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マーケットビュー

金曜 松崎美子の英国発!すこしFX☆なが〜くFX ロンドン在住の女性トレーダーによる為替&経済コラム

パリ同時多発テロと欧州統合

更新日:2015年11月20日

先週金曜日、フランスのパリで大規模な同時多発テロが起きました。この日は13日の金曜日。イエス・キリストが磔刑につけられたのが13日の金曜日だったと言われているため、ヨーロッパでは今でも不吉な日だと考える人たちが多いのも事実です。

この13日の金曜日に起きたテロを受け、オランド仏大統領は、「フランスは戦争状態にある」と語りました。

今週のコラムでは、今回の大規模なテロを通して、ここからの欧州統合がどのような方向転換を強いられるのか?欧州経済にとって、どのような影響があるのか?そして、為替マーケットも無傷ではいられないのか?など、あらゆる方面から考えてみたいと思います。

テロ発生後のマーケット予想

テロのニュースを聞いたこの週末、私は週明け月曜日のマーケットの動きを、このように想定していました。

  • ユーロ売り
  • 主要国の株価下落(特に欧州主要国)
  • フランス国債の利回りに限り、上昇? → これは見事に外れました!
  • ドル 円 国債 金などが買われる
  • 有事の「スイス買い」に関しては、短期的に終わるイメージ
  • 非常事態宣言や国境閉鎖が長引けば、欧州経済全体に与える負の影響が大きくなる。よって、中長期では欧州のGDPにとって、ネガティブ

ここであらためて、過去のヨーロッパでのテロ直後の株価動向を見ると、

  • 2004年マドリッド列車爆破テロ事件 → スペイン株価指数 2.2%の下落
  • 22005年ロンドン同時爆破テロ事件 → 英国主要株価指数  1.4%の下落

ただし、いずれの場合も、下落後元に戻っていますので、今回も数日以内に株価は全戻しするだろうとも考えていました。

今回のテロによる勝ち組・負け組

どんな深刻な「事件・大惨事」が起きた時にも、必ず勝ち組がおります。ここでは、株式市場にスポットをあて、勝ち組/負け組をチェックしてみました。

 勝ち組

オランド大統領は「フランスは戦争状態だ」と語り、今後ますますISIS( イスラム国)に対する攻撃を強化すること、そしてフランス国内の治安維持の強化を約束したため、軍事・防衛関連会社の株価が大きく上昇しています。例をあげますと、

・英BAEシステム
国防・情報セキュリティ・航空宇宙関連企業。戦闘機のユーロファイターを生産していることで知られています。

・英ロールス・ロイス
自動車だけでなく、戦闘機のエンジンなどを作っています。

・仏タレス
大手電機企業ですが、航空宇宙分野・防衛分野・安全保障分野での情報システムと各種サービスを提供している会社です。

 負け組

テロの動きが沈静化するまでは、飛行機での移動が減少するであろうと考えられます。そして、ホリデーに行く人も減るという見方が優勢。

・エアーフランスをはじめとする航空会社
・トーマスクックをはじめとする旅行会社

欧州中銀(ECB)理事達の発言

今回のテロを受け、プラート主席エコノミストと、コンスタンシオ副総裁が、発言しています。

 プラートECB主席エコノミスト

ブルーンバーグTVのインタビューに答えたプラート理事の発言内容な以下の通りです。

  • ECBは、今後発表される経済指標を注視していく。その中でも特に消費者信頼感指数は注意すべきだろう。
  • 最近ドイツから発表される経済指標やニュース、そして週末のパリでの出来事により、ユーロ圏内の景気に対して、ややダウンリスクが高まった可能性がある。
  • ECBは今までずっと、将来のインフレ率予想を高めに予想していた。そのため、中銀による将来のマクロ予想の能力は、思ったほどよくないと市場は考えはじめている。
  • ECBはデポジット金利をマイナスにしたが、その後の効果を見ると、予想以上のメリットが受けらえた。そのため、今回あらためてデポジット金利の追加カットという選択肢を再考している。
  • ECBがこれ以上デポジット口座の金利をカットする場合は、他の中銀で、やはりマイナス金利を導入しているところが現在まで辿ってきた経緯を研究し、果たしてECBにこれ以上のデポジット金利のカットが必要であるかを考えなければいけない。
  • (まだ先の話しであるが)QE策を終了した後の市場への影響について、ECBは注意深く考慮しなければならない

 コンスタンシオECB副総裁

今週月曜日からはじまったECB主催のEuro finance weekのオープニングスピーチを担当した同副総裁。そこで以下の発言をしています。

  • マーケットはかなり冷静にテロの影響を見極めている。
  • ECBの金融政策内容が緩和度を高めるなか、インフレ率は下がっている。これは言い換えれば、実質金利が上がっていることになる。
  • 非常に低いインフレ率は、インフレ期待値を低くしてしまい、実際の物価や 賃金設定の際に、影響を与えることにもなりかねない。
  • 今後も金融面では緩和傾向を継続していくことになるだろうが、緩和をすることだけが、現在欧州を悩ませている問題解決に有効であるわけではない。
  • 12月にECBはなんらかの方法を持って追加緩和策の導入に動く可能性があるが、金融政策はすでに行き着くところまで行っているという懸念もあるのが正直なところだ。
  • 欧州連合が決定したユーロ加盟国に義務付けられている「経済・安定協定」 (加盟国の財政赤字は対GDP比3%以内、公的債務対GDP比は60%以下)は、時として柔軟に対処する必要が生じる場合がある。

テロと難民問題、そして欧州統合と財政規律

今年の夏以降、難民問題がどんどん深刻化してからというもの、欧州各国が国境の監視や閉鎖という動きに踏み切りました。そして、今回のパリのテロをきっかけに、オランド大統領は「フランス全土に国家非常事態宣言をし、国境を閉鎖する。」と述べました。

 シェンゲン協定

1990年代後半、欧州統一に向けヨーロッパの国家間において国境検査なしで国境を越えることが許可されました。その協定の署名がルクセンブルグのシェンゲン付近で行われたことをうけて、シェンゲン協定と名付けられました。この協定は、1997年にアムステルダム条約が成立した時に、欧州連合の法律のひとつとして取り入れられています。

このときは25カ国が加盟しましたが、海を隔てた英国とアイルランドは、この協定の国境検査撤廃の適用対象から除外されています。逆に、EUに加盟していないスイスは、この協定に参加しています。

しかし、今年に入ってから欧州への難民流入が続いていることもあり、シェンゲン協定を無視して、国境警備や閉鎖をする国が後を絶ちません。そのため、せっかくここまで頑張ってきた欧州統一の深化が、国境閉鎖などの決断によって、一時停止せざるを得なくなり、欧州各国の間では危機感が高まっていたところに、今回のパリのテロが起きてしまったのです

今回のテロで、欧州統一に向け積極的に動いていたフランスが国境閉鎖を決断したため、欧州はますます統一とは反対の方向へ動きはじめている印象を受けました。テロの問題もそうですが、難民問題の解決には何年もかかることを考えると、今後は統一に遅れが出るだけでなく、統一そのものが一時的にせよ中断される危険性すら高まっています。


念のために今後ヨーロッパを旅行する読者の方々のために書いておきますが、日本人が欧州を旅行する場合は、最初に入国するシェンゲン協定加盟国で入国審査があり、そこで入国のスタンプを押されます。その後、協定参加国への旅行に関しては一切、入出国審査はありません。そして最後に出国する協定加盟国で出国審査が行われます。

 有名無実化した安定成長協定(Stability and Growth Pact SGP)

ユーロ圏およびEU加盟国におけるマクロ経済政策は、政府の債務残高や財政赤字などに関する指標を設定する「安定成長協定」(Stability and Growth Pact = SGP)により調整されています。財政赤字に関しては GDPの3%以下に抑えることが義務付けられておりますが、ユーロが誕生したばかりの2000年代初期は、ドイツやフランスなどの主要国も含め、数年間に渡りこの制限を超えていました。その後、2006年にはドイツとフランスが、2007年にはイタリア・ポルトガルの財政赤字がGDP比3%以内に収まったため、(ユーロ加盟諸国の財政面の改善と平行して)ユーロという通貨に対する信頼感もあがり、通貨の価値も急速に上昇しました。その後はリーマン・ショックに代表される世界規模の金融危機の影響で、一時的にSGPの順守ができない国が出てきましたが、最近のユーロ加盟国の財政事情は落ち着きを取り戻してきたところでした。

しかし、今回のパリのテロ事件を受け、フランスのヴァルス首相は、「現在のフランスに求められているのは成長・安全協定(SGP)を順守することではなく、国家の安全を最優先にすることだ。フランスは今後、防衛費の増額に踏み切るため、GDP3%と決められている財政赤字比を超えることになる。」と語りました。この発言を受けた欧州委員会は、今回のテロ問題は異例の措置と認め、柔軟に対処していくと語っています。

ちなみに、テロとは全く関係ないリトアニア・イタリア・オーストリア・スペインが、フランス同様来年度の予算案における赤字額がSGPでの規定額以上に膨らんでいます。最初の3ヶ国は今回の難民問題で財政支出が増加したと考えられますが、スペインはどうしちゃったのでしょう?

ここからのマクロ経済面での影響

これは私が一番気にしていることですが、テロや難民問題が深刻化したことを受け、多数のヨーロッパの国々が国境閉鎖や監視を強化しています。この状態が長引けば長引くほど、閉鎖した国の国民の士気が低下し、経済の停滞、そしてGDPの低下を引き起こすことにつながると考えており、Q4GDPは予想以上に落ち込む可能性が出てくるでしょう。これが更に長引けば、2016年のGDP予想を、引き下げる必要性が出てくるかもしれません。

 ECBスタッフ予想(マクロ経済予想)

12月3日に開催されるECB金融政策理事会では、3ヶ月に一度のスタッフ予想でマクロ経済全般の見通しが発表されます。ここで、2016年のGDPとインフレ率が更に下方修正されると、12月にECBがなんらかの緩和策を発表したとしても、マーケットは「新たな次の一手」を期待し、2016年に入ってからは、ますます米欧の金融政策の方向性の乖離が拡大する可能性が出てきました

 リスボン条約42条7項

もうひとつの心配事は、EU加盟国に課された防衛面での協力体制です。欧州の基本条約である「リスボン条約」の42条7項では、「EU加盟国に緊急事態(テロなど)が発生した場合、加盟各国が協力して防衛スタンスを強化する」と定められています。今までこの項目が実際に発動されたことはありませんが、パリのテロを受け、フランスの防衛大臣が正式に欧州連合に対して発動を申し立て、それが認められました。

しかし、ここで問題を複雑にしているのは、欧州連合の機能に関する条約(Treaty on the Functioning of the European Union)の存在です。この条約の222条では、「EU加盟国の相互協力」を強くうたっています。リスボン条約42条7項と欧州連合の機能に関する条約222条の違いは2つあり、 ①  リスボン条約42条7項では、もし加盟国に対して、空爆または地上戦に参加して欲しいという要請が行っても、それは義務ではないので、断ることができる  ② 欧州連合の機能に関する条約222条のほうが、「EU加盟国の相互協力」に対する思い入れが強く、有事の場合は「EUが一丸となって戦う」点をアピールしています。

報道を読み比べると、フランス政府は今後リスボン条約42条7項を優先し、EU加盟全ての国と2国間協議をはじめ、その協議を通してそれぞれの国が対応しうる範囲でフランスに対するヘルプを要請することになりそうです。たぶん、ある国にはインテリジェンス方面での協力をお願いし、他の国には空爆への協力を申し出るのかもしれません。

その場合、フランスと合意したコミットメントを達成するために、予想外の財政支出を強いられるEU加盟国が出て来るかもしれません。最悪のケースは、難民問題で既に予定外の財政支出を余儀なくされた国が、今度はテロの脅威を含む地政学的リスクを背負いながら、フランスのために予想外の財政支出を強いられた場合、ますます安定成長協定(Stability and Growth Pact SGP)が有名無実化することです。

2016年、地政学的リスクの一年か?

今回のパリ同時多発テロはもちろんですが、私が非常に驚いたのが、ISISによるテロ技術の高さと速さでした。

ロシアを例にすると、同国はシリアのアサド政権を支援するため、今年9月30日からISISに向けた空爆に踏み切りました。そして、それからわずか1ヶ月後の10月31日、エジプトからロシアへ向かうコガムアビア航空の旅客機が途中で空中分解して、シナイ半島に墜落しています。その後の調べによると、この爆破はISISか系列の組織による犯行の可能性が高いことが分かっています。

ロシア空爆からわずか4週間の間に、ISISはこれだけのことをやってのけたのだ…と、これを知った時には素直に驚きました。

そして、先週のパリのテロに関しても、まだ確認は取れていませんが、シリアから偽パスポートを使用して難民になりすましたISISのメンバーが加担した可能性について、報道されています。

今年、難民問題が深刻化してきたのが、春から夏にかけての時期でした。そして、7月20日にトルコで最初の自爆テロが起きました。今思うと、その頃からシリア難民になりすましたISISのメンバーが、偽パスポートを入手しトルコからギリシャに渡り、シェンゲン協定の網を通り抜けて、欧州に入国しているらしい…という報道が目につきはじめたのです。どうして、トルコからわざわざギリシャへ渡るのかというと、同国は金融支援受け取りのために、過度なまでの緊縮財政策を強いられているため、入国管理官の人数が少なく違法入国がしやすかったからです。

今回のパリのテロに先駆けて、相当用意周到に準備をしていたことは間違いありませんが、なりすまし難民に化けたISISのメンバーは、わずか3〜4ヶ月の間に、今回のテロを実行に移したことになります。2001年のアメリカ同時多発テロを実行に移すのには、準備に数年要したと言われています。それと比較すると、(テロの規模は違うにしても)かなり高度なテロ組織であることが分かります。そして、今後彼らによるテロ行為が、これが最後であるとは誰も思っていません。そうなると、来年もシリアを舞台にした地政学的リスクには、十分に注意を払わなければいけないでしょう。

まとめ

10月にドラギ総裁が、デポジット金利のカットも含む追加緩和策の導入の可能性に言及して以来、ユーロの売りポジションが大きく増えました。今年春のショートと比較すると、まだ6割程度ですが、ショート・カバーが入れば、200〜300ポイント戻しても不思議ではありません。特に来月は12月に入りますので、市場参加者の数が急激に減り、マーケットの流動性も日に日に少なくなってきます。「今年最後の花を咲かせたい!」という意欲が、単なる「欲」になってしまい、プラスで終わるはずがトントンで終わってしまった… または、マイナスになってしまった!などということにならないよう、きちんと損切りを入れてポジション管理をしたいものです。

ここからの動きを考えると、ユーロ/ドルであれば、1.08ミドル〜1.05台のレンジを考えています。もちろん、新たなテロが発生したり、ECB関係者が強い口調でデポジット金利の大幅カットなどについて言及すれば話しは別ですが、そうでなければ、12月3日のECB理事会までは、1.05台が大きく抜けるようには思えません。

理事会までのイメージとしては、ユーロ/ドルは、1.05台〜1.08ミドルのレンジ。そして、理事会後、Buy the factでショート・カバーが入り上昇。

※クリックで拡大できます

次は、私が一番注目しているユーロ円ですが、年内は130〜135円のレンジで見ています。ただし、ECB理事会までに133円を抜けたとしても、頭の重い展開が続くように考えています。

※クリックで拡大できます

 

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