DC(ドンチャンチャネル(HLバンド)) とは、一定期間の最高値と最安値を基準に、相場の動きやトレンドを把握するためのインジケーターです。英語表記は「Donchian Channel」ですが、高値(High)と安値(Low)を基準にしていることから、日本では「HLバンド」という名称でも知られています。
DCの構成要素は、以下の3つのラインです。
これらのラインからは、価格が一定期間内でどの位置にあるかを読み取ることができ、トレンドフォロー戦略やブレイクアウト戦略に活用できます。
▼豆知識
DCは、著名トレーダーのリチャード・ドンチャン氏によって考案されたインジケーターです。ドンチャン氏は「トレンドフォローの父」とも呼ばれており、このインジケーターもトレンドフォロー手法に活用するのが一般的です。
DCの構成要素の計算式は、以下の通りです。
アッパーバンド = 直近N期間の最高値
ロワーバンド = 直近N期間の最安値
ミドルライン = ( アッパーバンド + ロワーバンド ) ÷ 2
※ N:対象期間
アッパーバンドは、設定した期間(N)における最高値を結んだラインです。ロワーバンドはこの反対で、設定した期間における最安値を結んだラインとなります。ミドルラインは、アッパーバンドとロワーバンドの平均値を示します。
例えば、以下のように価格が推移した場合、アッパーバンド/ロワーバンド/ミドルラインの値は次のように計算されます。なお、設定期間(N)は5とします。
期間 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
---|---|---|---|---|---|
高値 | 101 | 103 | 102 | 105 | 107 |
安値 | 99 | 101 | 100 | 104 | 106 |
アッパーバンド:直近5期間の最高値 = 107
ロワーバンド:直近5期間の最安値 = 99
ミドルライン:( 107 + 99 ) ÷ 2 = 103
▼豆知識
DCの設定期間(N)は、一般的に20が使われます。これは考案者のドンチャン氏が提唱した「4週間ルール」に由来しています。4週間ルールとは、相場が4週間(20営業日)の高値を更新したら買い、4週間の安値を更新したら売るというシンプルな法則で、当時のトレーダーたちに大きな影響を与えました。
DCをチャートに表示する基本的な流れは以下の通りです。
表示したインジケーターは、主に以下の方法で削除することができます。
▼豆知識
チャート上で以下のようにキーボードを入力すると、マウスなしで素早くDCをチャートに表示することができます。
/ ⇒ dc⇒ ↓ ⇒ Enter
※インジケーターのウインドウは「Esc」を2回押下で閉じます
DCの設定ウインドウの「パラメーター」タブについて、①~②の項目で調整できる内容を紹介していきます。
DCの計算対象とする期間(計算式のN)を設定します。デフォルトは「20」です。
DCを表示する位置を左右に移動させる期間を入力します。
デフォルトは「0」で、左右に移動させない状態です。プラスの値を入力すると右に、マイナスの値を入力すると左に移動します。