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金曜 松崎美子の英国発!すこしFX☆なが〜くFX ロンドン在住の女性トレーダーによる為替&経済コラム

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英中銀「Super Thursday」からの発表

更新日:2017年2月10日

2月2日(木)は、「Super Thursday」と呼ばれるイベント日でした。まるでアメリカ人が命名したような名前ですが、2015年8月より英中銀は金融政策判断に関する情報提供手段のタイミングを変更しました。マーケット参加者の間では、FX業界のお祭り的存在であったアメリカの雇用統計と並び、3ヶ月ごとに訪れるSuper Thursdayは、英国発ビッグ・イベントとして定着してきました。

Super Thursday当日は、① 政策金利の発表、② 議事録、③ 四半期インフレーション・レポート、④ 30分後にインフレ・レポートに関する記者会見を開催するという、まさにSuperハードな発表方法となっています。

英中銀金融政策会合(MPC):議事録

Super Thursday発表直後のポンドは、議事録内で発表された9名の理事による投票配分の部分に反応して売りとなりました。

 事前予想

「政策金利(0.25%)据え置き決定」に対する理事達の投票配分は、9対0の全会一致というコンセンサスになっていました。しかし、当日朝になると、「最近のインフレ率上昇を受け、もしかしたらタカ派の理事のうち、1名くらい利上げに票を入れるのでは?」という観測が出てきたのです。

 結果

結果として、政策金利・量的緩和策の資産購入プログラムなど、全て【9対0全会一致での決定】となりました。

「もしかしたら、1名だけ利上げに票を入れるのではないか?」という憶測は間違っていたため、ポンドは一瞬にして50ポイント以上の下落、英10年国債価格は10ティックの上昇(利回り下落)、そして代表的株価指数:FTSE100は0.4%の上昇となりました。

四半期インフレーション・レポート

Super Thursdayの主役は、3ヶ月に一度のマクロ経済予想がぎっしり詰まっている四半期インフレーション・レポート(以下、QIR)です。主な内容は以下の通りです。

  •  2017年インフレ予想は、前回2016年11月時と同じ+2.7%
  •  今年のインフレ予想に変更がなかった理由は、2016年11月から今年2月までに、ポンドが3%強くなったことを挙げる
  • ・ インフレ率がピークに達する時期は、2018年第2四半期
  • ・ ピーク時のインフレ率レベルは、2.75%
  •  インフレ率のオーバーシュートは、一時的なものである
  •  2017年GDP予想は、前回2016年11月+1.4%に対し、今回は+2%
  •  GDP予想が上がったからと言って、Brexit(英国のEU離脱)が簡単にスムーズに終了することを意味しているのでは、ない
  •  ここからの英国経済は、数々の紆余曲折を経験することになる
  •  GDP予想の思い切った上方修正の根拠として、カーニー総裁は4つの理由を挙げた。
    • 1)ハモンド財務相が2016年11月に発表した秋季財政報告の中で、財政政策の緩和(積極財政)に踏み切った
    • 2)世界景気の見通しが、明るくなってきた
    • 3)英国では、歴史的水準の低金利であることと、ポンドが大幅安になっているなど、金融面でのサポートが得られている
    • 4)英国の各世帯が実質所得の減額に備えた準備をし始めた兆候がある
  •  2017年平均賃金上昇率予想は、前回2016年11月+2.75%に対し、今回は3%
  •  最初の政策金利上げの時期は、2018年末〜2019年第1四半期との予想
  •  企業投資動向に関しては、不透明感が高い
  • ・ 個人消費が予想以上に落ち込みを見せた場合は、追加緩和の可能性もある
  • ・ その反面、賃金上昇率の伸びが予想以上に強い場合は、政策金利の引き締めの可能性もある
  •  将来の政策金利の方向性は、(利上げ/利下げ)どちらもあり得る
  •  2017年の個人消費動向を注視する
  •  今までの個人消費は、(低金利による)借り入れに大きく助けられた

最近のインフレ率上昇について

QIRの中に載っているチャートで、最近のインフレ率上昇をうまく説明しているものがありましたので、ご紹介します。

2014年中盤から昨年末にかけて(黒い点線丸部分)、原油・電気ガス・食料品などが全て【インフレのマイナス要因】となっていました。しかし、今年に入ると(水色点線部分)、それらの全てが【プラス転】しています。

通常、インフレ率は前年比で表示されますので、昨年同時期のマイナス部分が剥げ落ちて、今年はプラスになったわけです。このチャートを見ると、少なくとも昨年9月くらいまでは、相当マイナス部分が大きかったように見えます。そのマイナス部分が、今年に入ってプラス転したため、少なくとも今年9月か10月くらいまでは、(昨年のマイナス部分が剥げ落ちるという意味)インフレ率が高い状態が継続するはずです。

インフレ率のオーバーシュート

今回のSuper Thursdayで、市場参加者が気にしていたことは、【オーバーシュート幅】がどのくらいになるのか?でした。ここでいう【オーバーシュート幅】というのは、インフレ率が英中銀ターゲットの2%をどのくらい超えても、英中銀は金融政策の変更に動かないか…ということです。

この疑問に対しカーニー総裁は、「インフレ率のピークは、2018年第2四半期頃となり、その時のインフレ率のレベルは、2.75%くらいになるだろう。」と語っています。

つまり、Brexitという歴史を塗り替えるイベントが起きている現在、英中銀はインフレ目標である2%を超えても、即利上げという行動には出ないことを意味します。そして、インフレ率上昇は【一時的なもの】と捉えており、2.75%くらいまでの上昇に対しては、行動に(利上げ)出ないと暗にほのめかしています。

果たして、今後原油価格以外のインフレ上昇要因が出てこないのか?ポンド安は時間とともに解消されるのか?まだまだポンドを取り巻く環境は不確実性でいっぱいです。このように【2.75%】という数字を発表しても良かったのか?と、私はいらぬ心配をしています。敢えて2.75%までのインフレ上昇には目を瞑ると決めた英中銀は、自らBehind the curve(後手に廻る)になるリスクを選択したとも言えるでしょう。これは大きな賭けです。

輸入物価の高騰と企業マージンの縮小

昨年6月のBrexit決定を受け、ポンドは18%下落しました。このポンド安の影響で仕入れ価格は大きく上昇し、企業のマージン幅は一挙に縮小しています。

この影響は、まだ企業の株価には顕著に現れておりません。もし、今後これ以上のマージン縮小は無理となれば、必然的に私達が毎日手にする商品は値上がりすることになり、それが更にインフレ率の上昇を招くことにもなりかねません。

政策金利の方向性を決める鍵は消費者動向か?

前述のQIRの要点に以下の文章がありました。

  • ・ 個人消費が予想以上に落ち込みを見せた場合は、追加緩和の可能性もある
  • ・ その反面、賃金上昇率の伸びが予想以上に強い場合は、政策金利の引き締めの可能性もある

英国経済の約8割がサービス/個人消費に支えられています。そのため、インフレで物価が上昇し、実質所得が減ってくれば、消費動向は落ち込みを見せます。それに加え、英国は欧州の中でも断トツに持ち家比率が高いため、政策金利が上がれば、住宅ローン金利も上がり、一気に消費が落ち込みます。その反対に、インフレ率よりも賃金の上昇幅が大きければ、消費に廻すお金の余裕が出てきます。それらを総合し、英中銀はここからのインフレ率と賃金上昇幅との関係に注視しながら、消費者動向を見極め、「利上げ/利下げ」両方の可能性を決定するのでしょう。

そこで、過去のインフレ率と賃金上昇率の関係、そしてGDPとの兼ね合いを調べてみることにしました。まず最初は、【インフレ率と賃金上昇率との比較チャート】です。

分かり易いように、インフレ率が賃金上昇率を上回った時期に、黄緑のハイライトを入れ、その逆の時期には、ピンクのハイライトを入れてみました。

黄緑の【インフレ率>賃金上昇率】の時期は、インフレで物価がぐんぐん上がってくるため、私達の実質賃金は目減りし、結果として消費は衰えるはずです。その反対に、ピンクの【賃金上昇率>インフレ率】の時期は、お給料の伸び率のほうがインフレによる物価の上昇を上回っているので、安心して消費にお金が廻せます。

果たして、この黄緑の時期、そしてピンクの時期の英国経済は、どんな状態だったのでしょうか?それが下のチャートです。

消費が不振な黄緑の時期には、GDPがマイナスに落ち込んだこともあり、プラスに転じても景気動向に不安定さが残っているのが、グラフを見ると分かります。その反対に、ピンクの時期は、GDPの伸びが安定してずっとプラス圏での動きとなっています。

今後の英中銀の次の一手を探るためにも、今後は【インフレ率】に加え、【賃金上昇率】も一緒にチェックすることを心がけましょう。

QIR、隠れた重要決定事項

「議事録の投票配分が9対0となったため、ポンドが下落した。」と書きました。

しかし、その後も数日間に渡りポンドの下落が続きました。これはどうしてでしょう?そのヒントが、QIRの中に隠されていました。これについては、英国のトレイダー達にとっても、全くの予想外であったため、驚きの声が挙がっていました。

それは、【英中銀の失業率の均衡レベルの変更】でした。

話しは2013年8月まで戻りますが、当時の英中銀は【フォワード・ガイダンス制】の導入に踏み切りました。その時の決定内容は、

  •  政策金利見通しに失業率を数値基準として適用
  •  具体的には、失業率が7%を超える水準にとどまる限り、金融引き締めの可能性は、ない。

こうなっています。つまり、それまでの英中銀は2%というインフレ目標(ターゲット)に沿って金融政策の運営を行いましたが、フォワード・ガイダンス制を導入したことにより【失業率】という新しい判断材料を増やしたのです。この制度は、カナダ中銀や米FRB(連邦準備制度理事会)が導入していたもので、「現在の金融政策が“いつまで継続するのか?”」を明確にすることを目的としていました。

しかし、英中銀の責務は、【物価安定の維持】であるのに、どうして失業率をそこに介入させてくるのか?当然イギリス人達の間では、この制度は非常に不評でした。米FRBには【物価の安定】に加え【最大雇用の達成】という2つの金融政策目標(デュアル・マンデート)が課せられていますので、FOMC(連邦公開市場委員会) のガイダンスに、失業率とインフレ率の数値目標を両方明記しているのは当然ともいえますが、「どうして、英中銀まで?」という反発が非常に強く、導入からわずか5〜6ヵ月後には、なんとなくたち切れになってしまったのです。

しかし、英中銀はその後もQIRの中で、【失業率の均衡レベル】を明記し続けていて、一番最近では、5%という数字を設定していました。ところが、2月2日のQIRの中で、英中銀が考える失業率均衡レベルが、【5%から4〜4.75%(間をとって、4.5%という明記あり)】へ変更されていたのです。これがその文章です。

失業率均衡レベルの変更がポンド下落にどう関係するのかについては、こんな感じです。それまでの英中銀は、失業率が5%を切れば、経済の緩みがほぼなくなったと判断し、緩和政策の継続を諦め、利上げに踏み切るタイミングを計る行動に出たでしょう。しかし、失業率の均衡レベルが4〜4.75%(間をとって、4.5%)に下がれば、英中銀はこのレベルに失業率が下がるまでは、政策金利をいじらなくて済みます。つまり、利上げに動くタイミングが、後ずれした訳です。そのため、ポンドは更に下落しました。

ここからのポンド

最近のマーケットを動かす材料は、

  • ・ トランプ・リスク
  • ・ 2017 欧州選挙年、特にフランス大統領選が注目を集める
  • ・ ギリシャ債務危機の再燃
  • ・ 一部のユーロ加盟国が、ギリシャのユーロ圏離脱を認める発言をしている
  • ・ イタリア銀行問題と年内の解散総選挙の可能性
  • ・ 上記のリスク全体を反映し、金価格の上昇と長期金利(国債利回り)の上昇

私はこのように捉えています。英国の歴史を塗り替える「Brexit」は、どこへ行っちゃったのか?これは当然、リスクの中に入れたいのですが、現在のマーケットは、【ハードBrexit】リスクは織り込み済みで、3月末までにEU基本条約50条を行使し、本格的な離脱交渉がスタートすることも、織り込んでいます。つまり、マーケットはBrexitについて相当準備が出来ているということです。

今後のポンド取引で気をつけたいことは、交渉中に飛び出してくる思わぬヘッドラインでしょう。私がここでわざわざ書く必要もありませんが、EUから離脱するのは英国が初めてです。この誰もが未経験な離脱に向け、2年間に渡り交渉が行われるため、ポンドにネガティブなヘッドライン、ポジティブなヘッドライン、本当にいくつもの予期せぬヘッドラインでポンドは振り回されることでしょう。

ただし、短期的に、特に5月7日まで続くフランスの大統領選の行方次第では、ユーロを取り巻く環境の方が、一時的にせよ不透明感が増すかもしれません

久しぶりにユーロ/ポンドがユーロ安方向に動いてきました。この記事の執筆時のユーロ/ポンドは、0.8495を挟む展開となっています。もし、このレベルで終了した場合は、雲の下限0.8515レベルを下抜けて終了ということになるでしょう。

※クリックで拡大できます

その場合は、短期的な目標として黄色くハイライトを入れた0.8320〜0.83ミドルを挙げたいと思います。

 

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