第11回米国の連邦準備制度 (4)FOMC

FOMCは、FRSの金融政策を決定する会合として、FRBの理事および全米各地にある地区連銀の総裁により構成され、原則年8回、6週間ごとの火・水曜日の二日間に亘って開催されます。毎回、最終日に声明文が公表され、FRB議長による記者会見が行われます。

議決権を持つのは、(1)FRB理事(7名)(常任)、(2)ニューヨーク連銀総裁(常任)、(3)その他の地区連銀総裁(11名)のうち輪番(任期1年)で選ばれる4名、の計12名ですが、ニューヨーク連銀総裁は、FOMCの副議長も務めます(FOMC議長はFRB議長)。

議決権を持たない地区連銀総裁7名も、オブザーバーとしてFOMCに出席して意見を述べることができます。地区連銀総裁の発言は、議決権の有無に注意して理解する必要があります。

FOMCでは、金融政策やFFレートの誘導目標などが決定され、議事要旨は約1か月後に公表されます。

議事要旨によって各理事の意見や採決の状況がわかるため、次回のFOMCの内容を予測するうえで、市場から注目されます。

なお、市場では金利の引き下げを好む政策メンバーを「dove(ハト)派(景気を重視)」、金利の引き上げを好む政策メンバーを「hawk(タカ)派(物価を重視)」と呼び、いずれにも属さないメンバーを「中立派」と呼びます。FOMCメンバーの金融政策スタンスを把握することは政策動向を探るうえで重要で、メンバーの発言等も市場の材料として注目されます。

FOMC