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金曜 松崎美子の英国発!すこしFX☆なが〜くFX ロンドン在住の女性トレーダーによる為替&経済コラム

英総選挙特集 第二弾

更新日:2015年5月1日

英国では、5年に一度の総選挙投票日があと6日後に迫ってきました。私はこちらのコラムで、今年3月に「総選挙特集」というタイトルで記事を書き、そこでは政党の紹介や支持率の推移など、基本的な項目を選び、皆さんにご紹介しました。

本日のコラムでは、前回2010年総選挙時のマーケットの動きをもう一度復習します。そして、2015年の選挙では、どのような連立政権が出来る可能性が高いのか?その場合のポンドの動きを私はどう見ているのか?など、一歩踏み込み自分の考え方を書いてみたいと思います

2010年総選挙を振り返って

3月のコラム記事でも書きましたが、英国は小政党には不利に働く単純小選挙区制を採用しており、伝統的に保守党と労働党による2大政党制が続いています。戦後、2大政党のひとつが過半数議席を獲得出来ない「ハング・パーラメント」を経験したのは、1974年2月総選挙の一度きりでした。この時は、労働党が過半数に満たない少数派政権を発足させましたが、政権は7ヶ月の短命で終わり、同じ年の10月に2回目の総選挙実施を強いられた苦い経験があります。

 3大政党制へ

イギリスでも2010年総選挙から、各政党の党首による「アメリカ式テレビ討論会」が採用されました。本来であれば伝統的2大政党の党首が出席し激論を交わす予定でしたが、そこに第3党として注目を浴びてきた自民党が加わることになったのです。

2010年総選挙で有権者の関心が高かった項目は、「債務削減・キャピタルゲイン税の行方・大学授業料の無料化」の3点でした。自民党が人気を独り占めしたのは、「大学授業料の無料化」を選挙公約に挙げており、それに若年層が食いついたからに他なりません。英国では、1998年まで大学授業料は無料でしたが、財政逼迫を受け、その年から年間1,000ポンド(約18万円)の授業料を徴収しはじめました。その後、2006年に大学授業料法案が可決し、授業料は3,000ポンド(約50万円)に値上がりしました。そして、総選挙が実施された2010年12月には、2012年より授業料が一気に9,000ポンド(約150万円)に値上げされる法案改正が待っていたのです。そんなタイミングで「大学授業料の無料化」を選挙公約に挙げた自民党が、若年層の支持を大きく増やしたのは当然のことでしょう。

投票直前の支持率調査では、保守党 35%、労働党 28%、そして自民党 27%となり、ハング・パーラメントは確実という予想が高まりました。つまり1974年同様、下手すると数ヵ月後に解散総選挙となる可能性が出てきてしまったのです。1年に2度に渡り総選挙を実施するという事は、政治の空白時期が長引くことを意味します。本来であれば強い政権を樹立し、債務削減に取り組まなければ、トリプルA格を剥奪される瀬戸際だったこの時期に、政治の空白は許されません。格付け変更が起これば、ポートフォリオから英国の国債や株のウエイトを落とさなければならない年金運用者にとっては死活問題です。マーケットでは、この先行きが見えない「不透明感」を極端に嫌いますので、投票日前から手持ちの国債や株の売りが続出し、投票日前一週間だけでも、英国代表的株価であるFTSE100は500ポイント超える急落を、そしてポンドは300ポイントほどの下落を記録したのです。

そして、とうとう投票日が来ました。世論調査の結果を見る限り、保守党が第一党になるであろうという予想には変化がありません。しかし問題は、果たして少数派政権となるのか、自民党と連立を組むのかです。投票日当日も時間が経つにつれ、ますます状況は混沌としてきたため、この日だけでもポンドは更に440ポイント急落。そして、一週間後に新政権が発足してからは、更に500ポイントも下落と、厳しい政治相場が続きました。

※クリックで拡大できます

 新連立政権発足

投票後一週間経った5月13日、保守党と自民党の連立政権が誕生し、首相に就任した保守党の党首キャメロン氏は、何がなんでも英国のトリプルA格付けを維持することを優先し、緊縮財政策の導入を宣言しました。しかしどうしたことか、新政権はまだ何も特別な政策変更を発表していないのに、ポンドはこの瞬間から大きく下落し、この日一日だけでも1.49台から350ポイントの急落となってしまったのです。連立政権は戦後2度目ということで不透明感が増したことは理解出来ますが、これほど一気にポンドが急落するのは違和感があります。実はこの背景には、有権者の関心が高かったキャピタル・ゲイン税に対する自民党の選挙公約が影響していたのです。同党は、「赤字削減のため、わが党はキャピタル・ゲイン税改革を実行し、所得税率と同じ税率を適用する」という公約を掲げていたのです。

当時キャピタル・ゲイン税は一律18%でしたが、自民党の提案は、所得税と同じ税率である40〜50%へ引き上げるというものです。企業のトップやビジネス界の人達は、保守党に票を入れれば自分達を裏切るような税制改革は避けられると信じ、票を入れました。しかしいざ蓋を開けてみると、「所得税だけでも、50%も払っているのに、今度は同率のキャピタル・ゲイン税を払えなんて、労働党政権よりもヒドイじゃないか...こんな事になるとわかっていたら、保守党に票を入れなかったよ.....」と非難ごうごうとなりました。そして問題は更に深刻化し、英国がこの税率を40〜50%まで上げた場合は、国内に本拠地を置くヘッジファンドや投資顧問などが、キャピタル・ゲイン税が0%であるスイスやオランダにオフィスを移すと名乗り出たため、英国は世界最大の金融センター機能を奪われることになると悲惨な報道が目立ち始めたのです。

英国は金融立国であり、金融業が弾き出すGDPへの寄与度は約10%と群を抜いて高く、特にこのわずか1平方マイルの金融街シティーだけでも、GDPへ4%も寄与しています。ただでさえリーマン・ショック後の景気低迷で苦しんでおり債務削減をしなければ格下げリスクが待っているタイミングで、今度は金融センターとしての位置も脅かされたのでは、たまりません。極端な話、英国から金融業を奪い去れば、この国は「中規模の欧州のひとつの国」に成り下がってしまうのです。「シティーがなくなるかもしれない...」この事実は衝撃的でした。金融立国として失格となる英国、景気低迷が長引き債務削減も進まず、格下げは時間の問題...そういう雰囲気が垂れ込み、特にシティーのディーラー達が悲観ムードいっぱいで株やポンドを売り始めたのです。

チャート: ロンドン証券取引所

新連立政権発足から1ヶ月経った6月22日に緊急予算案が発表されましたが、注目されたキャピタル・ゲイン税は所得額に応じて18%か28%の二者選択となりました。しかし、18%据え置きとならなかったことを受け、これが理由でヘッジファンドや投資顧問が他の国へ本拠地を動かせば、優秀なディーラー達がロンドンから一気に海外へ出て行く可能性が高まったために金融セクター株の売りがかさみ、株式市場は大きく窓を開けて下落でスタートとなりました。

2015年総選挙、連立政権の組み合わせ予想

2010年の総選挙時の相場展開をお話ししましたので、今度は今年の選挙結果について考えてみましょう。

この国の代表的な賭け屋:Paddy Power社の現在の掛け率をご紹介しながら、自分の予想を書いてみました。この掛け率は毎日何度も変化しますので、皆様がこの記事をお読みになる時には賭け率が変更していることもあります点、ご理解よろしくお願いいたします。

 選挙結果発表後、初動がポンド買いになると思われる場合

  • 保守党単独政権 (掛け率 6/1  可能性 14.3%)
  • 労働党単独政権 (掛け率 33/1  可能性 3%)
  • 保守/自民党連立 (掛け率 7/2  可能性 22.2%)

 選挙結果発表後、初動がポンド売りになると思われる場合

  • 保守党少数派政権 (掛け率 4/1  可能性 20%)
  • 労働党少数派政権 (掛け率 13/8  可能性 38%)
  • 2大政党である保守党/労働党との連立 (掛け率 40/1  可能性 2.4%)
  • 保守党/UKIP連立 (掛け率 40/1  可能性 2.4%)
  • 保守党/自民党/UKIP大連立 (掛け率 50/1  可能性 2%)
  • 労働党/SNP連立 (掛け率 11/1  可能性 8%)
  • 労働党/自民党/SNP大連立 (掛け率 25/1  可能性 3.8%)
  • 労働党/UKIP連立 (掛け率 100/1  可能性 1%)
  • UKIPを含むいかなる連立 (掛け率 33/1  可能性 3%)

 マーケットの反応が予想つかない組み合わせ

  • 労働党/自民党連立 (掛け率 9/1  可能性 10%)
  • 労働党/自民党/緑の党大連立 (掛け率 66/1  可能性 1.5%)

それ以外の項目の掛け率と可能性

次は連立政権の組み合わせ以外の賭け項目と、その可能性をチェックしてみました。

・過半数以上の議席を取る政党があるか?

  • ない(ハング・パーラメントとなる) (掛け率 1/8  可能性 88.8%)
  • 保守党が過半数以上の議席をとる (掛け率 6/1  可能性 14%)
  • 労働党が過半数以上の議席をとる (掛け率 33/1  可能性 3%)

賭け屋さんでの可能性を見る限り、9割近くの人が今回の総選挙では、どの政党も過半数以上の議席が取れないハング・パーラメントになると見ています。

・次期首相は?

  • ミリバンド党首(労働党) (掛け率 8/13  可能性 62%)
  • キャメロン首相(保守党) (掛け率 5/4  可能性 44%)

過半数以上の議席を取る可能性は保守党のほうが若干高いのに、次期首相候補としては、労働党のミリバンド党首の可能性が高くなるというチグハグな結果になっています。

・新政権が樹立する時期

  • 5月8日かそれ以前 (掛け率 5/1  可能性 16.6%)
  • 5月9〜11日の間 (掛け率 7/2  可能性  22%)
  • 5月12〜14日の間 (掛け率 7/2  可能性 22%)
  • 5月15〜17日の間 (掛け率 7/2  可能性  22%)
  • 5月18〜20日の間 (掛け率 5/1  可能性  16.6%)
  • 5月21日以降 (掛け率 11/4  可能性  26.6%)

これには私も驚いたのですが、新政権が樹立する時期として一番人気は、「5月21日以降」となっています。もしこの予想が正しければ、連立交渉にかかる期間は2週間以上ということになってしまいます。2010年総選挙では、連立政権樹立までに一週間かかりましたが、その間もポンドは乱高下して、かなり神経質な展開を強いられました。もし今年はその倍の2週間以上かかるという賭けが実現してしまうと、相当為替市場が荒れることが予想されます。

過去の選挙時の英経済と通貨の動き

次は、1980年から最新の2010年総選挙までの英GDPの動きや通貨の変動に焦点を合わせてみました。

まず最初は、総選挙が実施された年のGDP値です。これを見ると、1992年だけ低成長となっています。この年は、英国総選挙の5ヵ月後、ヘッジファンド・マネージャーとして有名なジョージ・ソロス氏が過大評価されていると判断したポンドを売り浴びせたブラック・ウェンズデーが起こり、この国の経済はメチャクチャになりました。

しかし、それ以外の年は総じて「そこそこの成長率」を記録していることがわかります。

次は、総選挙が実施された月の月初のレベルから月末時点のポンド実効レートの変化率です。上げと下げともに3回ずつとなっていますが、変化率だけを見ると下げた時の動きの方が激しそうですね。

現在英国で心配されている政治リスク

戦後で3度目のハング・パーラメントとなる今回の総選挙、結果発表後に起こるかもしれない心配事を自分なりに考えて書き出してみました。

  • 果たしていくつの政党が組み合わさった連立政権が誕生するのか?
  • 保守党主導の連立政権となり、キャメロン首相が再選された場合は、(特にUKIP党が連立に参加したら)EU離脱に関する国民投票の実施時期が、当初の2017年から2016年に前倒されるリスクが台頭する。国民投票の前倒しが決定となれば、企業は英国への投資決定を先送りすることが考えられ、今年後半のGDP下押し要因となる。株式市場や為替にもネガティブな影響は避けられないだろう。
  • 労働党主導の連立政権が誕生すれば、現政権が真摯に取り組んできた財政赤字削減/財政均衡に向けた努力が水の泡となり、赤字拡大のリスクが台頭する可能性が出てくる。労働党は伝統的に金融機関に対して厳しい態度で臨むことがあるため、銀行株の下げリスクが既に指摘されている。この心配に対して、ミリバンド党首は、今までの労働党とは違い、歳出が増える場合は、借り入れを増やすということは絶対にやらず、その手当てをどこから確保するのか、国民にきちんと説明すると語っている。
  • つまり、保守党が勝とうが、労働党が勝とうが、ネガティブなリスクがついてまわる
  • どの党が勝っても、連立交渉に時間がかかるとみられ、政治の空白は避けられない。極端な接戦となったり、保守・労働党いずれも連立相手と折が合わなかったりすると、最悪の場合、2回目の総選挙実施の可能性も捨てきれない
  • SNP党が予想をはるかに超えて議席数を増やした場合には、新たなスコットランド独立に関する国民投票の実施を含めた動きが表面化するリスクがある。

為替への影響

2010年総選挙では、戦後2度目のハング・パーラメントとなり、英国の政治に対する不透明感が増し、ポンドが急落したことは既に説明しました。2015年の場合、ハング・パーラメントに関しては、選挙前のマーケットに既に織り込み済みと思われ、金利先高観を根拠にポンド買いが先行しているところです。しかし、ポンドを買う時には、相手通貨をきちんと選ばないと、思わぬところで足をすくわれないとも限りません。

選挙後のマーケットで私が一番恐れているのが、キャメロン政権が再選され、UKIPと連立を組む組まないにかかわらず、保守党内の反欧州勢力に押され、EU離脱の是非を問う国民投票を前倒しする場合です。その場合、マーケットは不透明感を嫌気して、いきなり下落に転じるリスクが生じることでしょう。

これに加え、欧米大手行の多くが予想している通り、今年か来年中に、「ユーロ/ドルがパリティー(1.0000)を達成する」という展開になった場合、ポンド/ドルは1.47台、1.45台を経て1.42台のサポート、最終的には2000年代初期に何度か試した1.40台まで下落してもおかしくありません。繰り返しますが、この動きは、あくまでも【ユーロ/ドルのパリティーまでの下落と歩調を合わせて落ちる】という意味であり、ユーロ安だけでなく【ドル高を巻き込んだ相場展開の元ではじめて可能】となります。

ある大手米系銀行は、2016年に国民投票実施の可能性を織り込むような相場展開となった時には、ポンド/ドルが1.38台まで下落し、来年も引き続きポンド安が続く公算が大きいという相場展望を述べていました。

これとは全く逆に、総選挙では予想以上に保守党が奮闘し、キャメロン氏以外の人間が首相となれば、国民投票のお約束はご破算になります。またはキャメロン首相が続投となったとしても、UKIPと連立を組まない、あるいは保守党内部の圧力がかからない限りは、国民投票実施は予定通り2017年に実施されるでしょう。

そうなると、ポンドを取り巻く政治リスクが軽減しますので、ユーロ/ドルが下落しても、ポンド/ドルは上昇、または大きなレンジに入ることも可能だと思っています。

最後になりますが、最新の世論調査では、保守・労働党がそれぞれ33〜35%の支持率を示しており、5月4日(月曜日)の英国のバンクホリデー翌日から7日にかけて、2010年同様、政治的不透明感を嫌気したポンド売りが出てくるという予想は未だに根強く残っています。

 

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