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金曜 松崎美子の英国発!すこしFX☆なが〜くFX ロンドン在住の女性トレーダーによる為替&経済コラム

欧州中銀金融政策理事会を終えて

更新日:2015年7月17日

欧州中銀(ECB)は今年から理事会の開催頻度を、今までの毎月一度から、6週間に一度に変更しました。最後の理事会が開催された6月3日から今回の理事会までの6週間が非常に長く感じたのは、私だけではないでしょう。

この6週間の間にギリシャを取り巻く環境は著しく悪化し、7月5日には国民投票まで行われました。そこでは、緊縮財政策が盛り込まれたギリシャ改革案に対して、6割以上の国民が「NO」を突きつけ、あわやGrexit(ギリシャのユーロ圏離脱)か?とヒヤヒヤさせられました。

2009年からのギリシャ債務危機の時と同じく、今年のギリシャ危機でも、ECBはギリシャの金融システムを守ることを優先し、緊急流動性支援(以下、ELA)を継続しました。しかし、6月28日にELAは継続するが、上限を据え置く決定をしたため、ギリシャの銀行の流動性が大きく悪化し、ギリシャは資本規制の導入を余儀なくされたのです。

これらのギリシャを取り巻く環境が一番大きく変化した6週間後に開催された今週の理事会では、ギリシャに関してたくさんの質問が出てくることが、予め予想されていました。

ドラギ総裁に質問したかったこと

もし私がドラギ総裁の記者会見に出席し、質問が出来る立場であったら、絶対に聞きたかった質問がいくつかあります。

 ギリシャ向けの緊急流動性支援(ELA)について

私が一番聞きたい質問は、ギリシャ政府が合意案を可決したことを受け、ギリシャ向けELAの増額に踏み切るのか?ということです。

これはあくまでも私の個人的な考えですが、ギリシャの銀行に十分な資本があれば、ツィプラス首相は日曜日に開催されたユーロ圏首脳会談で安易に妥協せずに、もっともっと粘ったと思います。資本規制が導入されてからと言うもの、ギリシャの銀行での資金枯渇についての報道が毎日のように出ていたこともあり、ギリシャの銀行が破綻して、それがきっかけとなり世界的金融システム崩壊のリスクを容認する訳にはいかなかったので、渋々受け入れたように感じます。もちろん、ドイツが「5年間の一時的Grexit(ギリシャのユーロ圏離脱」を提案したので、どうにもならなくなったことは十分に承知ですが、ギリシャの銀行システムの体力がここまで弱っていなければ、ドイツもGrexitという切り札をこんなに早く使ってこなかったでしょう。

これは見方を変えれば、今でもギリシャの銀行システムがしっかりしており、ECBの緊急流動性支援(ELA)に頼らなくても自力でやっていけるのであれば、Grexitカードをちらつかされても、断固として「国民投票でNOと言われたことには、首を縦にふれない。」と、突っぱねることが出来たのかもしれません。

その意味からも、ECBが今後ELAについて、どういう考えを持っているのか、非常に知りたいと思いました。

 ECBの姿勢

ドラギ総裁は、記者会見の席で繰り返し「ECBは規則に忠実に従って決定を下している」と語っています。しかし、IMF向けの返済に関しては、6月分の合計約16億ユーロに加え、今週13日の4億5000万ユーロのどちらも滞納扱いとなっています。この場合、ECBのELAの条件である ①十分な担保を備えている ②支払い能力を維持している  これらの条件が忠実に守られているとは言えないのではないでしょうか?それにも関わらず、未だにECBはELAを継続している点について、質問したいと思いました。

 ギリシャの銀行に対する追加支援

政府が合意案を可決したことを受け、ELA以外の手段を採用する可能性について知りたいと思います。

例えば、ドラギ総裁が「財政ファイナンスに当たる違憲行為だ。絶対に認めない。」と繰り返し仰っているギリシャ短期債の発行上限の引き上げは? または、1月に停止したギリシャ国債担保適格措置をもう一度復活しては?たぶんどちらも無理でしょうが、果たして理事会でこれらの可能性について協議されたのか、非常に知りたいです。

 7月20日のECBへの返済

ギリシャ向け繋ぎ融資の交渉が上手く行くか行かないかに左右されますが、20日に予定されている約34億ユーロ規模の返済がなされなかった場合には、ギリシャは正式な「デフォルト」とみなされます。それについて、ドラギ総裁の考えを聞きたいと思いました。

 飛び火した場合のQEシステムの変更について

ギリシャ危機がこのまま収まらなく、周縁国に飛び火する心配が出てきた場合、「the Governing Council would reconsider the size, the timing, the design of the [QE] programme. ECB理事会は 、QEの規模やタイミングなどについて再考するかもしれない 。」とドラギ総裁は先日語りました。

私が6月に日本へ一時帰国した時に、セントラル短資FXさんでやらせて頂いたウェブセミナーでも説明しましたが、ECBのQEというものは、しっかりとした比重に沿って、QEにおける各資産の購入額が決められています。

ピンクの枠で囲んだ部分が、国債購入の部分(PSPP)ですが、毎月600億ユーロの量的緩和策のうち、PSPPの枠は500億ユーロに決められており、その88%に当たる440億ユーロが国債とエージェンシー債に、12%に当たる60億ユーロが欧州機関債の購入にそれぞれ充てられています。

万が一、ギリシャ危機が周縁国に拡大し、それらの国の国債利回りが急騰するようなことにでもなれば、PSPPの額そのものが増えるのか、それとも金額はそのままにして、比率が変わるのか、私たちにはまだ知らされておりません。その点について、記者会見に出席した記者団の誰かが聞く可能性はあると考えています。

ちなみに、最近のECBによる毎週の国債購入額は、以下の通りとなっています(7月10日現在)。ギリシャ危機が悪化したからと言って、急激に国債購入額が増えたということは、ないようです。

データ: ECBウェブサイト

ドラギ総裁記者会見を終えて

木曜日のECB理事会後のドラギ総裁定例記者会見を見た結果、自分の疑問に対して、多くの答えが見つかりました。

 1) ELAについて

結論から先に申し上げますと、ギリシャ中銀は15億ユーロ増額を要請しましたが、ECB理事会では、「1週間で9億ユーロの増額」を決定しました。この決定に関しては、全会一致ではなかったようです。

私は、7月20日に予定されているギリシャからECBに対する約35億ユーロの返済が確認されるまで、ELA増額は見送りの可能性が高いと思っていたのですが、そうではなかったようです。

今回の9億ユーロの増額により、ECBからのギリシャ向けEL:Aの総額は、899億ユーロになりました。ただし、この金額だけでは、ギリシャ政府が導入している資本規制の導入を解除するには足りないため、ATMからの現金引き落としの上限額は、しばらく60ユーロのままとなりそうです。ドラギ総裁も、資本規制の解除の判断は、ギリシャ政府がすべきであると語っていました。

 2) 7月20日のECBへの返済

この日はECBが保有するギリシャ国債の償還期限に当たり、ギリシャはECBに約35億ユーロを支払わなければなりません。この支払いが滞ると、デフォルトと見なされてしまいます。

驚いたことに、記者会見の席でドラギ総裁は、「7月20日に、(ギリシャからECBに対して)支払いはされると信じている。国際通貨基金(IMF)への滞納金についても、支払いがされることを確実視している。」と語りました。この発言から予想されることは、おそらくギリシャ向けの繋ぎ融資が、遅くても来週月曜日までに間に合うことを、総裁は既にご存知なのでしょう。

もしこの予想が正しければ、7月20日の償還期限を待たずに、木曜日の理事会でギリシャ向けELAの増額を決定したことも、納得できます。

 3) ギリシャの新たな債務削減について

ギリシャは新たな債務削減が必要であるという見解を、ドラギ総裁は披露しました。定例記者会見の場で、ここまで自分のご意見をはっきり述べることが果たして正しいのかについては、私にもわかりません。

今のところ、債務削減に賛成しているのは、IMF・フランス・イタリア・アメリカです。それに対し、ドイツ・オランダ・フィンランドは、EU条項に触れるとして反対しています。

これに関しては、のちほど詳しく説明いたします。

 4) ギリシャ国債の購入に関して

質疑応答の場で、一人の記者が、「ECBが行っている国債購入を含む量的緩和(QE)において、今までギリシャ国債は購入の対象に選ばれていなかった。いつ頃、ギリシャもこの対象となるのですか?」という質問をしました。私は「まだまだ無理でしょ?」と、この質問を聞いた時に思いました。

ドラギ総裁とコンスタンシオ副総裁がこの質問に対して答えたのですが、思ったよりも話し方のトーンが前向きだったことに、私はびっくりしました。両氏の答えを総合すると、ギリシャ国債がQEの購入対象となるためには、

  • 金融支援プログラムが、完全に実施されなければならない(この場合、これから協議が始まるギリシャ向け第3次金融支援プログラムのことを指していると思われます)
  • ギリシャ政府が改革案内容を真摯に実行に移すという証明
  • 格付けがQEの購入対象のレベル(BBB−以上)の適格担保基準まで戻ること(格付け大手3社のギリシャの格付けは、赤丸のついているレベルです)
  • ECBはギリシャ向け第3次金融支援プログラムが正式に開始した時点で、あらためてギリシャ国債購入の可能性について検討する

現在の時点では、第3次プログラムは早くても9月頃からの開始となるようですので、その頃までにギリシャの格付けが戻っていれば、購入対象になることは可能でしょう。

ギリシャの新たな債務削減について

さきほどすぐ上の文章で、「債務削減に賛成しているのは、IMF・フランス・イタリア・アメリカです。それに対し、ドイツ・オランダ・フィンランドは、EU条項に触れるとして反対しています」 と書きました。

IMFは7月14日付けで【ギリシャに関するレポート】を発表しており、このレポートの大まかな概要がユーロ加盟国の首相や財務相の手に渡ったのは先週金曜日(7月10日)だったと言われています。すなわち7月12日に開催されたユーロ圏財務相会合やユーロ圏サミットの時点で、「ギリシャは追加の債務再編 またはヘアーカットは必須」ということを訴えているこのレポート内容は、参加者の頭に入っていたようです。

それでも敢えて「5年間のGrexit」を唱えたドイツ財務省や、それに賛成したユーロ加盟国は、何を根拠にIMFの提案に反する態度を取ったのか?それが不思議でした。

調べてみると、リスボン条約の中に「EUは加盟国の中央政府の責任を引き受けない」というノー・ベイルアウト(非救済)条項が規定されています。これに加えて、ECBが保有するギリシャ国債についても、債務削減や返済期限の延長などを認めてしまうと、中央銀行による融資に該当するため、禁止されています。

つまり、反対しているドイツなどは、ギリシャの債務削減の必要性については十分に理解しているが、それを行うことは違法行為となるので、同意出来ないと粘っているようです。

そうなると、もうひとつ他の疑問が沸いてきました。それは、ドラギ総裁は常に、「ECBはルールに基づいた機関である」と繰り返していますが、もし公的部門の債務削減が、ドイツが言うように違法行為でタブーであるのなら、どうしてドラギ総裁がルールに触れる内容に対して、賛成しているのでしょうか?

債務削減に関しては、今回の改革案には含まれておりませんがIMFがこれを強く主張しており、いかなる形にせよそれを認めない限り、第3次金融支援に参加しないと突っぱねる可能性もあるため、今後の協議では債務削減/IMFの参加の有無が焦点になると私は考えています。そして、これだけの国や機関の間で賛否両論分かれているのであれば、一筋縄ではいかないことが予想されます。

ここからのユーロ

ひとまずギリシャを取り巻く環境が一段落してきたことを受け、果たしてユーロがどのようにそれに反応するのかを考えてみたいと思います。

まず最初に申し上げますが、私はギリシャ議会が7月15日の期限内に改革案内容を法制化できたので、もうギリシャのことは心配しなくてもよいとは、思っておりません。採決でSYRIZA党の議員の39人が反対の意を示したことは重要で、たぶんツィプラス首相の求心力は低下すると考えています。早ければ、第3次金融支援が正式に承認される今年の秋にも、解散総選挙が実施される可能性を捨てていません。

さしあたり、超目先の相場について考えてみると、欧州から発表される経済指標は最近改善されておりますが、ギリシャ問題をはじめとする欧州を取り巻く環境には、リスクがつきまとっていることには変わりないと思います。つまり今後のギリシャの行方について楽観できる状態でないことに変わりなければ、ECBは超緩和姿勢を継続せざるを得ないでしょう。

2000年代に活発となった円キャリー取引と同じように、超緩和政策の継続が半ば約束されているユーロをFunding 通貨(調達通貨)として借り入れ、それを売って、金利の高い通貨を買って金利差を稼ぐというような動きが更に活発になるかもしれません。

チャート:ECBウェブサイト

※クリックで拡大できます

最初のチャートは、1999年にユーロが誕生してから現在までの実効レートの推移を表わしています。これを見ると、90以下に落ちたとしても、一直線の下落の後、一直線の上昇という感じで、乱高下の激しいマーケットになるイメージがします。

次は今年に入ってからの実効レートですが、赤い水平線(下側)がサポートからレジスタンスとなり、その付近で何度か頭を押さえられながら、ジリジリと下げてきています。一番最新の実効レートは91.9850ですが、この緑のラインのサポートが切れると、90くらいまでは早そうです。

チャート:ECBウェブサイト

※クリックで拡大できます

最後にドルを見てみましょう。こちらはユーロとは逆に、黄緑とオレンジ、それぞれのレジスタンスを上に抜けたところのようです。この記事を書いている時間帯はまだ取引が続いている最中ですので、木曜日の終値が、どこになるのかが重要かもしれません。

もし、終値がオレンジ色の線より上であれば、一旦紫色のチャンネルの上限までドルが上昇する可能性は捨て切れません。

チャート:インターコンチネンタル取引所ウェブサイト

※クリックで拡大できます

総合して考えますと、ユーロ/ドルが、1.10台くらいまで戻らないのであれば、短期的には今年3月末の安値である1.07Lowは達成可能であると見ています。

 

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