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金曜 松崎美子の英国発!すこしFX☆なが〜くFX ロンドン在住の女性トレーダーによる為替&経済コラム

2015年、ヨーロッパにとっての受難の年

更新日:2015年10月2日

今年も残すところ、あと3ヶ月になりました。思い起こすと、ヨーロッパにとって今年ほど「予想外」の出来事が続いた年はなかったように思います。年明け早々、スイス中銀がスイスの対ユーロ上限である1.2000フロアー制を何の前ぶれもなく撤廃しました。この決定により、破綻したFX証拠金会社も出ており、たくさんの個人投資家が追証を受け取る騒ぎとなったことは、皆さんのご記憶にも新しいことでしょう。そして、その発表から2週間後、ギリシャで前倒し総選挙が実施され、ユーロ圏でははじめて「反緊縮政策」を支持する左翼色の強い政権が誕生しました。ツィプラス首相率いる新政権はギリシャ金融支援の条件を順守する姿勢を見せず、それに業を煮やしたユーロ加盟各国はギリシャのユーロ圏離脱(Grexit)を認める態度を見せました。その結果、ユーロ離脱ギリギリのところで、ギリシャは慌てて自分達の進む道の修正に取り掛かって現在に至っています。

そのギリシャが、今年2度目の総選挙を実施し、新政権発足後あらためて金融支援条件や内容に対して欧州側と協議していこうと思った矢先に起きたのが、難民問題と独自動車メーカー大手のフォルクスワーゲン(VW)のスキャンダルでした。

本日のコラムでは、VWスキャンダルの行方が未だに不透明であるため、欧州にとって戦後最大の危機と言われている「難民問題」についてお伝えしたいと思います。

難民・亡命希望者・移住者問題 (ここでは総括して「難民問題」と呼びます)

数年前から、イタリアやギリシャは、北アフリカ出身者による亡命希望者や違法侵入者に悩まされ続けています。そして、イスラム国(ISIS)の活動が拡大するにつれ、今度は大量のシリア難民が、トルコやギリシャ経由で押し寄せ、欧州の社会問題となってきました。

特に今月に入ってから、ドイツ政府の難民問題に対する姿勢が大きく変化したことを受け、この問題が欧州統一という歴史的試みに暗い影を落とすようになり、問題がどんどん深刻化してきたのです。

私が住む英国では、当初この問題をRefugee Crisis(難民危機)と呼んでおりましたが、最近はMigrant Crisis(移民/移住者危機)へと変化してきました。この名称の変化についてですが、数年前までは移民の入国が社会問題となっていましたが、その後、北アフリカなどからの亡命希望者が加わりました。そして今度は大量の難民がそれに上乗せされたため、全部まとめてMigrant(移住者)という名称に総括したものと思われます。

欧州では正式な「難民認定資格」を取得した人達が、現在16万人いるといわれています。しかし、シリアだけでも400万人の難民達が居住地を失い放浪していることを考えると、これからも欧州に入国する難民数は増えることはあっても減る事はないのが、この問題の難しいところでしょう。

難民の出身国と入国ルート

欧州統計局が四半期ごとに発表している「四半期難民・亡命希望者・移住者に関する報告書 (2015年9月発表)」によると、現在欧州に流入してくる難民の出身国は、驚くことに141ヶ国にものぼるそうです。日本政府が承認した世界全体の国家数は196ヶ国ですので、その72%に値する国々の人達が、欧州に新しい生活を求め流入している計算になります。その中で上位6ヶ国を調べてみると、以下のようになりました。やはりシリアが断トツです。

欧州に入国するには、4つのルートがあると言われています。主流は2つで、シリアからトルコかギリシャに入国する東地中海ルート(地図上の赤い矢印)と、難民出身国の上位4位となったエリトリアをはじめとする北アフリカ地域からイタリアやギリシャへ入国する中央地中海ルート(ピンクの矢印)です。

一旦入国に成功した難民の人達は、西バルカンルート(青い点線の矢印)を経てドイツへ向かいます。他には、英国を目指し、英仏海峡ルート(緑色の矢印)を越えて移動する人達もいます。

※クリックで拡大できます

有名無実化した欧州統一

西バルカンルートを移動中の難民達が、ドイツにたどり着く前に居住地としてハンガリーやその周辺国を選ぶこともあり、それを阻止する目的でハンガリーやマケドニア、セルビアやオーストリアが国境を閉鎖したり、警備を強化したりしています。最近になってからは、ドイツやオランダにまで、その傾向が広がってきました。

しかし、東欧各国は難民受け入れそのものを拒否し、ハンガリーはセルビア側の国境閉鎖を発表し、近日中にルーマニア側の国境閉鎖を検討しているようです。これとは別に、セルビアとお隣りクロアチアとの間でも問題が起こりました。まず最初にクロアチアはセルビアからの商品輸送トラックの入国を拒否しました。というのも、不法入国をする場合に一番使われる輸送手段が大型トラックであるため、この措置の決定に踏み切ったようです。しかし、これを受け、今度はセルビア政府はクロアチアからの輸入を一切禁止すると発表しました。

シリア国境近くのトルコにも難民が溢れており、これらの人たちはバスでギリシャに入国し、そこからヨーロッパ各地に移動することを希望しているようです。

ドイツの国境警備の強化という発表を受け、お隣りのオーストリアは、まずハンガリーとの国境の警備強化に動き、この強化をスロベニア・イタリア・スロバキア側に関しても拡大する模様。

このようにEU加盟国による国境警備の強化の決定を受け、欧州統一の象徴とまで言われた「シェンゲン協定」* は名ばかりのものとなってしまいました。そして、今後この難民問題がきちんと解決されない限り、欧州統合の深化は一時中断せざるを得ないという危機感が各国の間で高まっています。

* シェンゲン協定とは?

欧州統一に向け、ヨーロッパの国家間において国境検査なしで国境を越えることが許可されました。その協定の署名がルクセンブルグのシェンゲン付近で行われたことをうけて、シェンゲン協定と名付けられました。この協定は、1997年にアムステルダム条約が成立した時に、欧州連合の法律のひとつとして取り入れられています。このときにシェンゲン協定に加盟したのは、25ヶ国となっておりますが、海を隔てた英国とアイルランドは、シェンゲン協定の国境検査撤廃の適用対象から除外されています。これとは反対に、EUに加盟していないスイスは、この協定には参加しています。

難民問題サミット

9月下旬にEU内務相会合が開催され、そこで難民受け入れ割当て制度に対する採決が行われました。この日の採決で対象となったのは、16万人の公式に難民指定された人達です。通常はこのような国家主権に影響する事項は全会一致が鉄則となっていますが、今回は反対国がいることが予め判っていたので、例外的に多数決での決定となっています。

結果は、ハンガリー・チェコ・スロバキア・ルーマニアは反対。フィンランドが棄権。最後まで反対に廻っていたポーランドは、土壇場で賛成に変更したようです。これに関しては、あくまでも噂ですが、反対票を入れた国へは欧州から支給される補助金がカットされるという話が出てきて、ポーランドが急遽反対から賛成に変えたと言われています。

最終的には難民受け入れ割当て制度は多数決で賛成となりましたが、スロバキアはそれでも絶対に割り当てには加わらないと譲らず、今週水曜日に同国政府は「EU各国への難民受け入れ義務」に対し、欧州最高裁判所へ提訴することを決定しています。

どうして難民問題が急にこじれたのか?

9月はじめ、メルケル独首相は「ドイツは難民を暖かく迎え入れる用意がある。他の国々も同様の措置を講じて欲しい。」というメッセージを流しました。結果として、その翌日から何万という難民がドイツを目指して入国しようとしました。これに驚いた同首相は、そのわずか10日後に、突然シェンゲン協定に背くような国境警備強化を一方的に発表したのです。

他のEU加盟国にしてみれば、メルケル首相が難民受け入れに前向きな発言をしたので、難民が欧州を避難先と選びどんどん入国してきたと主張し、ギリシャ債務危機の時にあれだけ財政支出に対して強硬姿勢を見せたのに、難民問題になると途端に鷹揚な態度に変わったことに対し、不満を高めました。

ドイツは第2次大戦のナチスの問題があるため、戦後ずっと他国を非難したり、迷惑になるような行動はやりませんでした。世界最強のドイツ・マルクを捨て、ユーロに加盟したことが、それを物語っています。しかし、今回の難民問題においては、ドイツだけでは到底さばききれないので、他の国にも強制的に難民受け入れを割り当てるという主張を崩さないため、この態度の豹変振りに戸惑う国も多いようです。

難民問題から生じる問題点

まず最初に挙げられる問題点は、財政均衡達成年度が遅れるリスクです。ドイツ政府は、来年度の予算案に、「難民対策費」として60億ユーロの追加歳出を決定しました。しかし、今年7月から9月末までのわずか3ヶ月の間で、ドイツへ入国した難民の中で「失業者手当ての補助金」を申請したのは43万6,000人と、驚くほどの増加となっているため、果たしてこの額で足りるのかは定かではありません。

そうは言っても財政に余裕があるドイツでは歳出の増額が可能ですが、その他の国にとっては、難民の受け入れにより財政支出が増えるので、EUが決めた財政規律が守れないという問題に悩まされることにもなりかねません。

しかし、それ以上の危機は安全保障の面ではないでしょうか?シリアとトルコの国境付近では、シリア人の死亡者名簿に基づいた正規のパスポートが、わずか2,000ドル(約25万円)で入手できるそうです。そして、シリアで戦っているイスラム国(ISIS)のテロリストがこのパスポートを入手し、難民に化けてヨーロッパ各国に入国しているという話が聞こえてきます。つまり、今後欧州でのテロ・リスクが高まってくる可能性が指摘されているのです。

難民問題と英国のEU離脱について

イングランドのロンドンだけでも、30万人を越す「違法移民」が住んでいるといわれています。繰り返しますが、これはあくまでも「違法」で入国した移民数です。そのため、英国では「移民問題」が常に国民の関心事のトップ3をしめており、2014年の欧州議会選挙でも、今年5月の国政選挙でも、移民問題抜きでは選挙公約が組めないほどでした。

そこにきて、移民だけでなく、今度は難民問題が加わってきたのです。

難民問題が新聞の一面を飾るようになってすぐに、キャメロン首相は「英国は難民受け入れの割り当てには参加しない。」と国民の声を代弁したため、難民受け入れに前向きであったメルケル首相と衝突しました。

2017年末までに実施される英国のEU離脱の是非を問う国民投票に向け、キャメロン首相は欧州各国の首相たちと、EU離脱をせずに政策ごとにオプトアウト出来る選択権の取得に向け、交渉を重ねています。この点に理解を示してくれたのは、他でもないメルケル首相でした。しかし、英国が難民受け入れに難色を示した途端、メルケル首相は英国に対し背を向けてしまったのです。

先月末に開催された緊急EU難民サミットでは、難民受け入れ割当て制度の導入が多数決で可決されましたが、英国・アイルランドなどシェンゲン協定にもともと参加していないEU加盟国には、この割当ての義務が廻ってきません。しかし、英国は2万人、アイルランドはたしか5,000人くらいだったと思いますが、それぞれ受け入れを認める方向で動いています。しかし、受け入れに対して英国が出来ることは、たぶんこれが精一杯かもしれません。

もしこれ以上、受け入れを「強制」するような態度に、シェンゲン協定加盟国であるドイツやフランスが出るようなことにでもなれば、英国民の反発は驚くほど高まると思われます。

最後になりますが、現在「EU残留を希望している」英国人のうち、2割は、「難民問題の展開次第では、EU離脱を希望するかもしれない」と答えていることが、それを物語っています。

まとめ

9月3日開催された欧州中銀(ECB)金融政策会合後のドラギ総裁の記者会見で、追加緩和に前向きな発言が出てきたことを受け、ユーロ/ドルはその日に1.1080台まで急落しました。しかしそれからは、追加緩和期待があるのにも関わらず、安値更新しません。

試しに先週のユーロ・クロスの週足を見ると、ユーロ/ドルとユーロ円は陰線 (ユーロ安)となっていますが、ユーロ/ポンド ・ユーロ/豪ドル・ユーロ/スイスフランは陽線 (ユーロ高)となっており、ユーロは相手通貨次第では、決して「追加緩和期待が高まる弱い通貨」とはなっていないことがわかりました。

それを確認するためにユーロ実効レートをチェックしてみると、やはり赤い上昇チャンネルの中での推移となっているだけでなく、緑線(2本の緑線の上の線)と紫線との間の狭い範囲で、行って来いとなっているのがわかります。

チャート:欧州中銀(ECB)ホームページ

※クリックで拡大できます

次のECB理事会は10月22日(木)に予定されており、それまでは要人発言や経済指標の発表を見守っていくしかありません。

今年1月22日にECBが国債購入を含む量的緩和策(QE)実施の発表をして以来、ユーロは対ドルで1月22日のユーロ/ドルの値幅(1.16ミドル〜1.13Low)よりもユーロ安のレベルでの推移期間が長くなっています。そして、ピンクで示した1.15台よりユーロ高に行くと、ECB関係者からのユーロ高けん制とも受け止められる発言により、上昇を阻止されてきました。

※クリックで拡大できます

次のECB理事会までは、黄緑の線を引いたトライアングルの中(1.1320付近〜1.1110付近)での推移となり、もし下限を下抜けしたとしても、赤線のサポート(1.1000付近)で止まるようなイメージでおります。

 

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