第1回マーケットはドルが中心

テレビのニュースなどで「今日はさらに円高が進んで1ドル何円になりました。」と言っているのを耳にすることがあります。
しかし、相場を見る場合には、円よりもドルを基準に考えることが大切です。インターバンク市場では、ドルを中心に考えるのが常識です。
通常「上がった」と言えばドルが上がったことを指し、「下がった」と言えばドルが下がったことを指します。
円が売られているのか買われているのかに目が行ってしまうと、本当の相場の動きがわからなくなってしまいます。
個人投資家はプロのインターバンクディーラーなどと違うとは言っても、やはりまずはドルで相場を考える習慣を身に付けましょう。

とくにクロス取引の場合、このような考え方が重要になってきます。例えば、FX会社が提供する「豪ドル/円」の通貨ペアは、インターバンク市場で「豪ドル/円」として売買されることはまずありません。なぜなら「豪ドル/円の取引」は、基本的に「豪ドル/ドル」と「ドル/円」に分けて売買されるからです。

豪ドル/円の動きを理解するには、ドル/円以外に、豪ドル/ドルの動き、例えば、米国が利下げした結果、高金利通貨に資金が流れ、結果的にドルが売られ豪ドルやニュージーランドが一斉に買われているのかもしれない、といったこともつかんでいなければならないということです。

最初は大変のように思われるかもしれませんが、ドルを中心とした見方に慣れると、大きなニュースが入ったときに、どの通貨が強く、どの通貨を持てばよいのかを即座に判断できるようになるでしょう。

通貨別取引高

データ出典:
The Bank of International Settlements:
Triennial Central Bank Survey “Foreing exchange turnover in April 2019