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金曜 松崎美子の英国発!すこしFX☆なが〜くFX ロンドン在住の女性トレーダーによる為替&経済コラム

英国・国民投票特集 上巻

更新日:2016年2月26日

さて、ここからは国民投票というものを、どんどん掘り下げていきたいと思います。
上巻では、

  • 投票資格
  • 国民投票の質問内容
  • 投票時期
  • 投票を急ぐ理由
  • 投票の論点(改革案)

について、お話しさせていただきます。

投票資格

投票結果を大きく変えてしまう投票資格についてですが、英国には「イギリス憲法」という集大成され文字で表わされた法律は存在しません。つまり、日本にある「六法全書」に並ぶものがない不文憲法ですので、選挙や国民投票などに関する投票権付与に関する規定があいまいになりがちです。今回の国民投票での投票資格に関しては、紆余曲折を得て、以下の内容で決定されました。

英国内に居住する18歳以上の英国国籍保有者
英国内に居住するアイルランド、マルタ、キプロスの国籍保有者
英国または英領ジブラルタルに居住するコモンウェルス(英連邦)加盟国の国籍保有者
英国外に在住する英国人に関しては、出国から15年以内であれば投票可能
下院選挙では選挙権を持たない上院議員も投票可能
EUとコモンウェルス両方に属するマルタとキプロス以外のEU加盟国出身者には投票権が与えられない
イギリス王室属領 であるジャージー島、ガーンジー島、マン島の住民は、EUに所属していないため、投票権が与えられない

投票資格者の総数は、約4,530万人となる見通しです。

国政・地方選挙と国民投票とでは、投票資格が微妙に異なります。今回は英在住の約270万人のEU加盟国出身者への投票権は認められませんでした。その理由は明らかになっておりませんが、これらEU加盟国出身者は英国人と結婚したりして、英国に骨をうずめる覚悟で英国に住んでいる人たちです。当然、これらの人たちはEU残留に票を入れると思われます。仮に投票結果が拮抗した場合は、英国人ではない「EU人」が英国の将来を決定することになってしまいます

先週のコラム記事でも書きましたが、議会民主主義制の英国において、直接民主主義的な要素を持つ国民投票で、英国の将来を決定するという大冒険な賭けであるため、投票資格者の選択は今まで以上に重要になります。最終的には、英国人ではない「外の人たち」がこの国の運命を決定することは、おかしいという論理で、彼らは投票資格者から外されたようです。

そして、資格と同じくらい問題となったのは、投票結果の効力に一定の投票率を設定すべきか否かということでした。具体的な数字を挙げますと、投票率が40%を下回った場合には、効力を無効にすべきという案が出ました。ただし、最終的には今回の投票には最低必要投票率を定めない方針で決着したようです。

少し気になったので、2000年以降に英国で実施された総選挙・地方選挙・ロンドン市長選・欧州議会選挙の投票率を調べてみました。断トツ1位は、2014年秋に実施されたスコットランドの住民投票です。それ以外ですと、総選挙の投票率はだいたい60%かそれ以上となっておりますので、国民投票もこれと同じか、それ以上の数字が期待できると私は信じています。

チャートの棒グラフの色分けは @ 赤=国政選挙 A 緑=欧州議会選挙 B 水色=地方選挙 C 黒=ロンドン市長選 D 黄色=スコットランド自治政府選挙 E ピンク=スコットランドの独立を問う住民投票 となっています。

※クリックで拡大できます

データ:国会図書館

国民投票の質問内容

2013年にキャメロン首相が国民投票の実施を宣言した直後に、質問内容がメディアに洩れてきました。それは、「Do you think that the United Kingdom should remain a member of the European Union? 英国はEUのメンバーとして、残留するべきだと思いますか?」 という質問でした。質問の文言は、欧州委員会の承認が必要となりますが、出来る限り簡素化し、誰もが理解しやすいものにすべきであり、YesまたはNoで答えられるものが望ましいとされていました。しかし、この質問では、質問文そのものに「残留すべき」という部分のみ含まれており、残留希望者に有利に働くという意見が出てきたため、変更を余儀なくされました。

最終的な文言は、以下のように決定されました。

「Should the United Kingdom remain a member of the European Union or leave the European Union? 
英国はEUに残留すべきですか?それとも離脱すべきですか?」

答えは、

「Remain a member of the European Union.  EUに残留すべきです」
「Leave the European Union.  EUから離脱すべきです」

国民投票の投票日

次は一番気になる国民投票の投票時期についてです。今年に入ってから、英国が提出した改革案に対し、EU側からの譲歩案が発表され、双方が歩み寄りの姿勢を示しました。そして、皆さんのご記憶にも新しいと思いますが、2月18/19日のEU首脳会談(サミット)で、最終合意に達したのです。翌20日にキャメロン首相は閣議を開催し、その日の午後に国民投票を6月23日(木)に実施すると発表しました。そして、週があけた2月22日に議会で正式に承認されたのです。

ここからの動きですが、国民投票法により、EUサミットで合意が得られ英国議会で正式に投票日を発表した場合、その日から投票日までに最低で16週間が必要となると定められています。最初の6週間は投票に向けた議会での準備期間、そしてそのあとに続くキャンペーン期間は「最低でも10週間」という期間が必要となります。つまり、このまま特に問題なく議会での準備が終了すれば、4月14日から本格的なキャンペーンが開始される運びとなるはずです。

国民投票を急ぐ理由

2017年末までに投票を終えれば構わないのに、どうしてこんなに投票を急ぐのか?それには4つほど理由があると私は考えています。

(1) 2017年 フランスとドイツでの選挙

一番大きな理由は、2017年にはフランスで大統領選が、ドイツでは国政選挙が実施されます。そのため、両国は2017年に英国が国民投票をすることを嫌がっており、もし2017年に投票するのであれば、あまり協力が出来ないと事前に断りを入れていることです。EUの2大経済国であるドイツとフランスの協力を得られないのであれば、2016年中に実施するほうが賢明であると判断したキャメロン首相の希望通り、6月23日に実施する運びとなったのです。

(2) 保守党が抱えた政治リスク

2つめの理由としては、EU離脱に関する議論が英国内で長期化した場合、保守党単独政権そのものが倒れてしまうのではないか?という危機感があります。2010年の総選挙では、自由民主党との連立を強いられた保守党ですが、2015年にようやく単独政権を手に入れました。しかし、保守党内部には多数のEU懐疑派議員がいるため、いつなんどき英国独立党(UKIP)に離党するかわかりません。保守党は過半数を取ったといっても、わずか5議席を上回るだけですので、この「EU懐疑派という不満分子」が騒ぎ出すと政権崩壊というリスクもあり得ます。

(3) EU離脱キャンペーンの足並みの乱れ

国民投票に向け、残留・離脱それぞれの支持者達が、いくつかのキャンペーン・グループを作っています。残留支持者達は、「Britain Stronger in Europe」というグループを作り、そこで一致団結し残留を訴えています。それに対し、離脱支持者達は、「Leave EU」と「Vote Leave」という2つのグループに分かれ、それぞれが離脱に向けたキャンペーンを展開しているところです。

離脱支持者も、残留組のようにひとつのキャンペーン・グループに統合し、一緒に力を合わせればよりキャンペーン効果が増大するという意見が多いのにも関わらず、両グループとも歩み寄りを見せていません。そのため、キャンペーン期間が短ければ短いほど、残留支持グループに有利に働くといわれています。

(4) 経済的損失

最後は、EUに残留するか否かがはっきりしないため、企業による投資が大きく後退し、英国経済が景気後退などのリスクにさらされることです。
のちほどあらためて書きますが、英中銀のカーニー総裁も、「出来る限り早めの投票が望ましい。」と語っています。

国民投票の論点(EU改革案)

今回の国民投票では、どんなところが論点となるのか?英国はEUからどんな譲歩を引き出そうとしているのか?それについて、考えてみましょう。

昨年11月、キャメロン首相はトゥスクEU大統領に対し書簡を送り、そこで英国がEUからの権限を回復したい4項目の案が載っていました。それらを大きく分けると、以下のようになります。

(1) Immigration(移民対策)

EU域内からの移民は、英国に移住してから4年経たないと、労働関連の補助金などをはじめとした福祉手当てを受給出来ない
移民に英国以外の国に居住する子供がいた場合、その子に対して、英国政府は子供手当てを支払う義務はない

などが挙げられますが、これに対してEU加盟各国の反応はさまざまです。ドイツ政府は、福祉手当の支給の是非には触れず、EU域内の移民の移動に制限を加えることを指摘しており、「域内の人の移動の自由」という根幹原則を揺るがすことは認められないとしています。

それとは別に、英国への労働移民が特に多い東欧諸国の政府は、「人間であれば福祉手当を受け取ることは、当然の権利である。この英国の要求は、人権を全く無視した内容で、憤りを覚える。」と大反発しています。

(2) Economic governance(経済ガバナンス)

単一通貨:ユーロに加盟しないEU加盟国が、不利益を蒙らないようにする
(欧州多通貨経済圏の提唱)
単一通貨:ユーロの維持のため、加盟していない国々の納税者は負担を負わない
ユーロ圏の決定に対し、ユーロ圏以外の加盟国がそれに従うかは、任意とする

などがあります。

(3) Sovereignty(主権)

Ever closer union(絶えず深化する統合)に向けた協力・努力に英国は参加しない
司法・内政における加盟各国政府の主権を尊重
欧州人権裁判所による過度な干渉から、英警察と司法の解放
英国議会が決定すべき主権に対し、EUが指令を出してきた場合には、それを拒否できる「レッド・カード制」を導入する

などがあります。ちなみに、英国政府は軍事面での「欧州連合軍(EU軍)の創設には反対しています。

(4) Competitiveness(競争力)

英国内で活動する企業に対する過剰規制の緩和

最後に

次の中巻では、「国民投票実施後に起こりうる5つのシナリオ」について、詳しくお話しするつもりです。この部分は難しかったのですが、かなり多くの資料を集めたおかげで、よくわかるようになりました。

 

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