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金曜 松崎美子の英国発!すこしFX☆なが〜くFX ロンドン在住の女性トレーダーによる為替&経済コラム

Brexit後、最初のドミノはイタリアへ

更新日:2016年7月1日

英国のEU離脱の国民投票から一週間が経ちました。投票結果が発表された6月24日、驚くことが起きました。それは、英国の株価指数よりも、欧州主要国、特に南欧州諸国の株価の下落率のほうが大きかったことです。マーケットでは、「Brexit後、最初のドミノの犠牲となったのは、イタリアであった」と結論付けました。

今週は、イタリアで起きていることを中心に、ヨーロッパについて書いてみたいと思います。

英国民投票翌日のマーケットの動き

これは国民投票結果が出た6月24日(金)の主要国株価指数の下落率(%)をあらわしたチャートです。興味深いことに、英国のブルーチップ企業を集めたFTSE100の下落率が一番低く、スペインとイタリアの株価指数の下落率が群を抜いていたことがわかります。

※クリックで拡大できます

どうしてこの2ヶ国の株価が、英国のEU離脱(Brexit)という結果に対し、ここまで大きく反応してしまったのでしょうか?それは、両国の銀行部門が抱える不良債権規模の大きさにフォーカスが当たったからでした。

最初の犠牲国はイタリア

6月24日の欧州市場がオープンすると同時に、欧州各国の株価は急落し、その中でも特に銀行株が大きく値を下げました。この株価の下落を受け、最初に白旗を揚げたのはイタリアのレンツィ首相でした。同首相は、イタリア政府は最大400億ユーロ(約4兆5,600億円)規模の資本注入あるいは政府保証をつける措置を検討していると発表したのです。

果たして、400億ユーロをどうやって工面するつもりなのか?イタリア政府が検討している手段は2つあるようです。まずひとつは、「特別国債の発行」、もうひとつは「2016年1月1日から導入されたベイル・イン*を一時的に中止し、スタート時期を延期するという要請」でした。

* ベイルインとは?

2013年におきたキプロス債務危機から適用が検討され、2016年1月1日から正式にスタート。

過去の債務危機では、ユーロ加盟国のどこかが債務危機に巻き込まれ、銀行破たんなどが起きると、他の加盟国の納税者がその負担を背負っていた。これをベイル・アウトと呼ぶ。

しかし、ベイル・インでは、銀行破たんなどが起きた場合、その株主や債権保有者だけでなく、預金保険対象外の預金者(10万ユーロを超える預金者)も銀行再編コストを負担させられる。株主/債権者/10万ユーロを超える預金者に義務付けられる損失分配は、当該銀行の負債総額の8%まで。当該国政府による負担は、当該銀行の負債総額の5%までとなっている。

今週28/29日に開催されたEU首脳会談(サミット)でも、レンツィ首相はイタリア銀行救済の手段について各国に相談したといわれていますが、サミット終了の翌日(30日)にドイツ政府は「ベイル・インのスタートを一時中断することは不可能である。一度決めた規制を変更することになれば、今後も同様の要求が増え、極端な話をすればEU基本条約を1年おきに書き換えることにもなりかねない」とバッサリ切りました。

ベイル・インは是が非でも避けたいイタリア政府

ドイツが反対しようがしまいが、レンツィ首相は何があってもベイル・インを避け、政府が公的資金を使って銀行救済をしたいという意志を強く表わしています。

どうしてベイル・インを避けたいのか?それにはいくつか理由が考えられます。

 銀行株の更なる下落

イタリア銀行全体のバランス・シート残高の18%、金額にして2,000億ユーロ相当が不良債権化していると言われています。この額はイタリアの国内総生産(GDP)の11%に匹敵します。最もひどいケースは、バランス・シートの30%が不良債権だそうです。

銀行救済にベイル・インが適用されると、その銀行の株主/債権者/10万ユーロを超える預金者が一部の損失負担をする義務が生じます。そうなると、負担を逃れたい株主達がその銀行株の大量放出に動いたり、大口預金者による銀行からの預金引き出しが加速したりすることも考えられます。

もし今回の銀行資本注入でベイル・イン適用が決定された場合、イタリアの銀行株はさらに20〜50%の下落を強いられると言われています。

 イタリアの年金の保護

これはイタリアに限った話ではありませんが、年金は株の運用に頼る部分が大きいため、将来の年金支払いに影響が及ぶ可能性があり、国民がパニックを起こしかねないことが心配されています。

 ソロスさんの警告

ジョージ・ソロス氏は、イタリアの金融機関が早急に不良債権問題に取り組まなければ、同国の金融市場は木っ端微塵に崩壊し、新たな世界規模の金融危機に発展しないとも限らないと警告しています。

どうしてイタリア国債は売られないのか?

ギリシャ危機の時には、南欧州各国の国債が売られ、長期金利(国債利回り)が大きく上昇しました。しかし、今回のイタリアの問題が表沙汰になっても、イタリアの国債利回りは逆に少しだけ下がって(国債価格は小幅上昇)います。

どういうことなのでしょうか?それは、欧州中銀(ECB)が実施している国債購入(PSPP)を含む量的緩和策(QE)が継続実施されているからに他なりません。

このチャートはPSPPが開始された2015年3月から先週までの毎週の購入額です。赤い縦線を引いた時期(2016年4月)からはQE総額が月額600億ユーロから800億ユーロに増額されたことに伴い、PSPPの購入額も増額されています。このようにECBが毎週PSPPを継続している限り、イタリアの国債価格は安定推移していくとマーケットでは見ています。

データ:欧州中銀(ECB)ホームページ

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PSPPを継続していく上で唯一の問題点として挙げられているのは、現行規模の国債購入を継続した場合、いくつかの国の国債は「品切れ」リスクが出てくることだそうです。ある米系証券会社の調査によると、ECBが毎週実績を発表しているPSPPの数字を基にして、「品切れまでの時間」を計算した場合、以下の5ヶ国の国債が品切れリスクに直面するようです。

・ドイツ  3ヶ月弱後
・ポルトガル  4ヶ月後
・オランダ  6ヶ月後
・スペイン 10ヶ月後
・アイルランド 11ヶ月後

TLTRO2スキームがスタート

英国民投票の投票日翌日、ECBが「第1回目のTLTRO2スキーム」の参加額を発表しました。これは2014年から実施されたTLTRO(条件付き長期リファイナンス・オペレーション)*が今年6月に終了するため、その延長となる対策です。TLTRO2スキームは全部で4回実施され、この後は9月と12月、そして2017年3月に予定されています。

* TLTROとは?

ギリシャ債務危機が激しくなった2011年と2012年に、ECBは合計1兆ユーロ規模のリファイナンスオペ(LTRO)を実施し、マーケットに資金供給をしました。その後、2014年になると、条件付きLTRO(TLTRO:Targeted Long Term Refinancing Operations
)を発表し、民間企業向け貸出促進策という位置付けで低金利の資金を供給しました。このTLTROは、2016年6月に終了。

データ:欧州中銀(ECB)ホームページ

※クリックで拡大できます

これはECBのマネーマーケット・オペレーションをまとめた表ですが、赤い枠で囲ったものが6月24日に発表された「第1回目のTLTRO2スキーム」での借り入れ額です。緑の星をつけたものは、TLTROによるものです。右端に書いた数字(金利)は銀行が借り入れる際に支払う金利です。

初回のTLTRO2(赤枠内)の総額は、3,992億9,000万ユーロと群を抜いて大きな額となっています。その理由は、過去のTLTROで金利を払って借りていた銀行が、今回のTLTRO2でゼロ%で借り入れ、過去のTLTROを返済しています。この返済分を差し引いた「ネット借り入れ額」は、320億ユーロですので、差額の約3,673億ユーロがTLTROへの返済に使用された計算になります。

TLTRO2、最大の借り入れ銀行はどこ?

容易に想像がつきますね…。調べてみますと、上位3行は以下の銀行でした。

1位: BBVA(ビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア銀行) スペイン
TLTROへの返済を差し引いたネットの借入額は、100億ユーロ

2位: UniCredit(ウニクレジット銀行) イタリア
TLTROへの返済を差し引いたネットの借入額は、84億ユーロ

3位: Intesa Sanpaolo (インテーザ・サンパオロ銀行) イタリア
TLTROへの返済を差し引いたネットの借入額は、80億ユーロ

やはりイタリアとスペインの銀行が上位3行になっていました。

ここからのユーロ

英国のEU離脱(Brexit)後のマーケットでは、欧州の株式は売られましたが、単一通貨ユーロは予想以上に堅調な動きに徹しています。これはユーロの実力を示す実効レートですが、最近は非常に狭いレンジの中での推移となっており、ポンドのような急落とはなっていません。

チャート:欧州中銀(ECB)ホームページ

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次はもう少し長い期間のユーロ実効レートを見てみましょう。2008年秋のリーマンショック以降、赤い下落チャンネルの中で動いてきました。しかし、2015年以降は、黒い上昇チャンネルに入ったように見えます。

チャート:欧州中銀(ECB)ホームページ

※クリックで拡大できます

私は、Brexitを受けてポンド/ドルが下がるのであれば、スピードの差こそあれ、ユーロ/ドルも下がってくると考えていましたが、今のところその予想は当たっていません。そして、この長期の実効レートのチャートを見ても、下落チャンネルの最後のところで踏みとどまっているように見えます。

7月にイタリア発金融危機でも起きれば話は別ですが、そうでなければ、大きな動きが出てくるのは、8月か初秋の頃かな?と最近考えています。その頃には英中銀(BOE)が政策金利のカットか、量的緩和策(QE)の増額に踏み切ることが考えられますので、欧州中銀(ECB)も追加緩和の発表に動くかもしれません。そして10月には、イタリアで憲法改正に関する国民投票が実施されます。

最後になりますが、ここからの中期の下げのターゲットとして、下記チャートの赤い星印をつけた1.06台ミドルをイメージしております。

※クリックで拡大できます

 

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