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金曜 松崎美子の英国発!すこしFX☆なが〜くFX ロンドン在住の女性トレーダーによる為替&経済コラム

ギリシャ問題に振り回された一週間

更新日:2015年5月29日

今週もギリシャ問題について記事を書くことになりました。先週のコラム記事でも書きましたが、改革案の条件変更に関する合意期限が、6月5日になったことに加えて、今週は水曜日から7カ国財務相・中央銀行総裁会議(以下、G7会合) がドイツで開催されていることも手伝い、相当ギリシャネタに振り回される覚悟でおりました。そして、この変な期待を裏切ることなく、相場は大きく乱高下しています。

本日のコラムでは、G7会合のため、欧州入りしたアメリカのルー財務長官の発言に代表される「アメリカ側から見たギリシャ危機」も交えてご紹介したいと思います。

経済的ダメージより、安全保障が優先

2009年に最初のギリシャ危機が発覚した当時から、欧州では、「欧州の問題は、欧州の手で解決しますので、ご心配なく」というスタンスを貫いてきました。ギリシャ債務危機が悪化し、ポルトガルやスペインなどの周縁国にまで危機が拡大し、ギリシャのユーロ圏離脱(Grexit)リスクやユーロ崩壊の可能性が浮上してきた2012年には、さすがにアメリカのオバマ大統領が介入してきましたが、その度合いはさほど高くなかったようです。しかし、「2015年版ギリシャ危機」では、アメリカの態度が明らかに違ってきました。

最大の理由は、Grexitが本当に起きた場合のギリシャの身の振り方です。ロシアや中国が金融支援を餌に、ギリシャを自分達の味方につける可能性が指摘されており、一部の噂では「Grexit後は、ロシアと中国の招待により、ギリシャがBRICS(2000年代以降著しい経済発展を遂げたブラジル・ロシア・インド・中国・南アフリアそれぞれの頭文字を取った総称)に参加する」というシナリオまで出ているようです。

特にロシアは、昨年3月にウクライナ南部のクリミア半島へ侵攻し、一方的にクリミア自治共和国をロシアに編入させるとプーチン大統領が表明したことは、皆さんのご記憶にも新しいことでしょう。黒海に面するこのクリミア半島は、軍事的にも、天然ガスの供給ルートとしても非常に重要です。悪い言い方をすれば、脱原発でエネルギー確保の優先順位が今までになく高くなってきた欧米諸国と、黒海艦隊の基地が使えるようになると考えたロシアとがクリミア半島を取り合って、一方的にロシアが勝ち逃げしたとも言えます。

そして、今年に入ってからは、ロシア産天然ガスを欧州へ運ぶ「トルコ・ライン」構想が発表されました。これは、ロシアの天然ガスを、黒海からトルコ → ギリシャ → マケドニア → セルビア → ハンガリーを経由して中央ヨーロッパへ供給する計画です。現在のところ、2019年にはロシアがウクライナ経由で欧州へのガスの供給を停止することになっているため、トルコ・ラインはヨーロッパ各国にとって、エネルギー供給源として必要不可欠となることは明白です。「トルコ・ライン」のガス・パイプが国内を通過するギリシャは、その「通過料金」を受け取れる立場にあるため、今までずっと財政難で苦しんでいる同国にとっては、ロシアに足を向けて寝れない状態と言っても過言ではないでしょう。特にロシアとギリシャは、両国ともギリシャ正教をベースとした同じ宗教を信仰しているため、昔から繋がりが深かったこともあり、ますます両国の距離がここにきて縮まってきました。

旧知の仲ということもあってか、ギリシャの財政資金の枯渇問題が浮上してきた先月、ロシア政府はギリシャに対し、「将来支払う予定のガス通過料金を、いま前払いしてもよい!」と持ちかけました。欧州による緊縮財政策にNOを突きつけ、左翼政権が誕生したギリシャが、EUとの距離を取りはじめたことと、ロシアからのエネルギー供給の重要な役割を担うことになったことは無関係とは言えず、ますますギリシャ政府とロシアとの関係が密接になる気配がしてきた矢先の出来事でした。

しかし、欧州諸国にとっての頭痛の種は、ギリシャとロシア関係だけではありません。EUからの金融支援受け取りの条件となっていた国有財産の売却(民営化)の手続きは最近までずっと凍結されておりましたが、ここに来てギリシャ最大のプレウス港の民営化交渉が再開したことを受け、中国遠洋運輸(COSCO) など3社が入札に参加することが発表されました。中国が提唱し主導する形で設立を目指しているAIIB (アジア・インフラ投資銀行)が担うシルクロード構想に基づく物流ルートを考えると、ギリシャの港を手中に収めることは、中国にとっても大事です。特に、ピレウス港は、欧州の入り口に位置する海上物流の要衝なだけに、中国製品を欧州で陸揚げする戦略拠点と位置づけるつもりでしょう。

このように、急速にギリシャでのプレゼンスを高めてきたロシアと中国に対し、危機感を抱いているのが、他でもないアメリカです。最近の報道を読んでいても、アメリカ政府は、【欧州の首相】とも言えるメルケル独首相に対し、「絶対にGrexitが起こらないよう、念には念を入れて注意する」よう、警告しているようです。アメリカもメルケル首相もGrexitに対しては、経済的側面からの影響ではなく、あくまでも安全保障の面からの影響を重視していることに変わりありません。

ドイツのあるシンクタンクの試算によると、2009年のギリシャ債務危機が発覚して以来、欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)は2度に渡り、ギリシャに金融支援をしてきました。ドイツが、その支援に支払った額は、5年間合計で700億ユーロ (平均すると、140億/年) と言われています。700億ユーロという額は、ドイツの経済規模(GDP)の1.9%。単年では、0.38%というミクロの規模です。そのせいもあってか、メルケル首相もアメリカ政府と同じく、Grexitの経済的側面からのダメージにはほとんど関心がないようで、もっぱらロシアが後ろに見え隠れすることによる安全保障の問題に頭を悩ませているようです。

Grexitに対する見解の相違

今週に入ってから、ギリシャ問題について、国際通貨基金(IMF)のブランシャール主席エコノミストは、「ギリシャがユーロ圏を離脱したとしても、ECBには事態を収拾する能力がある。」との考えを示しました。この意見は、ドイツのショイブレ財務相や、メルケル首相率いるCDU党(キリスト教民主同盟)の幹部達が共有する考え方ですが、メルケル首相は一線を引いています。

やはり国の安全保障を守る首相の立場と、一閣僚との立場では、おのずとGrexit後の見方も変わってきて当然なのかもしれません。そのため、これからも「Grexitが起きても対応可能」という発言が、自国の安全保障の責任者である首相や大統領レベルから出てくることは、ないだろうと私は考えています。

ECBからの三行半?

2015年版ギリシャ危機が発覚した当時から、ECBはギリシャ中銀を通じて、ギリシャの市中銀行に対し緊急流動性支援(ELA)を実施しています。ドラギ総裁の言葉を借りますと、「ギリシャの銀行自体が支払い能力を有しており、適切な基準の資本を保有しているとみなしている限り、ELAは継続する」と語っていらっしゃいました。そして、このELA額の引き上げなどの見直しについては、当初は2週間に一度の頻度で行っておりましたが、最近では毎週水〜木曜日に実施されるようになったようです。

今週水曜日の5月27日、私はいつECBからギリシャ向けELAの増額発表があるか、今か今かと待っていました。その理由は、その前週である5月21日の増額の幅は2億ユーロとなり、過去の増額幅の中で一番小さかったからでした。「もしかしたら、ECBはギリシャに対して、三行半を突きつけたのかもしれない…」 マーケットでは、そういう噂も出ていました。それもあって、今週のECBの決断には、今まで以上に注目していたのです。

そうしたら、水曜日のロンドン夕方遅い時間に、「ECBは、今週はギリシャ向けELAの増額は見送ることに決定した。」という内容の報道が、ロイターに載っていたのです。ELAを中止するとは言っておりませんが、増額しないということは、いつストップしてもおかしくないとも受け取れます。やはりECB理事達の間にも、ギリシャにいつまでも流動性援助をするのは、いかがなものかという意見が出てきたのかもしれませんね…

これが、今年に入ってからの、ECBからギリシャに向けて実施されたELA額です。最新のELA枠は802億ユーロとなっていますが、報道などを読むと、残りは30億ユーロだけということのようです。

6月のギリシャの予定

それでは、ギリシャが6月に支払わなければいけない返済スケジュールや、それ以外のイベントをまとめてみましょう。

IMFへの返済が何回かに分けてありますが、IMF側としては、一度ずつ支払わなくても、全額を一度にまとめて支払う形でも問題ないと、ギリシャ政府に伝えたようです。果たして、6月19日の最後の償還日にまとめて支払うのか、それともひとつひとつ切り分けて支払いをするのか、現在のところはっきりしません。

IMFへのデフォルトの「本当の意味」

「IMFに対しては、一括返済します」という発表がギリシャ政府から出ずに、6月5日の最初の返済が実行されなかった場合、IMFの返済に対して30日間の猶予期間がスタートします。この時点では、まだデフォルトとはみなされないことは、格付け大手各社も、その見解で一致しています。それから2週間経ち、それでも返済が行われない場合には、IMFからギリシャ政府に対して、「即刻返済せよ。この返済が滞った場合、返済義務の不履行という深刻な事態に陥る」という伝達が入ります。そして、それからさらに2週間経っても返済がない場合は、専務理事が履行期限が過ぎたことを理事会に報告します。つまり、ギリシャの場合、このグレイスピリオドが終わっても返済できなかったときに、本当の意味で「深刻な状況」となります。

つまり、IMF向けの返済が出来ずデフォルト(債務不履行)となれば、「クロス・デフォルト/クロス・アクセラレーション (Cross-default/Cross-accelaration 条項」* に基づき、欧州金融安定ファシリティー(EFSF)を含む他の債権者もデフォルトを宣言できるほか、アクセラレーション(期限の利益喪失)条項に基づき、債務の残り全額を直ちに支払うよう要求できる権利も生じます。そうなると、他の貸し手もその後追随する可能性が出てくることが考えられますが、アクセラレーションの発動は自動的には行われず、それぞれの債権者が個別に判断します。

* クロス・デフォルト条項

債務者の借り入れの一つが満期になっても返済されず、デフォルト(債務不履行:債務者が正当な事由がないにもかかわらず債務の本旨に従った履行を行わないこと)となった場合、債務者が抱える残りのすべての借り入れについても返済期日が到来していないにもかかわらずデフォルトになったものと見なされ、債権者は債務者に返済を要求できるというもの

ここで一番心配されるのは、ギリシャ向け融資を一手に引き受けている欧州金融安定ファシリティー(EFSF)です。ここがギリシャに対して実施した融資残高は、約1,400億ユーロにのぼりますので、EFSFがギリシャ政府に対して、「即刻、全額返済せよ!」と要求したら、ギリシャは完全にアウトでしょう。そうなると、預金引き出しのパニックが起き、国境閉鎖を含む資本規制が敷かれ、Grexitの可能性が急速に高まることでしょう。

ここからのユーロ

最近のマーケットは、「ドル高」が引っ張っているため、このトレンドがどこまで続くのかが、ここからの相場の行方を大きく左右すると私は考えています。ただし、ドル円を見ても、ユーロ/ドルを見ても、ちょっと暴れすぎのイメージが強いため、今後も乱高下はするものの、いきなりユーロが明日にも1.0000(パリティー)まで暴落するというイメージは、持っておりません。

今週水曜日のロンドン午後のマーケットでは、「ギリシャ政府高官によると、EU側とギリシャは、事務次官レベルでの合意が取り付けられ、ユーロ圏財務相会合で承認される可能性が高まった」という報道がなされ、マーケットが一時パニック状態になりました。すぐに否定報道が出ましたが、この時ユーロ/ドルは一瞬60ポイントほどの上昇であったのに対し、ドイツの代表的株価指数であるDAXは、一気に150ポイントの急騰となったのです。つまり、ECBが量的緩和策を継続しているヨーロッパでは、ギリシャ合意の報道 (最終的には誤報) でも、ユーロは60ポイントしか戻らないのに対し、株はその2倍以上の戻しを見せたのです。量的緩和策を継続している国(この場合、ユーロ圏)と、そうでない国(この場合、アメリカ)との通貨の力関係をまざまざと見せ付けられた瞬間でした。

今後もECBは量的緩和策を継続しますので、アメリカ側の通貨・金融政策に変更がない限り、ユーロの方向性は売りで間違いないと思います。ただし、目先の動きは、ギリシャの進退が本当にはっきりする6月5日くらいまでは、1.07〜1.12のレンジで見ています。

最後に実効レートで確認しますが、ドルはあいかわらず強いですね。ただし、よほど利上げに対して積極的な発言が出てこない限り、インデックスは93〜98のレンジに入るのかな?と思っています。

ユーロに関しては、91を中心にして上下2ポイントくらい、つまり89〜93で、やはりレンジかな?と思っています。

チャート: ECBウェブサイト

 

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