エリオット波動理論は、相場がいくつかのパターンの波動を一定のサイクルで繰り返すという理論で、トレンドの方向性や調整局面を分析するために活用されます。セントラル短資FXのTradingViewチャートには、この波動のサイクルを効率良く確認するための描画ツールが用意されています。
この描画ツールでは、エリオット波動理論の基本形はもちろん、3つの変形パターンも描画することができます。また、波動の規模を切り替えられるので、異なる時間軸のサイクルを複合的に分析することも可能です。
エリオット波動理論では、価格が推進波(トレンド)/修正波(調整)のサイクルを繰り返すと考えます。まずはじめに、この推進波と修正波の基本形を紹介します。
推進波は1~5波、修正波はA~C波で構成されます。それぞれの概要/特徴は、以下の通りです。
パターン名 | 概要 |
---|---|
推進波(12345) | トレンド方向に進む5つの波で構成され、1波/3波/5波がトレンド方向、2波/4波が調整方向に動きます。 |
修正波(ABC) | 推進波後の調整局面は3つの波で構成され、A波/C波が調整方向、B波がその逆方向に動きます。 |
推進波において、全体と同じ方向(トレンド方向)に動く1波/3波/5波は、推進波としてさらに5つの波に分解できます。その逆方向に動く2波/4波は、修正波としてさらに3つの波に分解できます。
また、修正波において、全体と同じ方向(調整方向)に動くA波/C波は、推進波として5つの波に分解されます。その逆方向に動くB波は、修正波として3つの波に分解できます。
このように、ひとつの推進波/修正波は一回り小さな推進波/修正波に分解できるのが、エリオット波動の特徴のひとつです。
▼豆知識
ここでは上昇トレンドの波を想定して、推進波が上昇、修正波が下降のパターンを図解しています。下降トレンドの波では、推進波が下降、修正波が上昇と、図解とは上下が逆の構成になります。
エリオット波動理論では、この基本パターン以外にも様々なパターンが定義されています。例えば修正波には、以下のようなパターンがあります。
それぞれの概要/特徴は、以下の通りです。
パターン名 | 概要 |
---|---|
ジグザグ(ABC) | 基本形で紹介した修正波で、高値/安値がともに切り下がる形状のパターンです。 |
フラット(ABC) | A波/B波/C波がほぼ同じ価格帯で形成される、横ばい型のパターンです。」 |
トライアングル(ABCDE) | 高値/安値が収束して形成される、三角形型のパターンです。 |
ダブルスリー (WXY) |
2つの修正波(W波/Y波)が、X波をはさんで連結した、複合型のパターンです。W波/Y波は、それぞれジグザグ/フラット/トライアングルなどに分解できます。 |
トリプルスリー (WXYXZ) |
3つの修正波(W波/Y波/Z波)が、X波をはさんで連結した、複合型のパターンです。W波/Y波/Z波は、それぞれジグザグ/フラット/トライアングルなどに分解できます。 |
▼豆知識
ここで紹介したのは、エリオット波動理論の中でも基本的な部分です。エリオット波動理論にはさらに多くの応用/変形パターンが存在しますが、まずは実際のチャートで描画ツールを使い、基本的な波動を見つけるところから始めてみましょう。
ここからは、セントラル短資FXのTradingViewチャートで使用できるエリオット波動描画ツールについて、それぞれの特徴と使い方を紹介します。本ツールで使用できるのは、以下の5種類です。
それぞれ、について紹介していきます。
エリオット推進波(12345)は、トレンド方向の動きを視覚的に確認するためのツールです。5つの波を順に描画することで、推進波の構造を簡単に把握できます。トレンド発生箇所や持続性の分析に役立ちます。
描画手順は以下の通りです。
▼豆知識
推進波には3つの基本ルールがあります。このルールは上昇トレンドの場合は、「2波は1波の始点を下回らない/3波が最も短くなることはない/4波は1波と重ならない」となります。このルールを全て満たす推進波を見つけるのがポイントです。
エリオット修正波(ABC)は、推進波後の調整局面を視覚化するためのツールです。3つの波を描画することで、修正波がどのように形成されているかを確認できます。特にトレンド終了後の調整局面や反転ポイントを見極める際に便利です。
描画手順は以下の通りです。
▼豆知識
エリオット修正波(ABC)は、修正波の「ジグザグ/フラット」を描画することができます。
エリオット波動トライアングル(ABCDE)は、収束する5つの波動を簡単に描画できます。次のトレンド方向やブレイクアウトポイントの予測にも活用できます。
描画手順は以下の通りです。
▼豆知識
エリオット波動トライアングル(ABCDE)は、修正波の「トライアングル」を描画することができます。
エリオット波動ダブルコンボ(WXY)は、2つの修正波がX波をはさんで連結した構造を描画するためのツールです。このツールを使用することで、複雑な調整局面をチャート上に整理して表現することができます。
描画手順は以下の通りです。
▼豆知識
エリオット波動ダブルコンボ(WXY)は、修正波の「ダブルスリー」を描画することができます。W波/Y波は、エリオット修正波(ABC)/エリオット波動トライアングル(ABCDE)を使って、さらに詳細な分析を行う際には分解して確認することも可能です。
エリオット波動トリプルコンボ(WXYXZ)は、3つの修正波がX波を介して連結された構造を描画するためのツールです。
描画手順は以下の通りです。
▼豆知識
エリオット波動トリプルコンボ(WXYXZ)は、修正波の「トリプルスリー」を描画することができます。
「エリオット推進波(12345)、エリオット修正波(ABC)、エリオット波動トライアングル(ABCDE)、エリオット波動ダブルコンボ(WXY)、エリオット波動トリプルコンボ(WXYXZ)」の設定ウインドウの「スタイル」タブについて、①~③の項目で調整できる内容を紹介していきます。
ライン/波の番号の色/不透明度の設定を行う項目です。
ラインの太さを設定する項目です。
この項目では、エリオット波動の波の規模を設定できます。選択した規模に応じて、波の番号やラベルの表示形式が変わります。以下の15種類から選択可能で、デフォルトは「インターミディエイト」です。