テレビのニュース等のマーケット速報で、「本日の東京外国為替市場は・・・」という言い方をよく耳にすることがありますが、外国為替市場(以下「市場」)には、市場参加者が集まる特定の「場所」というものはありません。市場は、電話やスクリーンを通じて相対的に売買される世界です。
世界規模でみると、市場は、基本的に、土曜日と日曜日を除く24時間、動いています。ウェリントンに始まり、シドニー~東京~香港・シンガポール~ロンドン~ニューヨーク市場と、常にどこかの市場で取引が行われています。
ニューヨーク、ロンドン、東京市場は、三大市場といわれます。東京市場が終わるとロンドン市場が開き、ロンドン市場が閉まるとニューヨーク市場が開くと誤解される向きもありますが、ここでの「市場」は、「その時間帯に取引が活発に行われている代表的な市場」のことであって、各市場できちっとした時間の分かれ目はありません。
例えば、東京時間が夜遅くなると、東京の市場参加者の多くは帰宅します。しかし8時間の時差(夏時間の場合)があるロンドンは日中で、取引が段々と活発化していきます。
市場ごとで時間ごとに取引が区切られている訳ではなく、東京にいてもロンドンや同時刻のフランスのパリ、ドイツのフランクフルトの市場参加者とも取引が可能です。
ロンドンも昼下がりになると、今度はニューヨークや同時刻のカナダが朝になり、そこの市場参加者が取引を始めます。時差の関係から、世界中の市場参加者が入れ替わりながら、その時々の為替相場を形成しています。
月曜日の東京時間は比較的ノンビリしていることが多いようです。しかし金曜日の夜は、米雇用統計の発表やポジション調整などいろいろな要因が入り混じり相場が大きく動きやすくなる傾向がみられます。
夏場やクリスマス前、イースター前などは休暇に入る市場関係者も多く、総じて静かな市場となることが多い反面、市場参加者が少ないことで何か突発的なニュース等で相場がいつもより大きく動くことも多いので注意が必要です。