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金曜 松崎美子の英国発!すこしFX☆なが〜くFX ロンドン在住の女性トレーダーによる為替&経済コラム

欧州中銀(ECB)金融政策理事会を終えて

更新日:2015年9月4日

9月3日(木)、6週間ぶりに欧州中銀(ECB)金融政策理事会が開催され、ドラギ総裁の定例記者会見が行われました。この日は偶然にも、ドラギ総裁の68歳のお誕生日でもあり、明るい幸せな雰囲気に包まれた会見となるのかな?と少しだけ期待しましたが、その期待はあっさり裏切られました。思えば、前回7月の理事会は、ギリシャ危機の真只中で、総裁の記者会見での質疑応答でも9割の質問がギリシャに関するものでした。そして今回は中国・原油安などがメインとなり、追加緩和に対する期待が膨れ上がっていたのです。

ECB理事会に向けて − 事前予想

今月の理事会では、何らかの追加緩和策の発表を予想していたエコノミストが多数おりました。その理由としては、以下の点が挙げられると思います。

 1.中国通貨切り下げと株価下落

8月11日、突然の中国人民元切り下げの報道を受け、世界の金融市場を取り巻く環境が一変したように私は感じています。この切り下げの本当の目的は国際通貨基金の「特別引き出し権(SDR)の構成通貨への採用」に向けた地ならしだったと言われていますが、結果として中国株は20%急落し、それが世界各国の株価の下落を引き起こしました。

さらに問題が深刻化したのは、この株価下落を緩和しようと、中国政府があの手この手と対策を出したにもかかわらず、何も効果がなかったことです。そのため、最近のマーケットは中国や新興国の経済・金融スタンスの動きに非常にナーバスになっています。その意味からも、今週金曜日からトルコで開催されるG20財務相・中銀総裁会議で、どのような話し合いがなされるのか、注意が必要です。

 2.コモディティー相場の下落

2014年夏にピークをつけた原油価格は、現在までに約60%以上の下落を記録しています。そこにきて、今度は中国の景気減速懸念が高まり、世界需要の4割を中国が占める銅をはじめとするメタル市場も軟化してきました。これらコモディティー相場の下落が、ますます世界的低インフレに対する懸念を高めています。

少し話しが飛びますが、原油価格の急落を受け、世界3大産油国のひとつであるロシアのルーブルが売られています。ここまでは、私もある程度予想していたのであまり驚きはしませんでしたが、最近になってサウジアラビアが8年ぶりに国債発行に踏み切ったニュースには度肝を抜かれました。「オイルマネーで潤い、英国企業の買収などに積極的だった産油国の、そのトップとして知られるサウジアラビアが国債発行?え〜?」これが私の最初のリアクションでした。調べてみると、昨年からの原油安に加え、シリアのISIS(イスラム国)やイエメンへの軍事介入により軍事費が増大し、同国の財政事情が圧迫され、財政赤字となったそうです。

今後も毎月一定額の国債入札を実行するようで、発行した国債の買い手は産油国にベースを置く政府系ファンド(ソブリン・ウェルス・ファンド SWF)が受け持つそうです。そして、SWFはこの国債を購入するために、既存の株式の益出しを優先しているという噂も流れており、ますます米欧日の株価下落に拍車が掛かってきました。

 3.アメリカの利上げ観測

8月からのマーケット撹乱の主役が中国であれば、準主役はアメリカの利上げ観測ではないでしょうか。9月4日(金)発表の雇用関連の数字が強ければ、一気に「9月利上げ説」が力を増しますが、株価の急落を目の当たりにして、これだけ金融市場が荒れている今、利上げに動くのは適切な判断であるのか、意見は分かれています。

ECB理事会・ドラギ総裁記者会見を終えて

政策金利は、コンセンサス通り全て据え置きとなり、ドラギ総裁の記者会見を待つばかりとなりました。この日は、同総裁の68歳の誕生日と重なったので、どんな「サプライズ」が待ち受けているのか、市場関係者はいろいろな意味でウキウキしていたと思います。

総裁が席に座り、いつものように声明文を読み始めた瞬間に、そのサプライズが形となって出てきたのです。それは以下の内容です。

「非標準的な金融政策措置に関して、プログラム実施から半年を経過した見直しで、理事会は公的セクターの買入れプログラムにおける銘柄の買入れ枠を25%から33%に引き上げることを決定した。ただこれは、ユーロシステムが阻害力を持つような状況を招かないよう個別に検討され、また不適切と判断されれば25%で据え置かれる。」

マーケットが全く予想もしていなかった形での緩和とも取れる発表を受け、ユーロは急落しました。

この「銘柄ごとの買入れ枠上限」というものに馴染みのない方に説明しますと、ECBは今年3月から国債や政府機関債などの買入れを開始した時に、国債市場の価格形成機能を損なわないよう、① 同一発行体については発行残高の33%まで、② 同一銘柄については発行残高の25%までという購入上限を設けました。そのうちの「② 同一銘柄の購入上限」を25%から33%まで拡大したことにより、今後の購入がスムーズに行くことが期待されるそうです。ただし、これはあくまでも銘柄の上限引き上げであり、毎月の国債購入額である600億ユーロの増額ではありませんので、ご注意ください。ドラギ総裁によると、月額の増加については、理事会では話し合われなかったそうです。

スタッフ予想

 追加緩和の可能性を残す

ECBは毎年3・6・9・12月の理事会でマクロ経済予想である「スタッフ予想」を発表します。今回は事前予想として、インフレ率・GDPともに下方修正されるだろうと考えられており、結果その通りになりました。

この発表の中で特に私の注意を引いたのが、緑の丸で囲んだ「2017年インフレ見通し」の修正です。今年3月そして6月と頑なに1.8%で設定されていたインフレ見通しを、今回はわずか0.1%とは言え、下方修正したことにより、場合によっては追加緩和策の導入に動きますよ!というメッセージを市場に発したと理解しています。

そしてこのインフレ下方修正の根拠としてドラギ総裁が挙げたのが、原油価格の変化でした。「Main source of lower inflation projections is lower oil prices スタッフ予想でインフレ見通しを下方修正した最大の根拠は、原油価格の下落である。」と語っています。それに加え、今後数ヶ月は原油価格動向によっては、ユーロ圏のインフレ率がマイナスに陥る可能性も同時に指摘しました。

出典:Stockcharts.com

※クリックで拡大できます

 スタッフ予想作成期間

ドラギ総裁の記者会見で、もうひとつ非常に気になったのが、今回スタッフ予想を作成する際の調査対象期限についての言及でした。同総裁によると、「Cut-off date of latest ECB projections was 12 August, so events after that are a downside risk to upcoming projections.  スタッフ予想は、8月12日までの情報を基に作成している。それ以降に起きたイベントに関しては、次回のスタッフ予想での下振れリスクとなるかもしれない。」ということです。つまり、8月11日の人民元切り下げは対象となっているようですが、8月24日からの中国発株式下落のブラック・マンデーは対象に含まれていないということです。そうなると、次回12月に発表されるスタッフ予想までに、インフレ率が大きく改善するのなら話しは別ですが、その時に世界同時株安の影響が考慮されることになり、更なる緩和策の発表があるかもしれません。

 ユーロ高阻止か?

この日発表された「一銘柄ごとの購入上限引き上げ」は、最近のユーロ高により金融市場がタイトになっているため、それに対する緩和効果を期待しているものだと理解されています。

ただし、過去のユーロ高けん制発言を見ると、実効レートもユーロ/ドルのレベルも、今よりずっと高くなっているので、「このレベルで、もうけん制出すの?」と少し不思議な気持ちになりました。

トリシェ前総裁がユーロ高けん制発言をしたのは、今までに2回。実効レートのレベルは、106〜109くらいでした。ドラギ総裁になってからは、2014年4月に行われた国際通貨基金(IMF)の春季総会での講演で、「ユーロの為替レートの上昇は一段の金融刺激措置を必要にする。為替相場はユーロ圏の物価安定にとって重要な側面だ」と発言し、週明け月曜日のアジア時間でユーロは窓をあけ急落しました。この当時の実効レートは104台でした。

チャート:ECBホームページ

※クリックで拡大できます

9月3日(木)の理事会時のユーロ実効レートは、93.8938となっており、ユーロ誕生以来の実効レート高値: 114.4577と、安値: 81.3158の中間値である97.88675よりも低いレベルでした。それでも敢えてユーロを取り巻く引き締め環境の緩和を狙うのであれば、これからは実効レートのレベルをあまり気にせずに、引き締め度に注意を向けないといけないと実感しました。

ちなみに、最近のユーロを取り巻く引き締め度は、政策金利に直すと、1%程度の引き締めに値すると言われています。

チャート:ECBホームページ

※クリックで拡大できます

ここからのユーロ

木曜日のECBからの発表を聞いた瞬間、「ECBはユーロ/ドル 1.15台より上は、あまり心地よくないのかな?」 というイメージを受けました。しかし、最近のユーロ高は、ユーロに好材料が出てきたので我先にマーケットが買い急いだ訳ではなく、世界同時株安の影響でアセットの手仕舞いをする過程で起きたショート・ポジションのまき戻しであると理解しています。そのため、今後中国から新たな金融・経済不安が出てくるような事態にでもなれば、新たなユーロ・ショートのあぶり出しが起きてもおかしくありません。その意味からも、あまり「ユーロは売り!」と決め付けず、世界各地で起きるリスク・イベントをチェックしながら、柔軟な対応を心がけたいと思う気持ちに変わりありません。

中国や世界同時株安などのイベントリスクが今後一切ないという前提で考えれば (かなり無理がある前提ですが…)、ユーロは1.10〜1.13台のレンジを行ったり来たりするイメージを持っています。ただし万が一、リスク・オフでユーロが買われたとしても、1.15より上(チャートの水色の丸の部分)は売りで攻めるつもりです。

最後になりますが、今回のドラギ総裁の記者会見を聞いていると、原油安についての言及がかなり多くありました。その時に、「米国の利上げは、9月は無理かもしれない。12月にずれ込む可能性が高いな…」とも思いました。そうなると、ドル円の上値は依然として重いままとなるでしょう。

 

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