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マーケットビュー

金曜 松崎美子の英国発!すこしFX☆なが〜くFX ロンドン在住の女性トレーダーによる為替&経済コラム

明るさが見え始めたユーロ圏金融政策

更新日:2017年3月14日

今月からヨーロッパでは政治イベントが続きます。まず、3月15日には、フランス大統領選の前哨戦という位置付けでマーケットが認識している、オランダ総選挙が実施されます。そして、4月には、今年のヨーロッパ最大のイベントであるフランス大統領選第1回目投票となります。

このような政治イベント目白押しの中、欧州中銀(ECB)金融政策理事会が3月9日に開催されました。

今回のコラムでは、ECB理事会とドラギ総裁の定例記者会見について、私なりの考えを書いてみたいと思います。

ECB理事会事前予想

冒頭でもご紹介しましたが、翌週にオランダ総選挙を、翌月にフランス大統領選を控えるタイミングで開催されたECB理事会ということもあり、市場関係者の間では、政策面での変更は一切予想されていませんでした。そのため、マーケットの関心はドラギ総裁の記者会見に集中していて、その中でも特に、私は以下の点に関心を持っていました。

  • 1) 3月1日に発表された2月分消費者物価指数(HICP)が、ECBインフレ目標の2% を達成したが、これについてのドラギ総裁の見解
  • 2) インフレ率が2%を達成したことを受け、声明文での景気・インフレに対する文言が変化しているのか?
  • 3) インフレ率がインフレ目標を達成しても、未だにマイナス金利を導入することについての整合性
  • 4) 3ヶ月に一度発表されるマクロ経済予想【スタッフ予想】の2〜3年後のインフレ見通しが2%か、それを超えているか?

特に3)の部分ですが、ドイツは2.2%、スペインでは3%までインフレ率が上がっていることを考慮した場合、マイナス金利を継続することに対し、猛反対の理事たちが必ずいる筈です。そのあたりのニュアンスについて、ドラギ総裁がどのような言葉を選んで語るのかに興味がありました。

インフレ上昇の芽が出てきたのは、ユーロ圏だけではありません。アメリカでもイギリスでも同様の傾向にあります。しかし、その中で敢えてECBだけがマイナス金利を継続しているのは、どうしてなのでしょうか?すぐに頭に浮かぶのは、今年は欧州で次々と選挙が続くので、動くに動けないから…という理由です。もしかしたら、タカ派のバイトマン独連銀総裁でさえ、万が一のフランス大統領選でのどんでん返しのリスクを考慮し、マイナス金利継続について公然と批判することは控えるかもしれません。ただし、見方を変えれば、9月24日のドイツ連邦議会選挙が終了すれば、ECB理事たちは自分の本音を主張し、結果として何らかの大きな政策変更に踏み切る可能性は排除できないということにも受け取れるでしょう。

ECB理事会からの発表

 政策金利

  • 貸出金利 0.25%
  • レポ金利 0%
  • 預金(デポジット)金利 -0.4%
  • ⇒全て据え置き

 声明文

声明文の内容が一部変更されていました。

前回2017年1月19日の声明文の一部

A very substantial degree of monetary accommodation is needed for euro area inflation pressures to build up and support headline inflation in the medium term. If warranted to achieve its objective, the Governing Council will act by using all the instruments available within its mandate. In particular, if the outlook becomes less favourable, or if financial conditions become inconsistent with further progress towards a sustained adjustment in the path of inflation, we stand ready to increase our asset purchase programme in terms of size and/or duration.

今回

A very substantial degree of monetary accommodation is still needed for underlying inflation pressures to build up and support headline inflation in the medium term. If the outlook becomes less favourable, or if financial conditions become inconsistent with further progress towards a sustained adjustment in the path of inflation, we stand ready to increase our asset purchase programme in terms of size and/or duration.

前述の「私が関心を寄せていること」の2) の部分が、これに当たりますが、前回1月の声明文に書かれていた赤字部分「ECB理事会は目的を達成するためには、利用可能なあらゆる措置を行使する」という部分が、3月の声明文からは消えていました。

 スタッフ予想

「私が関心を寄せていること」の4) が、この部分です。GDP予想はこれで良いとして、問題はインフレ見通しでした。2017年の見通しを1.3%から1.7%へ大幅に上方修正したことは納得できますが、肝心の2019年の見通しは全く変化なし(表の青い点線の丸の部分)。つまり、ECBは必要であれば追加緩和の余地を未だに残していることを意味します。

ドラギ総裁の記者会見でも記者からこの点について質問が出ましたが、それに対して同総裁は、

  •  ユーロ圏におけるデフレリスクは大幅に後退
  •  デフレリスクがなくなったので、緩和に対する「緊急性」が薄れてきた
  •  これ以上の政策金利のカットの可能性は、大きく低下した (←これは私の個人的考えですが、緩和が必要になった場合は、政策金利のカットではなく、QE策の拡大などで対応するという意思表示だと思いました)
  •  マーケットにおけるインフレ期待値は上昇している
  •  ただし、コア部分でインフレ率が上昇する気配は、ない
  •  現在の低金利は、インフレが安定して上昇するために必要
  •  今後インフレ見通しが悪化した場合は、再度緩和に動く準備がある
  •  加盟各国政府も、インフレ率が安定するよう、景気浮揚に向けた構造改革などを積極的に手がけることが望ましい

 賃金上昇について

ドラギ総裁は、現在のインフレ率上昇は過去のエネルギー価格のマイナス部分が消滅したことによる一過性のものであり、その証拠にコア部分のインフレ率は上昇していないと語りました。そして、今後安定したインフレ率の上昇を促し、経済の緩みを縮小させるためには、「賃金の上昇」が必要不可欠であるという見解を示しました。

これは、私が住むイギリスでも同じ議論が進んでいて、英中銀はBrexit後の英国経済が安定推移するためには、経済の約7割を占めるサービス業(個人消費を含む)に頑張ってもらいたいとし、賃金上昇率がその最大の判断材料になるという見解を示しています。

英国では、月に一度の雇用統計発表時に賃金上昇率も同時に発表されますが、ユーロ圏では私が知る限り、毎月の発表はなく、3ヶ月に一度の割合で、欧州統計局が発表しています。しかし、マーケットでの注目度は、ほとんどゼロです。

チャート:欧州統計局

このチャートが最新の数字ですが、2016Q3のものです。次回は、3月20日に2016Q4の数字が発表される予定となっています。

 トランプ政権のドイツ攻撃に対して

皆さんのご記憶にも新しいと思いますが、2月はじめ、米国家通商会議のナバロ委員長は、「ドイツがユーロ安を利用して貿易黒字を確保し、米国やその他の国々を食い物にしている。」と驚くべき発言をしました。

これに対し、ドラギ総裁は、「ユーロという通貨の価値は市場が決めるものである。それを考慮すれば、ドイツの貿易黒字を攻撃しても、なんの得にもならない。」と、ドイツを擁護する姿勢を貫きました。

総裁は同時に、現在のユーロの水準(ユーロ実効レートの価値)は歴史的にみて、アメリカが主張するような「ユーロ安」ではなく、ほぼ平均水準に近いレベルでの推移となっているとも付け加えています。早速、実効レートのチャートを引っ張り出し検証してみると、1999年ユーロ誕生以来の50%レベル(平均)は、97.88675となっていました。ドラギ総裁が記者会見を行った3月9日の水準は94.0851でしたので、総裁が仰るようにほぼ平均水準での推移となっていることが証明されました。

私も通貨の価値を判断する際には、ドルや円に対してどのくらいの水準であるか?という見方もしますが、やはり実効レートを超えるものはありません。その意味でも、アメリカ側はユーロ/ドルというものに照準をあてて発言したのでしょうが、ドラギ総裁のように実効レートにおける価値を基準に通貨の強弱を語ることに、私も賛成です。

話は若干ずれますが、3月14日(火)にメルケル独首相は訪米し、トランプ大統領と首脳会談を実施します。果たしてどんな内容となるのか?G20会合前ということもあり、注目度は高くなると思います。

 フランス大統領選などのリスクについて

ギリシャの金融支援問題や、今年ずっと続く欧州政治リスクについて、欧州各国の国債が売られ長期金利の上昇が起きている状態について、ドラギ総裁は「その点については、緊張感が高まってはいるが、ある程度楽観視している。当然であるが、ECBは政治リスクには最大の注意を払っているが、過度の心配はしていない。」と答えています。そして、「ユーロは後戻りできない。そのため、ユーロが崩壊するというリスクは、ない。」と言い切りました。そして、「ギリシャ債務問題で2009年からユーロ圏は不安定な状況に置かれたが、その後ラトビア・エストニア・リトアニアがユーロに加盟し、恩恵を享受している。」とも付け加えています。

たぶん同総裁はフランス大統領選におけるルペン候補が勝利した場合のリスクを念頭に置いての発言だと思いますが、果たして結果はどうなるのでしょうか?

ドラギ総裁記者会見を聞いた感想

政治リスクが高まっているにもかかわらず、予想以上に自信を見せた記者会見となった…というのが、私の第一印象でした。ドラギ総裁の記者会見内容について、行間を読むのであれば、

  •  QE策は、ひとまず今年12月までは継続する予定
  •  デフレリスクが後退したことで、これ以上の追加緩和の可能性はかなり低い
  •  (少し前のめりになり過ぎているのかもしれないが)ECBの次の一手は、「追加」緩和ではなく、テーパリングなどを通しての緩和策の解除となるのではないか?

そして、マーケットの反応ですが、デフレリスクがなくなったことにより、緩和に対する「緊急性」が薄れてきた部分に大きく反応し、ユーロは上昇して終わっています。

ここからのマーケット

今週のマーケットでは、15日にオランダ総選挙と米連邦公開市場委員会(FOMC)が実施されます。オランダ総選挙でよほどの番狂わせがない限りは、ドル主導のマーケット展開となると考えています。そして、3月17日から2日間にわたり、ドイツでG20 財務相・中央銀行総裁会議が開催されます。

今回のG20は、トランプ米大統領就任以降初めてですが、すでに声明文草案の段階でいくつかの修正がなされるという話が聞こえてきました。

私が読んだ報道では、昨年の声明に盛り込まれていた①Excess volatility (過度のボラテイリティー) 、②disorderly FX moves (無秩序な為替の動き)、③to refrain from competitive devaluations(競争的な通貨切り下げを回避する)の言及が抜けていて、その代わりに、excessive global imbalances (行き過ぎた世界的な不均衡) という文言が約10年ぶりに復活する予定だとも書いてありました。

先週発表された米貿易収支は、484億9,000万ドルの赤字となり、約5年ぶりの悪い数字となっています。それもあり、この声明文内容の変更は、貿易黒字で潤う中国やドイツを念頭に置いていることは明白です。トランプ氏は大統領に当選して以来、中国・日本・ドイツを通貨安誘導により対米貿易で不公正な優位を享受していると繰り返して語っていることも考え合わすと、日本も無傷でいられないかもしれません。

もし、この予想通りの声明文が発表された場合、来週月曜日のマーケットでは、窓開けのドル売り/円買いやユーロ買いが出てくることもあり得るため、注意が必要です。

先にも触れましたが、G20の3日前に、メルケル独首相がアメリカを訪問し、トランプ大統領と初顔合わせとなります。どんなヘッドラインが飛び出すかも、要注意かもしれません。

 

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