月曜 野村雅道の今週注目!の経済指標 マーケットが注目する指標を大胆解析

晩秋の円安に向けて安倍首相ウオール街でリスクオン講演か

更新日:2017年9月19日

9月18日(月)-9月22日(金)

今週の予想:
ドル円=109-114、ユーロドル=1.17-1.22、ユーロ円=130-135

米ドル 「CPI上昇、FOMC、イエレン議長、税制改革期待」

8月消費者物価指数(CPI)は、総合指数が前月比0.4%上昇と、予想の0.3%を上回り、7カ月ぶりの大幅な伸びとなった。FRBが今週の会合で4兆2,000億ドル規模の米国債や住宅ローン担保証券(MBS)の保有資産を縮小し始める旨を発表すると見ている。労働市場がほぼ最大雇用状態であるにもかかわらず物価上昇圧力が弱いことで、今年3度目となる利上げは12月まで待つとの見方が大勢だったが、8月CPI上昇で、それはやや弱まってきた。
一方ゴールドマン・サックスは3Q成長率見通しを1.6%とし、予想の2.0%から下方修正した。ハリケーン「ハービー」が企業活動に影響している兆候が見られることが背景。ハービーによる深刻な被害を被ったテキサス州での企業活動の回復に伴い、軟調な状況の一部は4Qには好転するとの見通しを示した。
アトランタ地区連銀の経済予測モデル「GDPナウ」によると、3QのGDP伸び率見通しは年率2.2%。8月の鉱工業生産と小売売上高が予想外に軟調だったことを受け、8日時点の予想(3.0%)から下方修正された。またバークレイズは、3QGDP伸び率見通しを年率2.0%とし、従来の2.8%から下方修正した。
先週ドルを引き上げた要因の一つに、税制改革議論の進展があった。ライアン米下院議長は、議会の歳入委員会や財政委員会、およびトランプ政権の総意を反映した税制改革案の概要を来週にも提示できるとの見解を示した。「9月25日の週に歳入および財政委員会や政府のコンセンサスを反映する概要が公表される」とし、「その後、これら税制担当委員会がフィードバックや意見を精査し、数週間後に法案を策定する」と語った。

ユーロ 「10月まで出口戦略に関する発言が続く」

対ドルでは9月8日の「ボリバン上抜き長い上ヒゲ」で抑えられている。ポンド急騰で対価として売られているところもある。対円では上昇した。ラウテンシュレーガーECB専務理事は、底堅い景気拡大と低金利によりユーロ圏のインフレ率はいずれ目標水準に到達するとし、資産買い入れ策を縮小すべき時だとの見解を示した。ECBは来年1月からの債券買い入れ縮小について来月発表すると見られているが、市場の混乱とユーロ高を招くことへの懸念から、いかなる決定にコミットすることにも慎重になってきた。ラウテンシュレーガー理事も市場との対話に慎重になる必要があることを認め、「われわれは出口政策に関して市場がヒントを得られるようにしなければならない」と指摘。「その一方で、あいまいな考えで混乱させてはならない」と語った。
さらにワイトマン独連銀総裁は、ユーロ圏がデフレに陥る可能性がほぼ消え、ECBが大規模な資産買い入れを行う根拠は無くなったとして、刺激策を縮小すべきとの認識を示した。金融緩和政策は低インフレのためなお必要で、ECBの緩和政策は長期間続くと予想。そのうえで、「アクセルを踏む力を緩めるべき」と訴えた。緩和的な金融政策には副作用があり、金融安定を脅かす恐れもあると指摘。金融市場全体の安定性維持に向けたマクロプルデンシャル手段が防御の第一線であっても、考慮すべきと語った。
さて今週はドラギ総裁の講演やZEW景況感調査、消費者物価指数、製造業購買担当者景気指数(PMI) サービス部門購買担当者景気指数(PMI)などに注目したい。

英ポンド 「利上げ示唆続く」 

英ポンドは年間順位を先週8位から一気に4位へと押し上げた。英中銀は、政策金利を0.25%に据え置くことを決定した。利上げについては、経済が引き続き成長してインフレ圧力が高まり続ければ、「今後数カ月」に実施する必要があるとの見解を示した。据え置きの決定は7対2だったが、目標を上回るインフレ率への忍耐は低下しつつあり、すべての委員が市場の予想より早期に利上げする可能性があると考えていることが示された。
中銀は「経済が継続的な緩みの縮小や基調インフレ圧力の段階的な上昇の見通しと一致する経路をたどるなら、今後数カ月での一定の金融刺激策縮小は適切となる可能性があると、過半数の委員は判断した」と説明した。
カーニー総裁は、利上げの可能性が「確かに高まった」との認識を示した。ただ昨日はカーニー総裁が「利上げが行われるにしても、限定的で緩やかなものになる」と発言しポンド上昇も一服した。
金融政策委員会のブリハ委員は、「今後数カ月以内に利上げが必要になるかもしれない。最近まで、控えめな成長や基調インフレ圧力が抑制されていることを考慮すれば、金融政策の適切な対応は忍耐強くあることだと考えていた」とした上で、「しかし、データの推移は、政策金利の引き上げが必要かもしれない瞬間に近づいていることを次第に強く示唆している」と指摘。「緩みの縮小、賃上げ圧力の増大、家計支出の拡大、世界経済の力強い成長といったデータの傾向が続けば、政策金利の引き上げに適切な時期は、早ければ数カ月以内かもしれない」と述べた。ただ、英国がEUを離脱する2019年が迫ってくれば、経済への影響がこれまで以上に強まるリスクは残っているとも指摘。「その場合は金融政策が適切に対応する」とも述べた。今週は8月小売売上高指数の発表がある。

人民元 「米中首脳会談は11月か、小売売上、鉱工業生産冴えず」

8月小売売上高は3兆330億元だった。名目伸び率は10.1%増と、予想の10.5%に届かなかった。7月の10.4%から減速し、2017年1-2月の9.5%以来の低水準だった。1-8月累計は23兆2,308億元と、前年同期比で10.4%増えた。消費分類別では、8月は外食・ケータリングが10.7%増の3,360億元だった。商品販売は10.1%増の2兆6,970億元で、うち高額商品は7.5%増の1兆2,400億元。消費高度化商品の販売が快調に増え、スポーツ・レジャー用品と通信機器の伸び率はそれぞれ14.9%、12.2%に達した。一方、1-8月のネット通販売上高は4兆2,511億元と、前年同期比34.3%増えた。
8月鉱工業生産は前年同月比で6.0%増え、伸び率は予想の6.6%に届かなかった。7月の6.4%から減速し、2016年12月の6.0%以来の低水準だった。1-8月累計は前年同期比で6.7%増えた。
米当局者は、年内に予定されるトランプ米大統領の初の中国訪問について、11月の可能性が高いと述べた。習近平国家主席との首脳会談では、核・ミサイル開発で国際社会への脅威となっている北朝鮮の問題や米中間の貿易不均衡是正が主要議題となる。
さてトランプ大統領は11月、フィリピンで開かれる東アジアサミットと米・東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議やベトナムでのアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に出席する。アジア歴訪の中で中国も訪れる可能性が高い。トランプ大統領は、北朝鮮と経済面で強いつながりを持つ中国に対し、制裁の厳格な履行などによって北朝鮮への締め付けを強めるよう訴え続けている。貿易不均衡では米国の対中赤字削減策でこれまで目立った進展はなく、両国間の大きな対立要因となっている。

豪ドル 「RBA議事録公表とロウRBA総裁の講演あり」

今週はRBA議事録とロウRBA総裁の講演がある。8月雇用統計では、就業者が前月比5万4,200人増と、2015年10月以来ほぼ2年ぶりの大幅な伸びを示した。予想は2万人増だった。就業者数はこれで11カ月連続増加しており、連続増加期間としては過去23年間で最長だ。失業率は5.6%。求職者の増加を背景に横ばいとなった。雇用は年2.7%のペースで増加。米国の1.4%を上回っている。この6年間、米雇用の伸びは年2.3%より高かったことはない。労働参加率は65.3%で、予想を上回り、2012年9月以来の高水準を記録した。景気信頼感の高まりの兆候と言えるが、同時に、労働力の供給が拡大することで賃金の上昇率が抑えられる可能性がある。雇用の伸びの加速は家計の収入が増えることを意味するとはいえ、恐らく、賃金の急激な増加にはつながらないのではないかとの見方が多い。
ただ、最大貿易相手国の中国の8月鉱工業生産や小売売上高が予想や前月を下回ったことは、豪ドル上昇の重しとなった。

NZドル 「GDPに総選挙」 

2Q製造業売上に続き、8月企業景況感も上昇し、また総選挙前の支持率で一時国民党がリードしたこともあってNZドルは堅調推移した。ただ選挙戦はまだ流動的でどちらに傾くかわからない。世論調査で一喜一憂する相場推移となっている。また今週は2QGDPの発表もあり、予想は前年比2.5%増とまずまずである。労働党が政権につけばTPPには参加するが、外国人の中古住宅購入は制限するようだ。
今週は2Q経常収支の発表があり、予想はGDP比▲3.1%である。格付の高さと金利の高さで海外からのNZ国債の購入が増加し、財政黒字だが、利払いの赤字が経常赤字を生み出している。しかし、中味は健全である。財政が不安でなく、海外からの投資資金増による経常赤字で問題はない。
さて総選挙は23日、中銀総裁交代は26日となっている。ウィーラー総裁の任期終了後、スペンサー副総裁が来年3月18日まで総裁代行を務める。総選挙後に財務相が中銀理事会の意見を基に次期中銀総裁を指名する。スペンサー副総裁は総裁に就く意向はないが、ベスキャンド副総裁は地元メディアに総裁就任を目指すと表明。マクダーモット総裁補佐も総裁候補だろうと指摘されている。

南アランド 「CPIと政策金利」

詳細は後述致します。

トルコリラ 「高成長、高金利だが貿易・経常赤字が頭抑える」

通貨は上昇したが株価は下落した。2QGDPは前年比5.1%増加し、予想の5.3%増をやや下回った。前期比では2.1%増加した。1QGDPは5.2%増と、当初発表の前年比5%増から上方改定された。2016年は3.2%増と、当初発表の2.9%増から上方改定された。シムシェキ副首相は声明で「3Qに関する先行指標は、力強い経済成長が継続し勢いが増していることを示している」と指摘した。ゼイベクジ経済相は、3Qの成長率は7%を上回る、と指摘。通年では5.5%を突破し目標の4.4%を達成できると述べた。
トルコ中銀は、主要政策金利を3回連続で据え置いた。エルドアン大統領から借り入れコスト引き下げに向けた圧力が続いているものの、予想以上に上昇しているインフレ率をにらみ据え置きを決定した。
中銀は後期流動性貸出金利を12.25%に据え置き、1週間物のレポ金利も8%に維持。翌日物貸出金利は9.25%に、翌日物借入金利は7.25%にそれぞれ据え置いた。
中銀は声明で「インフレ率の高止まりやコアインフレ指標の動きは価格決定動向にリスクを及ぼす」との認識を示した。8月の消費者物価指数(CPI)は輸送費などの上昇に押し上げられ、前年同月比で10.6%上昇した。2桁台の上昇となるのは過去8カ月中6回目。また7月の経常赤字は51億2,100万ドルで、6月の38億200万ドルから拡大した。予想の52億7,100万ドルは下回った。 2016年の経常赤字は326億500万ドルだった。

【今週の注目経済指標】

9/18(月) (日)東京休場(敬老の日)
(中)70都市の新築住宅価格
(ユーロ圏)8月消費者物価指数(HICP)・確報値
(加)7月対カナダ証券投資額
(米)9月NAHB住宅市場指数、7月対米証券投資
9/19(火) (豪)RBA議事録
(ユーロ圏)7月建設支出、9月ZEW景況感調査
(独)9月ZEW景況感調査
(加)7月製造業出荷
(米)8月住宅着工件数、4-6月期四半期経常収支、8月輸入物価指数、8月建設許可件数
9/20(水) (日)8月貿易統計
(独)8月生産者物価指数
(英)8月小売売上高指数
(南ア)8月消費者物価指数(CPI)
(米)8月中古住宅販売件数、FOMC 
9/21(木) (日)日銀金融政策決定会合(20-21日)
(NZ)4-6月期四半期GDP
(スイス)8月貿易収支
(ユーロ圏)9月消費者信頼感
(南ア)政策金利
(加)7月卸売売上高
(米)前週分新規失業保険、9月フィラデルフィア連銀製造業指数、7月住宅価格指数
9/22(金) (仏)9月製造業購買担当者景気指数(PMI)、9月サービス部門購買担当者景気指数(PMI)
(独)9月製造業購買担当者景気指数(PMI)、9月サービス部門購買担当者景気指数(PMI)
(ユーロ圏)9月製造業購買担当者景気指数(PMI)、9月サービス部門購買担当者景気指数(PMI)
(加)7月小売売上、8月消費者物価指数(CPI)

先週の「注目通貨ペア!」の振り返り

先週の「注目通貨ペア!」

ドル円 豪ドル円

【ドル円】予想レンジ:06-111、国民が豊かになれなければ円高、法人企業景気予測調査

北朝鮮への追加制裁に石油禁輸が盛り込まれず、リスク回避の円買いポジションが巻き戻され上昇した。米国CPIやPPI上昇、減税期待もドルを押し上げた。

先週の予想は以下の通り

ただでさえ日本の貿易黒字化での円高が続いているが、さらに消費増税による円高の波が近いうちに訪れそうだ。自民党の宮沢洋一税制調査会長や岸田文雄政調会長が、2019年10月に予定されている消費税率10%への引き上げを示唆した。これで可処分所得が減少すれば、消費の減少、輸入の減少、貿易黒字の増加で円高となる。既に可処分所得減少を導くマイナス金利があるだけに、二重の中長期的円高要因となろう。
また4-6月期のGDP2次速報が大きく下方修正されたことも、直近のリスクオフの円高要因となった。今週も法人企業景気予測調査があるので、景況感や設備投資をチェックしたい。
北朝鮮問題や需給に影響しない米国の経済指標は短時間で一喜一憂するに留め、貿易需給や長期資本の変化を把握していきたい(今朝は休み明けゴトビで仲値でのドル買い需要やや強かった)。

テクニカル

「再びボリバン下限下抜くも戻りが遅い」

日足は、またもやボリバン下限を下抜く。107.30からリバウンドもボリバン下限下抜きで先週終わる。9月7日-8日、9月1日-7日の下降ラインが上値抵抗。5日線下向き。
週足は、4月17日週-6月12日週の上昇ラインを下抜く。ボリバン下限へ。7月10日週-8月14日週の下降ラインでもみ合うも最後は下落。雲の下へ、ボリバン下限下抜き。
月足は、2017年1月-7月の下降ラインが上値抵抗。サポートの2017年4月-6月の上昇ラインを下抜く。2016年6月-11月の上昇ラインがサポート。
年足は、2012年-2013年の上昇ラインを下抜く。2016年は陰線。2017年も陰線スタート。2015年-2016年の下降ラインに沿う。2013年-2016年の上昇ラインがサポート。

【豪ドル円】 予想レンジ:85-90、口先介入するほど中味は悪くはない。今週は雇用統計

豪ドルは対ドルで下げたが、上述のようにドル円の上昇が上回り、87円台から89円台へ上昇した。

先週の予想は以下の通り

ポイント

政策金利は据え置かれた。豪ドル高がインフレ抑制効果を持つため
ただ2Qの設備投資、建設支出、賃金の伸びは改善
2QGDPはほぼ予想通り
今年は通貨が強いが株価は弱い
雇用統計で雇用者は増加もフルタイムは減少
RBAの豪ドル高に対しての口先介入続く
副首相の二重国籍問題が浮上
7月中国の小売、鉱工業生産は弱かったが、製造業PMIは改善
2QCPIは予想を下回り、インフレターゲット下限以下となった
鉄鉱石価格は反発している
小売売上、貿易面では改善し、ファンダメンタルズはまずまずである
ムーディーズが銀行を格下げ
景気後退しないというGDP成長の最長記録でオランダと並ぶ
外国人の不動産購入にかかる税率を引き上げ
首相支持率は低下継続

トピックス

先週の豪州経済指標

  • 8月TDインフレ 
    前回2.7% 結果2.6%
  • 8月求人広告
    前回1.6% 結果2.0%(MM)
  • 2Q経常収支
    前回:▲31億AUD
    予想:▲75億AUD
    結果:▲96億AUD
  • 豪中銀政策金利
    前回:1.50%
    予想:1.50%
    結果:1.50%
  • RBA声明
    *為替レートの上昇は経済における物価圧力の抑制に寄与すると予想される
    *為替の上昇が現在の見通しよりも経済活動やインフレを鈍化させると予想
  • 2QGDP(前期比)
    前回:+0.3%
    予想:+0.9%
    結果:+0.8%
  • 2QGDP(前年比)
    前回:+1.7%
    予想:+1.9%
    結果:+1.8%
  • 7月貿易収支
    前回:+8.56億AUD
    予想:+10.00億AUD
    結果:+4.60億AUD
  • 7月小売売上高(前月比)
    前回:+0.3%
    予想:+0.2%
    結果: 0.0%

2QGDP詳細

2QGDP伸び率は予想を若干下回った。政府と家計の支出がそれぞれ増加したものの、非住宅建設の不振がプラス効果を一部打ち消した。家計の貯蓄率は4.6%で、家計支出は前期比0.7%増加した。政府支出は同1.2%増。非住宅建設は同7.7%減。今回のGDP統計で、景気回復ペースが今後1年で徐々に上向くとのRBAの見解が裏付けられた。RBAは過去1年1カ月の間、鉱山投資からサービス・製造業に成長のけん引役のシフトを促すため、政策金利を過去最低の1.5%に据え置いている。

政策金利は据え置き

政策金利は過去最低の1.5%に維持された。融資抑制策で東海岸の住宅市場の過熱が和らいでいるほか、設備投資が上向くとの見通しが浮上している。
ロウ総裁らは「最近の経済指標は豪経済の成長が今後1年間に徐々に回復するとの中銀の見通しと合致する」と指摘。「非鉱山投資の見通しは最近改善しており、報告されている事業状況も高い水準にある」と述べた。
総裁は声明で「住宅価格は一部の市場で急速に上昇しているものの、シドニーを中心に状況が緩和しつつある兆候が見られる」と指摘。「住宅建設活動は引き続き高い水準にあるが、さらなる伸びはほとんど見込まれていない」と分析した。
また、「賃金の伸びは低調にとどまっている」と指摘。「これはまだしばらく続く可能性が高いが、労働市場の状況改善が時間とともに賃金の伸びを幾分押し上げることが見込まれる」と分析した。
ロウ総裁は先月、かなり先になるとした上で、次の動きは利上げとの市場の予想は妥当と見解を示した。高水準の家計債務や実質賃金の伸び悩みが、引き続き持続的な成長加速のハードルとなっている。

経常収支

2Q経常収支は、96億豪ドルの赤字と、商品価格の下落を背景に赤字幅が1Qの47億豪ドルから大幅に拡大した。ただ、輸出は増加しており、純輸出の2QGDP伸び率への寄与度は、プラス0.3%となる見通し。
この日発表の2Qの政府消費支出も予想以上に増加しており、経済成長に上振れリスクが出てきた。
輸出は予想を上回った。政府支出も非常に多かった。GDPに上振れリスクが出てきた。

賃金増加

賃金・給与は16億豪ドル増えた。また、8月の求人広告件数は前月比2%増加した。この結果、2Q企業の賃金・給与は前期比1.2%増加し、消費者の購買力押し上げに向けた明るい兆候が示された。伸び率はここ2年で最高の水準となった。
ただ一方で企業在庫は0.4%減少しており、GDPの伸びを抑える要因となる可能性がある。また、企業の総営業利益は4.5%減少。1Qは6%増だった。鉱業部門が税引き前ベースで15%以上の減少を記録した。

テクニカル

「ボリバン下限下抜きから反発も北朝鮮リスクでボラ高い」

日足は、7月からの口先介入でボリバン上限から下限へ下落。8月11日のボリバン下限下抜きや、8月29日のボリバン下限到達からはやはり行き過ぎで戻りも速い。現在8月11日-29日の上昇ラインがサポート。7月27日-9月1日の下降ラインが上値抵抗。5日線下向き。ボリバン中位。
週足は、週のボリバン上限に達し長い上ヒゲを出し下落。6月5日週-6月26日週の上昇ラインを下抜く。7月24日週-31日週の下降ラインは上抜く。7月24日週-8月28日週の下降ラインが上値抵抗。8月7日週-8月28日週の上昇ラインがサポート。16年11月7日週-17年6月5日週の上昇ラインもサポート。
月足は、2017年6月-7月の上昇ラインを下抜く。7月-8月の下降ラインが上値抵抗。2016年6月-2017年6月の上昇ラインがサポート。
年足は、2015年-2016年の下降ラインを上抜く。2016年は陰線だが下ヒゲが大きく伸びた。今年は陽転。2013年-2014年の下降ラインが上値抵抗。2009年-2016年の上昇ラインがサポート。

今週の「注目通貨ペア!」

今週の「注目通貨ペア!」

ドル円 南アランド円

【ドル円】 予想レンジ:109-114、安倍首相ウオール街で日本売り込み、黒田総裁、貿易統計、日銀金融政策決定会合

10月には衆院選挙が行われるようだ。自民党の受け皿がなく、低投票率となり自民党が勝利するだろう。また安倍首相は今週NY入り、国連で演説、ウオール街で日本のセールスを行う。晩秋の円安需給とかみ合うか。
日銀金融政策決定会合では短期金利をマイナス0.1%、長期金利を0%程度に誘導する金融緩和策を維持する公算が大きい。緩和長期化に反対してきた審議委員が交代し、決定は約3年ぶりに全員一致となる可能性がある。日銀は7月にまとめた経済・物価情勢の展望(展望リポート)で、2%の物価目標の達成時期について「2019年度ごろ」へと1年先延ばしした。ただ国内景気は緩やかに拡大しており、物価の上昇幅は徐々に高まっていくとの見方は変えていないもようだ。日銀の8月の企業物価指数によると、国内企業物価指数は前年比で2.9%上昇し、前月の同2.6%上昇からプラス幅が拡大した。上昇率は消費増税の影響を除いたベースで2008年10月(同4.5%上昇)以来の大きさとなった。前年と比べた原油などの国際商品市況の上昇や、中国の需要増加などが押し上げ要因。国内企業物価が前年比で上昇するのは8カ月連続。前年と比べた原油など原材料価格の上昇を反映し、石油・石炭製品や非鉄金属、電力・都市ガス・水道などが押し上げに寄与した。 7-9月期の法人企業景気予測調査によると、大企業全産業の景況判断指数はプラス5.1となった。プラスは2四半期ぶりで、製造業の改善がけん引した。
製造業はプラス9.4。自動車、スマートフォン向けの電子部品を製造する情報通信機械器具や、半導体製造装置の需要が増えた生産用機械器具の景況感が改善した。非製造業もプラスに転じ、建築需要やインフラ関連工事が増加した建設業の好調が目立つ。財務省は「緩やかな回復基調が続いている」と判断している。
一方、中小企業全産業はマイナス6.5だった。大企業全産業の見通しは10-12月期がプラス7.5、2018年1-3月プラス5.6。景況判断指数は、自社の現在の景況が前期と比べて「上昇した」と回答した企業の割合から「下降した」と答えた割合を差し引いた値。8月15日時点で調査した。
今週は8月貿易統計の発表がある。予想は970億円の黒字。輸出の予測は前年比プラス14.7%、輸入は同プラス11.8%。

テクニカル

「ボリバン下限下抜きから一気に上限上抜き止まる」

日足は、ボリバン下限下抜きからの回復が速かった。9月1日-5日の下降ラインを上抜き上昇、ボリバン上限上抜きでは上昇ストップ。ただ、まだボリバン上限で推移している。9月8日-15日の上昇ラインがサポート。
5日線上向き。
週足は、ボリバン下限下抜きから回復。7月10日週-8月28日週の下降ラインも上抜く。雲中へ。週のボリバン中位。9月4日週-11日週の上昇ラインがサポート。
月足は、2017年1月-7月の下降ラインが上値抵抗。今年は110円以下で下ヒゲを出す月が多く、サポートされる。2016年11月-2017年6月の上昇ラインも上値抵抗。
年足は、2012年-2013年の上昇ラインを下抜く。2016年は陰線。2017年も陰線スタート。2015年-2016年の下降ラインに沿う。2013年-2016年の上昇ラインがサポート。

【南アランド円】 予想レンジ:7.80-8.80、今週はCPIと政策金利

ポイント

政策金利はやや据え置き派が多い。利下げ予想はエコノミスト27人中11人
7月CPI低下で追加利下げ観測が浮上した
2Q経常赤字は拡大
7月小売売上は予想と前月を下回る
先週は工業資源価格が低下した
2QGDPはリセッションを免れる
企業信頼感指数は1980年代半ば以来の低水準
自動車販売好調
ズマ大統領は北京でのBRICS会議に参加
裁判所により中銀の独立性が維持されたことは好感された
12月のANC党首選延期観測が浮上
ズマ大統領不信任案決議は否決されるも与党から多くの造反者が出た
ムーディーズは南アの格付を「Baa3」に引き下げた。見通しは「ネガティブ」
ムーディーズがさらなる格下げに至るという観測がある
鉱業憲章改正は棚上げ
南ア航空破たんか
政府も中銀も0.5%成長の見通しを打ち出す
ギガバ財務相は景気回復のため海外からの支援を受け入れることを示唆
S&Pとフィッチが南アの格付を投機的水準に引き下げ
COSATUやゴーダン前財務相がズマ大統領へ辞任要求
次期大統領候補の一人はズマ大統領の元妻である。対抗はラマポーサ副大統領

トピックス

政策金利

今週の政策金利は27人中11人のエコノミストが利下げ予想である。CPIは既にインフレターゲットの3-6%の中位に近い4.6%であるが、今週の8月CPI予想は4.9%である。英米とCPIが上昇した先週であったので、据え置きとなってもいいだろう。

2Q経常赤字

2Q経常赤字は、国内総生産(GDP)比2.4%に拡大した。予想の2.0%を上回った。1Qも2.0%だった。2Qの経常赤字は1,100億ランドで、予想の873億ランドを上回った。1Qは910億ランドに修正された。金と製品の輸出価格が上昇し、貿易黒字は前期の570億ランドから650億ランドに増加した。
輸出は数量ベースで2.9%増、輸入は3.7%増。金額ベースでは輸出は3.1%増、輸入は4.2%だった。貿易収支は黒字化しているが、対外債務の利払いで経常収支が赤字となっている。

資源価格は弱含み推移

資源価格は年初来ではまだプラス圏であるが、先週は下落し、南アランドの頭を押さえた。

中銀の独立性

南ア中銀の使命変更を提案している護民官のムクウェバネ氏が、ズマ大統領の法務顧問とこの問題で協議していたことが、中銀が9月11日に裁判所に提出した宣誓供述書で明らかになった。中銀は、護民官がこの事実を公表しなかったのは重大な怠慢で、職務の独立性にとって問題のある行為だと批判している。
ムクウェバネ氏は6月に中銀の使命を通貨・物価の安定から経済成長促進に代えることを勧告し、中銀が勧告の無効宣言を裁判所に要請する事態になった。
こうした中で中銀の法務顧問イエガー氏は宣誓供述書で、ムクウェバネ氏は憲法の規定で独立的かつ公平に調査を進める義務を負っており、大統領側との話し合いはこうした独立性を損なったと指摘。この協議には何の正当性もないと訴えた。
ムクウェバネ氏の報道官は、大統領側との協議は「法に従ったもの」で「共謀」には当たらないと主張した。ただ当初からムクウェバネ氏の護民官としての適性に疑念を抱いていた最大野党である民主同盟(AD)は、議会に対して同氏の解任を要請する方針を表明している。ムクウェバネ氏は今後、中銀の批判に対する反論供述書を裁判所に提出する見通しだ。

ムーディーズ

ムーディーズは南アの格付について、制度的枠組みの段階的な浸食や、中央銀行の使命変更への圧力が主要リスクとの見解を示した。
中銀の使命をめぐっては、同国の護民官が物価・通貨の安定より経済成長を優先するよう求める動きがあった。赤字抑制のために財務省がカウンター・シクリカル(景気変動抑制的)な財政政策を実施する余地が限定されつつあることも指摘した。

金融業憲章改正、黒人優遇策

金融業憲章評議会(FSCC)は黒人優遇策を定める金融業憲章改正案を発表し、同案を貿易産業省に提出した。憲章改正案はFSCCで起案され、2015年前半にパブリックコメントに付せられ、同年8月に貿易産業省に提出されていたが、依然として同省とFSCCで改正案の内容につき検討がなされていた。今般の憲章改正では、外資金融機関は自動的に黒人所有の義務が免除されないという方向にて検討が行われていることが明らかとなった。これまで、外国子会社の株式売却を禁じる外資金融ホールディングスには、株式相当(equity equivalent)の投資を行うオプションがあったが、今後は、株式相当の代替案を申請する資格の有無につき、予めデービス貿易産業大臣からの認可が必要となる。

テクニカル

「難問山積でも5月以降は8円台」

日足は、9月8日-15日の上昇ラインがサポート、9月12日-13日の下降ラインが上値抵抗。ボリバン中位。5日線上向き。5月以降、難問山積でも8円台を維持。
週足は、7月17日週-24日週の下降ラインを上抜き3週連続陽線も8月14日週-28日週の上昇ラインを下抜く。3月27日週-7月17日週の下降ラインが上値抵抗。ボリバン下限がサポート。
月足は、4月-5月の上昇ラインを下抜く。8月は陰線スタートも陽転で下ヒゲ長く9月の陽線スタートに繋がったが北朝鮮問題でのリスクオフが続き陰転。2017年4月-8月の上昇ラインがサポート。2017年3月-7月の下降ラインが上値抵抗。
年足は、2008年-2011年の下降ラインを上抜いた。2016年は最強通貨で陽線。2006年-2015年の下降ラインが上値抵抗だが近い。ただ今年は陽転、陰転とめまぐるしい。