間が持てるので、できることの幅も広がります。

ひとりでゆったりと過ごす時間を多く確保できたり、オフシーズンに旅行に出かけたり、新しいことに挑戦したりと、好きなことや興味のあることにチャレンジしやすいというメリットがあります。

仕事上の人間関係から解放される

仕事上の人間関係から解放され、ストレスフリーな生活を送れるというメリットもあります。

会社員の場合は、1日8時間、1週間に5日が基本勤務で、さらに毎日の残業や土日出勤などがあり、自分らしい時間の過ごし方ができないことが多いです。
さらに、会社内の人間関係や取引先への対応など、日々人間関係がついてまわりストレスが溜まることが多いでしょう。

セミリタイアであれば、自分のペースで仕事ができるので、無理のない範囲で社会とのつながりを保つことができ、なおかつ苦手な人との接触は可能な限り避けることができるので、人間関係のストレスを減らすことができます。

【年代別】セミリタイアに必要なお金

【年代別】セミリタイアに必要なお金

セミリタイアをするには、会社を退職する前に貯蓄をしておかなくてはなりませんが、セミリタイアをする年齢によって必要な貯蓄額が異なります。

まずは、30代・40代・50代でセミリタイアした場合に、それぞれその後の生活にいくらかかるのか(支出額)を計算してみましょう。

政府統計ポータルサイト(e-Stat)のデータによると、2020年の単身勤労者世帯の平均消費支出額は月額168,965円という結果が出ています。

では、35歳、45歳、55歳でセミリタイアし、90歳まで生存した場合の生活費のシミュレーションをしてみます。
なお、1か月の生活費168,965円は約16.9万円として計算します。

たとえば、35歳でセミリタイアした場合は、
16.9万円×12か月×55年間(90歳-35歳)=1億1,154万円と計算します。
45歳と55歳も同様です。

セミリタイアする年齢 セミリタイア後に必要な生活費
35歳 1億1,154万円
45歳 9,126万円
55歳 7,098万円

それぞれの年齢の退職後の生活費合計額は、上表のようになります。

大変高額になりますが、セミリタイアの年齢までに全額必要というわけではありません。セミリタイア後も自分のペースで働くことで、生活費の補填は調整が可能です。

では、30代・40代・50代でセミリタイアする場合について、それぞれ詳しく解説していきます。

30代でのセミリタイア

30代でセミリタイアする場合に、セミリタイア後の生活費としていくら貯蓄しておけばいいのか、見ていきましょう。

セミリタイア後の収入を月々2万円、5万円、10万円、15万円を得る想定で、セミリタイア前に貯蓄しておくべき金額をシミュレーションしていきます。

ここでは35歳でセミリタイアした場合を例とします。
計算式は「(毎月の生活費-毎月の収入)×12か月×(90歳-35歳)
」で、たとえば毎月2万円ずつの収入を得る場合は、以下のように計算します。

(毎月の生活費-毎月の収入)×12か月×(90歳-35歳)
=(16.9万円-2万円)×12か月×55年
=9,834万円

つまり、セミリタイア後に毎月2万円ずつ収入がある場合は、セミリタイア前に約9,834万円を貯蓄しておく必要があることになります。
それ以降の金額でも同様に計算すると、以下のような結果となります。

セミリタイア後の月収 セミリタイア前に貯蓄する金額
2万円 約9,834万円
5万円 約7,854万円
10万円 約4,554万円
15万円 約1,254万円

セミリタイア後に得る収入によって、貯蓄しておくべき金額が大きく異なります。

40代でのセミリタイア

40代でセミリタイアする場合に必要な貯蓄額を見ていきましょう。ここでは、45歳でセミリタイアし90歳まで生存した場合でシミュレーションしていきます。

35歳でセミリタイアする場合と同様に、セミリタイア後の収入を月々2万円、5万円、10万円、15万円を得る想定で、セミリタイア前に貯蓄しておくべき金額を計算します。

セミリタイア後の月収 セミリタイア前に貯蓄する金額
2万円 約8,046万円
5万円 約6,426万円
10万円 約3,726万円
15万円 約1,026万円

上表から、45歳でセミリタイアし、セミリタイア後に毎月5万円ずつの収入を得る場合は、約6,426万円の貯蓄が必要になります。35歳でセミリタイアし毎月5万円ずつの収入を得る場合と比較すると、約1,400万円貯蓄が少なくても済むことがわかります。

50代でのセミリタイア

50代でセミリタイアする場合に必要な貯蓄額も見ていきましょう。
55歳でセミリタイアし90歳まで生存した場合でシミュレーションしていきます。

セミリタイア後の月収 セミリタイア前に貯蓄する金額
2万円 約6,258万円
5万円 約4,998万円
10万円 約2,898万円
15万円 約798万円

55歳でセミリタイアをする場合は、会社員生活が長い分、その後の生活費のための貯蓄負担が大幅に軽減されることがわかります。

セミリタイアを達成するための方法

セミリタイアを実現するためには、効率よくお金を稼いで貯蓄できることが望ましいです。
毎月の給料から預金をするのももちろん良いですが、ほかにもおすすめの方法が3つありますので紹介します。

資金を稼ぐ3つの方法

セミリタイアに向けた貯蓄におすすめの方法として、「株式投資」、「不動産投資」、「FX」があります。それぞれの特徴を見てみましょう。

■株式投資

株式投資は企業が発行した株式を売買する投資方法で、投資家には「値上がり益(キャピタルゲイン)」、「配当金(インカムゲイン)」、「株主優待」を得られるメリットがあります。

値上がり益(キャピタルゲイン)は、株を安く買って高く売ることで得られる利益のことで、たとえば10万円で買った株が1年後に12万円になった場合は、15万円-12万円=3万円の利益となります(手数料は別途)。

配当金(インカムゲイン)は、企業の業績が好調で利益が出た場合に、利益の一部が株主に還元されるもので、業績によって金額が変わります。

株主優待は、企業から株主へ自社製品やサービスなどをプレゼントすることで、株主優待を目当てに株を購入する投資家もいます。ただし、企業によっては株主優待を取り入れていないところもありますので、購入前に確認が必要です。

■不動産投資

不動産投資とは、投資家が直接ワンルームマンションやアパート、オフィスビルなどを購入し、賃貸物件として貸し出すことで収益を得る投資方法のことをいいます。

部屋を貸す場合は、一般的に年単位で契約することが多いため、長期的に安定した収入を得られるというメリットがあります。

また、入居者の募集や対応、集金、物件の修繕といった細かい業務は不動産管理会社に委託することで、投資家はほとんど手間がかからずに利益を得ることができます(委託料の支払いは必要)。

ほかにも、物件を購入するときにローンを組む場合は、団体信用生命保険に加入する必要があるため、死亡保険代わりに活用できたり、所得税や相続税の節税効果が期待できたりというメリットもあります。

■FX

FX(Foreign Exchange)とは、「外国為替証拠金取引」のことをいい、「日本円→米ドル」など、異なる通貨を売買した際に生じる差額によって利益を得る取引のことをいいます。

平日の24時間いつでも取引ができるので、日中は仕事が忙しい会社員でも、仕事終わりやスキマ時間を活用して取り組めるというメリットがあります。

また、FXの大きな特徴として、「レバレッジをかけられる」ということがあり、日本では最大25倍までかけることができます。つまり、証拠金としてFX会社に10万円を預けた場合は、25倍の250万円までのFX取引ができるということです。

このように、少ない金額で大きな取引ができるだけでなく、売り・買いの両方で利益を得るチャンスがあることや、取引コストが安いなどのメリットもあり、会社員でも取り組みやすい特徴を持っています。

FXが向いている人

FXは、会社員でも働きながらできる副業として取り組みやすい商品ですが、特に次のような人に向いている投資方法といえます。

■長期的な計画を立てることができる人

FXは、長期的な投資計画を立て、それに基づいて取引をしていける人が向いています。

短期間で大きな利益を上げようとせず、たとえば「年単位でこのくらいの利益を目指そう」といった長い目で取り組める人におすすめです。

FXは投資方法のひとつなので、投資戦略や目標とする利益金額、損失の許容範囲などをしっかりと把握し計画的に取り組むことが大切です。

■無理がある一発逆転を狙わない人

損失などのリスクや資金管理ができるということも重要なポイントです。

損失が出たときに「なんとかして取り戻そう!」、「一発逆転を狙おう!」と、まるでギャンブルのように考えてしまう人は要注意です。

たとえ損失が出ても慌てずに、日々の取引をしっかりと管理し、損失の限度を決めておくことで、より効果的な取引ができるでしょう。

■冷静な判断を心がけている人

FXのような投資商品では、必ずしも利益が出るとは限らず、損失を被ってしまうこともあります。

その場合に、焦って取り戻そうとするのではなく、「なぜ損失が出たのか」という原因分析を冷静に判断できる人が向いています。

損失が出るたびに原因を分析することで、自分が損失を出しやすい局面やタイミングなどがおのずと見えてきますので、損失を出したピンチをチャンスに変えることができると良いでしょう。

まとめ

セミリタイアを考えている人は、まず貯蓄をすることから始める必要があります。

セミリタイアをする年齢やセミリタイア後の月収などにより、貯蓄しておくべき金額が異なるため、現在の貯蓄額や今後の貯蓄可能額、セミリタイア後の収入などについて細かく検討することが大切です。

また、会社員として働きながら貯蓄をするには、今回紹介したFXなどを取り入れて、効率的に貯蓄を増やしていくと良いでしょう。

注意事項

FX以外の投資商品の内容についてのお問合わせは受け付けていませんので、あらかじめご了承ください。