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金曜 松崎美子の英国発!すこしFX☆なが〜くFX ロンドン在住の女性トレーダーによる為替&経済コラム

欧州中銀(ECB)金融政策会合を終えて

更新日:2015年4月17日

今週木曜日から米ワシントンでG7財務相・中央銀行総裁非公式会議とG20会合、そして国際通貨基金(IMF)/世銀春季会合が開催されているため、4月のECB理事会は通常の木曜日ではなく、一日早い水曜日に行われました。

2009年に発覚したギリシャ債務危機の時を彷彿させるような「新たなギリシャ危機」が、ここにきてマーケットを騒がせています。しばらく忘れかけていたGrexit(ギリシャのユーロ圏離脱)という言葉が連日市場をにぎわせており、3月から開始されたECBの量的緩和策のおかげでユーロ加盟国全ての国債価格が上昇し利回りが低下する中、ギリシャ国債だけ売られ続け、長期金利が上昇するという異常事態が発生しています。

そんな際どいタイミングでの理事会開催となりましたが、今回はドラギ総裁が冒頭で声明文を読み始めて3分も経たない頃、記者団の席に座っていた女性が、総裁に襲い掛かるというアクシデントが起きました。私もライブで見ておりましたが、もしナイフでも持っていたら、ドラギ総裁の心臓を一突きで刺せる状態でしたので、恐ろしいなと思いました。たぶん、今後はECBの警備の強化が絶対に必要となることは間違いありません。

ECB理事会からの発表とドラギ総裁記者会見

 ドラギ総裁の発言内容と値動き

主要政策金利は、予想通りに全て据え置き決定。ドラギ総裁の記者会見は女性による襲撃で中断されたものの、数分後には再開されました。
同総裁の発言内容をまとめると、

  • 2014年末から、ユーロ圏経済は一段と改善したが、リスクは下向きのまま
  • ただし、経済へのリスクは、よりバランスが取れてきた
  • インフレ率は向こう数ヶ月はマイナスのまま、年末にかけて上昇すると予想
  • インフレが持続性を持って調整することが確認されるまで、資産購入(QE)を続ける方針
  • QEはスムーズに行われており、効果がうかがえる
  • 購入対象となる国債が不足するという懸念は、時期尚早
  • 購入対象の国債を増やすためのデポジット金利カットは、行わない
  • 為替レートは政策目標ではない
  • 為替レートがインフレ率へ与える影響は、はっきりしない。 (昔ほど影響を及ぼさないという意味にも取れるようなニュアンスがありました) 過去のユーロ高の反動もあったのだろう
  • ドイツの経常黒字に関しては、ECBの責務の範囲ではないため、なんとも言えない
  • 2016年9月までのQE実施を早期に終了させる可能性に、市場が大きな関心を寄せていることに、驚いている
  • ECBは必要とあれば、QEの内容を調整したりすることも出来る
  • ユーロ圏で資産バブルが起きていると判断する証拠は、みられない

こんな内容となっており、予想ほどハト派でもタカ派でもなかった印象を受けました。会見の最中からユーロは対ドルで上昇していきましたが、この背景には米国から発表された経済指標が予想より弱かったことと、購入対象の国債を増やすために、ECBがデポジット金利をカットするような事はしないと総裁が明言したため、「デポジット金利は現状の-0.2%が当面の下限であり、追加利下げは期待しなくてよい」とマーケットは受け止めたと考えられます。

 購入対象となる国債不足と追加の金利カットについて

今回の理事会前に市場で話題になっていたのが、「量的緩和策で購入する加盟国の国債が不足する心配」でした。ECBの国債購入プログラム(Public Sector Purchase Programme PSPP) で購入対象となる国債利回りは、ECBのデポジット金利 -0.20%より高いものであると定義されています。

ドイツ国債を例に取ると、購入対象となる2年〜30年物国債のうち、利回りが-0.2%を下回っているものは既に全体の28%にも達しています。そして、今後のPSPPの継続に伴い、ますます利回りの低下が予想されることもあり、購入する国債が大きく不足するのではないかという心配が出てくるのは、自然なことだと私は思っています。この国債不足が現実に起きているのが、バルト3国です。ここは、ユーロ加盟国の中でも国債市場の規模が小さいため、既に購入対象の国債がなくなってしまい、代わりに機関債の購入を実施していると聞きました。

これに対してドラギ総裁は、「国債の購入対象を拡大する意図で、デポジット金利をカットすることは、やらない。」とはっきり答えました。

ただし、格付け大手:ムーディーズの副社長は今週に入り、「このままのペースでECBが国債購入を続けると、早ければ今年の年末か来年早々にも購入対象となる国債が不足する可能性が出てくる。その場合、ECBは購入対象の変更を余儀なくされることになるだろう。」と警告を送っています。それに加え、「今後も国債利回りの低下が今までの半分のスピードで進んでいった場合、オーストリア・フィンランド・フランス・アイルランド・オランダそしてポルトガルが国債不足に直面することが考えられる。購入期間が終了するまで国債不足に陥らないのは、スペインとイタリアだけだ。」とも、付け加えています。

まだ資産購入が始まってから一ヶ月しか経っておりませんので、今すぐ慌てることはないのかもしれませんが、長期金利のマイナス化が止まらない限り、ドラギ総裁の記者会見のたびにこの問題が問われることになると、私は考えています。

 資産購入の早期終了やテーパリングの可能性について

資産購入が開始されて、やっと一ヶ月経った今、気の早い銀行は「2016年9月を待たずに、ECBは資産購入を早期に終了する、またはテーパリングを開始するのではないか?」という見解を述べ始めています。それと言うのも、偶然かどうかは別にして、最近のユーロ圏経済を見ると、民間向け貸付を含むマネーサプライやインフレ率そのものも少しづつ改善しているため、意外と早い時期にインフレ率の2%達成をやってしまうのではないかという見方が出始めた証拠だと思います。

チャート: ECBウェブサイト

※クリックで拡大できます

この点について、WSJ紙の記者が質問したのですが、ドラギ総裁は、「資産購入がスタートして、わずか一ヶ月で既にテーパリングの話しをするということは、フルマラソンで1キロ目を通過したところで、もうリタイアするか?と聞いているのと同じことである。」と、マラソンを例にして説明しました。

同総裁は更に一歩踏み込み、ECBが2016年9月まで量的緩和を継続するのは、Expected (そうなるよう期待を寄せる)ではなく、Intended(目標を達成することを強く意図する) であることも強調しています。

「expected とか intendedとか、いったい何のことですか?」という方がいらっしゃるかもしれませんので説明しますと、これはドラギ総裁が記者会見の冒頭で読み上げる声明文の中で≪国債を含む量的緩和策≫について説明する際、ECBはどのくらいの期間に渡り、量的緩和を継続する意志があるのかを表現する目的で使われている単語です。

As regards non-standard monetary policy measures, on 9 March we started purchasing euro-denominated public sector securities as part of our expanded asset purchase programme, which also comprises purchases of asset-backed securities and covered bonds. Purchases are intended to run until the end of September 2016 and, in any case, until we see a sustained adjustment in the path of inflation that is consistent with our aim of achieving inflation rates below, but close to, 2% over the medium term.

昨年11月までECBは「expected」 というやや弱いトーンの単語を使って表現しておりましたが、12月からはECB理事達の≪本気≫が感じられる「intended」 というやや強いトーンの表現に変化してきました。ただし、「2016年9月まで必ずやります!」という政策目標(ターゲット)には、なっておりません。これは、あくまでも私個人の意見ですが、もしかしたら理事達の中には、資産購入プログラムの実施時期をきちんと決めてそれを政策目標にすべきという意見もあれば、そこまでする必要はないと考えている方もいて、それぞれの意見を調整して、ここに落ち着きどころを探ったのではないのかと考えています。

最後にもうひとつ私自身の意見を述べるのであれば、先行きのインフレ見通しを判断する上でECBが使っている【5年先5年物インフレーション・スワップ金利】を見ると、2020年のインフレ率見通しは、+1.7%となっています。これは、ECBのインフレ・ターゲット(2%を少しだけ下回る水準)より更に低いレベルですので、やはりテーパリングや終了時期を語るには、時期尚早であると言ってもよいでしょう。

 資産バブルについて

2008年に世界を震え上がらせたリーマン・ショック以降、主要各国ではゼロ金利に加え、自国の国債を購入するなどの量的緩和政策を導入してきました。この世界規模の緩和政策の長期化のおかげで、株式や国債市場では資産価格バブルの兆候が見えてきたと指摘するエコノミストはたくさんいます。

それに対してドラギ総裁は、「資産価格の上昇によるリスクは常に意識しているが、現在ヨーロッパで資産バブルが起きている証拠はない。もし、それが実際に起きた場合には、過去に実施した金融政策を緩和から引き締めに逆戻りさせるのではなく、マクロプルーデンス*規制を強化し、対応するのが一番好ましいと考える。」と語っています。

私は、果たして欧州の株価や国債価格がバブル状態なのか判断がつきませんが、少なくともユーロ加盟国の国債残高のうちの25〜30%が既にマイナス金利になっていることを考慮すれば、少しづつではありますが、バブルの兆候を見せはじめてきたのではないか?と思わざるを得ません。

*マクロプルーデンスとは?日本銀行ウェブサイト外部リンク

ECBの資産購入プログラムの進捗具合

ECB理事会の様子はわかりましたので、次は3月9日からECBが開始した資産購入プログラムの進捗状況を調べてみたいと思います。過去のコラム記事でもご紹介しましたが、主な要点は

  • 資産担保証券(ABS)とカバード・ボンド(CB)に加え、加盟国の国債や機関債の購入(PSPP)が加わる
  • 月額600億ユーロを目指す
  • 購入配分としては、ABSとCB合計で100億ユーロ規模、残りの500億ユーロで国債と機関債を購入する
  • 500億ユーロのうち、12%にあたる60億ユーロが機関債へ。88%に当たる440億ユーロが国債購入用となる

以上の内訳を頭に入れて、実際の数字をチェックしてみましょう。PSPPが開始されてから早いものでもう5週間が過ぎました。「月額600億」ということで、開始から4週間の数字を見てみました。

※クリックで拡大できます

ABSとCB合計で100億ユーロの購入予定となっていますが、実際には118億ユーロの実績。国債と機関債(PSPP)は、合計で500億ユーロのところ、525億ユーロ。結果として、合計600億ユーロの予定に対し、643億となっており、予定額を大きく超えていました。

購入する国債が不足するのではないかという心配が、あながち的外れでもないほど、国債購入額が大きいですね。

ECBのバランスシート残高

資産買い入れは予定額を大きく超えているとわかりましたので、果たしてそれがECBのバランス・シートにきちんと反映されているのかが心配になってしまい、早速調べてみました。

このチャートをご覧になると一目瞭然ですが、量的緩和策(QE)を終了した米FRBのバランス・シート残高(チャート上の赤いライン)は横ばいから若干減少に転じようとしていますが、ECBの残高(青いライン)は、今年に入ってから一気に増加に転じています。これは、まさに粛々とすすむ資産購入効果といったところでしょう。

ちなみに記録用として数字を挙げておきますが、一番最新のECBの残高は、2兆3489億6300万ユーロ。それに対して、FRBの残高は、4兆4834億1900万ドルとなっていました。

ここからのユーロ

まず短期の動きを見るために、ユーロ/ドルの1時間足チャートを見てみましょう。私は週末にその週の作戦を立てますが、今週は1.0720/30 (チャート上の黄色いハイライト) で売って、損切りを30ポイント離して置くことに決めていました。最初は上手くいきましたが、木曜日に1.0760を越えたので、一旦終了です。

次は日足です。これを見ると、昨年5月に、50SMA(50日線)を下抜けして以来ずっと、その下で推移しています。最近になり、2012年のギリシャ債務危機を髣髴させるようなGrexit(ギリシャのユーロ圏離脱)リスクが台頭してきましたが、ユーロは大きく下がりもせず、行ったり来たりしています。ですので、ここからは50SMAまでの戻しを意識しています。現在のレベルは、1.0970/75。

最後は、私がポジションを取る上で、一番注意している週足チャートです。まず、ユーロが誕生した1999年からの週足を出し、200SMAを入れました。チャート下部の赤いラインは、200SMAから現在のレベルが、どの程度乖離しているのかを、数値で示したものです。

※クリックで拡大できます

1999年から現在までで乖離レベルが【マイナス15】を下回ったことは、@〜Cまでの4回だけ。Dは、-13.97まで下げています。

@〜Bの時の上昇時は、それぞれ900〜1300ポイント戻しています。この当時はユーロ誕生直後で、マーケットの誰もがユーロの先行きに不安を持っていたため、買い手不在のマーケットでした。最後は止むに止まれずECBがユーロ買いの介入を実施したため、900〜1300ポイントの戻しがあっても、ある意味不思議ではありません。Dの時は、ギリシャ債務危機が発覚した直後ですが、ここではナント2400ポイントも戻しました。

このように、乖離値がマイナス15を超える、またはそれに限りなく近いレベルまで下がった後は、物凄いショート・カバーが起きています。現在はマイナス20をも下回ってる究極のマーケットですので、普通であればとっくにユーロをロングにしているのですが、いつギリシャがユーロ圏を離脱してもおかしくない【Grexitリスク】が高いため、ユーロを買うこともはばかれます。

私は長期のチャートに逆らうポジションは持たないようにしていますが、今回はそれに加えて『頭では買い、心は売り』と気持ちに揺れがあるため、手を出していません。迷いがあると、判断が鈍ります。中長期的には、アメリカの利上げは年内か来年にも実施されると考えておりますので、戻ったところは売るつもりです。ただし、短期的にはGrexitリスクや、その後の波及効果、またはGrexitが起きなかった時の相場が今ひとつ予想がつかないため、今は待ちの姿勢を貫いているところです。

 

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