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マーケットビュー

金曜 松崎美子の英国発!すこしFX☆なが〜くFX ロンドン在住の女性トレーダーによる為替&経済コラム

パナマ文書が国民投票に与える影響

更新日:2016年4月15日

パナマ文書、英語ではPanama Papersと呼ばれる機密文書の内容が漏洩したことを受け、英国の政界は大騒ぎです。6月23日に実施されるEU離脱の是非を問う国民投票(以下、国民投票)まで残すところ3ヶ月を切ったタイミングでの漏洩、そしてそこにはキャメロン首相の名前が載っていたこともあり、国民は首相官邸前で辞任要求を掲げた抗議デモを行いました。

今週のコラムでは、英国の政権崩壊の危機にまで発展しそうになったパナマ文書の中身と、それが国民投票結果に与える影響について考えてみたいと思います。

パナマ文書とは?

パナマ文書とは、パナマにあるモサック・フォンセカ法律事務所により作成された機密文書を指しています。この法律事務所は、オフショア金融サービスに関しては、世界で4番目に大手の法律事務所だと言われています。

この文書は1970年代から作成が開始され、オフショア金融センターを利用している21万社を越す企業の株主・取締役などの情報が含まれいるようです。その情報の総数は1,150万件に上り、情報関係者には政治家や富裕層の人たちが多数おり、今回問題になっている英国のキャメロン首相も、その一人です。

最初の漏洩は2015年初頭に起きたそうで、「John Doe」という匿名を使った人物が、ドイツの南ドイツ新聞に漏らしたそうです。しかし、文書の情報量が桁違いに大きいため、同新聞社はアメリカ・ワシントンDCにある国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)にヘルプを求めました。依頼を受けたICIJは、76ヶ国に及ぶ107社のメディア会社で働く400人を超えるジャーナリストに、その事実関係や分析を依頼し、事実の洗い出しに動いたということです。

それから1年の歳月を経て、今年4月3日に晴れてパナマ文書の一部公開という運びになりましたが、全文の公開は5月上旬になるだろうと、ICIJは話しています。

キャメロン首相に対する疑惑  その1

まずキャメロン首相に対する疑惑をお話しする前に知っておきたいこととして、「タックス・ヘイブン(税制優遇国・租税回避国)」のサービスを受けることに違法性はありません。こういう国々には、これと言った産業がないため、非居住者や外国人に対し租税環境を優遇し、企業や富裕層の資産を勧誘しています。もし、違法であれば、そもそも多数のダックス・ヘイブンの国が存在する訳がありません。

しかし富裕層の中には自身の所得隠しに利用したり、犯罪性を伴う資金が紛れ込んだりするため、「タックスヘイブン」という言葉を聞いたときの人々の反応はあまりよくありません。特に今回リークされたパナマ文書の中では、ロシアの銀行がマネーロンダリング(資金清浄)を行っている疑惑についても触れており、そこにプーチン大統領に近い人物の関与が噂されています。

それでは、話をキャメロン英首相に戻し、同首相がこの文書の公開により追い込まれた立場についてお伝えします。私は今回の疑惑を知った時、

  • そもそも同首相の先祖には、近代英国の金融界で重きをなした人物が多い
  • 首相のお父さんの代まで投資銀行「パンミュア・ゴードン」の経営に携わっていた
  • 桁違いの資産家である
  • 金融というものを熟知していた

これらの要因が重なり合い、今回のようなお金に関する疑惑が生まれやすい環境におられたのだろうな…と思いました。

話の内容は最初の発表以降少しずつ変化してきましたが、大まかな内容はこの図のようなものです。つまり、キャメロン首相のお父さんが運営していたオフショア信託を、父親が亡くなった時に遺産として受け取った。そして、首相に就任する数週間前に、身辺整理をして、この信託を売却したそうです。タックス・ヘイブンでの売却ということで、キャピタルゲイン税の支払い義務は生じません。

そもそもキャメロン首相は富裕層の出身であることを国民は熟知しておりましたので、その点は問題ありませんでした。しかし、今回の問題が発覚してから国民感情を刺激したのは、首相がこの信託勘定保有の事実関係をなかなか話さず、4月7日になりやっと公の場で認めたことでした。つまり国民は「キャメロン首相はずっと隠していた。嘘をついていた。」と受け取り、翌日8日に首相官邸前で首相辞任を叫ぶ抗議デモが行われたのです。これを受け、首相は週末4月10日のタイムス紙日曜版の一面に、過去6年に渡る自身の税金申告書(各年の収入源とその額、支払った税額などの一覧表) を公表し、身の潔白を主張しました。そして、その翌日には、キャメロン首相の大親友であるオズボーン財務相の納税額の提出を議会が求めたため、同財務相も公開しました。

キャメロン首相に対する疑惑  その2

話がここで終わればよかったのですが、キャメロン首相が4月7日に全てを話したときに、新たな「贈与疑惑」が発覚しました。今度は、自身の母親からのお金の受け取りについてです。

キャメロン首相の話によると、お父さんが亡くなったあと、両親が住んでいた屋敷は首相のお兄さんが相続したそうです。そのことについて、お母さんは兄弟の間で不公平が生まれるのは嫌だと考え、キャメロン首相と2人の妹さんにそれぞれ20万ポンド(約3,000万円)を贈与したそうです。この20万ポンドの支払いは、2011年5月と7月に10万ポンドづつ支払われたことも、わかっています。

英国では、生前贈与が行われた場合、贈り主がその後7年間生存している場合、生前贈与分は基礎控除を超えていても相続税が課されない仕組みとなっています。ですので、お母さんが7年後の2018年以降もお元気であれば、キャメロン首相は20万ポンドの贈与に対し、40%の相続税に当たる8万ポンドの支払い義務は発生しません。逆にそれまでに不幸があれば、首相には8万ポンドの相続税支払いの義務が発生します。

それではもし、キャメロン首相がお父さんからの遺産:30万ポンドとお母さんからの20万ポンドの贈与を同時に一括して受け取っていたと仮定した場合、どうなるでしょうか?その場合、受け取った額は合計50万ポンドとなりますので、基礎控除(32万5000ポンド 約5000万円) を差し引いた17万5000ポンドが課税対象となります。相続税率は40%ですので、7万ポンドの税金支払い義務が生じていた訳です。

国民の怒り

国民の怒りは2つの点に集中しました。

まず最初は、今説明したように、もし50万ポンドを同時に受け取っていたのであれば、キャメロン首相には7万ポンドの納税義務があったのに、いろいろな工夫をして、税金を支払う義務から逃れようとしたと思われる点です。

次は、今から3年前の2013年G8首脳会談(サミット)で、多国籍企業の課税逃れが問題となり、キャメロン首相ご自身が、租税回避対策を強化し脱税者を取り締まると宣言したことを国民は忘れておりません。しかし、今回判ったことは、その張本人である首相自身が脱税まがいのことをしていたことに、腹を立て裏切られたと感じているようです。

保守党の団結

キャメロン首相辞任の抗議デモが起きた先週末、偶然とでもいうタイミングで保守党の春季総会が開催されました。当然、キャメロン首相もそこに出席されましたが、そこでいくつかの決定事があったようです。

 党の団結

6月に国民投票を控え、残留/離脱を巡り党内の分裂が激しくなってきた。首相の立場がこれだけ弱っているのであれば、国民投票の残留/離脱それぞれの派閥は協力し、党の団結を強化する方針で一致したようです。

 首相続投

国民による首相辞任抗議デモを受け、キャメロン首相の進退が問われていました。しかし、この総会で保守党議員たちは、同首相続投を約束しました。たぶん、この背景には、このゴタゴタの中で敢えて首相に立候補しても、短命で終わることは明白です。ですので、ここはキャメロン首相続投で行ったほうが得策だと思ったのかもしれません。

 裏工作の噂

今回の一連の問題をめぐり、キャメロン首相は分裂が深化した党内で自身の立場を強化するため、特に離脱支持を表明している議員の支持を取り付ける作戦に出ました。新聞等で報道された内容は、国民投票が終わったら、いかなる結果となっても「内閣改造」を実施し、保守党内でも特に著名な離脱支持議員であるボリス・ジョンソン・ロンドン市長と、マイケル・ゴーブ法務大臣の「昇格」を約束したと言われています。

法務大臣の「昇格」となれば、財務相の席しかありません。しかしキャメロン首相はオズボーン財務相の続投を希望しているため、ゴーブ氏のために「副首相」の新設を約束したとも言われています。ボリス・ロンドン市長に関しては、外務相か内務相という話しにもなっているようです。

これが功を奏したのかは不明ですが、この春季総会以降、両人はおとなしくなったように見えるのは、私の気のせいでしょうか?

国民投票への影響

パナマ文書と国民投票、全く関係ない問題のように見えますが、この2つの問題は密接に関係しています。

 EU残留支持者に与えるダメージ

キャメロン首相は、「EU残留」を支持しているため、今回のスキャンダルの影響で保守党のイメージが傷ついただけでなく、EU残留支持者の減少が心配されています。今週木曜日に発表された最新の世論調査結果を見ますと、残留と離脱が同率:39%となっており、それぞれ1%の変動がありました。

 残留に関するパンフレット

今週、英国の全ての世帯の郵便受けには、「英国政府は、どうしてEU残留が英国の将来にとって最適な選択であると考えるのか?」というタイトルのパンフレットが入っていました。これが私の家に配られたパンフレットの表紙の写真です。

表紙をめくると、左側に文章での説明、右側のページは写真となっており、全14ページのパンフレットでした。いくつか写真を載せますが、英国経済についての大まかな説明・離脱後に起きると予想されること・EU残留のメリットなど、非常にわかりやすく説明されています。

このパンフレット配布について政府は今週発表しましたが、これにかかった費用は約900万ポンド。ここで問われている問題は金額の大小だけでなく、「残留派だけが得をするパンフレットを送付する」という偏った判断をした現政権への不満です。やはり公平さに欠ける決断は、支持を得ることが難しいですね。現時点で、離脱派から同様のパンフレットが配布される計画は、聞いておりません。

ポンドへの影響とここからのマーケット

最後にポンドへの影響について考えてみましょう。まず最初はポンド実効レートをチェックしてみましょう。

左側のチャートは、2015年1月からの日足です。89を下抜けしてから、水色の線で引いた下降チャンネル内での動きとなっています。最新の数字は、4月13日で84.4588。すぐ上に84.60/70台のレジスタンスが控えておりますが、ここを上に抜けたとしても、短期的な戻しは86.50/60台あたりが、せいぜいだと思います。

右側のチャートは、今年2月から4月13日までの主な出来事を実効レート上に書き込んでみました。2月20日にキャメロン首相が国民投票の日程を公表して以来、ポンド安が継続しているのがわかります。しかし、最近になりパナマ文書というキャメロン首相を揺るがす材料が出たにもかかわらず、ポンドは下落するどころか、上昇しているのが判ります。

データ:英中銀ホームページ

※クリックで拡大できます

そこで、今度はドルの動きを見てみましょう。これはドル実効レートです

左側は週足に50週移動平均線を入れました。50という数字を選んだのは、1年が52週なので、それに一番近い数字だからです。つまり、50週SMAの方向性(上向き、下向きなど)が、今までの1年間の動きを表わしていると私は考えています。最近の50週SMAの方向を見ると、上昇が一服し、平坦からやや下落に転じかけているように見えます。黄緑で引いたチャンネルも、下降ですので、ドル安です。戻しとしては、50週SMAが通る96.76を意識しています。

右側の日足チャートにも、50日SMAを残してみました。そうすると、そのレベルが96.22となっており、週足/日足ともに、96台が戻しのターゲットとして浮上してきました。下値のメドは、過去1年くらいの間の動きを見る限り、93Lowあるいは92ミドルまでは下がるのですが、そこから急落していません。今回も93.62まで下げましたが、そこでブレーキを踏んでいる状態です。

出典:Stockcharts

※クリックで拡大できます

ドルが下落のブレーキを踏み反転した背景には、原油価格が上昇に転じ、世界的な株高となったため、それを好感した投資家が積極的にリスクを取り始めたからだ…という見方が優勢です。

出典:Stockcharts

※クリックで拡大できます

気になる原油価格については、この週末17日にカタールのドーハで開催されるOPEC加盟13ヶ国プラス4ヶ国(ロシア、オマーン、バハレーン、メキシコ)会議で、増産凍結の合意がなされるのかに、注目が集まっています。

私はたまたまテレビを見ておりましたら、米CNBCテレビにバークレイズ銀行の原油アナリストさんが出ていたので、そのお話を聞いてみました。その方によると、もし原油価格が30ドル前後で推移しているのであれば、産油国間の合意は可能かもしれないが、現在のように、40−50ドル間での推移であれば、どこまで真剣に凍結について話し合うのか、疑問であると語っていました。

そして、米ゴールドマンサックスのアナリストも、万が一この会議で増産凍結が合意されたとしても、世界の原油のバランスはまだまだ供給過多である点は変わらないというコメントを残しているようです。

ドーハ会議で全参加国の増産凍結が合意され、来週月曜日に原油価格が上昇した場合は、ポンドは国民投票による先行き不安はあるものの、株式市場が大きく戻すでしょうから、買いが沸いてくる可能性も出てくるでしょう。

最後になりますが、今週木曜日から開催されているG20会合と15〜17日まで続く国際通貨基金(IMF)/世銀春季総会で、通貨政策についてどのような合意内容が発表されるかわからないため、私は今週は短期ポジションを回転するに留め、あまり欲張らないことを心がけています。その根拠となっているのが、今週月曜日のルー米財務長官の発言でした。

最近FOMC理事達の意見がタカ派/ハト派と分かれてきているので、通貨政策には直接影響を与えられませんが、アメリカの財務大臣という立場であるルーさんが、ドルや他の通貨について何かお話ししてくるといいなぁ… と思っていました。そうしたら、為替についての言及が出たのです。

「The United States and other nations must work together to further revamp the International Monetary Fund, allowing it to focus more on exchange rates, current account imbalances and global demand shortfalls.

われわれはパートナーとともに国際通貨基金(IMF)を一段と近代化し、IMFが為替や経常収支の不均衡、世界の総需要不足などの重要な問題に対する監視/調査権限を強化できるよう、取り組むべきだ。」

この発言の中に出てくる「exchange rates 為替レート」という部分が、アメリカの希望通り、IMFの監視強化の対象となるのであれば、今後はIMFからの発言ひとつでマーケットが大きく動く可能性も出てくるため注意が必要です。

果たしてこのアメリカのIMF権限強化について、G20が合意するのか?それともこれはあくまでもルー長官の提案であり、決定は先送りされるのか?そのあたりもチェックしたいと思っています。

 

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