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金曜 松崎美子の英国発!すこしFX☆なが〜くFX ロンドン在住の女性トレーダーによる為替&経済コラム

GDP10%に匹敵する大規模緩和を発表した英中銀

更新日:2016年8月5日

8月4日、年に4回のSuper Thursdayがやってきました。日本ではまだ知名度が低く、FXの重要イベントとして定着していないようですが、海外では米雇用統計と同じくらい認識度が高いイベントです。

今週のコラムでは、8月のSuper Thursdayでの発表内容についてご紹介します。

事前予想

8月Super Thursdayの事前予想は、以下の通りとなっていました。

大きな見所としては、
① 政策金利カット 25bps 
② 資産購入ファシリティー枠(APF)の増額の有無
③ 実施するのであれば、500億ポンドが優勢 
③ 社債も購入対象となるか? 
④ それ以外の特別措置の有無 
です。

金融政策理事会(MPC)からの発表

8月4日、英中銀は予想以上の追加緩和策の導入に踏み切りました。

非標準的措置(量的緩和:QE)の総額は、1,700億ポンドでした。英統計局が発表した2015年の英GDP規模は1兆8,332億3,300万ポンドなので、今回のQE規模はGDPの約10%に値する思い切った発表となりました。

※クリックで拡大できます

この発表を受け、ポンドは一気に急落しました。この日のO/N(オーバーナイト)ポンドのボラティリティーは30%を越えていたので、上下どちらにも約400ポイント動いてもおかしくない状態でした。そう考えると、GDP10%に匹敵する大規模緩和発表の割りに、ポンドは思ったほど下落していないという見方も出来ます。

それでは、個別の政策に関する説明に入ります。

 政策金利

2009年3月以来、初めて政策金利の変更がなされました。内容は25bpsカットとなり、新しい政策金利は0.25%へ。MPC9名の理事の投票配分は、9対0で全会一致での決定。

 資産買入ファシリティー (Asset Purchase Facility 以下、APF)

7月15日のコラム記事でもご紹介したAPFは、2012年7月に増額されて以来、ずっと据え置きのままでした。今週のMPCでは600億ポンド増額され、総額:4,350億ポンドへ。

この決定に対するMPC9名の理事の投票配分は6対3となり、フォーブス/マカファーティー/ウィール理事の3名が反対票を投じました。

ちなみに、APFで購入可能である国債(Gilts)の残高は、以下の通りとなっています。

 社債購入スキーム(Corporate Bond Purchase Scheme 以下、CBPS) 

APFは国債(Gilts)が購入対象となっていますが、今回は社債購入も決定されました。詳細は9月上旬に発表されますが、現在わかっている範囲では、①投資適格級の社債、②英国経済に貢献していると見なされた企業の債券、という定義となっていて、規模は100億ポンド

この決定に対するMPC9名の理事の投票配分は、8対1となり、フォーブス理事のみが反対票を投じました。

四半期インフレーション・レポートの一番最初のサマリーの次のページに、CBPSについての現在分かっている範囲での詳細が書かれています。それによると、英国での社債残高(銀行と生保を除く)は約4,000億ポンド、今回購入対象となる社債規模は1,500億ポンドくらいだそうです。

内訳を見ると、約4割(チャートの紫部分)がUtilities(電気・ガス関連会社)となっています。

 銀行貸付スキーム (Term Funding Scheme 以下、TFS)

この原稿を執筆している時点(日本時間8月5日午前1時)では、TFSに関する報道が日本語では一切報じられていません。ですので、TFSの日本語訳は私が勝手につけた仮称ですので、あらかじめお断りしておきます。

インフレ・レポート内の説明を読む限り、TFSは2012年8月に英中銀が発表した中小企業融資や住宅購入ローンに特化した対策:Funding for Lending Scheme(FLS:融資促進のための資金調達スキーム)にやや似た感じの内容のようですね。

主な特徴は、

政策金利(0.25%)に限りなく近い低利で、英国内の銀行は中銀から資金を借り入れられる
TFS総額   1,000億ポンド
借り入れ期間   4年間
借り入れた資金は、民間企業や個人へ低利で貸し付けることが義務付けられる
借り入れ可能額は、各金融機関の企業/個人貸付残高の5%まで
残高5%に加え、2016年6月から2017年12月にかけて貸し付けた額も、借り入れ可能額に加えられる
貸付額が減少した銀行には、中銀からの借り入れ金利を引き上げる
その際の金利引き上げ幅は、貸付額が1%減少するたびに5bpsの上乗せ金利となる
中銀からの借り入れ金利の上限は、0.5%に設定

このスキームで、より多くの民間部門が投資をし、経済が活性化していくことを願ってやみません。ちなみに、カーニー総裁は記者会見終了後に英BBC・民放大手:ITV・スカイTV・チャンネル4・チャンネル5・LBCラジオ全てのインタビューに答える形で出演され、「英国の各銀行がTFSによる低利の資金を企業融資にきちんと廻しているか、今後注意深くチェックする」と警告しました。

8月 四半期インフレーション・レポート

それではインフレ・レポートを見てみましょう。マーケット参加者が一番注目していたのは、2016年GDPの下方修正幅、そしてカーニー総裁の記者会見内容でした。

 インフレ・レポートの主な内容

  • 2016年GDP予想は、5月予想2%のまま、据え置き
  • 2017年GDP予想は、5月予想2.3%から、0.8%へ下方修正
  • 2016年末インフレ見通しは、5月予想0.9%から、1.2%へ
  • 2017年末インフレ見通しは、5月予想1.8%から、2%へ
  • 8月インフレ・レポートで予想したように、経済の落ち込みなどが顕著となれば、年内さらに利下げをする可能性もある
  • 景気低迷や個人消費の落ち込みが、労働市場や経済の緩みを引き起こすかもしれない
  • 結果として、2018年までに失業率が5.5%くらいまで上昇する危険性もある
  • ポンド安が、インフレ率を2%かそれを若干超えるほど上昇させることになるだろう

 カーニー総裁記者会見内容

  • Brexitショックによる経済への打撃を緩和するために、包括的な緩和策を発表した
  • 8月4日に発表した緩和策は全て、さらに緩和度を引き上げることが可能
  • 年内の政策金利カットもありうる
  • 英国は先の見えない不安の真っ只中にいる
  • マイナス金利は好まない
  • マイナス金利を実施しなくても、他に手段はある
  • 政策金利の下限は、ゼロ%よりも上
  • 政策金利カットによる恩恵を、銀行は企業や個人にパスしなければいけない
  • 住宅ローンの半分、企業/個人貸し付けの8割は変動金利なので、今回の利下げによる恩恵を企業や消費者はすぐに受けられるはずだ
  • 社債購入により、企業のファンディング・コストも低減するはず
  • 英国はギリギリでリセッションは避けられる
  • 今回の緩和策のパッケージ規模が大きいという批判については、今週発表されたMarkit社の購買担当者景気指数(PMI)の数字が非常に悪かったため、批判は妥当でない
  • ヘリコプター・マネーなどというファンタジーを採用する可能性は、全くない

 GDP予想

インフレ・レポートを見て、私が一番ショックを受けたのが、GDP予想でした。マーケットでは、良くて1%、最悪の場合はマイナス成長に下方修正されるのではないか?という話しでもちきりでした。しかし、いざ蓋を開けると、5月予想と同じ2%のままです。

英中銀がどういう予想をたてようと、今後英国の購買担当者景気指数(PMI)が改善しない限り、第3四半期のマイナス成長は免れないというのが、こちらでのコンセンサスとなっています。

 インフレ見通し

ポンド安の影響を受け、インフレ率は中銀ターゲットの2%へ上昇していくという予想が大勢を占めていました。インフレ・レポートでも同様の見解が述べられていて、2017年末時点で2%、18年末には2.4%と予想が変化しています。

ただし、英国ではポンド安による輸入物価の高騰を受け、来年末までに3%近くまで大きく上昇する可能性について議論が高まり始めているので、この中銀の見通しはやや低すぎるともいえます。

 将来の政策金利水準予想

前回5月の予想は点線、8月は実線で描かれています。英国の場合、5月までは「利上げ予想」でしたので、8月の利下げを受け、将来の金利水準予想は大きく修正を迫られました。

 次の金融政策変更時期

インフレ・レポートからの引用ですが、
「If the incoming data prove broadly consistent with the August Inflation Report forecast, a majority of members expect to support a further cut in Bank Rate to its effective lower bound at one of the MPC’s forthcoming meetings during the course of this year. The MPC currently judges this bound to be close to, but a little above, zero.
8月インフレ・レポートで予想したように経済の落ち込みが顕著となれば、ほとんどのMPC理事は、年内さらに利下げをすることになると考えている。その際の政策金利の下限としては、ゼロ%より若干高いレベルを想定している。」
と書かれています。

そして、レポート内の「将来の金利水準」を見ても、今年第4四半期の政策金利水準(赤丸部分)が、0.1%となっていますね。そうなると、次回11月3日に予定されているSuper Thursdayでの追加利下げの可能性が、かなり高くなってきたとも言えるでしょう。

 外部機関の予想

英中銀がインフレ・レポート作成時には、必ず外部機関(銀行やシンクタンクなど)に聞き込み調査をします。その結果がここにまとめられています。

先にも書きましたが、ポンド安による輸入物価上昇を受け、英国のインフレ率は来年第3四半期に、2.5%まで上がる(チャートの青い丸部分)と民間機関は考えているようです。

そして、ここからの政策金利については(チャートの緑の線)、英中銀の予想と若干違い、しばらくは0.25%で据え置かれるものの、徐々に利上げが待っているという予想です。

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このレポートで使用したチャートは全て、以下のリンクからのものです。

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ここからのマーケット

Brexit後のポンドを取引する上で気をつけたいことは、ボラティリティーの高さと、シカゴ通貨先物取引所でのポンドのポジションの偏りです。

水色の丸で囲んだ部分が、先週発表された「7月26日時点」のポンド・ポジションですが、80,572コントラクト(1コントラクト=62.500ポンド)のショートとなっていて、この数字は史上最高のショートです。

ないとは思いますが、この約80,000コントラクトのポンド・ショートが一斉にカバーされた場合、果たしてポンドは対ドルで、どのくらい上昇するのでしょうか?それを見極めるために、英国の国民投票直前のIMMポジション動向と実際のポンド/ドルの動きを調べてみました。

国民投票の前週、多数の海外のFX証拠金取引会社は顧客に対し、ポンド通貨のマージン大幅引き上げを通告しました。この通達を受け、その当時ポンド売りのポジションを持っていた人は、2つの選択がありました。ひとつは、口座を持っているFX会社へ追加の証拠金を振り込む。もうひとつは、既存のポジションを閉じることです。

最終的に後者の「既存ポジションを閉じる」選択が世界中あちこちで起き、ポンド/ドルは投票直前の一週間で、1.40台から1.50台へと、1,000ポイントのポンド高/ドル安を演じたのです。

※クリックで拡大できます

その時のIMMシカゴ先物通貨市場でのポンド・ポジションを見ると、約30,000コントラクトのショートが減少していました。もちろん、ポンドの動き全てがIMM絡みとは言えないことは承知していますが、約30,000コントラクトのショート・カバーでポンドは1,000ポイントも動くんだ…。この事実をまざまざと見せ付けられ、私は非常に恐くなったのを覚えています。

そうなると、最新の80,572コントラクトのポンド・ショートが、何かのきっかけでショート・カバーとなれば、アッという間に2,000ポイント以上のポンド高を演じない保証はどこにもありません。このことが私の頭の中に常に渦巻いていて、最近はポンドの売りが出来ずにいます…。

冒頭に書いた通り、英国のGDP10%に匹敵する大規模緩和策の発表でも、ポンドは1.30台を下抜けしません。しばらくは、1.30-33のレンジでの推移となるイメージです。もし、何かのきっかけで、ポンドのショート・カバー大会となれば、2009年1月の安値1.3502が最初のターゲットとなるでしょう。

※クリックで拡大できます

 

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