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マーケットビュー

金曜 松崎美子の英国発!すこしFX☆なが〜くFX ロンドン在住の女性トレーダーによる為替&経済コラム

英国民投票特集:英国のEU離脱(Brexit)

更新日:2016年6月27日

6月23日、英国ではEU離脱の是非を問う国民投票が実施されました。振り返ると今年の英国は激動の一年となっています。まず2月18/19日のEU首脳会談(サミット)で、将来のEUと英国との関係について最終合意に達したことを受け、翌20日午後にキャメロン首相は「国民投票を6月23日(木)に実施する」と発表しました。歴史の教科書に残るほど重要な国民投票であるのに、準備期間はわずか4ヶ月。これは、来年行われるフランス大統領選やドイツの総選挙を最大限に考慮し、早めに実施に動いたためです。そして、結果は皆様ご存知のように、英国民はEU離脱を選びました。

今週のコラムでは、投票当日から週末にかけて、英国ではどんな動きが起き、今後ポンドはどのあたりまで下がるのかについてお話ししたいと思います。私がここで申し上げるまでもなく、ここからの英国には何が待ち受けているのか全くわかりません。暗闇の中を目隠しをされて歩いている状態です。そのため、今後も定期的に「イギリスの現状」について現地から情報配信していきたいと考えています。

国民投票当日:投票終了まで

6月23日(木)の投票日は、英国各地で大雨が観測されました。特にロンドンは豪雨となり、わずか1時間の間に半月分の雨が降るありさまで、多数の投票所が洪水のため閉鎖。急遽、仮設投票所が設けられたり、他の投票所での投票というやり方に変更されたというニュースが流れていました。

雨は午後になっても降り続いたため、投票に間に合うよう、午後4時に退社を認める企業もあったと報告されています。通勤客が集中する午後5時になると、ロンドンを走る全ての地下鉄が、遅延または一時運転見合わせとなり、ターミナル駅ではホームに到着するまでに1時間以上の行列が続いていたところもあるそうです。

私は念のために当日の「地下鉄運行状況」を示すチャートの写真を撮りましたが、全ての線に問題が生じていることがわかります。

投票所は午後10時に閉まりますが、その時間に投票所内に入っていれば投票権が認められます。仕事が遅くなり、挙句の果てに地下鉄の遅延に巻き込まれて投票終了数分前に投票所近くに来た若い男性が、信号を待つ時間がもったいないと、車道に出て命がけで車を止め投票所に走っていく姿も報道されていました。

もう今となっては後の祭りですが、この日の天候が快晴であれば、残留という結果になっていたかもしれません。誰かがジョークで、「離脱派は神様に賄賂を払って、豪雨にしたらしいぞ」と言っていましたが、高い確率で天候が良いという理由でわざわざ6月が選ばれたのに、こういう結果になってしまい残念です。

国民投票当日:投票終了後

投票終了後すぐに、世論調査大手:YouGov社が「残留 52% vs 離脱 48%」という独自の出口調査結果を発表しました。この会社は、2014年9月に実施されたスコットランドの住民投票の時にも、投票終了と同時に「99%の可能性で、スコットランドは英国に残留。今回の住民投票の投票配分は、残留 54% vs 離脱 46%となるだろう」と発表しました。そして住民投票の最終結果は「残留 55.3%」となり、YouGov社の出した予想とわずか1.3%の差という驚きの正確度!そのため、公式な出口調査が発表されない今回の国民投票でも、YouGov社の見方は非常に重要な位置づけとなっていました。そこで「残留 52% vs 離脱 48%」という数字を発表した数分後に、英国独立党(UKIP)のファラージュ党首が敗北宣言をし、そのあと続々と著名な議員が残留有利と発言しました。こうして私たちは、「よし!残留決定だ!」とウキウキした気分で、開票結果を待つことになったのです。

国民投票結果発表

投票結果は以下の通りとなり、僅差で「離脱」となりました。今回の投票には、最低投票率や残留/離脱の最低得票率の設定がありませんでした。

私もあとで知ったのですが、過去に他国が実施した国の運命を左右する内容の国民投票の場合は、「残留/離脱どちらかの得票率が60%を下回った場合、効力がない」という条件をつけることが多かったそうで、今回の投票結果に不満を持つ国民は、この「60%ルール?」を理由に挙げています。

国民投票結果の法的拘束力

結論から先に申しますと、今回の結果に法的な拘束力はありません。英議会が決定権を持っていますので、「離脱」という結果を完全に無視し、このまま何もなかったように、EUに残留することは法的に全く問題ありません。

しかし、キャメロン首相はかねがね、民主主義重視の英国としてのプライドもあり、政府は国民投票の結果を尊重すると語っていました。これがキャメロン首相の議会での発言ですが、「If the British people vote to leave, there is only one way to bring that about, namely to trigger article 50 of the treaties and begin the process of exit.
英国民が国民投票で離脱という選択をしたのであれば、我々がやるべきことは、たった一つだ。それはEU基本条約第50条が発動され、英国のEU離脱のプロセスがスタートするということだ。」つまり、結果が「離脱」となれば、政府は議会に「EU離脱プロセスを正式に開始」するように要請することになるのは間違いないということです。

しかし、週末の各紙報道を見ますと、EU関係者は不必要な混乱を避ける意味でも、法的拘束力がない決定であれば、「なかったことにする」決断を英国議会はすべきだ…と圧力をかけているようです。

週末の出来事:6月25日(土曜日)

投票結果が出て最初の週末の土曜日、この2つの動きが確認されました。

 「ロンドン独立」構想 (Londependence)

James O'Malleyという一市民が始めた「ロンドン独立(Londependence)」という請願に、多くの署名が集まってきました。このようなプライベートな請願が法的にどのような位置づけとなるのかについて、私はよくわかりません。果たしてこれが、のちのちに「ロンドン独立」に向けた第一歩になるのでしょうか?

この請願は15万人以上の署名を要求していますが、既にそれ以上の署名が集まっています。いつまでこの署名が続くのかわかりませんが、15万人以上集まれば、カーン・ロンドン市長に手渡されるということですので、準備完了ということでしょうか?

 2度目の国民投票の請願

英国では、誰でも政府に対して請願することが出来、オンラインの請願ページがきちんと設置されています。

このページに書かれているように、

  • 1万人の署名が集まれば、英議会は何らかの返答をする
  • 10万人以上の署名が集まれば、英議会で審議することになる可能性が高まる

となっています。

この「2度目の国民投票の実施」に関しては、この原稿の執筆時点ですでに350万人以上の署名が集まっています。

そして、ロンドン市民は週末土曜日に国会議事堂前に集まり、2度目の国民投票実施を訴えています。この写真は私の知り合いがたまたま国会議事堂の近くを散歩していたら、多くの市民が抗議デモをしていたので、写真を撮って送ってくれたものです。

今回の国民投票は「一回限り」という前提で行われましたが、この請願では、「投票率が75%以下で、残留派か離脱派の得票が60%に達していない場合は、2度目の国民投票を行うべきだ」と条件をつけているのが特徴です。さきほど書いた「60%ルール」が生かされています。

この請願に対し、英議会は何もコメントを出していませんが、選挙管理委員会は「2度目の国民投票の実施は、ない」と語っています。

週末の出来事:6月26日(日曜日)

政局の乱れがかなり出てきました。

 保守党が真っ二つに割れた

国民投票の結果を受け、6月24日(金)午前8時15分にキャメロン首相が辞意を表明しました。週末各紙は、Brexit特集をやっていますが、テレグラフ紙日曜版は、「保守党、内部戦争」というタイトルが一面を飾っていました。タイムス紙日曜版のでもこの問題にふれていますが、次期首相の座を巡り、保守党が真っ二つに分かれているようです。

・離脱グループ → ボリス・ジョンソン(前ロンドン市長)を支持
・残留グループ → テレサ・メイ内務相を支持

党首選(リーダーシップ・チャレンジ)は、この2人の一騎打ちになるような予感がします。ただし、どちらにも属さないニュートラルな保守党議員たちは、もしボリスが首相になってしまうと、保守党は限りなく極右化してしまうことに懸念を表明しています。

現在保守党の議席は、過半数を5議席上回るだけです。いかなる理由にせよ、党の方針が変わってしまい、それに不満を抱いた議員の離脱が続くようなことにでもなれば、過半数を割る危険性が出るため、慎重に決めて欲しいと思っているのは私だけではないでしょう。

党首選の予定は流動的のようですが、現在の時点では、保守党の党首選への立候補受付は、早ければ今週末くらいまでに行われるのではとも言われています。

 労働党内のクーデター

党内部が真っ二つに割れているのは保守党だけではありません。最大野党の労働党も、かなりマズイことになりました。

今回の国民投票のキャンペーン期間中に、労働党のコービン党首は、積極的にキャンペーンを展開しませんでした。残留支持政党の党首であるのに、その任務を怠ったことに対し、残留支持の議員に加え、国民からの不満をも増長させています。

私も何紙かの新聞を読んで初めて知ったのですが、コービン党首は国民投票当日、投票所が閉まる午後10時の1時間後にはベッドに入り、翌朝6時に党幹部が電話をしてもまだ寝ており、電話に出なかったそうです。これに不満を持った労働党の影の外務相:ベン議員が、週末土曜日に「党首交代」を要求したところ、コービン党首はベン氏を更迭しました。

これに腹を立てた影の内閣(労働党の内閣)の半数の議員達が、26日(日)の夕方までに辞任すると発表しています。

原稿執 筆時点で伝わっていることとしては、

  • 月曜日夕方に労働党緊急会合を開催し、そこでコービン党首の進退を決定
  • 早ければ火曜日にも、リーダーシップ・チャレンジをスタートし、新党首決定に持ち込む可能性あり

となっています。ただし、まだまだ流動的ですので、日程が遅れることも十分にあり得ることはご承知ください。

EU基本条約50条行使のタイミング

キャメロン首相は6月24日の辞意表明演説で、以下の発表をしました。

  • キャメロン首相が辞任する時期は秋の党大会の頃
    (英国は、9月から10月にかけて、党大会の季節)
  • それまでに、党首選(リーダーシップ・チャレンジ)を実施し、新党首を選出
  • 新しい首相が英国のEU離脱の手続きを行う
  • EU基本条約50条(EU離脱)を発動するのは、キャメロン首相ではなく、新首相の役目
  • EU基本条約50条の行使を「急がない姿勢」を鮮明に打ち出した

この「急がない姿勢」の背景にあるのは、離脱派がBrexit後の英国のビジョンを全く描いていないことが理由だと言われています。報道各社書き方はさまざまですが、共通していることとして、今回のBrexit決定に一番驚きを見せているのは、他でもない離脱派の議員やボリス本人だと言われており、投票当日既に、英国独立党(UKIP)党首が早々と敗北宣言したことからも、それがよくわかります。離脱派の議員は、開票結果の5割程度が発表された時間に初めて「離脱に間違いない!」と確信したそうで、ボリス・ジョンソン前ロンドン市長は翌朝発表するスピーチの原稿をこの時間に変更したとも言われています。

このような重大決定の後には、必ずと言ってよいほど「最初の100日間の予定」が決まっているものですが、今回のBrexit後の100日は全くの白紙状態。ですので、急ぎたくても急げないというのが本音と言ったところでしょうか…。

EU基本条約50条の行使を急がない姿勢や、独立に向けた予定が白紙状態であることに異議を申し立てたのは、欧州委員会のユンケル委員長です。EUにとっては、今回の「国民投票実施後のEU離脱」の動きがドミノ倒し的に他国に普及させないためにも、英国に対して見せしめのために、驚くほど厳しい条件を突きつけてくることは間違いありません。

ユンケル委員長は、

  • 英国とEUとの離脱交渉は、友好的な内容とはならない
  • 英国から選出された欧州議会議員は、即刻クビとなるべき
  • 6月28/29日に開催されるEU首脳会談(サミット)では、2日目のキャメロン首相の参加は不可能

と語っています。

今後の日程

それではマーケットの動きをチェックする前に、8月末までの主な日程を調べてみましょう。

英国の保守党の党首選(リーダーシップ・チャレンジ)の日程はまだはっきりわかりませんので、書いておりません。あと、一番最後の米ジャクソンホール経済シンポジウムの日程は、まだ発表されていませんが、例年この時期に行われることが多いので、念のために書き加えました。

マーケットの動き

最後に英国民投票を受けてポンドがどのように動き、ここからどう展開していくのかについて考えてみたいと思います。

 ポンド/ドル

1970年代後半誕生したサッチャー政権時から現在までの月足です。

今回の国民投票前後のポンドは、驚くほど神経質に乱高下したイメージが強かったですが、過去の重要イベントと比較すると、思ったほど動いていないのが判りました。

※クリックで拡大できます

 実効レート

次は、通貨の強弱を知るために欠かせない実効レートを見てみましょう。

過去のポンド急落時の下落率を比較してみましたが、今回の下落率は過去のイベントの半分かそれ以下であることが分かりました。

※クリックで拡大できます

この下落率を見る限り、まだ「大底」には達していないと考えられます。そこで、英財務省が発表した「EU 離脱直後の経済へ与える影響に関する分析レポート」をもとにして、離脱後のショック・シナリオのポンド実効レート下落率13%と15%を使って計算してみましょう。

6月23日のポンド/ドルはだいたい1.4750あたりであった時間が長いので、1.4750を計算に使いました。その場合、弱いショックシナリオで12%のマイナスですので、単純に計算をすると、1.2980となります。強いショックはマイナス15%ですので、計算上は1.25375となります。

たぶんポンドは今後も乱高下を繰り返しながら、ジリジリと値を下げていくことが考えられます。

※クリックで拡大できます

 

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