月曜 野村雅道の今週注目!の経済指標 マーケットが注目する指標を大胆解析

秋の円安需給あり、米税制改革進むか、英中格下げ

更新日:2017年9月25日

9月25日(月)-9月29日(金)

今週の予想:
109-114、ユーロドル=1.17-1.22、ユーロ円=130-135

米ドル 「税制改革進むか、マケイン議員がオバマケア改廃反対。米爆撃機発進」

北朝鮮が太平洋で水爆実験をすると発言したのに対し、米国は北朝鮮近海に爆撃機を発進させ再び緊張が高まっている。米国防総省のホワイト報道官は、「B1爆撃機とF15戦闘機が北朝鮮東方の国際空域を飛行した。北朝鮮による見境のない行為を重大に受け止めていることを明確に示した」と強調した。米国が本気になり北朝鮮を抑え込めばリスク回避か。今朝のドルの上昇は英中の格下げも影響している。
FOMCでは予想通りに政策金利を据え置き、量的金融緩和で膨らんだ保有資産の縮小を10月から開始すると決めた。物価停滞やハリケーン被害で年内の利上げを見送ると予想していた投資家が、債券売りドル買いに回った。声明では米景気の拡大基調が続くとの認識が繰り返された。CMEフェドウォッチでは12月の利上げ確率は直近で72%となった。FOMC声明発表前は52%だった。
ドルを上昇させていたのは税制改革議論の進展があったからだが、先週末少しヒビが入った。米共和党の重鎮であるマケイン上院議員は9月22日、上院共和党が今週採決を行うとしている医療保険制度改革(オバマケア)改廃に向けた新たな法案について、反対票を投じることを明らかにした。上院共和党が採決にかけるとしているのは、同党のグラム、カシディ両上院議員が策定した案。マケイン氏は声明で、コストがどの程度になるのか、保険カバーにどのような影響が及ぶのかを知らないまま「グラム・カシディ案に投票することはできない」と表明。共和、民主両党が法案策定にともに取り組むことが望ましいとの見解も示した。オバマケア法案が改廃されなければ新たな税制改革への財源が出来ないのではないか。
今週もイエレン議長の他、多数のFRB地区連銀総裁達の講演がある。

ユーロ 「景気良好 10月まで出口戦略への発言が続くだろう」

ドイツ選挙ではメルケル首相が率いる与党キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)が他党を引き離して第1党になる見通しとなった。過半数には届かない見込みで、今後の焦点は各党との連立協議。ユーロドルは先週末の上ヒゲが気になる。
さて先週も欧州の指標は好調でZEWの景況感指数は上昇した。ユーロは今年に入ってからドルに対し14%急伸した後、安定しつつある兆候を見せている。ユーロ高が輸出に重しとなっているものの、域内経済は力強く拡大し続けるとの見通しが強い。ECB経済報告では、ユーロ圏の経済成長は勢いを増しており、失業率が急速に低下していることは心強いものの、インフレ率は持続的な上向きトレンドを示す確固とした兆候が依然として見られず、引き続き景気刺激策が必要だとの見解を示した。また、堅調なユーロ相場は物価圧力が緩和されることを示唆するため、インフレにとってリスク源になっているとした。ECBはさらに「幅広い失業指標は多くのユーロ圏労働市場でスラック(緩み)が依然として拡大していることを示唆している」と指摘した。
ドイツにおいては 財務省月報で、国内経済は3Q初めに減速が見られたものの、最近の経済指標を踏まえると堅調な成長が続く見込みだとの見解を示した。月報では、3Q初めに景気が幾分失速したと指摘した。一方で、最近の経済指標は堅調な経済成長が同四半期も続くことを示しているとし、企業心理が引き続き良好なほか、国内輸出業者は世界的な景気回復の恩恵を受けるとの見方を示した。
今年のGDP成長率は1Qが前期比0.7%、2Qは同0.6%。マクロ経済のファンダメンタルズは依然として良好だと指摘し、今後も内需が成長をけん引し、雇用や賃金の改善につながるとの見通しを示した。
ワイトマン独連銀総裁は、ユーロ圏がデフレに陥る可能性がほぼ消え、ECBが大規模な資産買い入れを行う根拠は無くなったとして、刺激策を縮小すべきとの認識を示している。
今週もドラギ総裁の講演がある。

英ポンド 「利上げ観測と景気の強さ VS EU離脱手続き不安と格下げ」

カーニー総裁が、利上げの可能性が「確かに高まった」との認識を示したことや、金融政策委員会のブリハ委員が「今後数カ月以内に利上げが必要になるかもしれない。最近まで、控えめな成長や基調インフレ圧力が抑制されていることを考慮すれば、金融政策の適切な対応は忍耐強くあることだと考えていたがデータの推移は、政策金利の引き上げが必要かもしれない瞬間に近づいていることを次第に強く示唆している」と指摘したことでポンドは上昇。さらに。8月小売売上高指数は前月比1.0%上昇し、予想を上回ったほか、4月以来の高い伸びとなったことで続伸した。
先週末の2つのイベントで週末は売られたが、景気やインフレの見通しを変えるものではないだろう。
下落を誘った理由の一つ目は、メイ首相がEU離脱方針を巡り演説したものの、具体的な拠出金の額や離脱交渉の停滞を招いている離脱費に言及はなく、EU側の期待に沿うほどの内容とはならなかったこと。もう一つはムーディーズが英国の長期債務格付を「Aa1(ダブルAプラス)」から「Aa2(ダブルA)」に1段階引き下げたこと。格付見通しは「安定的」とした。EU離脱が英経済の中期的な成長を阻害する要因となり、財政悪化を招くとの見方を示した。EU離脱への見方と実際の経済成長やインフレ指標とのせめぎあいが続く。今週もカーニー総裁の講演がある。

人民元 「中国格下げ、先週の元は対ドルで下落も対円で上昇」

S&Pは、民間債務拡大のリスクを抑制する中国政府の取り組みについて、当初予想したほど迅速な効果を発揮していないとの認識を示し、同国の信用の伸びは依然として速すぎると指摘した。
急速な債務増大によるリスクを理由に、中国のソブリン格付を「AAマイナス」から「Aプラス」に引き下げた。同社は中国におけるレバレッジの解消と債務削減に向けた動きは今後数年間、予想よりもかなり緩やかなペースになるとの見解を表明。一方、信用の伸びが1-2年以内にピークを打つとはみていないものの、ソブリン格付に対するリスクは今後数年で安定化するとの見通しを示した。
同社は「中国政府はデレバレッジ政策を実行する決意を強めていたが、企業セクターの信用全体は9%ポイントで変わっていない」と指摘。「今後数年で一定のデレバレッジが進むと予想するが、今年前半との比較では、はるかに緩やかなペースになる公算が大きいとの結論に達した」と述べた。中国では、2016年の新規人民元建て融資が12兆6,500億元、社会融資総量は17兆8,000億元と、いずれも過去最高を記録し、民間債務の急速な積み上がりとレバレッジの拡大が顕著になっている。
一方中国財政省は、格下げについて、「中国金融市場の資金調達構造の性格と政府支出による重大な支援と富の蓄積を無視」した「誤った決定」であると指摘。「慎重な貸し出し、政府の監督改善、信用リスク管理を通じて、金融システムの安定を維持できる」との予想を示した。IMFは8月、中国の非金融部門の債務が昨年のGDP比242%から、2022年までに約300%に上昇するとの見通しを示している。
格下げを受け、元相場は先週対ドルで下落したが、円安の影響もあって対円では上昇した。8月小売売上高や8月鉱工業生産は弱かったが、今週は9月財新製造業購買担当者景気指数(PMI)と政府版製造業・非製造業購買担当者景気指数(PMI)の発表がある。

豪ドル 「ロウRBA総裁発言で下落。ただ景気・雇用はまずまず」

8月雇用統計の改善があったこと、またRBA議事録で豪ドルの上昇は、米ドル安によるものとされたことで豪ドルは上昇した。ただ豪ドル高懸念の口先介入を始めたレベルに戻ってきたことや、ロウRBA総裁の発言をきっかけとして豪
ドルは先週後半売られた。ただ対米ドルでは週足が陰線となったものの、対円では長い上ヒゲを残しつつ陽線で終えた。 RBAロウ総裁は、確か以前にも同内容の発言をしていたが「世界的な金利の上昇が自動的に豪に波及することはないとし、政策当局者は高水準の家計債務に利上げが及ぼす影響を十分認識している」と指摘した。ロウ総裁は、「インフレ率はなお、RBAの目標である2-3%を下回っており、レンジの中間点に到達することは目先見込まれない。国内の金利は当面は上昇しない」との考えを示した。
また「世界的な金利の上昇はそのうち、豪にも波及するだろう。ただし、そのタイミングを巡っては、柔軟性のある為替レートのおかげで、我々はかなりの独立性を手にしている」と強調した。
またRBAのエコノミストのエリス氏は、「国内の労働市場には依然として大きな余剰能力があり、しばらくの間は引き続き賃金の伸びを鈍化させ、インフレ率を抑制しそうだ。現在のインフレ見通しに満足している。現在1.8%前後となっている基調インフレについて、来年までに目標(2-3%)の下限に到達する」と述べた。
特に景気に大きな問題はないだろう。中国の格付が引き下げや、中国の8月鉱工業生産や8月小売売上高が予想や前月を下回ったことは、最大貿易相手国だけに気がかりだ。

NZドル 「GDP堅調、総選挙は連立を促す。今週は政策金利決定と貿易収支」 

詳細は後述致します。

南アランド 「政策金利は据え置き。今週は貿易収支に注目」

8月CPIは予想を下回ったが7月より前年比で上昇し、インタゲの中間値を上回った。南ア中銀は政策金利を6.75%で据え置いた。中銀内部では据え置き、利下げで意見が拮抗した。クガニャゴ中銀総裁は、金融政策委員会の会合では据え置きか利下げかを巡り、3対3で意見が分かれるなど、際どい決定だったと認めた上で、インフレ期待は中銀が目標に定める3-6%の上限付近に抑制されており、「均衡」した金融政策スタンスの維持が適切と判断した、と述べた。
世界銀行は、南アの2017年の成長率予想を従来の1.1%から0.6%に引き下げた。世銀は、南アの成長率は2018年に1.1%、2019年に1.7%に加速すると見込んでいる。ただ、同国が生産性を高めない限り、景気回復は引き続きぜい弱になるとの見方を示した。「南アフリカは世界経済の回復の恩恵を受けていない。輸出には好ましい状態にあるにも関わらず、新たな市場に参入していない」とも指摘した。
ズマ大統領も先月、南アの2017年成長率は0.5%を下回るとの見通しを示し、2月に示した1.3%から下方修正した。南ア経済は1Qに景気後退(リセッション)入りしたが、2Qには、農業部門の回復を背景にリセッションから脱却した。2009年のリセッションから脱却して以降、南アの成長率は政府目標の5%を下回っている。エコノミストは、失業者の増加を抑えるには5%成長が必要だと指摘している。
さて今週は8月卸売物価指数(PPI)と貿易収支の発表がある。このところ南アランドを支え、貿易を黒字化していた資源価格の下落が気になる。

トルコリラ 「高度成長、高金利だが貿易・経常赤字、副首相の希望が叶えばいいが」 

2月からジリ高推移しているが、まだ1月の高値33.15を抜けず主要12通貨番付では11位と米ドルに次いで弱い。今年は5%を超える成長率となりそうだが、貿易赤字が通貨の足を引っ張っている。貿易収支改善のために、NYに貿易センターを設立して貿易振興を図ったり、南アフリカに白物家電輸出の拡大を図ったりしている。
シムシェキ副首相は、「長期的な成長の機会は減速しておらず、スピードも落ちていないことが分かる。これに反する動きを見せる形跡も見られない。2015年半ばから2016年末まであらゆるテロリストが攻撃したが、地政学的な問題や一部内政問題にもかかわらず、長期的な成長の可能性のスピードが落ちることを示す証拠はない。昨年(2016年)以降、昨年の停滞からV字型の回復が見られる。仕事の機会や特別投資が増加しながら継続している。世界的な意味で背景を見ると、トルコには成長のプロモーターとしての性質があることが分かる。政策における不確実性は減少しており、地政学上の緊張もさらに解消され、平穏な環境が生まれると期待している」と話した。さらに、トルコは雇用を生み出していると述べたシムシェキ副首相は、2007年末以降780万人に雇用の機会が創出されたと伝えた。
今年(2017年)最初の6カ月間に70万人が雇用されたことに注意を促したシムシェキ副首相は、「2006-2016年の10年間の平均とこれを比較すると、ここで2.2倍の上昇がある。実は我々はこのため、トルコが5パーセント以上の実質成長水準を継続できると確信しているのである。なぜなら、仕事を創出しているからである。仕事も成長を促進し、雇用も成長を促進する」と述べた。トルコが存在する地域で発生している事件、内政上の緊張、選挙の雰囲気などにより投資が少し鈍る可能性があるものの、最悪の部分は過去のものとなったと伝えたシムシェキ副首相は、2018年以降投資が促進され、増加するとの見解を述べた。世界的な財政条件がトルコに有利であることを強調したシムシェキ副首相は、この過程で非常に徹底的な金融政策を取っており、財政赤字を管理していると語った。
トルコの首脳はエルドアン大統領だけでなく皆元気のいい発言をする。

先週の「注目通貨ペア!」の振り返り

先週の「注目通貨ペア!」

ドル円 南アランド円

【ドル円】予想レンジ:109-114、安倍首相ウオール街で日本売り込み。黒田総裁、貿易統計 日銀金融政策決定会合

FOMCで10月のバランスシート縮小開始、12月の追加利上げ観測が強まったことで上昇。ただ週末は北朝鮮リスクの再燃、マケイン議員がオバマケア改廃法案位に反対したことで上げ幅を縮小した。

先週の予想は以下の通り

10月には衆院選挙が行われるようだ。自民党の受け皿がなく、低投票率となり自民党が勝利するだろう。また安倍首相は今週NY入り、国連で演説、ウオール街で日本のセールスを行う。晩秋の円安需給とかみ合うか。
日銀金融政策決定会合では短期金利をマイナス0.1%、長期金利を0%程度に誘導する金融緩和策を維持する公算が大きい。緩和長期化に反対してきた審議委員が交代し、決定は約3年ぶりに全員一致となる可能性がある。日銀は7月にまとめた経済・物価情勢の展望(展望リポート)で、2%の物価目標の達成時期について「2019年度ごろ」へと1年先延ばしした。ただ国内景気は緩やかに拡大しており、物価の上昇幅は徐々に高まっていくとの見方は変えていないもようだ。日銀の8月の企業物価指数によると、国内企業物価指数は前年比で2.9%上昇し、前月の同2.6%上昇からプラス幅が拡大した。上昇率は消費増税の影響を除いたベースで2008年10月(同4.5%上昇)以来の大きさとなった。前年と比べた原油などの国際商品市況の上昇や、中国の需要増加などが押し上げ要因。国内企業物価が前年比で上昇するのは8カ月連続。前年と比べた原油など原材料価格の上昇を反映し、石油・石炭製品や非鉄金属、電力・都市ガス・水道などが押し上げに寄与した。 7-9月期の法人企業景気予測調査によると、大企業全産業の景況判断指数はプラス5.1となった。プラスは2四半期ぶりで、製造業の改善がけん引した。
製造業はプラス9.4。自動車、スマートフォン向けの電子部品を製造する情報通信機械器具や、半導体製造装置の需要が増えた生産用機械器具の景況感が改善した。非製造業もプラスに転じ、建築需要やインフラ関連工事が増加した建設業の好調が目立つ。財務省は「緩やかな回復基調が続いている」と判断している。
一方、中小企業全産業はマイナス6.5だった。大企業全産業の見通しは10-12月期がプラス7.5、2018年1-3月プラス5.6。景況判断指数は、自社の現在の景況が前期と比べて「上昇した」と回答した企業の割合から「下降した」と答えた割合を差し引いた値。8月15日時点で調査した。
今週は8月貿易統計の発表がある。予想は970億円の黒字。輸出の予測は前年比プラス14.7%、輸入は同プラス11.8%。

テクニカル

「ボリバン下限下抜きから一気に上限上抜き止まる」

日足は、ボリバン下限下抜きからの回復が速かった。9月1日-5日の下降ラインを上抜き上昇、ボリバン上限上抜きでは上昇ストップ。ただ、まだボリバン上限で推移している。9月8日-15日の上昇ラインがサポート。
5日線上向き。
週足は、ボリバン下限下抜きから回復。7月10日週-8月28日週の下降ラインも上抜く。雲中へ。週のボリバン中位。9月4日週-11日週の上昇ラインがサポート。
月足は、2017年1月-7月の下降ラインが上値抵抗。今年は110円以下で下ヒゲを出す月が多く、サポートされる。2016年11月-2017年6月の上昇ラインも上値抵抗。
年足は、2012年-2013年の上昇ラインを下抜く。2016年は陰線。2017年も陰線スタート。2015年-2016年の下降ラインに沿う。2013年-2016年の上昇ラインがサポート。

【南アランド円】 予想レンジ:7.80-8.80、今週はCPIと政策金利

南ア中銀が一部で強まっていた政策金利の引き下げ行わず据え置きとしたことで上昇した。

先週の予想は以下の通り

ポイント

政策金利はやや据え置き派が多い。利下げ予想はエコノミスト27人中11人
7月CPI低下で追加利下げ観測が浮上した
2Q経常赤字は拡大
7月小売売上は予想と前月を下回る
先週は工業資源価格が低下した
2QGDPはリセッションを免れる
企業信頼感指数は1980年代半ば以来の低水準
自動車販売好調
ズマ大統領は北京でのBRICS会議に参加
裁判所により中銀の独立性が維持されたことは好感された
12月のANC党首選延期観測が浮上
ズマ大統領不信任案決議は否決されるも与党から多くの造反者が出た
ムーディーズは南アの格付を「Baa3」に引き下げた。見通しは「ネガティブ」
ムーディーズがさらなる格下げに至るという観測がある
鉱業憲章改正は棚上げ
南ア航空破たんか
政府も中銀も0.5%成長の見通しを打ち出す
ギガバ財務相は景気回復のため海外からの支援を受け入れることを示唆
S&Pとフィッチが南アの格付を投機的水準に引き下げ
COSATUやゴーダン前財務相がズマ大統領へ辞任要求
次期大統領候補の一人はズマ大統領の元妻である。対抗はラマポーサ副大統領

トピックス

政策金利

今週の政策金利は27人中11人のエコノミストが利下げ予想である。CPIは既にインフレターゲットの3-6%の中位に近い4.6%であるが、今週の8月CPI予想は4.9%である。英米とCPIが上昇した先週であったので、据え置きとなってもいいだろう。

2Q経常赤字

2Q経常赤字は、国内総生産(GDP)比2.4%に拡大した。予想の2.0%を上回った。1Qも2.0%だった。2Qの経常赤字は1,100億ランドで、予想の873億ランドを上回った。1Qは910億ランドに修正された。金と製品の輸出価格が上昇し、貿易黒字は前期の570億ランドから650億ランドに増加した。
輸出は数量ベースで2.9%増、輸入は3.7%増。金額ベースでは輸出は3.1%増、輸入は4.2%だった。貿易収支は黒字化しているが、対外債務の利払いで経常収支が赤字となっている。

資源価格は弱含み推移

資源価格は年初来ではまだプラス圏であるが、先週は下落し、南アランドの頭を押さえた。

中銀の独立性

南ア中銀の使命変更を提案している護民官のムクウェバネ氏が、ズマ大統領の法務顧問とこの問題で協議していたことが、中銀が9月11日に裁判所に提出した宣誓供述書で明らかになった。中銀は、護民官がこの事実を公表しなかったのは重大な怠慢で、職務の独立性にとって問題のある行為だと批判している。
ムクウェバネ氏は6月に中銀の使命を通貨・物価の安定から経済成長促進に代えることを勧告し、中銀が勧告の無効宣言を裁判所に要請する事態になった。
こうした中で中銀の法務顧問イエガー氏は宣誓供述書で、ムクウェバネ氏は憲法の規定で独立的かつ公平に調査を進める義務を負っており、大統領側との話し合いはこうした独立性を損なったと指摘。この協議には何の正当性もないと訴えた。
ムクウェバネ氏の報道官は、大統領側との協議は「法に従ったもの」で「共謀」には当たらないと主張した。ただ当初からムクウェバネ氏の護民官としての適性に疑念を抱いていた最大野党である民主同盟(AD)は、議会に対して同氏の解任を要請する方針を表明している。ムクウェバネ氏は今後、中銀の批判に対する反論供述書を裁判所に提出する見通しだ。

ムーディーズ

ムーディーズは南アの格付について、制度的枠組みの段階的な浸食や、中央銀行の使命変更への圧力が主要リスクとの見解を示した。
中銀の使命をめぐっては、同国の護民官が物価・通貨の安定より経済成長を優先するよう求める動きがあった。赤字抑制のために財務省がカウンター・シクリカル(景気変動抑制的)な財政政策を実施する余地が限定されつつあることも指摘した。

金融業憲章改正、黒人優遇策

金融業憲章評議会(FSCC)は黒人優遇策を定める金融業憲章改正案を発表し、同案を貿易産業省に提出した。憲章改正案はFSCCで起案され、2015年前半にパブリックコメントに付せられ、同年8月に貿易産業省に提出されていたが、依然として同省とFSCCで改正案の内容につき検討がなされていた。今般の憲章改正では、外資金融機関は自動的に黒人所有の義務が免除されないという方向にて検討が行われていることが明らかとなった。これまで、外国子会社の株式売却を禁じる外資金融ホールディングスには、株式相当(equity equivalent)の投資を行うオプションがあったが、今後は、株式相当の代替案を申請する資格の有無につき、予めデービス貿易産業大臣からの認可が必要となる。

テクニカル

「難問山積でも5月以降は8円台」

日足は、9月8日-15日の上昇ラインがサポート、9月12日-13日の下降ラインが上値抵抗。ボリバン中位。5日線上向き。5月以降、難問山積でも8円台を維持。
週足は、7月17日週-24日週の下降ラインを上抜き3週連続陽線も8月14日週-28日週の上昇ラインを下抜く。3月27日週-7月17日週の下降ラインが上値抵抗。ボリバン下限がサポート。
月足は、4月-5月の上昇ラインを下抜く。8月は陰線スタートも陽転で下ヒゲ長く9月の陽線スタートに繋がったが北朝鮮問題でのリスクオフが続き陰転。2017年4月-8月の上昇ラインがサポート。2017年3月-7月の下降ラインが上値抵抗。
年足は、2008年-2011年の下降ラインを上抜いた。2016年は最強通貨で陽線。2006年-2015年の下降ラインが上値抵抗だが近い。ただ今年は陽転、陰転とめまぐるしい。

今週の「注目通貨ペア!」

今週の「注目通貨ペア!」

ドル円 NZドル円

【ドル円】 予想レンジ:109-114、年間では先行逃げ切り型であり、貿易黒字通りの円高

主要12通貨中で9位と強いわけではないが、やはり夏へかけての円高のピークを過ぎて、円はやや弱い。いつも触れている季節の需給によるものだ。今年はまだ3カ月あるが、昨年ほど大きくないものの、おそらく年間で2兆円程度となる貿易黒字で年間では円高で終わるだろう。年初オープンは116円96銭である。
北朝鮮問題のリスクがあるが、米国が押さえつけそうな空気が高まりリスクオフとならない。英中格下げでのドル買いも、今朝ドル円を押し上げた。ただ米共和党マケイン議員がオバマケア法案改廃に反対していることには注目したい。米税制改革の財源に影響するからだ。
7月の毎月勤労統計調査(確報値、従業員5人以上)によると、名目賃金にあたる現金給与総額は前年同月比0.6%減の37万823円だった。ボーナスなど特別に支払われた給与が減少し、速報値(0.3%減)から下方修正となった。減少幅は2015年6月(2.5%減)以来の大きさだった。物価変動の影響を除いた実質賃金は1.1%減と、速報値の0.8%減から減少幅が拡大した。パートタイム労働者の時間あたり賃金は2.5%増の1,111円だった。この状況で安倍首相は2019年10月の10%への消費増税を予定通り実施し、増税分の使い道に子育て支援や教育無償化の財源を加える検討に入った。8%から10%への増税分の約8割を財政健全化に回すとした使途割合も見直す。憲法改正とともに10月22日投開票と予想される衆院選で訴える。ただ20年度にプライマリーバランス(基礎的財政収支、PB)を黒字化するとの目標は先送りが不可避だ。
将来的には消費増税で可処分所得の減少、消費の減退、貿易黒字の拡大で円高が続くと予想する。
個人が保有している預金や株式といった金融資産の残高は、今年6月末の時点で1,830兆円余りと、株価の上昇傾向などを背景に過去最高を更新した。前年同期よりも4.3%増加して、過去最高だった去年12月末の時点の1,810兆円を上回って、過去最高を更新した。株価の上昇傾向を反映して「株式など」は前の年の同じ時期より22.4%増えて190兆円、「投資信託」も15.6%増加して100兆円となっている。株を持たないと可処分所得が増えない。株で儲けた一部の人が消費するかどうかがカギだ。

テクニカル

「6日ぶり陰線、9月上昇の発射地点の9月8日-15日の上昇ラインも下抜けか」

日足は、6日ぶり陰線。9月20日-21日の下降ラインを下抜ける。9月上昇の発射地点の9月8日-15日の上昇ラインも下抜けか。雲の上限で留まれるか。9月20日-22日、18日-20日の上昇ラインがサポート。ボリバン上位、5日線上向く。
週足は、ボリバン下限下抜きから回復。7月10日週-8月28日週の下降ラインも上抜く。雲の上へ。週のボリバン上位へ。9月4日週-11日週の上昇ラインがサポート。
月足は、2017年1月-7月の下降ラインが上値抵抗。今年は110円以下で下ヒゲを出す月が多くサポートされる。2016年11月-2017年6月の上昇ラインも上値抵抗。2016年6月-11月の上昇ラインが上値抵抗。
年足は、2012年-2013年の上昇ラインを下抜く。2016年は陰線。2017年も陰線スタート。2015年-2016年の下降ラインに沿う。2013年-2016年の上昇ラインがサポート。

【NZドル円】 予想レンジ:79-84、GDP堅調、総選挙は連立を促す。今週は政策金利と貿易収支

ポイント

今週は政策金利の決定がある。予想は据え置き。8月貿易収支は赤字の予想
総選挙は国民党が勝利するも過半数を得られず連立を組むこととなる
鍵を握るNZファースト党はTPPに反対である
2QGDPは堅調
製造業売上に続き、企業信頼感も上昇
中銀総裁交代は26日
ファンダメンタルズが悪いわけではない。財政も世界で稀な黒字
NZ中銀は通貨高懸念を繰り返す
2Q小売売上は改善
2Q雇用統計やCPIが弱かった。3Qインフレ期待も低下
ジョイス財務相だけは、NZドルの上昇を懸念していないと発言
8月貿易収支では6カ月連続の黒字
対外純債務がGDP比で1980年代末以来の水準に低下
ムーディーズがNZの財政を評価
景気拡大の原動力の移民は増加継続だが移民削減が計画されている
IMFはNZの家計債務に警告した(住宅価格高騰で)
S&PはAA格付を維持(ムーディーズはAaa)
観光業が、GDPへの貢献度では乳製品輸出を上回るようになった

総選挙結果

総選挙の結果は、開票率99.8%で、与党・国民党が、得票率46.0%で58議席(改選前58議席)を獲得し、第一党を維持。イングリッシュ首相は「強く安定した政府へ責任を与えられた」と勝利宣言した。ただ、過半数には届かず、引き続き政権を維持できるかは、少数政党との連立に委ねられる。一方、女性のアーダン党首が率いる最大野党の労働党も35.8%を獲得し45議席(同31議席)と躍進した。7議席(同14議席)を得た緑の党と連立を模索する。9議席(同12議席)を得たポピュリスト政党のNZファースト党が、国民党、労働党のどちらにつくかが鍵となる。
キャスティングボートを握ったピータースNZファースト党党首は「決断には時間がかかる」と述べ、国民党と労働党のどちらと連立を組むのか態度を明示しなかった。両党とも連携した経験がある。同党は自由貿易協定(FTA)や海外企業の投資に批判的。移民の大幅制限や高齢者福祉の拡充も要求。排外的な大衆迎合主義を掲げている。

GDP

2QGDPで前期比0.8%増となり、前期の0.6%増(改定値)から成長が加速した。予想は0.8%増。好調な輸出と国内需要が要因。前年同期比では2.5%増。6月まで1年間の実質GDPは2.7%増。
16業種のうち11業種がプラス。輸出は5.2%増と約20年ぶりの大きな伸び率となった。酪農や木材製品がけん引した。国内需要では小売りなどが好調だった。このところ乳製品価格も上昇している。景気、財政の好調さに政局がどの程度影響するか。

今週は政策金利決定

2QCPIは前年比1.7%とインタゲ2-3%の中間値を下回っている、GDPの堅調さ、他の指標も上向いていることから政策金利は据え置きか。前回の会合でウィーラー中銀総裁は以下のように語っている
「今後数年で3%以上の成長を予想」
「住宅価格インフレの鈍化は喜ばしい」
「金利について依然として非常に中立」
「NZドルの下落が望ましい」
「為替介入は常に開かれている」
「インフレ率を2%に戻すために利下げは必要ない」
「デフレのリスクは見当たらない」

2Q製造業売上高に続き、企業景況感も強かった

8月企業景況感指数は57.9と前月の55.4を上回った。既に発表された2Q製造業売上高も堅調(前回:+2.8% 結果:+3.9%)。

テクニカル

「ボリバン上限から反落」」

日足は、9月15日-19日の上昇ラインを下抜く。ボリバン上限上抜きから反落。先週末は雲の上限で留まり長い下ヒゲを残す。9月21日-22日の下降ラインが上値抵抗。9月11日-15日の上昇ラインがサポート。5日線上向き。ボリバン上位。
週足は、7月24日週-31日週の下降ラインを上抜き2週連続大陽線。ボリバン下位から上位へ。
月足は、3カ月連続陰線後、3カ月連続陽線。8月は大陰線。5月-6月の上昇ラインを下抜け。2016年6月-2017年5月の上昇ラインも一旦下抜けたが現在は戻している。
年足は、2015年は大陰線。2016年も下げていたがトランプ氏の米大統領選挙勝利後は急速に下ヒゲを伸ばしたものの、陰線に終わった。2013年-2014年、2012年-2013年の上昇ラインを下抜いた。今年は僅かに陽線。