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金曜 松崎美子の英国発!すこしFX☆なが〜くFX ロンドン在住の女性トレーダーによる為替&経済コラム

予想外の「据え置き」となった英中銀政策金利

更新日:2016年7月15日

6月23日の国民投票で離脱(Brexit)となった英国。いつEUから離脱するのか?その場合、金融街シティは、どうなるのか?大手企業が一斉に英国から欧州へ移転するのか?何から何までわからないことだらけの英国です。

当然ですが、ここからの景気減速は避けられないという見方で一致していて、今週開催された英中銀金融政策理事会(以下、MPC)では利下げ予想が大勢を占めていました。

今週のコラムでは、MPCの事前予想と実際の結果について、書いてみたいと思います。

MPC事前予想

 通信社が実施したエコノミストによる予想

今月のMPCでの決定について、ブルーンバーグとロイター、それぞれが事前調査を行いました。

 ブルーンバーグ 

今週月曜日にシティのエコノミストに対して実施した調査では、

54人中、30人(56%)が、7月のMPCで25bpsカットを予想
54人中、24人(44%)が、(新政権誕生などの不透明感があるため)据え置きを予想

 ロイター 

ロイターの調査は先週行われましたが、

52人中、33人(63%)のエコノミストは、政策金利据え置きを予想
52人中、17人(32%)は、25bpsカットを予想
52人中、2人は、50bpsカットを予想

先週の調査では63%のエコノミストが「据え置き」を予想していましたが、今週に入ると過半数以上の人たちが「25bpsカット」を選んでいて、一気に利下げの可能性が濃厚な雰囲気の中、MPCが開催されました。

 個別銀行の予想

ロイターやブルーンバーグの予想は政策金利に限った内容ですが、銀行によっては政策金利カットに加え、量的緩和策(QE)の実施や融資促進のための資金調達スキーム(FLS)*の再開を予想するところが意外と多かったのが印象的でした。

現在お隣の欧州では、ECBが国債(PSPP)や社債(DSPP)の購入を通じたQE策を実施しています。英国でも2009年から資産買い入れプログラム(Asset Purchase Facility:APF)を通じて国債や社債の購入に動いたことがあります。しばらくお休み状態であったAPFの再開を予想する銀行はかなり多かったです。APFについては、のちほど詳しく説明します。

* 融資促進のための資金調達スキーム(FLS)とは?

特に中小企業融資や住宅購入ローンに特化した対策で、英中銀が2012年8月に導入した制度。英中銀はFLSに参加した金融機関に対し、「一般家庭の住宅購入や中小企業に対する融資を実行する」という条件をもとに、それぞれの銀行の融資残高の5%を限度に低金利で資金を提供するというもの。これにより、個人・企業ともにローン利用の可能性が高まり、それが経済を刺激するであろうという内容。

 ECBスタイルになるという予想

欧州中銀(ECB)スタイルとは何か?これは、今年1月のECB理事会で起きたことを指しています。

1月21日に開催されたECB理事会後の定例記者会見で、ドラギ総裁は「3月に開催する理事会で金融政策スタンスを再評価する。」と述べ、追加的な金融緩和に踏み切る可能性を示唆しました。同総裁はさらに一歩踏み込み、「我々には、行動に移す決意があり、我々に与えられた責務の範囲で講じられる手段は、豊富にある。ECB理事会では、(追加緩和に動くかどうかの)見直しを3月に行う必要性について全会一致で決めた。」と語りました。この「全会一致で3月に再評価」という発言を受け、3月には追加緩和策が発表されることは確実であるとマーケットは判断し、ユーロは大きく下がりました。

これと全く同じことを、英中銀は7月にやるのではないか?つまり、新政権が誕生したばかりなので、とりあえず今月は何もやらず見送り。8月4日の次回MPCでは四半期インフレーション・レポートも発表されますので、そこで具体的な政策変更を発表するというやり方です。

この1週間で急激に利下げ予想が増えた理由

EUからの離脱国第一号となる英国です。当然ですが、ここからの景気先行き見通しに不透明感が増すことは避けられません。

そこに来て、突然のタイミングで英国の大手資産運用会社数社が一斉に自社が運用している不動産ファンドの解約停止や、不動産評価の引き下げに動いたのです。この背景には、2008年秋のリーマン・ショック時に起きた世界規模の金融危機で、英国の商業用不動産価格はピークから40%程度値下がりしたことが教訓となっています。リーマン時に続き、今回のBrexitでは数年以内に20%ほど値が下がるという予想が出ていて、投資家がパニック状態で解約に動いたための措置だと理解されています。

この種の「不動産ファンド」は、商業用地やオフィススペース、倉庫などを中心に投資していて、一般の住居用不動産は含まれていません。そして、一部のファンドは、今週に入ってから解約停止を解除し、通常の運用に戻っています。

英中銀金融政策理事会(MPC)からの発表

7月14日、ロンドン時間昼12時(日本時間同20時)、MPCから以下の発表がありました。

 金融政策

  • 政策金利 0.5%据え置き
  • 資産買い入れプログラム枠 3,750億ポンド据え置き

 議事録

1) 政策金利変更に関する投票配分
前回 : 9名全員が据え置き票となり、9対0
今回 : 8対1で据え置き。ただ利下げ票を入れたのは、ブリハ外部理事のみ。

2) 資産買い入れプログラムに関する投票配分
前回 : 9名全員が3,750億ポンド据え置き票となり、9対0
今回 : 前回と同じ

 マーケットの反応

金利先物市場では、80%の可能性で政策金利の25bpsカットを織り込んでいたため、「据え置き」発表と同時に大きくポンドのショート・カバーが入りました。正直な感想を言えば、少しやりすぎでは?と思ったくらいです。

※クリックで拡大できます

ポンドがここまで過激に反応したもうひとつの理由は、政策金利据え置きに関する9人の理事の投票配分が挙げられると思います。9人の理事の中、特にハト派と見られているのが、ホールデンBOE主席エコノミストと、ブリハ理事です。今月の理事会で実際に利下げに票を入れたのがブリハ理事だけだったことに、私は驚きました。

唯一、ホールデン主席エコノミストが据え置き票を入れたと考えられる理由は、英中銀MPCは水・木曜日の2日間に渡り開催されるという点です。通常のMPCでは、「金融政策の決定は水曜日に行う」そして「結果発表を木曜日にする」という暗黙の決まりがあります。つまり、今回の据え置き決定が水曜日になされたのであれば、メイ新首相がハモンド新財務相を任命する以前に金融政策内容は決定されていたことになりますので、理事達は財政政策の方向性を見極める意味からも、敢えて「据え置き」を選んだことになるでしょう。

声明文を読んで

7月MPCでは、声明文が発表されました。といっても、この声明文は議事録の前半部分の要点をコピペしただけのものですので、議事録でも全く同じことが書いてあります。

文頭すぐに、下記の文章を見つけました。簡単に訳しますと、

「Committee members made initial assessments of the impact of the vote to leave the European Union on demand, supply and the exchange rate. In the absence of a further worsening in the trade-off between supporting growth and returning inflation to target on a sustainable basis, most members of the Committee expect monetary policy to be loosened in August. The precise size and nature of any stimulatory measures will be determined during the August forecast and Inflation Report round.

英国のEU離脱(Brexit)を受け、経済の需給・通貨レベルなどが受けた初期段階の影響について、理事全員で査定した。その結果、これ以上の悪化はさしあたりないだろうと見極めた。(結果として、7月は金融政策の変更を見送り)8月の四半期インフレーション・レポート作成の過程でもう一度経済などへの影響を考慮し、8月の理事会で追加緩和に動くことになるだろうと、ほとんどのメンバーは予想している。ただし、緩和のサイズや内容は、インフレ・レポートを見てからの決定となるだろう。」

つまり、さきほど書いた「ECBスタイル」になる可能性が浮上してきたのです。ポンドの動きを見ると、この部分は完全無視されているようですが、来月4日のSuper Thursday(政策金利、量的緩和の枠、議事録、四半期インフレーション・レポート、カーニー総裁の記者会見全てが行われる日)は今まで以上に注目度が高くなることは間違いないでしょう。

議事録を読んで

議事録を読んでいくうちに、30番目の文章が非常に気になりました。

30   There had been a sharp reaction in financial markets following the announcement of the vote to leave the European Union. Sterling had fallen markedly against the dollar and the effective exchange rate was 6% lower than at the time of the Committee’s previous meeting.

赤くハイライトを入れた部分を訳すと、「前回6月のMPCから7月の理事会までの間に、ポンドは実効レートベースで6%下落している」と書かれています。

このコラムの読者の皆様は、私が通貨の実効レートを常にチェックしていることをご存知だと思いますが、それには理由があるのです。私がまだバークレイズ銀行本店でディーラーをやっていた当時、産まれて初めて実効レートというものが存在することを、エコノミストから教えてもらいました。そして、その人が言うには、英国ポンドの場合、実効レートの動きの4分の1の数字が、実際の金融政策変更と同じ意味があることを教えてくれたのです。

もう少し簡単に説明しますと、こんな感じになります。

議事録では、6月から7月のMPCの間で、ポンド実効レートは6%下げたと書かれていますので、政策金利におき直した場合、1.5%の利下げと同じ意味となります。そうなると、敢えてここで金利を下げなくても実効レートによる「利下げ効果」を見極めたいということでしょう。

蛇足になりますが、米英欧それぞれの中央銀行は、自国通貨の実効レートを毎日更新しています。しかし、日銀のホームページを調べると、国際決済銀行(BIS)が毎月発表する実効レートをそのまま使用しています。先進国の中でも抜きん出て為替レートを気にする日銀が、自身の円実効レートを毎日発表しないことに、私は深い失望を抱いている一人です。

資産買い入れプログラム(Asset Purchase Facility:APF)

最後になりますが、今後景気後退が激しくなれば、英中銀は政策金利の変更に加え、ECBや日銀のようにQEに動く可能性が出てきます。

英国のQEは、資産買い入れプログラム(Asset Purchase Facility、以下 APF)と呼ばれています。開始した当初は、社債も購入対象に含まれていましたが、途中で国債だけに変更されました。

どうしてここでわざわざAPFについてこれだけ詳しく書くのかと申しますと、英中銀はECBや日銀、スイスやスウェーデン中銀などとは違い、「マイナス金利導入には驚くほど消極的」だからです。現在の英国の政策金利は0.5%、つまり25bpsカットを2回実施すれば、金利水準は0%になります。もし今後も頑なにマイナス金利反対の姿勢を貫くとすれば、否が応でもAPFや融資促進のための資金調達スキーム(FLS)などの緩和策の導入に動かざるをえません。そのため、これをお読みの皆様にも、市場が忘れかけてた英中銀のAPFについて知っておいて欲しかったのです。

ここからのマーケット

7月の利下げはありませんでしたが、議事録を読む限り、8月4日にはなんらかの追加緩和策の発表は避けられない様子です。ここ数日間は、「据え置き決定」を受けてのショート・カバーを巻き込んだリリーフ・ラリーが継続するでしょうが、どこかの時点で8月の追加緩和実施を先取りしたポンド安の相場展開になると思っています。

ただし、Brexit後の下げは相当強引であったことは認めざるをえません。先週も掲載しましたが、以下のチャートは、1980年1月からの月平均値を使ったポンド実効レートです。大雑把に見ると、xxxx危機というものが起きると、ポンドは14〜17%下落しているのがわかります。

今回のBrexit危機の場合は、(Brexitが起きた当日ではなく)直近高値からの下落率を計算していますが、18%下げていました。強引な下げも、階段の踊り場にさしかかったのかもしれません。

データ: 英中銀ホームページ

※クリックで拡大できます

次に、リーマン・ショックが起きた2008年夏からの日足チャートをチェックしてみました。これをみると、究極の安値として73.855というレベルが確認できますが、それ以降のポンドは黄緑の点線で印をつけた76〜78台で必ず跳ね返されているのが確認できます。

Brexit危機の安値:77.6955はちょうど黄緑の点線のところですね。つまり、この辺で一度落ち着く可能性が出てきていると言えるでしょう。

現在私はポンドのポジションは持っていません。新政権が落ち着き、どのような財政政策を取るのかがはっきりしてから、あらためて考えようと思っています。当面は、ポンド/ドルが1.3500を超えるのか?もし、超えてさらに上昇するようであれば、ユーロ売り/ポンド買いで攻めてみようと考えています。

データ: 英中銀ホームページ

※クリックで拡大できます

 

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