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金曜 松崎美子の英国発!すこしFX☆なが〜くFX ロンドン在住の女性トレーダーによる為替&経済コラム

英国・国民投票特集 「英国とEU」

更新日:2016年2月19日

2013年1月23日、キャメロン首相は「英国のEU離脱の是非を問う国民投票」(以下、国民投票)を2017年末までに実施すると発表しました。当時は保守党と自由民主党の連立政権となっており、EU残留を強く望む自民党と、離脱を望む議員が多い保守党との間で意見の統一がとれない中での発表となりました。

その後、2015年5月総選挙で保守党の単独過半数が決定された直後に、議会は「国民投票法案」を正式に可決し、国民投票実施に向けて動き出したのです。

日本での英国民投票についての報道が、どの程度まで掘り下げられているのかわかりませんが、ロンドン在住という強みを生かし、現在わかっている限りの内容を皆様にお伝えするつもりです。構成といたしましては、

  • 国民投票特集 英国とEU
  • 国民投票特集 上巻
  • 国民投票特集 中巻
  • 国民投票特集 下巻
  • 国民投票特集 英中銀編

の5部構成を予定しております。出来れば5週間連続でお伝えできれば嬉しいですが、途中で中央銀行の金融政策内容の変更など重要な動きが出てきた場合に限り、そちらのニュースを優先的にお伝えすることになるかもしれないこと、予めご承知置きいただければ幸いです。

今週は、国民投票に入る前に、今までの欧州と英国の関係について書いてみたいと思います。

欧州統合と英国

欧州大陸は、戦後いくつかの共同体構想を経て、現在に至っています。欧州にはそれぞれユニークで素晴らしい国がそろっていますが、米国や中国という大国を前にしてしまうと、かすんで見えてしまいます。世界的なプレゼンスを上げるためにも、米中に十分に対抗できる経済・政治など包括した連邦圏を形成する方が得策だと考えた欧州各国は、文化や言語を超えた統合に積極的でした。そしてその中でもドイツは特に、侵略戦争を犯した過去を反省し償う意味からも、前向きに取り組んできたのです。

最初は1957年に欧州連合条約の前身とも言える「欧州経済共同体」が設立されましたが、そこから欧州は将来の「連邦制」を描きながら一歩ずつ前進してきました。そして、1985年にフランス人のドロール氏が欧州委員会委員長に就任、1989年にベルリンの壁が崩れ、1991年にソビエト連邦が解体してからと言うもの、欧州統合は画期的なスピードで進み始めたのです。

※クリックで拡大できます

この統合過程では、国境規制を徹底的に取り除いたため、欧州という広大な土地で人・物・金が自由に動きだしました。すると、そこで問題となったのが、通貨の違いです。これだけの巨大市場が創出され、パスポートなしで移動が可能になったのに、国から国に渡る時には必ず通貨の交換をするというわずらわしさがついてまわったからです。この面倒な事をなくすためにはどうしたらよいのか?この問題解決のためにも、欧州では通貨統合の可能性がにわかに現実味を帯び、とうとう1999年に欧州単一通貨のユーロが誕生しました。

この一連の動きを一歩引いて眺めていたのが、他でもない英国でした。この国は、人から何かを指示されたり、長いものに巻かれる行動を嫌います。同じ小さな島国ですが、日本とはかなり違う気質を持っている国です。当然のことながら、ユーロ誕生の際には、「欧州全体で共通の通貨を使うのは結構だが、英国は全く参加する気はありません。」という強い態度を示しました。このように、EUに加盟しながらも、英国ではポンドを使用し、パスポートなしで行き来が可能となるシェンゲン協定*にも参加せず、欧州統合の深部には足を踏み入れない態度を貫いてきました。

* シェンゲン協定

1990年代後半、欧州統一に向けヨーロッパの国家間において国境検査なしで国境を越えることが許可されました。その協定の署名がルクセンブルグのシェンゲン付近で行われたことをうけて、シェンゲン協定と名付けられました。この協定は、1997年にアムステルダム条約が成立した時に、欧州連合の法律のひとつとして取り入れられています。
このときは25カ国が加盟しましたが、海を隔てた英国とアイルランドは、この協定の国境検査撤廃の適用対象から除外されています。逆に、EUに加盟していないスイスは、この協定に参加しています。

しかし、ユーロ誕生後10周年にあたる2009年、EU基本条約であるリスボン条約が発効。それと同時にEU大統領職が設定され、欧州統合がまた一歩前進しました。この決定により、将来的には連邦制に向けたシナリオが出来上がってきたため、英国はある種の危機感を抱き、EUからの権限回復に向けた交渉に入ったのです。

ここであらためて申し上げるまでもなく、英国は議会民主主義発祥の地ですので、議会が全てを決定します。しかし、欧州統合の深化とともに、英国民に直接関係する事柄が、欧州委員会や欧州議会で決定されてしまうことが多くなりました。それに反感を覚えたのは、政治家だけではなく、英国民も同じです。つまり英国人は欧州連合の本部があるブリュッセルの官僚主義をあまり好ましく思っておらず、EUとの「red tape 官僚的なしがらみ」を出来るだけ断ち切り、自国の問題は自分達の手で選んだ政治家に決めてもらいたいという願望をあらわにしてきたのです。

特にその願望が強くなったのは、2009年に始まったギリシャ債務危機の時だったと記憶しています。当時はリーマン・ショック直後で英国経済もドン底の状態でした。赤字削減・財政均衡を目指す連立政府は、過去に経験したことがないほどの超緊縮財政策を断行し、毎年一定数の公務員を解雇し多くの失業者を生み出しました。英国民にしてみれば、「我々だってやっとの思いで生活しているのに、どうしてユーロに加盟していない自分達の税金がギリシャのために使われるのか?」EUとのred tapeに対する嫌悪感とも言える感情が、英国の人たちの中に宿ってきた瞬間だったように思います。

そして、最近では、難民問題やパリの同時多発テロ、そして年末ドイツ・ケルンで起きた女性への暴行事件。これら全ての出来事が、「欧州から距離を置きたい」という願望を強くさせたことは間違いありません。

英国とEUとの関係史

次に、ここまでの英国とEUとの関係についてざっと振り返ってみたいと思います。

* Referendum Lock

2010年5月に実施された総選挙で、保守/自民党の連立政権が誕生した時に決定された公約。
その内容は、「英国政府からEUへ、今まで以上の/何か新しい/追加の国家権限を委譲しなければならない場合、国民投票 (Referendum) の実施を保証する」というもの。
言い換えれば、EU加盟国による統合強化が深化され、英国が現在保有している国家主権の一部を譲渡せざるを得ない状況になった場合、又は国家主権の一部を断念しなければならないような事態が起きた場合には、決断をするのは政治家ではなく「国民がその是非を決定する」という内容。

2010年の連立政権でReferendum Lockが導入されたことを受け、国民投票実施は、「もし」から「いつ」へと変化してきました。そして、2014年9月にスコットランドで実施された「スコットランドの独立を問う住民投票」を経験してからというもの、英国での国民投票実施は、「いつか近い将来」から「数年以内」へと、またしても時間軸を縮めてきたのです。

国民投票についての基礎知識

次回のコラム記事では、国民投票の詳細をご説明します。その前に、英国のある報道機関がまとめた「国民投票」に関する基礎知識をご紹介します。とても簡潔にうまくまとめられていたので、参考にしてください。

Q : 今 英国ではなにが起ころうとしているのですか?

A : 2015年5月に実施された英国の総選挙で、保守党は「英国がEUに残留することの是非を問う国民投票を実施する」と選挙公約に掲げました。そして、保守党が過半数以上の議席を獲得し単独政権が誕生したことを受け、公約に基づき英国では国民投票が実施される運びとなったのです。

Q : 国民投票とは?

A : 国民投票とは、通常国政選挙で投票権がある年齢の人に対し、質問を投げかけ、国民がそれに答えるものです。いずれかの回答で、50%以上の支持を得た内容が、選択されます。

Q : 欧州連合(EU)とは?

A : EUとは、経済と政治の分野で28ヶ国がパートナーシップを結んだ連合です。貿易相手国同士が結びついた経済協力体という形式で戦後まもなくはじまりましたが、ここでは経済の枠組みを超え、加盟国間での戦争を行わないという約束も結んでいるのです。その後、EUは「単一市場」として拡大し、現在は28ヶ国中、19ヶ国でユーロ単一通貨を使用するにまで至りました。

Q : 国民投票は、いつ実施されるのですか?

A : キャメロン首相は、2017年末までに実施すると語っています。英国では、このような「投票」が実施されるのは、伝統的に5月または9月になる傾向があります。一部のビジネス関係者の間では、不透明感を払拭するためにも出来る限り早い実施を求める声があり、一番早い実施時期として「2016年5月」が候補にあがっていました。ただし、この時期には、スコットランドなどで自治州選挙が行われるため、それと重なることが賢明であるかについて、意見が分かれています。ただし、現状では5月実施には時間的に間に合わないことが考えられるため、一番早い実施時期としては、「2016年6月」が有力視されています。


この点について、私の考えを追加したいと思います。私も英国に住むまで全く知らなかったのですが、英国では選挙や投票というものは、伝統的に木曜日に実施されます。つまり、会社勤めの人たちは、出勤前あるいは帰宅途中に投票所に足を運ぶことになります。英国という国は、緯度が高いこともあり、冬時間(10月末〜3月末)の間は日照時間が極端に短くなり、会社勤めの人たちの投票率が下がることが予想されるため、この期間には投票が実施されることは、ありません。そうなると、選挙や投票は夏時間(3月末〜10月末)に実施される可能性が高まります。ただし、スコットランドだけは学校の夏休みが6月最終週(イングランドは7月3週目)から始まるため、ホリデーに出てしまい投票出来ない有権者が増えることが予想されることもあり、6月末から8月末までの2ヶ月間は、投票には適しないと考えられています。そうなると、投票可能な時期は、4月から6月3週まで、そして9月か10月となります。

2016年は、5月にスコットランドなどで自治州総選挙が実施されるため、その選挙キャンペーンで忙しい4月は無理。選挙がある5月も無理。

このように消去法で残された「2016年に投票可能な時期」は、6月・9月・10月となります。

Q : どうして今すぐにでも国民投票を実施しないのですか?

A : キャメロン首相は、EUにおける「英国の立ち位置」を変更してから、国民投票を実施する意向を示しているからです。そのためには、EU側との交渉は絶対に避けられません。

Q : 野党では、国民投票の実施そのものに対する反対はありませんか?

A : 2015年5月の総選挙では、自由民主党と労働党が、EUから英国へ一部の権限譲渡が行われない限り、国民投票を急ぐことに反対する姿勢を示しました。その後、労働党は反対姿勢を緩和させています。

Q : どうして英国はEUから離脱したいのですか?

A : 英国では、EUが設定したがんじがらめの規制に縛り付けられ、思うようにビジネスが展開できないという不満が高まっています。そして、英国からEUに対して支払う加盟国のメンバー費用が、あまりにも高いことも問題視されています。それ以外では、EUは統合に向け深化しており、将来は「連邦化」を視野に入れているようですが、英国はその考えを共有していない点も挙げられるでしょう。

Q : それとは別に、英国はEUに残留すべきと考えている人もいるのですね?

A : キャメロン首相は、EUから一部の権限を英国に取り戻すという前提で、残留に賛成しています。多数の労働党議員、そしてスコットランド国民党・自由民主党なども、EU残留を支持しています。最新の国民投票によると、45%の国民が残留を支持しているようです。

Q : 英国はEUに残留したほうが、最終的には良いのでしょうか?

A : これに関しては、個人個人が何を一番優先するかによるでしょう。EUを離脱するということは、英国にとって非常に大きな変化を受け入れることになります。極端な話、次の総選挙で保守党が勝つか、労働党が勝つか?という問題よりも、ずっと大きな問題になります。

Q : ビジネス業界の意見は、どうですか?

A : 大企業は、一部の例外を除き、EUに残留することを望んでいます。英国商工会議所の調査では、55%のメンバー企業が、残留を支持しているという調査結果を発表しています。しかし、「28ヶ国のひとつ」という立場ではなく、「英国」というひとつの国として、貿易やビジネスの交渉が展開できることを支持するビジネス・リーダーがいるのも事実です。いずれにしても、今後キャメロン首相がどのくらいの譲歩をEUから引き出せるのか?それにかかっているでしょう。

最後に

国民投票の詳細説明に入る前に、英国とEUとの関係や、国民投票の基礎知識をご紹介しました。次回は、国民投票特集 上巻と題しまして、「投票資格・質問内容・投票時期・投票を急ぐ理由・投票の論点(EU改革案)」についてお話ししたいと思います。

 

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