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金曜 松崎美子の英国発!すこしFX☆なが〜くFX ロンドン在住の女性トレーダーによる為替&経済コラム

クリスマス・プレゼントをくれなかったドラギ総裁

更新日:2015年12月4日

今年最後の欧州中銀(ECB)金融政策理事会が、12月3日に開催されました。ドラギ総裁の記者会見では、いつも何らかのサプライズがありますが、今月は特に注目度が高まっていました。それは、前回10月の会合で総裁は「数名の理事たちは、10月の理事会で追加緩和の導入に非常に前向きであった。」と語ったからです。そこまで追加緩和導入に前向きなのであれば、ECBは一体どんな手段を使ってくるのか?それが、マーケットをワクワクさせていたのです。

今週のコラムでは、木曜日に開催されたECB理事会とドラギ総裁の記者会見での発表について考えてみたいと思います。

最近のECB理事たちの発言内容

11月13日、パリで同時多発テロが起きて以来、ECB理事たちが発言する機会が増えてきているようです。ここでは特に私が気になった発言を取り上げてみました。

 メルシュ理事 (ルクセンブルグ)

フランスの新聞へのインタビューでの発言ですが、他の理事と比較すると追加緩和には、やや消極的なイメージとなっています。

  • 12月の理事会で何をやるのかについては、何も決まっていない
  • ECBは米FEDの動きによって、決定するようなことは、ない

 コンスタンシオ副総裁 (ポルトガル)

  • 金融政策内容が緩和度を高めるなか、インフレ率は下がっている。 これは言い換えれば、実質金利が上がっていることになる。
  • 非常に低いインフレ率は、インフレ期待値を低くしてしまい、実際の物価や 賃金設定の際に、影響を与えることにもなりかねない。
  • 今後も金融面では緩和傾向を継続していくことになるだろうが、緩和をすることだけが、現在欧州を悩ませている問題解決に有効であるわけではない。
  • 12月の会合でなんらかの追加緩和策の導入に動く可能性があるが、金融政策はすでに行き着くところまで行ったという懸念もあるのが、正直なところだ
  • 欧州連合が決定したユーロ加盟国に義務付けられている「経済・安定協定」 (加盟国の財政赤字は対GDP比3%以内、公的債務対GDP比は60%以下)は、 時として柔軟に対処する必要が生じる場合がある

 プラートECB主席エコノミスト (ベルギー) 

ブルーンバーグTVのインタビューでの発言です。

  • 最近ドイツから発表される経済指標やニュース、そしてパリ同時多発テロにより、ユーロ圏内の景気に対して、ややダウンリスクが高まった可能性がある。
  • ECBは将来のインフレ率予想を高すぎて予想していた。そのため、中銀による将来のマクロ予想の能力は、思ったほどよくないと市場は考えはじめている
  • 他国の中銀で(ECB同様に)マイナス金利を導入している国が現在まで辿ってきた経緯を研究し、果たしてECBはこれ以上のデポジット金利のカットが必要であるかを考えなければいけない

ECB理事会に向けての事前予想

それでは、ECB理事会でどのような追加緩和の発表が出てくるのか、その内容について考えてみましょう。

 追加緩和の手段

これは、10月26日にセントラル短資FXさんで行ったWEBセミナーで使用した資料のひとつです。

このように伝統的な政策金利の変更に関しては、デポジット金利をカットすることに加えて、金利の適用範囲を変更し2段階にする可能性が指摘されていました。

今年3月から実施されている国債購入を含む量的緩和策(QE)に代表される非標準的措置については、国債購入期間の延長や規模の拡大、または購入する債券の種類を増やす案などが挙げられていました。

 2段階の預金金利

それでは、「2段階の預金(デポジット)金利」とは何のことか?それについて、説明しましょう。

ECBは2014年6月と9月、2度に渡りデポジット金利をカットし、マイナス0.2%としました。それがきっかけとなりユーロ安が加速したため、スイスやデンマークなどは自国の通貨が(対ユーロでは)高くなってしまいました。そのまま通貨高を放っておけば、一段のインフレ率下落に直結し、物価の安定が脅かされますので、これらの国々は自国通貨安に持っていく目的も含め、ECBに続く形でマイナス金利の導入に踏み切ったのです。

しかし、これらの中銀はECBと違うやり方でマイナス金利を取り扱った結果、市中銀行の預け入れ額の残高に応じて、マイナス金利かゼロ金利のどちらかを適用することにしたのです。そして、もしECBもスイスやデンマーク同様、2段階のデポジット金利の導入を決めるのであれば、これらの中銀のやり方を参考にし、市中銀行の預け入れ額に応じて臨機応変に対処するだろうと考えられていました。

最終的なコンセンサス

ECB理事会前にロイター社が行った世論調査結果によると、8割のエコノミストは何らかの追加緩和導入を予想していました。

ECB理事会からの発表とドラギ総裁の記者会見

 ECB発表直前の出来事

ECBが政策金利の変更を発表する時間は、日本時間22時45分ですが、直前の22時38分くらいから、ユーロが大きく上昇しました。私も友人とLINEを繋ぎながら、「このユーロの上げ、何?」と話していたのですが、Twitterをチェックしたら、驚くようなTweetが目に飛び込んできたのです。それは英FT紙のTweetでした。

「ECB leaves rates unchanged in surprising decision
欧州中銀(ECB)、政策金利すべて据え置きという驚くべき決定!」

預金金利カットは「ほぼ間違いない」という予想があるのに、FT紙がすべて据え置きというTweetをしている… どうりでユーロがどんどん買われるわけです。

私はECB理事会前に手持ちのユーロ売りポジションは、8割がた手仕舞っていました。しかし、それでもまだ小額は残っていたので、こういう意味不明の動きを目の当たりにすると、落ち着きません。全て買い戻すのは簡単ですが、果たしてこのヘッドラインが正しいものなのか、FT紙の勘違いなのか判断がつかないため、動くに動けません。
今でも覚えているのは、これを見たときに、「もしFT紙が書いたようにECBが何もしなければ、ECBのcredibility (ECBの信用性)は地に落ちるな…」と思ったことです。

 ECBからの発表 (日本時間21時45分)

FT紙の誤報でざわついたマーケットでしたが、ようやくECBから政策金利変更の発表がありました。

  • 主要政策金利のうち、レフィ金利(+0.05%)と貸出金利(+0.30%)は据え置き
  • 預金(デポジット)金利は10bps下げ、マイナス0.20%からマイナス0.30%へ
  • 2段階に渡るデポジット金利については、言及なし

そして、この発表と同時に、ECBは短い声明文のようなものを発表しました。

「At today's meeting the Governing Council of the ECB decided that the interest rate on the deposit facility will be decreased by 10 basis points to -0.30%, with effect from 9 December 2015.

The interest rate on the main refinancing operations and the interest rate on the marginal lending facility will remain unchanged at 0.05% and 0.30% respectively.

Further monetary policy measures will be communicated by the President of the ECB at a press conference starting at 14:30 CET today.」

一番最後のところが重要で、「このあと日本時間22時30分から始まるドラギ総裁の記者会見で、追加緩和の内容について発表する」と書かれています。この時点で既にユーロは対ドルで150ポイントほど上昇していましたが、追加緩和期待がまた復活したこともあり、ひとまずユーロの上昇は1.07台手前でストップし、ドラギ総裁の出番を待ちました。

 ドラギ総裁記者会見と追加緩和の発表

10月のECB理事会で将来の追加緩和期待を膨らますだけ膨らませたドラギ総裁です。あれ以来、ユーロは対ドルで850ポイントほど急落し、今月の理事会を迎えました。結果としては、そのうちの430ポイントを1日で戻してしまいましたが、未だに10月の時点と比較してもユーロ安の状態が続いています。

今月の理事会は一言で言ってしまえば「非常に失望色の高い結果」となってしまいました。ドラギ総裁が読み上げた声明文での発表は、

  • 国債購入の期間
    2016年9月末から、少なくとも2017年3月末まで延長(必要となれば、さらに延長)
  • 資産買入対象の拡大
    国債に加え、地方債も含む
  • 資産買入の元本再投資を行う
  • TLTRO(条件付き長期リファイナンスオペ)などの流動性支援を、少なくとも2017年3月末まで継続する
  • 今回の決定は全会一致ではなかったが、かなり多くの理事による多数派での決定
  • スタッフ予想では 2015年のユーロ圏GDP伸び率は1.5%(9月時点1.4%)、 16年は1.7%(9月時点1.7%)、 17年は1.9%(9月時点1.8%)
  • スタッフ予想では 2015年インフレ率見通しは0.1%(9月時点0.1%)、 16年は1.0%(9月時点1.1%)、 17年は1.6%(9月時点1.7%)
  • ECBのQE策がなければ、来年のインフレ率見通しは、現在の数字よりも0.5%ほど低くなっていただろう。当然であるがその場合は、GDP予想も低くなる。

このような内容となりました。今回の発表をまとめると、今年3月にQE策がスタートした時点では総額1兆1,000億ユーロとなっていましたが、今回その期間が延長されたことを受け、総額は1兆5,000億ユーロへと拡大しています。これは更に流動性が高まることを意味しているのですが、そんなことは全くおかまいなしに、ユーロは大きく値を戻し、今まで順調に上昇を続けていた独DAX株価指数は400ポイントの大きな下落を記録しました。

 煽りに煽られた市場参加者

今月のECBからの発表について、他のFXトレーダー達とも話したのですが、私たち市場参加者は事前の報道内容にかなり煽られ、完全に踊らされ嫌な思いだけが残りました。そうは言っても、別にドラギ総裁が悪いという訳ではなく、今まで数多くの「ドラギ・マジック」を演じ予想以上の結果をプレゼントしてくれたことに、私たちはいつの間にか慣れすぎ、過度の期待をしすぎていたということです。

ここで愚痴を言ってもはじまりませんが、21時45分に「預金金利が10bpsカットされ、マイナス0.20%からマイナス0.30%へ」というニュースを聞いても、「え?10bosだけですか?」と、私は考えてしまいました。今までの常識で考えれば、金利をマイナスにしているだけでも凄いことなのに、もう期待感ばかりが先走ってしまい、予想通りの結果を前にしても物足りなさだけが残るだけでした。

そして、22時30分からドラギ総裁の記者会見がはじまり、声明文の中で追加緩和の内容が明らかになりましたが、コンセンサスの一部であった「毎月の購入額の増額」には一切触れていないことがわかった瞬間から、ユーロのショート・カバーが押し寄せてきたのです。たぶん、私だけでなく他のマーケット参加者も、「今回の理事会では、ドラギ・マジックは、あり得ない。」と諦めたのでしょう。そして、為替だけでなく、株価の下落もここから加速度をつけてきました。

最終的に、ユーロは対ドルで、1時間少しで350ポイントの上昇を遂げましたが、私はユーロが戻している最中に追加でユーロ円を売ってしまい、その後の値動きが非常に感触悪いので、損切りをしています。

ありがとう、ECB

ECBの「予想通り(予想以下?)の追加緩和」の発表を聞いて、ありがとう!と心から感謝をしているのは、アメリカとスイスそれぞれの中央銀行関係者だと思っています。

もしECBが強烈な追加緩和を発表していれば、スイス中銀はそれ以上の追加緩和の実施を余儀なくされたことでしょう。

アメリカの場合は、10月のドラギ総裁の「12月は追加緩和しますよ!」とも受けとれる発言以降、ドル高が止まらずマーケットのドル・ロングのポジションも相当溜まっていました。しかし、今回の発表後、ユーロは大きく上昇しドルは売られました。結果として、ドル実効レートは大きく下落したため、当局も利上げ発表前にある程度のドル高是正ができ、ホッとしたことと思います。

チャート:インターコンチネンタル取引所ホームページ

※クリックで拡大できます

まとめ

1ユーロ/ドルは1.09台まで戻していますが、果たしてユーロ実効レートはどのくらい上昇しているのでしょう?

ECB理事会後の終値は、91.0472となっており、下を通っている赤い線のところで綺麗に跳ね返され、水色の線でちょうど上値を押さえられた形になっています。

それでは、ユーロ/ドル週足を見てみましょう。

このチャートを見てすぐに頭に浮かんだのが、2番底という言葉でした。ただし、もしそうであるのなら、1.15台を上に抜けて上昇しなければなりません。この1.15レベルは、ECB理事のメンバーが悉く上昇を阻止した「要注意レベル」です。ということは、ECBのインフレ見通しが大きく改善し、ある程度の通貨高を容認出来る状況にならない限り、そう簡単に1.15を超えるユーロ高を容認するとは思えません。少なくとも今回のスタッフ予想を見る限り、インフレ見通しは2016年と17年それぞれ少しだけ下方修正されています。そうなると、やはり今すぐ1.15台越えを容認することは難しいのではないでしょうか?

それでは最後に日足を見てみましょう。ECB後に大きく値を戻したユーロ/ドルですが、オレンジ色でハイライトを入れた下降チャンネルの中での動きとなっているのがわかります。

※クリックで拡大できます

イメージとしては、水色の点線を入れた1.11Lowが最初の注意レベル。そして黄緑の点線とオレンジのハイライトが交わる1.12台が次の注意レベルとなります。

今回のデポジット金利カットの決定を受け、質疑応答の時に「今回のデポジット金利のカットで、政策金利の下限に達しましたか?」という記者からの質問に対し、何も答えなかったドラギ総裁。これは、必要となれば来年もまた金利カットの可能性が残っていることを示しているのかもしれません。

自分のイメージとしては、1.15台を超えるユーロ高をECBが容認しない限り、戻り売りのスタンスを続けていくつもりです。

 

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