FIRE(経済的自立)を実現してセミリタイア生活へ

FIRE(経済的自立)を実現してセミリタイア生活へ

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中村 奈津紀 氏

1級ファイナンシャル・プランニング技能士

中村 奈津紀 氏

岐阜県出身。10年以上の金融機関勤務経験を経て2021年5月独立。金融機関在職中の2019年3月、1級ファイナンシャル・プランニング技能士の資格を取得。2020年12月、宅地建物取引士試験に合格。

2000年以降に成人を迎えた「ミレニアル世代」を中心に、「FIRE」という概念が注目されています。これは「Financial Independence, Retire Early」の略語で、「経済的自立と早期リタイア」を意味しています。
アメリカでブームになり、日本でも使われるようになりました。FIREは倹約と投資がセットで考えられることもあり、誰でも目指せることが注目される理由の1つです。
以下では、FIRE実現のための目標設定の仕方と、実現のための具体的な投資法をご紹介します。

FIREの「4%ルール」とは?

FIREを実現するための目安として、「4%ルール」というものがあります。これは、「生活費を投資元本の4%以内に抑えれば、資産を取り崩さずに生活できる」という考え方です。年間支出の25倍の資産があれば、年利4%の運用益で生活費を賄うことができます。

4%ルールの目標設定

たとえば、月間の生活費が20万円(年間240万円)なら、6,000万円(240万円×25)の資産を年利4%で運用すると、年間240万円(6,000万円×4%)の生活費が不労所得で得られることになります。
「もっとゆとりある生活」を願い、月間30万円(年間360万円)を目標とするなら、9,000万円(30万円×25)の資産が必要になります。
ただし、4%の運用成績を保証する投資法というものは存在しません。また、急な病気や失業で資産を取り崩す必要が生じて、計画が狂ってしまう可能性もありますので、この目標設定はあくまで目安と考えておきましょう。

■ストイックな節約が必要…?

FIREの実現のためには、節約も大事です。アメリカでは、貯蓄率70%が推奨されているほどです。手取り月収20万円の人なら14万円を投資に回し、残りで生活を賄うことになります。そこまでは無理な場合、投資に回すお金を手取りの50%程度にして、投資を始めるまでの準備期間を長くするのも方法の1つです。

4%ルール達成のためにできること

4%ルール達成のためにできること

ここからはFIREを達成するための具体的な投資法を紹介します。

株式投資

FIREの投資先で非常に人気が高いのが、アメリカの高配当株式です。
FIREという考え方が生まれたのは、アメリカの若年エリート層が競争社会を嫌い、スローライフを送りたいと考えるようになったのがきっかけといわれています。そのため、4%という数字は、アメリカのS&P株の成長率7%から、インフレ率3%を差し引いて計算されたのです。アメリカでは配当利回りが3~5%の銘柄は珍しくありません。このような高配当銘柄の株式を長期間保有して配当金を得ることが、高配当株式投資の基本戦略です。4%ルールと配当利回りがマッチした投資法といえます。

■配当金の再投資で資産形成

運用益で生活できる資産を形成するには、配当金を使ってしまわずに再投資を繰り返すことで複利効果を狙うのがポイントです。例えば、投資元本が100万円で年利回りが4%の場合、1年後には104万円になります。さらに、その104万円を再投資して年利回り4%で運用すると、1年後は元本100万円に利息がつき合計108万円になるのではなく、104万円に対して4%の利息がつくので、108万1,600円になります。

また、連続増配ができる企業は好業績が続いているということなので、インカムゲイン(配当金)だけでなく値上がりによるキャピタルゲイン(売却益)も狙えます。ただし、この投資法でFIREを達成するには、ある程度まとまった資金があった方が効果を発揮しやすく、資金が少ない場合は時間がかかってしまいます。

不動産投資

不動産投資は、アパートやマンションなどを取得し、第三者に貸し出して家賃収入を得る投資法です。不動産投資には株式などの金融資産への投資と異なる特色があります。その1つが、入居者がいれば最初から一定の所得が見込めることです。不動産を取得するには、少なくとも数百万円の資金が必要です。しかし、ローンを組むことにより、自己資金より高額な物件を取得することもできます。

■不動産投資のレバレッジとは?

不動産投資における「レバレッジ」とは、ローンを活用して自己資金を超える額の物件を取得して家賃収入を狙うことです。
たとえば、1,000万円の自己資金を年利4%で運用する株式投資の場合、年間の運用益は40万円です。同じ自己資金にローン1,000万円をプラスする形でレバレッジを掛けて不動産に投資すると、年利4%で80万円の運用益が得られます(*)。
FIREに必要な所得を得るに当たり、金融商品より効率的に資産を運用することが期待できるわけです。
*この中からローンの金利を返済し、元本を返済します

FX

FX(外国為替証拠金取引)は証拠金という仕組みを活用して、外貨の売買をする投資です。差し入れた証拠金の25倍までの取引ができ、その倍率を「レバレッジ」といいます。不動産投資にもレバレッジという言葉はありますが、どちらも少ないお金で大きなお金を動かすという意味になります。FXで1万通貨というと、円なら1万円、米ドルなら1万米ドルです。1米ドルが100円の場合、1万米ドルは100万円になります。しかし、FXはレバレッジが活用できるので、100万円の自己資金は必要ありません。レバレッジが25倍なら4万円の証拠金で取引可能です。

■為替差益

FX の利益には為替差益とスワップポイントがあります。
1ドル=100円のときに米ドルを購入し、1ドル=110円のときに売却すれば、10円の為替差益を得られます。1万通貨の取引をした場合、為替差益は10万円です。最低4万円の証拠金で10万円の為替差益が得られるということになります。
また、FXでは、値下がりすると思う通貨を「売り」から入ることも可能です。この場合は、値下がりにより為替差益を狙います。
ただし、想定と逆方向にレートが動いた場合には、為替差損が発生します。

■スワップポイント

スワップポイント(スワップ)とは、2通貨の金利差のことです。金利の低い通貨を売って金利の高い通貨を買うと、2つの通貨の金利差調整分を受け取れます。逆の場合、金利差調整分を支払うことになります。

FXのレバレッジを効かすことで、損失が倍増する可能性もありますが、少ない投資額で効率よくスワップ収益を得ることができます。FXの特徴を上手に活用できれば、株式投資などより少ない資金でFIREの達成が期待できます。

FXでの資産形成が適している人とは?

FXでの資産形成が適している人とは?

FXのレバレッジやスワップなどの仕組みを上手に活用すれば、効率的にFIREの実現を目指せます。ここでは、FXでの資産形成が適している人について解説していきます。

投資の資金があまりない人

FXのレバレッジは、少ない自己資金で高額の取引ができるのが特徴です。まとまったお金はないけれど、資産を作っていきたい人に大きなメリットがあります。
たとえば、株式などで毎月1万円、年間12万円の運用益を得るなら、利回り4%を達成するための必要資産は300万円です。
一方、毎月1万円、年間12万円を得るためのFXのスワップポイント投資の必要資金はいくらでしょうか。次のような条件で試算します。(以下の試算は、2020年10月のデータを基にしたもので、想定レートやスワップポイントは日々変動します。場合によってはより多くの取引通貨数が必要になります。)

  1. 通貨ペア メキシコペソ/円
  2. 想定レート 5.5円
  3. 1万通貨あたりのスワップポイント 6円
  4. ポジション 買
  5. 取引通貨数 60万通貨

この場合、1カ月分のスワップ合計額は10,800円、年間12万9,600円です。証拠金100万円で実効レバレッジは3.3倍となります。レバレッジ1倍では330万円の資金が必要になりますが、2倍、3倍とすると必要資金が1/2,1/3と少なくなります。
金利は変動するため、将来にわたってこの結果が保証されるわけではありません。しかし、レバレッジの活用で少ない資金で効率よく運用できるので、投資の資金があまりない人にも適していることがわかります。

平日忙しい人

仕事や家庭の事情で平日、トレードの時間を確保できない人には、FXの自動売買取引(システムトレード)の利用が解決策の1つになります。自動売買取引とは、あらかじめ取引ルールを設定することでシステムが自動で取引をしてくれるサービスです。自動売買のシステムはFX会社によってさまざまなので、自分のスタイルに合ったものを選びましょう。
自動売買取引では、設定した通りに注文してくれるので、取引のチャンスを逃しません。また、人間の感情に左右されないため、ルールに則ったリスクコントロールができます。

FXのリスクとは

FXは小口の資金で為替差益やスワップポイントなどを狙う取引ができますが、注意すべきリスクもあります。

市場変動による強制ロスカットと金利・相場変動

■強制ロスカットとは?

FXで知っておくべき仕組みの1つに「強制ロスカット」があります。これは、含み損が一定の水準に達したときに、FX会社が顧客のポジションを強制的に決済する仕組みのことです。その目的は、損失の拡大を防ぎ、投資家の資産を保護することです。
強制ロスカットの発動を避けようと思えば、レバレッジをあまり高くしない(目安として3倍以内にする)、自分で予め損切りの指値注文を入れておく、といった対策が考えられます。FXでは自分の取引スタイルに応じたリスク管理が必要です。

■金利変動のリスク

FXでは、スワップポイントの受け取りや支払いが発生します。金利が下がったために期待していたスワップポイントが受け取れなくなったり、これまで受け取っていたスワップポイントが支払いに転じたりすることもあるので、長期でポジションを持つ場合でも、放置せずに定期的に状況を確認する習慣をつけましょう。

■為替相場変動のリスク

為替相場は刻一刻と変動しています。変動の要因は各国の経済や社会情勢など様々で、予想に反した動きをする場合は損失が発生するリスクがあります。異常な価格変動がしているときには手を出さないなどのリスク管理をすることが大事でしょう。

まとめ

FIREを実現するためには、節約と上記のような投資が欠かせません。レバレッジ効果のあるFXは資金の少ない人にはおすすめの方法です。投資にあたってはリスクをよく理解し、まずは少額から始めてみてはいかがでしょうか。

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