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金曜 松崎美子の英国発!すこしFX☆なが〜くFX ロンドン在住の女性トレーダーによる為替&経済コラム

英中銀四半期インフレーション・レポート

更新日:2015年5月15日

5月7日に5年ぶりに実施された英国の総選挙では、伝統的二大政党のひとつである保守党が、過半数議席以上を獲得しました。この結果に一番驚いたのは、他でもない英国民自身です。新政権が正式に発足するのは、5月27日に実施されるエリザベス女王の施政方針演説後ですが、既にキャメロン首相は、「英国のEU離脱の是非を問う国民投票」の実施に向け、根回しを始めました。

これについては、また次回のコラムでゆっくりご紹介するとしましょう。

それでは、本日のコラムでは、今週英中銀(以下、BOE)が発表した四半期インフレーション・レポートをご紹介します。アメリカの次に利上げに動く予定である英国が、果たしていつ頃に利上げとなるのかについても、考えていきたいと思います。

四半期インフレーション・レポート

5月13日にBOE四半期インフレーション・レポート(以下、QIR)が発表され、カーニー総裁と2名の副総裁による記者会見が開催されました。

たまたまQIR発表の前日に、英国の3月分鉱工業生産と製造業生産高の数字が出たのですが、数字が予想を上回り、半年以上ぶりに強い数字となったことを受け、ポンドが上昇しました。このときから、「製造業がこれだけ強いのであれば、明日のインフレ・レポートは、予想以上に hawkish(強気) になるのではないか?」という思惑が広がりはじめ、マーケットは若干ポンド・ロングに傾いたようです。そして、実際のQIRを見た途端、思ったよりもニュートラルな内容となっていたので、一気にポンドの利確売りが炸裂したと私は理解しています。

 

 インフレ・レポートの主な内容

それでは、まず今回発表されたQIRの主な内容をかいつまんでご紹介します。

  • 最初の利上げ時期として、2016年第2四半期を予想
    ⇒ 前回2月のQIRでは、2016年第3四半期を予想
  • マーケットでは、2016年末の金利水準として、+0.9%が織り込まれている
  • GDP予想は、前回2月のレポート時より下方修正
  • GDP予想を下方修正した理由として、@ 長期金利上昇と金利先高観
    A 強いポンド B 住宅建設の遅れと生産性の低下
  • GDP下方修正の理由のひとつとして、ギリシャ危機がある
  • インフレ見通しは、2015年は下方修正、2016年は改善予想
  • 2015年第2四半期のインフレ率は、ほぼ0%で横ばい状態
  • 今後数ヶ月は、マイナス・インフレになる可能性を指摘
  • ただし、英国にデフレのリスクは、ない
  • 生産性について、MPC(金融政策理事会)では判断に困っており、不確実性が最も高い
  • 英国の生産性は、過去の成長期よりも低いレベルに留まっている
  • 賃金上昇率も、2月のレポート時より下方修正
  • 余剰生産能力/経済・労働市場の緩みは、来年には消化できると予想
    ⇒ 2月のレポートでは、消化できる時期として、1年〜1年半後としていた
  • 新政府の予算案発表後に必要であれば、財政政策の度合いによって、金融政策を調整する可能性は、ある
  • 今後の景気見通しを判断する上で、英国のEU離脱に関する国民投票の行方を巡る不透明感を考慮すべきとなるであろう
  • 次の金融政策変更については、利上げであることがBOEメンバーで全会一致

 GDP予想

まず最初に、今回のQIRで発表された英GDP見通しをご紹介します。カッコ内の数字は、前回2月のレポートでの予想。これを見ると、今年を含む3年間全て、下方修正となっています。先ほども書きましたが、BOEは下方修正の理由として、@ 長期金利上昇と金利先高観 A 強いポンド B 住宅建設の遅れと生産性の低下を挙げています。

 

 インフレ見通し

次は、インフレ見通しです。こちらは、GDPとは違い、改善された年もあれば、下方修正された年もあるという感じです。

常にインフレ懸念で悩まされる英国のインフレ率が、今年に入ってからとうとう0%まで落ちた背景には、昨年からの原油に代表される商品市場の急落が大きく影を落としています。しかし、最近は原油価格がジリジリと上昇に転じ、昨年12月の戻り高値である65ドルを上抜き、更に上昇しているところです。もし最近の原油上昇傾向が続くのであれば、2016年に利上げをするというBOEの見解には、私も賛成です。

将来の金利見通し

QIRが出るたびに私が真っ先にチェックするのが、将来の金利見通しのチャートです。いくつも線が描かれているので少し見づらいかもしれませんが、左側が前回2015年2月に出たQIRの金利見通し、そして右側が今週発表されたものです。

 2月と5月のQIRの金利見通し比較

右側のチャートを見ると、今回の英国の金利予想(青い実線) は、2月の見通し(青い点線)よりも、上になっている。つまり、2015年末までは、2月の時の予想とほぼ同じですが、2016年以降は2月時の予想よりも金利上昇のスピードが、若干はやまりますよ!という内容になっています。

チャート: 英中銀四半期インフレーションレポート 2015年5月

※クリックで拡大できます

 民間機関の予想との違い

今週発表された右側のチャートを見ると、2017年Q2の金利水準予想は、だいたい1.25%近く。2018Q2は、1.5%に届くか届かない水準となっています。しかし、民間のシンクタンクや金融機関の予想は、これよりもずっと高く、2017Q2で1.7%、そして2018Q2は2.3%まで上がると予想しているようです。かなり温度差がありますね。

 アメリカと英国の金利見通し比較

私が主要国の金利水準見通しチャートを見る時に、もう一点気をつけてチェックしているのが、アメリカと英国の金利水準が逆転する時期です。現在の両国の主要政策金利は、アメリカが0〜0.25%であるのに対し、英国は0.5%となっており、英国 > アメリカ となっています。しかし、主要国の中で最初に利上げに動くのは、雇用市場が大きく改善し景気回復の足取りが一番しっかりしているアメリカであるという認識で、最近のマーケットは一致しています。

その関係、つまりアメリカの金利が上がり、英国を抜いて、 アメリカ > 英国 になるのはいつなのか?それが非常に気になっていました。2月のQIRでは、青い実線(英)とピンクの実線(米)が交わるのは、2015年末〜2016年初という感じですよね。しかし、今回のチャートを見ると、2つの線が交わるのは、2016年第1四半期の終わり〜第2四半期の初めにかけての頃に遅れてきています。

通貨が動く時には、中央銀行に決定権がある政策金利の水準だけでなく、中央銀行がコントロール出来ない長期金利(国債の利回り)の動向が大きく左右しますので、政策金利だけを見ていても仕方ないのですが、私はどうしてもこの金利の逆転時期の後退も、最近のポンド高を応援しているように思えて仕方ありません。

 カーニー総裁発言の変化

これは、カーニー総裁就任直後から最近に至るまでの、英国の最初の利上げ時期を巡る総裁ご自身やBOEの見解です。

やはり利上げ時期予想が後退すると、ポンドは下落に転じることが多かったようですが、2月時の予想が2016年第3四半期であったのに対し、今月のQIRでは、2016年第2四半期に早まったこともあり、最近のポンド高のサポート要因となっています。

※クリックで拡大できます

最後に、具体的な金利水準の予想を並べたものがありますので、ご紹介しますが、赤枠で囲んだ部分が今回の見通し、そのすぐ下の数字が2月時点での見通しとなっています。今回の予想は、本当にすこ〜しだけですが、2月よりも高めになっているのが確認できます。

キーワードは 「Productivity (生産性/生産能力)」

今回のQIR発表時の記者会見を聞いていて、やたら耳に飛び込んできたのが、「Productivity 生産性/生産能力」という言葉でした。

カーニー総裁やブロードベント副総裁の発言を聞く限り、2月のQIR発表以来、英中銀を悩ませているのが、このProductivityの低さだそうです。昨年までは、Spare Capacity (経済や労働市場の緩み/余剰生産能力) のサイズが、BOEのキーワードだったのが、今回からはProductivityへ変化したようです。

生産性が今後も低いままであると予想しているBOEにとっては、特に利上げを急ぐ必要性はなく、財政政策との兼ね合いも考慮し、最初の利上げ時期を2016年第2四半期としましたが、英系大手銀行なども最初の利上げ時期を同時期と予想していることから、これについては特にサプライズではなかったと、私は考えています。

 Productivity に注目せざるを得ない訳

今までBOEを悩ませていた「Spare Capacity」に関しては、今後1年以内に解消するという見解を今回発表のQIRの中で示しています。それに取って代わったものが、Productivityの低さ。これが低いままであると、生活水準が低下することにもなるため、大きな悩みの種であると語っています。

Productivityが低下している主な理由として挙げられたものは、

  • 生産性の低い雇用が増えている (低賃金による雇用者の増加)
  • 高年齢者の雇用市場への復帰が目立つ
  • リタイア期間が長かった人が雇用市場に復帰すると、仕事を覚えるまでに時間がかかり、生産性の低下は避けられない
  • 移民による労働市場への参加が増えた。ただし、移民が英国で仕事に就く際には、以前就労していた仕事よりも簡単な仕事を見つけるので、そんなに時間が経たないうちに、熟練度は向上していき、それにつれて賃金も上がっていく傾向にある
  • これらの理由により、賃金上昇率は、リーマン・ショック前の半分以下となっている

これはQIRに載っていたチャートですが、雇用者の熟練度を色で示したものです。青い部分は、高いスキルを持った専門的な仕事をする雇用者。オレンジは、中くらいの程度。そして黄緑の部分は、スキルが低い労働者です。特に2014年くらいから、黄緑の低スキル労働者の割合が急激に増加しているのが、わかりますね。

一番最新の英国の人口は、約6,400万人。そして世銀の調べでは、そのうちの51.4%が労働人口と見なされるそうですので、その人数は、約3,290万人となります。その中で、移民などによる「外国人」の労働者数は、だいたい480万人、それに加え本来ならリタイアすべき65歳以上の人による労働市場への参加数は、現在だいたい50万人と見られているそうです。これは単純に計算しても、3,290万人の16%にあたる530万人 (外国人労働者 480万 + 65歳以上 50万=530万人)が低スキル労働者に値する訳です。

果たして、この16%という数字が高すぎるのか、そうでもないのか、他の国の数字がわからないので比較のしようがありませんが、これが今後も英国のProductivityを低める要因であり、これが改善されなければ、我々の生活水準が下がっていく恐れがあるようです。困りましたね…

ここからのポンド

英国の選挙で予想外の保守党単独政権の誕生が決まった時点で、政治的不透明感の払拭と共に、ポンドは急上昇しています。

今までのマーケットを振り返ってみると、年初からのマーケット・テーマは、米国の利上げ期待でした。しかし最近の雇用関連指標の弱さを受け、6月の利上げの可能性は絶望的となり、最初の利上げ時期は、9月から12月へ遅れるという予想がコンセンサスになってきています。

それに対し、今年3月から国債購入を含む量的緩和策を導入し、少しづつ元気が出てきたのが、ヨーロッパです。そこでの景気回復期待が増した分、アメリカへの失望感が高まってきたような感じも受けます。

このように、「アメリカ一人勝ち」のシナリオが少しづつ崩れてきたところに、英国の総選挙が実施され、誰もが予想していなかった保守党の単独政権が誕生したため、おのずと「アメリカ以外の利上げ候補=英国」のポンドが買われたのは自然の流れなのかもしれません。特に選挙に向けて、ポンドをショートにしていた参加者が多かったことも手伝い、損切りが誘発され、アッという間に1.58台まで来ました。

自分のイメージとしては、5月27日にエリザベス女王の施政方針演説が行われ、保守党単独政権が動きだすにつれて、EU離脱を問う国民投票にフォーカスが移ると考えています。英大手のバークレイズ銀行なども、しばらくすればポンドの動きが国民投票の行方に対する不透明感を織り込む形で、下落に転じる可能性を指摘していました。

私自身は、今までずっと、対ドルではポンド売り、対ユーロではポンド買いと、分けて考えていたのですが、実効レートが年初来高値を今週に入って2日続けて更新しているので、ちょっと売りからは入りづらい展開となっています。

EU国民投票が当初予定されていた2017年ではなく、1年前倒されて2016年に実施される可能性が急速に高まったこともあり、ポンドはどこかの時点で大きく急落する筈なのですが、そのタイミングが今すぐでないことだけは、確かです。

実効レートに目を移すと、こんな感じです。これは今年に入ってからのポンド実効レートですが、大雑把に言って、89〜92のレンジ内での動きとなっています。選挙直前に、89を下抜けしそうになったのですが、選挙結果をみて、一気に92台まで上昇しました。

次は、ドルです。

こちらは、年初来安値の94.429をあっさり抜けて、93ミドル付近まで下落がすすんでしまいました。最悪の場合は、90台くらいまでの調整が入ってもおかしくない動きに見えます。

最後に、私が利食いや損切りなどの目安に使っているベガス式手法というものを使って、考えてみます。詳しいやり方は私の「ロンドンFX」というブログを参考にしていただきたいのですが、まずはチャートに【トンネル】と呼ばれる144EMA(青線)と169EMA(黄緑線)の線を2本入れてみます。

2009年当時のポンド/ドルですが、茶色い矢印を入れたところで、ポンド/ドルがトンネルの上に突き抜けました。そこからの上昇幅は、紫の丸で囲んだ50%戻しの少し上までです。

※クリックで拡大できます

もし、今回のトンネルの上抜け後の動きが、2009年と同じになるのであれば、上値ターゲットは、1.58〜1.60台あたりになるのかな?と、今は考えています。

 

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