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金曜 松崎美子の英国発!すこしFX☆なが〜くFX ロンドン在住の女性トレーダーによる為替&経済コラム

ECB、新たな追加緩和の可能性

更新日:2016年1月22日

昨年から欧州を悩ませている難民問題。中東・北アフリカなどから流入する難民に対し、唯一歓迎の意を示したメルケル独首相。しかし、その後この問題はどんどん深刻化し、先週末にオーストリア政府は、欧州26カ国の間をパスポートコントロールなしに移動が可能となるシェンゲン協定を一時中止すると発表しました。モノ・カネ・ヒト・サービスの「4つの自由」という欧州統一の大前提が真っ向から否定された瞬間でした。4つの自由に代表される欧州の一体感は、単一通貨:ユーロの象徴であり、シェンゲン協定のスピリッツはユーロそのものであるという認識が高い欧州で、シェンゲン協定を中止しながら、ユーロを使用することには矛盾を感じる人が多いのも事実です。

難民問題を通して、ユーロの存在価値が問われる中、今年最初の欧州中央銀行(ECB)理事会とドラギ総裁の記者会見が木曜日に実施されました。今週のコラムでは、ドラギ総裁の記者会見を中心に、今後のユーロの動きを考えてみたいと思います。

メルケル・ドラギ非公式会談

ECB理事会が開催される1週間前の先週、メルケル独首相は、ドラギECB総裁と個人的な会談の場(非公式会合)を持ちました。今までも両氏の間では、こういう会談が定期的に持たれていましたが、今回のメイン・トピックスは「ECBの量的緩和策(QE)からの出口戦略について」だったと伝えられています。

ドイツ中銀のバイトマン総裁だけでなく、ドイツでは政治家も含めECBの長期に渡る超低金利 (マイナス金利) 政策の継続に反対する人たちが多く、今月中旬にフランス中銀が開催したコンフェレンスの席でも、バイトマン総裁は超低金利の長期化は資産バブルを生み出し銀行の収益を縮小するというネガティブな側面を訴えたばかりです。果たして、メルケル首相がECBの低金利政策に苦言を呈したのかはわかりませんが、あまり立ち入った要求をしてしまうと、ECBの独立性にも暗い影を落とします

この会合の前日14日に発表された12月分のECB理事会議事要旨では、「12月のカット幅が10bpsに留まったおかげで、必要であればさらに追加する余地が残されることになった」と、追加緩和の余地に言及していました。これを言葉通りに受け取め、追加緩和の可能性に期待してよいものなのか、やや不透明感が増してきたのは確実です。

そして私が最も気にしていることは、昨年1月にも今年同様、メルケル・ドラギ非公式会談の発表があり、その翌週に開催されたECB理事会では‘国債購入を含む量的緩和策(QE)の実施’が発表されたのです。今年の会合も、翌週にECB理事会を控えたタイミングなだけに、ざわざわした気分になっていますが、さすがにこの時点での出口戦略についての発表が行われる可能性はほぼ絶望的であると、私は考えています。

ECBからの発表

このコラム記事でも何度も書いておりますが、ECBからの発表方法について、念のためにもう一度説明させていただきます。

1)日本時間(冬時間) 21時45分
標準的措置 = 政策金利の発表

2)日本時間(冬時間) 22時30分 ドラギ総裁記者会見
非標準的措置 = 量的緩和策(QE)などの内容の追加、変更などがある場合、冒頭20分くらいで読み上げる声明文の中で、発表されます。つまり、ドラギ総裁が声明文全てを読み上げ、そこではじめてECBの金融政策内容の全容が明らかになります

ちなみに今月の理事会では、政策金利全てを据え置くと発表されました。

ドラギ総裁記者会見

待ちに待ったドラギ総裁の記者会見が始まりました。前回12月3日のドラギ総裁記者会見では、発表された追加緩和が予想以下の内容となりマーケットは失望、結果として3%もユーロ高となりました。それと同時にドラギ総裁のCredibility(クレディビリティー)に疑問符がついた状態でしたので、今月の会見では慎重に言葉を選んでお話しになるだろうと市場参加者は考えていました。

気になる原油価格に眼を向けると、12月3日の理事会から今週木曜日までの間に、さらに35%下落しています。そうなると、必然的に今月の会見内容は、否が応でも「Dovish ハト派」的なトーンにならざるを得ないというのが、コンセンサスとなっていました。

 声明文内容について

さて、ドラギ総裁が声明文を読み始めましたが、出だしから予想以上にハト派的内容となっていたことを受け、ユーロが急落。

ユーロ売りを加速させたのは、声明文の中でも以下の2箇所でした。

・低金利政策の長期化を示唆

「we decided to keep the key ECB interest rates unchanged and we expect them to remain at present or lower levels for an extended period of time.
ECB理事会では、政策金利の据え置きを決定した。我々は、長期間にわたり主要金利は現行水準もしくはそれを下回る水準で推移することになるであろうと予想する。」

前回12月の理事会では、赤くハイライトをしていた「長期間に渡り」という文言は入っておりませんでした。ドラギ総裁は、今までにも声明文の中でこの文言を使うことがありましたが、ほとんど場合その後追加緩和に動いたと記憶しています。

・3月の理事会で金融政策スタンスを再考

「Yet, as we start the new year, downside risks have increased again amid heightened uncertainty about emerging market economies’ growth prospects, volatility in financial and commodity markets, and geopolitical risks. In this environment, euro area inflation dynamics also continue to be weaker than expected. It will therefore be necessary to review and possibly reconsider our monetary policy stance at our next meeting in early March, when the new staff macroeconomic projections become available which will also cover the year 2018.」

全文は訳しませんが、「3月に開催する理事会で金融政策スタンスを再評価する」と述べ、追加的な金融緩和に踏み切る可能性を示唆しました。12月の発表内容に失望したマーケット参加者は、3月というタイミングでの追加緩和は全く期待していなかったこともあり、この内容には皆が飛びつきました。

 質疑応答での驚き発言

声明文を読み終わり、質疑応答に移りました。ここでも、原油安や中国の問題、難民危機など多数の質問が寄せられましたが、特に驚いたのが、2番目の質問に対するドラギ総裁の発言でした。

・最初の英FT紙の記者の質問と答え

質疑応答の口火を切ったのは、FT紙の女性記者でした。内容は、「追加緩和をすると仰いましたが、果たしてECBにどんな手段が残されているのでしょうか?もう使うべきものは、ほとんど使ってしまったのではないかと思われますが…?」というものでした。

それに対してドラギ総裁は自信たっぷりに、「ECB理事会には、行動に移す権限と意欲、そして決意があるので、必要とあれば行動に移す準備が出来ている。我々に与えられた責務の範囲で、講じられる手段は豊富にある。」 と語りました。

・2番目の米WSJ紙の記者の質問と答え

次はいつも出席している記者とは違うWSJ紙の記者からの質問でした。
「12月に追加緩和に動いた時、決定内容はこれで十分であると総裁は答えました。しかし、先ほどの声明文の中では、早ければ次の3月の会合であらためて追加緩和に動く可能性について示唆されています。このように会合のたびに意見を変えることは、ECBのCredibility(クレディビリティー 信頼性/信用性) を傷つけることにならないのでしょうか?」

これに対しドラギ総裁は、「12月の理事会での発表は、あの時点で必要な措置であった。あの決定以来、マーケットを取り巻く環境は大きく変化した。原油価格を例に挙げれば、(12月の理事会に向けた調査期間の締切日から2016年1月21日の理事会までの間に)40%も下落している。我々のCredibilityが喪失されるのは、必要な政策を必要なタイミングで発表しないことである。」と記者の質問に対して一蹴しました。

私はずっとライブで記者会見を見ておりましたが、12月の記者会見の時と比べると、今月のドラギ総裁はご自身の発言に自信を持っており、強気発言をしてくるなぁ…と感じました。

そしてこのあと、ドラギ総裁は会場に詰め掛けた記者にだけでなく市場参加者に対しても、ECB理事達の追加緩和に対するコミットメントの深さを思い知らせたのです。

「We have the determination to act and there are no limits within our mandate.
The governing council was unanimous on this line of communication.

我々には、行動に移す決意があり、我々に与えられた責務の範囲で講じられる手段は、豊富にある。ECB理事会では、(追加緩和に動くかどうかの)見直しを3月に行う必要性について全会一致で決めた。」

この「全会一致」には驚きました。12月の理事会は、ドラギ総裁をはじめとする「大胆な追加緩和派」に対し、5名の理事が「これ以上の追加緩和の実施に強硬に抵抗した」と伝えられていました。わずか6週間後の今月の理事会では、12月に抵抗した理事全員が3月の追加緩和に向けた見直しに合意しているという意味でしょうから、どうりでドラギ総裁の発言が自信にみなぎっており、強気になっていた訳だ…と一人で納得してしまいました。

ドラギ総裁記者会見のまとめ

記者会見での発言を要約しますと、

1) 次回3月の理事会で、金融政策スタンスの見直しをすることになった。
2) 12月の理事会では、追加緩和策の導入の決定に反対した理事達がいたが、1月の理事会では3月に金融政策スタンスの見直しをすることを、全会一致で決定した。
3) 12月の追加緩和内容は、あの時点では適切な措置であった。しかし、その後市場を取り巻く環境が大きく変化した。
4) マーケットのボラティリティーが高止まりしたままであれば、望ましくない金融引き締め状態になってしまう。3月の理事会で追加緩和を検討しようということになった理由の1つが、このことである。

ということで、マーケットの関心は、3月の理事会での決定内容に移りました。

まとめ

今年の為替市場では、ポンド下落と円高が勢いを増し、ユーロは蚊帳の外という雰囲気になっています。過去の動きを少し忘れかけていたので、ユーロに影響を与えた主な出来事をユーロ/ドル週足チャートに書き加えてみました。

※クリックで拡大できます

2014年にECBがマイナス金利を導入して以来、ファンディング通貨は円からユーロに移り、そのおかげでユーロは下げ続けていました。アメリカの利上げ期待も高まった昨年は、通貨見通しとして、ユーロ/ドルのターゲットをParity(1.0000)とする大手銀行が目立ちましたが、1.04台を2回試してどちらも下抜けに失敗しています。そして、今年に入ってからは、ポンドや円に主役を奪われ、ユーロはあまり大きく動いていません。

しかし、対ドルで見るユーロと、通貨の実力を示す実効レートで見るユーロとでは、話しは違ってきます。

チャート:欧州中銀(ECB)ホームページ

※クリックで拡大できます

これが上のチャートとほぼ同時期のユーロ実効レートですが、今年に入ってからの実効レートは力強く上昇しているのが判ります。ECB理事会が開催された1月21日のレートは94.2107となっており、2012年にサポートとなった94.20〜94.90のレベルに到着しました。過去にこれだけサポートされたレベルですので、ここから上昇するとしても、すんなり簡単に上抜けするとは思っていません。もしかしたら、しばらくここのレベルで揉んで、頭打ちになり下落に転じる可能性も十分にあるでしょう。

しかし、いかなる理由があるにせよ、昨年の高値である95.23を抜けてくるようですと、半値戻しがある96.7939を目掛けて走る可能性が出てきます。

偶然かどうかは判りませんが、来週は日米両国の金融政策会合が開催されます。特に、米FOMCが発表する声明文で利上げペースの鈍化を示唆する表現が盛り込まれると、大きな番狂わせとなり、ユーロ/ドルが大きく上昇する可能性も出てきますので、十分に気をつけたいものです。

 

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