第7回「テーパリング」とは?

為替相場に大きな影響を与える米連邦準備理事会(Federal Reserve Board 以下FRB)、欧州中央銀行、日本銀行などの中央銀行の行動を理解するための語彙として覚えておきたいのは、「金融緩和」と「金融引き締め」という二つの言葉です。
「金融緩和」とは、中央銀行が政策金利を引き下げたり、国債を始めとする有価証券などを買い上げることで市中に出回る資金の供給量を増やしたりして、景気の浮揚を図る政策のことを指します。

逆に景気が良い場合は、景気の過熱を抑えるために、政策金利を引き上げたり、資金の供給量を減らしたりして、経済活動を抑制します。これを「金融引き締め」といいます。

量的金融緩和(英: Quantitative Easing、QE)とは、金融緩和の一環ですが、これは政策金利がすでにこれ以上は下げられないほど低くなっているようなときに、中央銀行が金融機関の保有する国債などの資産を買い取るなどして、市場に資金を供給することで金融を緩める政策のことを言います。

「テーパリング(Tapering)」とは、これまで量的に緩和したものを縮小して(減らして)いく意味で用いられます(英語の「taper」は、「次第に細くなる」「徐々に減る」という意味です)。

量的金融緩和の「出口戦略」の一つとも言われる中央銀行(主にアメリカのFRB)のテーパリングの時期やペースなどをめぐる思惑から、為替相場が乱高下することがあり、政策当局者の発言などの材料を冷静に分析していくことが大切です。