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テクニカル指標をパーツとして考える

GCをパーツとして考える

テクニカル売買を行う際にそれぞれのテクニカル指標がどのような使い方をするのか知ると同時に、指標を分解して考えることが必要となります。つまり、テクニカル売買をする際のパーツとしてのテクニカル指標といった見方です。

前回の移動平均線の場合を例にあげてみましょう。第1回のユーロドルのチャートをもう一度ご覧ください。丸で囲った部分の矢印で示した個所がいわゆるゴールデン・クロス (以下、GC) 、デッドクロス (以下、DC) だということは見ればわかります。また、どちらが短期線でどちらか長期線かもすぐにわかりますね。

しかし、GCひとつを取ってもパーツとして考えた場合、けっこう難しくなってしまいます。7月6日のゴールデン・クロス前後の短期線と長期線の推移を時系列とともに見てみましょう。

 

短期線

長期線

7月1日

1.4369

1.4405

7月4日

1.4383

1.4401

7月5日

1.4392

1.4394

7月6日

1.4399

1.4376

数字で見なくてもわかるのですが、それは2本の移動平均線の位置関係を視覚的に見て、それを脳で判断しているからです。つまり、このことを示してあげないとテクニカル売買ツールであるQCTは理解してくれません。そこで、GCとは何なのかを定義することになります。

ここでのGCの定義は「前日の9日線の値が21日線の値よりも小さく、かつ、当日の9日線の値が21日線の値よりも大きい場合」となります。不等号記号の「<」(左辺は右辺より小さい。未満)と「>」 (左辺は右辺より大きい。超) 、「AND」 (かつ) の3つを使って示してみましょう。

(前日の9日線の値<前日の21日線の値) AND (当日の9日線の値>当日の21日線の値)

となりますね。さらに、前日と当日の違いはどのように表現するのかといった疑問も出てくると思いますが、GCひとつを定義するのもなかなか大変だということはイメージしていただけたかと思います。

QCTの「かんたんエディタQ」だけを使ってストラテジを作る際には、ここまで意識する必要はありません。そもそも、こうした部分を考えないで済むようにという目的で設計されたのが「かんたんエディタQ」です。
しかし、「ストラテジエディタ」を組み合わせてより高度なストラテジを組もうと思った場合には、ここを避けて通ることは出来ません。パーツとして考える場合の主な記号を紹介しながら代表的なテクニカル指標を式で書いてみましょう。

パーツとして考える場合の主な記号等

時間の比較は、通常以下の2つを比較することになります。

n日前=前日なら1 (日足以外ではn期間前となる)
当日=確定した最後のバー

n1期間前とn2期間前といった比較もあります。

値 (レート) の比較は、主に以下の5つが使われます。

  • < (左辺は右辺より小さい)
  • ≦ (左辺は右辺より小さいか同じ)
  • > (左辺は右辺より大きい)
  • ≧ (左辺は右辺より大きいか同じ)
  • = (左辺と右辺は同じ)

値どうしを比較するだけでなく、固定値 (0.3, 0.7等) と比較する場合もあります。

複数の条件を使う場合の論理記号

(かつ、AND。複数条件が同時に満たされる場合に使う)
(または、OR。複数条件の内、ひとつが満たされる場合に使う)

条件が何段にも組み合わさることもあります。

以上のような記号を知っておくだけで最初は十分です。色々なストラテジを見て行くうちになれますので、いくつかのテクニカル指標をパーツとして列挙していきますので、テクニカル指標としての使い方と併せて考えてみて下さい。

テクニカル指標のパーツ例

2本の移動平均線のデッドクロス (DC)
(前日の短期移動平均線>前日の長期移動平均線) ∧ (当日の短期移動平均線<当日の長期移動平均線)
DC後にその状態が続いていることを示す場合
短期移動平均線<長期移動平均線

単に状態を示す式となりますが、これは複数のテクニカル指標を組み合わせて、移動平均線をフィルターとして使う (方向性が一致した時にのみ売買を行う) 場合によく使われます。

一目均衡表の転換線と基準線の好転・逆転
(前日の転換線<前日の基準線) ∧ (当日の転換線≧当日の基準線)
(前日の転換線>前日の基準線) ∧ (当日の転換線≦当日の基準線)

転換線と基準線は、一定期間の中間値ですからしばしば同値となるため等号付不等号で示すことになります。

一目均衡表の雲と終値の好転・逆転
( (前日の終値<先行スパンA) ∨ (前日の終値<先行スパンB) ) ∧ ( (終値>先行スパンA) ∧ (終値>先行スパンB) )
( (前日の終値>先行スパンA) ∨ (前日の終値>先行スパンB) ) ∧ ( (終値<先行スパンA) ∧ (終値<先行スパンB) )

雲の上抜け=好転、下抜け=逆転といった場合、雲は2本の線 (先行スパンAと先行スパンB) で構成されているため、複数の条件 (雲の下にある、雲の中にある、雲の上にある) を考えなくてはなりません。

RSI
買われすぎを70%、売られすぎを30%とするならば、売られ過ぎゾーンに入る状態 (ゾーン・エントリー) は、
(前日のRSI>0.3) ∧ (当日のRSI<0.3)
売られ過ぎゾーンから出る状態 (ゾーン・エグジット) は、
(前日のRSI<0.3) ∧ (当日のRSI>0.3)
と示すことができます。
また、RSIが売られ過ぎ (30%以下) の条件を他のテクニカル指標のフィルターとする場合、
RSI<0.3
が継続している間は、条件が整っている状態ということになります。

パーツ例の紹介はこのくらいにしておきますが、テクニカル指標を売買のきっかけとしたり、フィルターとして使ったりする場合のイメージはおわかりいただけたのではないでしょうか。他にも、利益確定条件、ストップロス条件等ありますが、考え方は同じです。

情報提供元:アセンダント 山中康司氏
詳細は以下書籍にてご覧いただけます。
(参照:第2回=『FXデイトレシステム投資術』 PART3・Lesson2, 3参照)

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【著者紹介】 山中 康司
1959年生まれ。慶應義塾大学法学部卒業後、バンク・オブ・アメリカ入行。為替トレーディングに従事。バイスプレジデント、プロプライエタリー・マネージャーを経て、1997年日興コーディアル証券に移籍。日興シティ信託銀行外為推進課長、為替資金部次長を経て、2002年金融関連のコンサルティング会社アセンダント設立。独自のサイクル分析やテクニカル分析に基づくシステムトレードなどに関連するレポートの配信、セミナー、国内外の専門誌への寄稿等で活躍中。著書に『金融占星術入門--ファイナンシャルアストロロジーへの誘い』 (パンローリング刊) がある。

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