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金曜 松崎美子の英国発!すこしFX☆なが〜くFX ロンドン在住の女性トレーダーによる為替&経済コラム

Super Thursdayを終えて

更新日:2015年8月7日

8月6日(木)は、「Super Thursday」 と呼ばれる大イベント日となりました。まるでアメリカ人が命名したような名前ですが、今年8月より英中銀は金融政策判断に関する情報提供手段のタイミングを変更したのです。マーケット参加者の間では、FX業界のお祭り的存在であったアメリカの雇用統計と並び、3ヶ月ごとに訪れるSuper Thursdayは、英国発ビッグ・イベントとして定着するだろうという見方で一致しているようです。

今までずっと米英欧それぞれの中銀は、金融政策に関する発表を独自のタイミングで行ってきました。米欧の中銀は共に、3ヶ月ごとに発表するマクロ経済予想を、政策金利発表と同時に公表していました。しかし、英国だけは別の機会に発表するやり方を継続していたのです。そして今月からは、またしても英国だけが、① 政策金利の発表 ② 議事録 ③ 四半期インフレーション・レポートを同時に発表。その45分後にインフレ・レポートに関する記者会見を開催するという、まさにSuperハードな発表方法に変更したのです。

最初のSuper Thursdayを振り返りながら、英中銀のマクロ経済予想やポンド動向について考えてみたいと思います。

8月の英中銀金融政策理事会(MPC)議事録

Super Thursdayの見所として注目されていたのが、議事録内容でした。これは過去1年間(2014年8月〜2015年7月)の間に、9名の理事が政策金利の変更に対して、どのように投票していたのかを表わした表です。水色のハイライトが「据え置き票」、青いハイライトが「利上げ票 + 利上げ幅」となっています。

これを見ると、昨年8月から12月にかけて5ヶ月間ずっと、マカファーティー理事とウィール理事は25bpsの利上げに票を入れており、7対2で据え置き決定されていたことになります。

出所:英中銀ウェブサイト

※クリックで拡大できます

 事前予想:

先月の議事録には、「ギリシャ情勢の不安定さがあるため、利上げに票を入れるか据え置きにするか、何名かの理事が紙一重の違いで悩んでいた。」という明記があったため、ギリシャ危機が一段落した今月は、晴れてそれらの理事が利上げ票を投じるであろうという内容が、コンセンサスとなっていました。ほとんどの予想は、7対2となっていましたが、一部の大手銀行は、6対3という予想を出していました。

 結果:

いざ蓋をあけたら、投票配分はコンセンサスの7対2ではなく、8対1となり、マーケットはポンド急落、英国債と株式指数は上昇(英国債利回りは低下)というリアクションをしました。そうしてもうひとつのショックは、利上げに票を入れた理事は、最もタカ派のウィール理事ではなく、マカファーティー理事であった点でした。どうしてウィール理事が利上げに票を入れなかったのかについては不明です。

※クリックで拡大できます

議事録内容に目を移すと、全般的にDovishな言及が見受けられました。いくつか例を挙げますと、

① ギリシャ問題

「The situation in Greece remained fluid, and the possible consequences of the crisis there remained a significant external risk to the United Kingdom.
ギリシャ情勢は未だ流動的である、そして今回の危機は英国の外部的リスクに多大な影響を与える可能性が残っている。」

⇒ 今月に入り、ギリシャ情勢が一段落しているように思われたので、マーケットではギリシャ情勢に対して特に言及しないという見方をしていました。しかし、実際には、まだまだ流動的であるという見解を示しています。

② 中国株式市場

「The Most striking international development during the month had been the pronounced volatility in Chinese equity prices as, following sharp falls, the authorities had implemented measures to stabilise the market, but with only limited success.
国際的な出来事の中でも特に眼を引いたのが、中国の株式市場動向である。株価急落に伴い、中国政府は数々の支援策を決定したが、市場安定という観点では、限られた効果しか生んでいない。」

③ 世界的な貿易の低下

「The Committee also discussed the implications of the on-going weakness in world trade. Trade had fallen in all regions except Africa and the Middle East in the May data, and the question was whether this might indicate a generalised slowdown in global demand. Some members observed that the pervasiveness of commodity price falls might support such a concern.
理事会では、世界における貿易活動の低下についても話し合った。5月の数字を見ると、貿易はアフリカと中東を除く世界の全地域で減少している。この貿易活動の低下は世界経済における需要が低下したからおきているのか?という疑問が沸いてくる。数名の理事は、最近のコモディティー価格の下落が、この予想を支持すると考えている。」

四半期インフレーション・レポートの主な内容

個別の内容説明の前に、8月の四半期インフレーション・レポート (以下、QIR)の主な内容をご紹介しましょう。

  • 最初の利上げ時期として、2016年上半期を予想
     ⇒ 前回5月時は、2016年第2四半期を予想
  • マーケットは、2018年第3四半期の金利水準として、+1.7%を織り込んでいる
     ⇒ 5月時は、+1.4%を織り込んでいた
  • GDP予想は5月時よりも上方修正
  • インフレ見通しについては、ほとんどの理事はポンド高と原油価格の下落を受け、今まで以上にゆっくりとした速度での上昇となると予想。今後数ヶ月は0%近辺での推移を予想しており、インフレ率の落ち込みはエネルギーと食品価格の影響が大きい
  • 英国内の需要が伸びることにより、インフレ率は2年内に目標を達成することが可能
  • 英国にはデフレ懸念は、見られない
  • 世界的な景気動向に対するリスクとして、ユーロ圏危機などの影響で、少し減速気味となった
  • 英中銀MPCは、いかなる政策金利の変更に関しても、事前にコミットしない

GDP予想

それではレポート内容を個別にご紹介します。まず最初はGDPです。この表の数字の見方ですが、カッコ内の数字は、前回5月に発表されたQIRの数字、そしてカッコの左側の数字は、今回の予想です。2015〜17年まで全ての年のGDP予想が、5月より強くなっているのが判ります。

レポートを読むと、① 最近の賃金上昇や原油安による減税効果が効いて、個人消費が伸びている ② 住宅価格が予想を上回る上昇を継続している ③ 企業投資も、予想以上の伸びを記録しており、これらを総合すると、ここからの英国経済の見通しは5月時点よりも明るくなったとされています。

政府は個人消費頼みの経済構造から、輸出(製造業)と消費のバランスが取れた経済体質への改善を目指しています。しかし、英中銀はインフレ・レポートの中で、最近のポンド高により英国の輸出の伸びは押さえこめられているという見解を示しています。

インフレ見通し

次は気になるインフレ見通しですが、QIR発表後のカーニー総裁の記者会見でも、相当の時間を割いて今後の見通しについて語られていました。アメリカの次に利上げする予定の英国。しかし肝心のインフレ率が上昇する気配を見せなければ、利上げ時期が遅れますので十分に時間を割いて説明するのは当然かもしれませんね。

2015/16年のインフレ率予想は、5月(カッコ内の数字)よりも今回の方が低くなっているのが判ります。しかし2年後の2017年末のインフレ率は、英中銀のターゲットである2%を超えるので、その手前で利上げに動くことが正当化される内容となっています。

ただし、カーニー総裁は記者会見の席で、利上げのタイミングは、今後発表される経済指標の内容によるため、具体的な時期はわからないと語りました。そして、5月と同様に、万が一利上げをしても、かなり制限されたものとなり、利上げのスピードも緩やかなものとなると繰り返しています。

ちなみに、これが2008年から一番最新の英CPIのチャートです。最新の数字は、0%。この数字を見る限り、利上げの必要性は感じられません。

賃金上昇率について

前回5月のQIRのキーワードは「Productivity 生産性」でした。その時の記者会見をよく覚えていますが、カーニー総裁やブロードベント副総裁は、Productivityの低さに悩んでいると繰り返していました。昨年までは、Spare Capacity(経済や労働市場の緩み/余剰生産能力) のサイズがキーワードでしたが、それがProductivityへと変わっていったのです。

果たして今回の記者会見ではどういう表現を使い、Productivityを語るのか注意しておりましたが、未だに生産性の低い雇用が増えている(低賃金による雇用者の増加)傾向は見られるものの、5月と比較すると相当改善されたそうです。その証拠に、最近の賃金上昇率の上昇は目を見張るスピードで進んでおり、リーマン・ショックが起きる前年の2007年までの過去平均上昇率である4.25%に限りなく近づいてきました。

そして、8月のQIRに載っていた賃金上昇率の見通しによると、今年は3%となり、2017年には2007年までの平均値である4.25%に届くという予想です。

これだけ見ると、Productivityも改善したし、賃金も上がっているし、英国の雇用市場は文句のつけようがないと思ったのですが、新たな問題が出てきました。それが失業率なのです。

失業率予想の上昇

記者会見に参加していた記者団が、一番驚いたのが、QIRに載っていた失業率上昇予想のチャートでした。これが実物です。

2013年からの失業率を表わしたチャートで、縦に引かれた点線が現時点を表わしており、その右側は将来の予想となっています。5月のQIRでの予想も出ており、それを紫で示していますが、その時の予想は「今後も失業率は穏やかに下落する」という内容でした。しかし、その後実際の失業率(紫の実線)は上昇してきているのが判りますね。そして、8月のQIRでの予想は黄緑で記載されていますが、ここから失業率は徐々に上がっていくと見ているようです。

失業率が上昇するということは、2つの理由が考えられます。ひとつは、経済活動が弱くなり、企業がこれ以上雇用者を増やさないこと。2つめは、企業が雇用したい人材が不足しているので、結果として雇用者数が減少してしまうこと。8月のQIRをよむと、21ページに

「growth may partly reflect companies finding it increasingly difficult to recruit new employees as labour market conditions have tightened.
労働市場がタイトになっており、企業が人材を見つけることが非常に難しくなってきているため、失業率の内容が影響を受けているのかもしれない」

と書かれていました。経済活動が弱くなった訳ではないようですので、ひとまず安心しましたが、マーケット参加者はここまで深く考えたり調べたりせずに、失業率上昇=利上げ時期の後退と即断してポンドや株を売ったりする可能性もあるため、今後気をつけたいと思いました。

刺々しい態度が見えた記者団達

今月の記者会見に参加した記者団が、カーニー総裁に質問する時に、何か刺々しいトーンを感じたのは、私だけではなかったようです。実はこれには理由があるのです。

7月16日にカーニー総裁は、英中部のリンカーンで講演をしました。そこで同総裁は、以下のコメントをしたのです。

「The need for Bank Rate to rise reflects the momentum in the economy and a gradual firming of underlying inflationary pressures. In my view, the decision as to when to start such a process of adjustment will likely come into sharper relief around the turn of this year.
経済そのものに活気があふれてきて、それがインフレ圧力を徐々に高めるため、英国は政策金利を上げる必要性にかられるのだ。私は、このような政策金利上げの決断をする時期に関しては、年末頃により明瞭になるだろうと考えている。」

ただし、最後の「come into sharper relief around the turn of this year」のところは、もう少し深い意味があります。それは、原油価格の下落は2014年の年後半から顕著となった ⇒ その効果(インフレ率を低くした要因) は、一年後にはインフレ率の計算内容から消滅する ⇒ 一年後には原油安の効果がなくなるため、インフレ率の数字からのマイナス要因が消滅し、プラス効果が出てくるという意味です。この講演を聞いた英国の報道各社の中には、早ければ年末から年初にかけて、利上げに動く可能性が出てきたと報道したところが出てきたのです。

これはBBCニュースのヘッドラインですが、「Carney indicates interest rates may rise at 'turn of year' カーニー総裁は政策金利は年明けにも上がると示唆」と報道。同じく英テレグラフ紙も、「Interest rates could rise around New Year, says Bank of England Governor Mark Carney 英中銀カーニー総裁:政策金利は新年にも上がるかもしれない」 というヘッドラインを載せたため、この講演の翌日である7月17日は、英国中が「とうとう来たか…」と覚悟した瞬間でした。

しかし、今回の記者会見で同総裁は、「リンカーンの講演でお話ししたことは、あくまでも私の個人的な見解であり、MPC全体の意見ではない。そもそも、リンカーンで年末年始ごろに利上げあるとは、発言していない。」と語り、ますます詰め掛けた記者団の機嫌を損ねたのです。

どの国でも、中央銀行の総裁が発言すれば、マーケットは反応せざるを得ません。「元バンカーであり市場心理をよくご存知のカーニー総裁が、このような言い逃れ的な発言をしたことを残念と思う。」という内容のTweetがたくさん目に付いたことは、ここで申し上げるまでもありません。

まとめ

Super Thursdayの英中銀からの一連の発表は、決してDovish(弱気)とは言えないと思います。ただ、あまりにも事前予想がHawkish(強気)だったので、「予想ほどHawkishではなかった」ため、ポンドは大きく値を下げました。

まず最初はポンド/ドルですが、Super Thursdayの前日まで、デイトレで買っては閉め、買っては閉めを繰り返しておりましたが、ユーロ/ポンドのポジションだけ残し、ポンド/ドルは何も持たずにおりました。

私自身、Super Thursdayでポンドは上昇し、ポンド実効レートも大きく上に跳ねて95にワンタッチするだろうから、そうなればそこからまた考えようと思っておりました。しかしそれとは反対に、ポンドは下げてきていますが、ここからは赤いトライアングルの中での動きを予想しております。ただし、金曜日には雇用統計の発表があります。非農業部門雇用者数(NFP)の数字が25万人を超えるような強い数字になれば、ドル買いが出るでしょう。そうなると、ポンド/ドルは下げざるを得ません。逆に、数字が20万人を割る低いものになれば、もう一度1.56台へ上がると思っています。

米英の利上げの時期を考えると、アメリカが先に動くでしょうが、次の利上げ国としての英国の立場に大きな変化はないと考えられます。その意味からも、ポンドは下がったところを、(同じ利上げ国同士であるポンド/ドルよりも) クロスで買うのが一番効率よさそうです。さしあたり、Super Thursdayのショックから立ち直るまで、しばらくポンドには触らないようにしようと思っています。

私は未だにユーロ売り/ポンド買いのポジションを保有しておりますが、このショックが一段落し、もう少し上がったところ、0.71ミドルくらいから0.7220/30辺りを目標に、新たな売りを作ろうと考えている最中です。

 

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