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金曜 松崎美子の英国発!すこしFX☆なが〜くFX ロンドン在住の女性トレーダーによる為替&経済コラム

ギリシャ支援延長問題

更新日:2015年5月22日

ギリシャがユーロから離脱するかもしれない、デフォルトするかもしれない、という問題は2009年以降ずっと出ては消え、再燃しては押さえこんできた問題です。2012年には周縁国へも債務危機が拡大してしまい、Grexit (ギリシャのユーロ圏離脱 Greece+Exit=Grexit) という造語が登場し、ユーロ崩壊リスクが声高に叫ばれました。

今年になってから、2015年版Grexitがマーケットを騒がせておりますが、本日はそれについて、現時点で判っている限りのことを整理してみたいと思っています。

2015年版ギリシャ危機とは?

私のブログなどにも読者の方から質問が来るのですが、現在マーケットで話題になっている「ギリシャ問題」というものを勘違いしていらっしゃるかもしれないので、ここでもう一度繰り返し説明をしたいと思います。

2009年のギリシャ債務危機発覚以来、ギリシャ・アイルランド・ポルトガルが、EU/IMF/ECB(以下、トロイカ)による金融支援を受けながら国家の財政を運営してきました。そして、2013年末にアイルランドが支援から卒業。その後を追うように、2014年夏にはポルトガルが続いて卒業していきました。最後に残ったギリシャは、本来であれば2014年12月31日に「金融支援受け取りの卒業式」を迎える予定でしたが、同政府とトロイカとの間で、最終的な財政政策内容の数字で合意がとれなかったこともあり、やむを得ず12月初旬のユーロ圏財務相会合の席で、「2ヶ月の延長(2015年2月末まで)」という特例が認められました。つまり、この時点では、ギリシャは今年2月末には金融支援から卒業し、市場で国債を発行し、自力で財政運営をする予定だったのです。

そして年が明け、2015年に入ります。今年最初のECB理事会では国債購入を含む量的緩和策(QE)の導入に踏み切りましたが、これとほぼ時を同じくして、ギリシャの総選挙が実施されました。この選挙では、2012年に飛躍的に国民の支持を高めた緊縮財政策反対を主張する急進左派連合(以下、SYRIZA党)が文句なく第一党となり、ギリシャでは左翼色の強い政権が誕生したのです。未だに自力での財政運営が出来ないギリシャは、否が応でもEUやIMFからの金融支援に頼らなければデフォルトしてしまいます。しかし、前政権がトロイカとの間で合意した第2次ギリシャ向け金融支援条件には緊縮策がたくさん盛り込まれているため、SYRIZA新政権は選挙公約で有権者に約束した「緊縮財政策の破棄」を実行するため、金融支援の条件変更を訴えはじめたのです。この新政権は、口は達者ですが、具体的な条件変更に向けた努力を怠ったことが災いし、「支援受け取り期限である2月末まで」には両者の間で何の合意にも至りませんでした。仕方なく、トロイカ側はそこから更に4ヶ月の期限延長を認め、6月末までに合意がなければ、欧州からギリシャに向けた金融支援は打ち切りますからね!と念押ししたのです。

1月末の総選挙終了直後は、「金融支援なんて、もういらない」と強気姿勢を見せていたSYRIZA政権ですが、日が経つにつれて財政の行き詰まりが明らかになってきました。特に今月に入ってからは、今まで国際通貨基金(IMF)などから受けてきた財政支援金の返済を続けた場合、自国の公務員給与や年金の支払いができなくなるところまで追い詰められてきたのです。

そのため、特に今週に入ってからの【2015年版ギリシャ危機】は、金融支援受け取りからの卒業式など夢のまた夢となってしまい、最悪の場合は、第3次金融支援までをも視野に入れたものに姿を変えてきました。

ギリシャ支援延長問題 : 時系列を追って整理してみる

それでは、ここでは昨年末から現在までの出来事を時系列に整理してみました。

今週に入ってから、ギリシャ議会のフィリス議長が、「6月最初の償還金支払いが控えている6月5日までに、ギリシャ政府とEU側との交渉が合意に終わらなければ、6月に予定されている4回にわたるIMF向け償還の返済を、やらない。」と警告を出しました。つまり、それまでに新しい進展がなければ、6月5日が「新しい支援延長合意に向けた期限」になるようです。もしその日までに合意出来なければ、ギリシャのデフォルトや資本規制導入の可能性が一気に高まります。

2012年と2015年、それぞれのGrexitの違い

このように、支援延長内容について、なかなか合意に至らず、ギリシャを取り巻く事態が日に日に悪化しています。もしこれと同じことが2012年に起きていたら、ギリシャはユーロ圏を離脱し、最悪の場合は単一通貨:ユーロは崩壊していたかもしれません。しかし、2015年版Grexitは、以前とは違う姿を見せたのです。それは、ギリシャの財政資金枯渇の可能性がヘッドラインで流れても、投資家が手放したのはギリシャ国債だけとなり、長期金利が上昇したのも当然ですがギリシャだけ。2012年には戦々恐々とした日々を過ごした周縁国であるポルトガルやスペイン、イタリアなどは、全くギリシャ問題の影響を受けませんでした。

ギリシャ危機を取り巻く状況の大きな変化は、2009年からの債務危機以降、ユーロ圏やEU加盟国が対応策を練り、ECBはユーロ圏の危機管理システムを構築してきたからに他なりません。このため、もしギリシャで何かが起こっても、それは欧州の小国の問題で収まると思われるまでになってきているということです。これらの対策に加え、3月から開始されたECBによる国債購入を含む量的緩和策 (PSPP) の導入により、ECBや加盟国の中央銀行が国債購入を毎日続けていることも、忘れてはいけません。 このPSPPの決定の際には、金融支援条件に順守する姿を見せないギリシャ新政権の決定を受け、ECBは国債購入の対象国からギリシャを除外しています。それもあり、国債購入プログラムに含まれた国の国債はどんどん購入されていますが、ギリシャだけが買い手不在のマーケットとなっているのです。

6月の償還スケジュール

ギリシャ議会のフィリス議長の警告が未だに有効なのであれば、6月5日までにEUとギリシャ政府が延長に向けた改革案内容の合意に至らなければ、ギリシャ政府はその報復措置とも言える「IMFへの不払い」という行動に出るぞ!と宣戦布告しました。

この発言が出た数時間後には、格付け大手のムーディズ社が、「ギリシャ政府が6月のIMF向けの返済を怠った場合には、資本規制導入の可能性が高まるだろう」という見解を示したので、ますます事態は悪化し、ユーロ下落に結びついたのです。

過去のコラム記事でも書きましたが、資本規制を導入した場合は、

  • 銀行のATMからの一日の引き出し額の制限 または禁止
  • 企業間の支払い金額の上限設定
  • 国境のコントロール
  • ATMからの引き落としに対して、特別課税が導入される可能性

などが実施される可能性が高まります。

最後になりますが、6月には合計で4回にわたり、IMF向けの償還が控えています。そして、万が一これを乗り切ったとしても、7月と8月には、合計で約67億ユーロにものぼる欧州中銀(ECB)向けの償還が待っています。

※クリックで拡大できます

苦しいツィプラス首相

ギリシャ新政権の苦悩は、対欧州だけでなく、同じSYRIZA党内でも分裂の危機が囁かれています。財政資金の枯渇が表面化してきたためか、SYRIZA党内の強硬派がずっと拒否し続けていた国有資産の売却(民営化)の手続きが、先週から再開したからです。今回は、今までずっと凍結されていたギリシャ最大のプレウス港の民営化交渉が再開し、入札に参加する中国遠洋運輸(COSCO) など3社は買収額を9月までに提示し、売却先は9月末頃に決定すると発表されました。

AIIBが担うシルクロード構想に基づく物流ルートを考えるとギリシャの港を手中に収めることは、中国にとって非常に重要です。特に、ピレウス港は、欧州の入り口に位置する海上物流の要衝なだけに中国製品を欧州で陸揚げする戦略拠点と位置づけるつもりでしょう。

話しが逸れてしまいましたが、ツィプラス首相率いるSYRIZA党の内部では大きな分裂が起きており、強硬派は反EU思想が強いこともあり、あくまでも選挙公約である反緊縮を貫くつもりのようです。それもあって、ツィプラス首相がEU側との話し合いのなかで、更に積極的な民営化の実施など緊縮財政策を認める内容に合意した場合、即刻離党し野党に廻ると脅しています。そうなると、現在のSYRIZA連立政権の議席数が過半数以下に落ち込んでしまいますので、解散総選挙というリスクが出てきます。その意味でも、ツィプラス首相は、EUと自党強硬派との板ばさみになり、苦しい思いをしていることでしょう。

6月5日の期限までに合意出来なかった場合

この原稿を書いている木曜日のロンドン夕方、ラトビアではEU東方パートナーシップ・サミット(首脳会談)が始まったところです。このサミットは、EUの東側に位置するウクライナやアゼルバイジャンなど6カ国が参加し、今後のEUとの協力体制などについて協議するものです。今回は特に、ウクライナが参加していることもあり、どんな協議内容になるのかロシアも関心を寄せていると考えられます。

このサミットには、EU28ヶ国の首脳陣が勢ぞろいするため、この機会にツィプラス首相はメルケル首相とオランド仏大統領に対して、夕食後に会談を申し込んでいます。「ギリシャとの協議をスピードアップするよう」今週はじめに要請したメルケル首相とオランド大統領を相手に、何か合意に向けた前向きな発言が飛び出すのか、注目です。

万が一、ギリシャ議会の議長が勝手に決めた【6月5日の合意期限】までに何の進展もなかった場合に考えられる可能性を、自分なりに考えてみました。ゴチャゴチャしてしまいましたが、水色の☆がついている「交渉内容、合意ならず」からスタートしてください。

ここからのユーロ

最近のマーケットは、「ギリシャ危機」だけでなく、欧州主要各国の国債利回りの動きや、原油価格動向をきちんと追いかけていないと、思わぬところで足をすくわれます。つまり、年初からのマーケットの流れは、 @ 原油価格の下落→ドル上昇 A ギリシャ危機による先行き不透明感の台頭 → 安全資産であるドイツ国債の買い (利回り低下/一部マイナス化) → 利回りと相関関係にあるユーロ下落 という流れだったのです。ところが、最近になってから、今までずっと下げ続けていた原油価格が上昇に転じる動きをみせたため、それと逆相関関係であるドルが下落をはじめたのです。これにより、「ギリシャ危機」慣れしたマーケット参加者は、新鮮な材料である原油上昇 → ドル安の流れに乗り、ユーロやポンドを対ドルで買いました。

そして、今週に入り、クーレECB理事がロンドンで行った講演の中で、「7〜8月にかけて、夏休みでマーケットが閑散となるため、5〜6月には、必要であれば、月間600億ユーロを超えるQEを実施することになるかもしれない。9月になってマーケットが正常に戻れば、元に戻す。」と発言したことを受けて、ユーロは急落しました。この発言の意味は、「7〜8月の間は、月間600億の購入を維持することが無理かもしれないので、今のうちに600億を越える額を購入し、最終的な帳尻をあわせておこう」と言う意味であり、特に今後継続して、月間600億以上の購入をするという意味では、ありません。しかし、マーケットはこの発言に飛びつきました。そしてユーロ急落となったのです。

それとは正反対に、今週のポンドは週初に下げ、後半で上昇という展開となっています。まず週初は、4月の英消費者物価指数(CPI)が1960年以来55年ぶりにマイナス圏に突入し、利上げ時期後退を織り込みながら、ポンドは下落しました。しかしその後発表された5月の英中銀金融政策理事会(MPC)の議事録内容が予想以上にHawkishとなり、値を戻しました。

議事録が公開されてわかったのですが、MPC9名の理事のうち、2名は政策金利の据え置き決定に対して、意見が変化してきていることが判りました。そうなると、早ければ来月の理事会にも、この2名は利上げに票を入れることになるだろうという見方が出てきたのです。それに加えて、議事録内では、英国の住宅価格の上昇が、ここにきて上げ足を速めている点にも言及しています。

これを受けて、ポンドは堅調推移に転じました。

※クリックで拡大できます

これはユーロ/ポンド週足チャートです。ピンクでハイライトを入れた部分は、0.70〜0.75であり、この部分は上がるにせよ、下がるにせよ、一方通行にグワ〜っと値が動く特徴があるようです。

話しが少し飛んで恐縮ですが、英国のニュース番組で為替市況について報道する時には、必ずポンド/ユーロのレートを表示しており、英国の人たちの目にも1.30とか1.40という表示のほうが、馴染みがあります。この「1.4000」というポンド/ユーロを、ユーロ/ポンドになおすと、0.7142となります。こういう節目では、英国の輸出企業のポンド売りなどが出やすいこともあり、今までずっと0.71台でユーロ/ポンドは下げ止まってきました。しかし、これを書いている時点では、ユーロ/ポンドは0.71台を抜け、0.7095近辺まで落ちてきています。

今月末に、月足ベースで0.7000が下抜けて終わった場合、目先のターゲットとして、0.66〜0.69が視野に入ってくることになると予想しています。特に、ポンド/ユーロ 1.5000となるのが、ユーロ/ポンドの0.6666です。ここはかなり強く意識しています。

最後になりますが、5月27日に英国ではエリザベス女王が施政方針演説を行い、その直後に内閣信任投票が実施され、晴れてキャメロン保守党単独政権が動き始めます。女王のこの演説で、EU離脱の是非を問う国民投票法案が設定され、7月まで議会での審議を経て、大きな反対が起こらなければ、8月末までに正式な法案として動き出します。

この頃からは、ポンドの動向に国民投票の開始時期などが大きく影響を与えることになりますので、注意が必要です。

このあたりについての詳しい説明は、私が一時帰国する6月18日(木曜日)にセントラル短資FXさんでセミナーを行いますので、是非ご参加いただけると幸いです。

セミナーのお申し込みは、このリンクからお願いします!

 

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