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金曜 松崎美子の英国発!すこしFX☆なが〜くFX ロンドン在住の女性トレーダーによる為替&経済コラム

トルコ徹底解明

更新日:2015年4月10日

アメリカが量的緩和策(QE)を終了し、ドル高がジワジワと浸透してきてからというもの、高金利で人気を集めていた新興国通貨がダメージを受け始めてきました。日本の証拠金取引者の間で高金利通貨として人気が高いトルコリラも、最近は苦戦を強いられています。私自身も、このトルコという国が大好きで、学生時代にトルコ語教室にわざわざ通い、3ヶ月旅してまわった思い出があります。

本日のコラムでは、トルコについて、たっぷり書いてみようと思いました。

トルコ基礎知識

トルコの正式名は「トルコ共和国」と呼ばれ、アジアとヨーロッパにまたがる重要な位置を占めています。同国のGDPは約8,130億ドルであり、世界第18番目の経済規模です。人口は、約7,800万人。首都のアンカラはアジア側に位置していますが、最大の都市であるイスタンブールは本当の意味でのアジアとヨーロッパをつなぐ要所です。

イスラム国家ですので、どうしても中東という印象を強く受けますが、同国は2005年からずっと、EU(欧州連合)加盟交渉を続けているだけでなく、EUの前身であるEEC(欧州経済共同体)へも1963年に加盟申請していたので、既に50年以上もEU加盟を待ち続けていることになります。EU側がトルコの加盟に対し、なかなか首を縦に振らない理由としては、トルコでの人権保護に対する姿勢や、同国からの労働移民の増加に対する警戒心、そしてシリアやイラク・イランと接する地理的な問題でも、安全保障上マズイのではないかという考え方が浸透しているからだと思われます。

私自身も自分で旅行して感じたのですが、この国の最大の強みは、文頭でも申し上げましたが、アジアとヨーロッパ両方にまたがる地理的な優位性だと思います。今後トルコ経済が安定してくれば、国境を接しているロシアCIS、EU、そして中東北アフリカ(MENA)などの経済活動の拡大や貿易面、エネルギー輸送などの恩恵を受け、発展が期待できます。

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トルコの経済と通貨

この国の経済は常にインフレとの戦いでした。それも5%や10%というインフレではなく、50%を超えることが「当たり前」状態でした。国際通貨基金(IMF)が半期に一度発表する「世界経済展望」を見ると、1992年から2001年までの10年間における同国の平均インフレ率は、74.9%となっており、これでは経済運営がうまくいかないのも仕方ないな・・・と変な納得をしてしまいました。

チャート: トルコ中央銀行ウェブサイト

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1999 年に2 度の大地震を経験するという不幸に見舞われたこともあり、トルコ政府はその翌年にはIMFの改革プログラムを受けながら経済の建て直しに取り掛かりました。しかしその矢先にアルゼンチンから端を発した金融危機の影響を受けてしまい、同年のトルコ経済は、6%近い経済収縮となっています。

通貨危機の影響を避けられなかったリラは、2001年2月に変動相場制へ移行し、事実上のリラの切り下げとなりました。この移行のきっかけとなったのは、当時のセゼル大統領とエジェビト首相が対立関係であったため政局不安が高まり、それが金融不安にまで発展し、株価が30%も下落するという、とんでもない状態に陥った事実があります。そして移行と同時に、今度は通貨リラが対ドルで60%も下落してしまい、高インフレが加速し、トルコ経済は破綻寸前まで追い詰められたのです。

そんな中、2002年に総選挙が実施され、公正発展党(AKP)が全議席550のうち、363議席を確保するという圧倒的に強い政権が誕生しました。翌年3月に新しく首相に就任したのが、現在のトルコ大統領であるエルドアン氏でした。首相就任後は、議会で絶対的過半数議席を有しているため、政策を遮断する勢力が出てこないことが追い風となり、IMFの改革案に忠実に従い、現実的な政策運営が可能となりました。民営化やインフラ投資などを実行し、当時のエルドアン氏はトルコ経済に改革の風を吹かせカリスマ的存在となりました。しかし、2014年に大統領に就任して以来、リビアの亡きカダフィー大佐と比較されるような独裁主義的存在へと豹変しています。

2003年にエルドアン氏が政権を取ってからの経済運営が功を奏し、インフレ率も一挙に一桁台まで下がってきました。それに伴い経済成長も確実に伸びていき、総選挙が行われた2002年からの5年間のトルコは、年平均6.9%という高い成長率が続きました。そして、2005年1月には≪100万リラ=1新リラ≫とするデノミネーションが実施されたのです。

1990年代のように平均70%台という驚異的なインフレ体質ではなくなり、政治的な安定も手に入ったトルコは、2010年以降毎年平均6%の経済成長率(GDP)を達成していますが、未だに政府の借金体質や、トルコ中銀が設定したインフレ・ターゲットを上回る高インフレ傾向には歯止めがかかったとは言えません。IMFが昨年11月に出したトルコに関する報告書でも、更なるインフレ率の低下により競争力をつけながら、対外債務の削減に努めるよう忠告しています。

エルドアン大統領

2003年に首相に選ばれた当時は、トルコの繁栄のために経済・金融改革などを打ち出したカリスマ政治家として人気を集めました。しかし、同国ではじめて直接選挙で大統領が選ばれることとなった2014年の大統領選挙に立候補し、過半数の票を獲得し当選を果たした頃から、おかしな噂が流れるようになってきたのです。
大統領選を9ヵ月後に控える2013年12月、自身の内閣から3閣僚が辞任に追い込まれたトルコの土地開発についての汚職事件をめぐり、エルドアン氏の家族もそれに関与していたという疑いが出て、同氏の辞任を求める声が高まってきました。これを押さえるために、世論を遮断する手段として、Twitterを使えなくするという驚くべき行動に出て、国民全ての言論の自由を奪ったのです。このような信じられない手段を使ってでも大統領職にしがみついたエルドアン氏ですが、大統領選では、見事に当選しました。

そして今度は大統領に就任後、総工費約700億円をかけて、1,000部屋もある大統領公邸を建設。そこには、自身が口にするものは全てチェックする食品検査室が設けられたそうです。暗殺を極度に恐れる同大統領は、海外への訪問をする時にも、この検査員を同行するほどの念の入れようとか...

このように大統領に就任して以来、権力の集中を図るあまりに、少しでも自分に対し否定的な報道が出ると、そのメディアの発行元や記事を書いた記者などを逮捕し、反対勢力の声を徹底的に潰しにかかっています。トルコ国外のメディアでは、「独裁政権」とか「民主主義の崩壊」というタイトルで記事を書いている記者もいました。

エルドアン大統領と中銀との関係

昨年エルドアン大統領が就任してからというもの、中央銀行の決定にたびたび口を挟み、金融政策があまりにも政治的決断を反映しているので、投資家のリラ不信を映し出す形で通貨安が加速しました。特に昨年はアメリカの早期利上げ観測が浮上したこともあり、一部の新興国で金融不安が再燃。大きな事件としては、中国の国有商銀最大手:中国工商銀行が3年前に組んだ30億元(約510億円)規模の高利回り金融商品に関するデフォルト懸念が表面化。それに続き、アルゼンチン・ペソの下落を受け、ドル売り/ペソ買いの介入を継続していたアルゼンチン中央銀行が、外貨準備高の減少が激しすぎることを理由に、介入によるペソ支援を断念することを発表したのです。アルゼンチンがこの決定をしたのと同じ日に、トルコ中銀は金融政策会合を開催しましたが、通貨安を食い止めるための利上げ予想が多かったのにもかかわらず、翌月予定されている統一地方選挙前に経済を冷え込ます利上げは絶対にさせないと決めたエルドアン氏は、執拗に中銀に圧力をかけました。最終的に、トルコ中銀は政治的圧力に屈して「政策金利据え置き」を発表。これを嫌気した市場参加者は、一気にリラ売りに傾いたという出来事がありました。

トルコ政府は、2014年の経済成長目標を+3.3%に設定していましたが、最終的なGDP値は+2.9%となったことを受け、大統領は是が非でも2015年6月に実施される総選挙で勝つために、中銀への圧力をますます高めています。同大統領は、中銀が利上げをしたら企業の借り入れコストが高くなるので、景気回復に水を指すと強く信じているため、インフレ抑制の利上げではなく、景気浮揚の利下げを要求するという行動に出てきたのです。そして、この手の政治介入は大統領だけでなく、トルコ経済全般の総責任者である副首相も、大統領の支持率を上げる目的で中銀の金融政策理事会の前日に、「明日は利下げをするだろう。」と勝手な発言をして、マーケットに不必要な混乱を招いています。

文頭でも書きましたように、アメリカの利上げ観測がでてきたため、トルコだけでなく新興国全般から資金が流出していますが、エルドアン大統領が口を開くたびに、トルコ通貨は売り浴びせられています。政治的圧力と戦い、疲れ果てたバシュチュ中銀総裁には辞任の噂も出ていますが、大統領は政治が金融政策決定に関与することを全く恥じず、独立した中央銀行のクレディビリティーなどお構いなしの態度を貫いており、これは当面変わらないように感じます。

トルコ中銀四半期インフレーション・レポート

私も調べるまで知らなかったのですが、トルコ中銀は毎年1・4・7・10月に四半期インフレーション・レポートを発表しています。最新版が今年1月27日に出ていたので、内容を確認してみました。

 GDPとインフレ率

左側のチャート上の赤いラインが、四半期ごとのGDP(年率)です。かなり乱高下が激しいですが、2014年に入ってから、つまりエルドアン氏が大統領就任してから、ガクッと下がっています。

それに対し、右側のコア・インフレ率は、ジリジリと上昇しており、経済運営が厳しそうだなぁ...と、これを見ていて感じました。

チャート: トルコ中銀四半期インフレーション・レポート 2015年1月27日

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 経常収支

トルコという国は、過去からずっと経常収支が万年赤字であることで有名です。本当かな?と思い調べてみると、最近になっても赤字体質は全く変わっていませんでした。このチャートでは、赤い太線で描かれているのが、それです。

 鉱工業生産高と失業率

こちらも結構厳しい現状を表わしていますね。左側のチャートは鉱工業生産高ですが、2010年からほぼずっと継続的に落ち込んでいます。右側の失業率(赤いライン、左軸)は、ユーロ圏加盟国のギリシャやスペインよりはずっと良い数字ですが、2桁台に乗ったり乗らなかったりと、その辺をフラフラしていますね。

チャート: トルコ中銀四半期インフレーション・レポート 2015年1月27日

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数字が悪くなっているのが、全てエルドアン大統領のせいだという気はありませんが、選挙があるたびに、中央銀行に圧力をかけて金融政策も財政政策も自分の思い通りにするスタンスが長期化してしまうと、トルコ経済が悲鳴を挙げることになるかもしれず、ますます投資家離れが進む可能性が心配されます。

トルコリラを取引する際の注意点

日本で証拠金取引をする人たちだけでなく、ヘッジファンドなどの投機筋も、金利の安いユーロや円で借り入れして、高金利のトルコリラで運用する「キャリー取引」を行っていました。しかし、アメリカの利上げ観測が高まったことに加え、トルコ中央銀行が政治の圧力に屈して、インフレ率が中銀設定のターゲットである5%を上回っているのにもかかわらず、利上げではなく、利下げを実施しているために、どんどん通貨安が進みました。この通貨安で運用利回りが確保出来ないと判断した投機筋は、ポジション解消のリラ売りを浴びせ、今年に入ってからだけでも、対ドルで15%程度のリラ安が進行しています。

高い金利がつくということは、金利が高くなければいけない理由があるのです。トルコの場合は、インフレ率が高いことが真っ先に挙げられるでしょう。中銀は、インフレ・ターゲットを5%(チャート上の黄緑の線)に設定していますが、最新のインフレ率は7.24%となっており、前月の8.17%よりは低下したものの、まだまだターゲット達成には時間がかかりそうです。そのため、ここからの政治圧力の強さにもよりますが、まだまだ政策金利が高いままでいることが予想されます。

 トルコリラ取引の優位性

金利が高いということは、ある意味新興国の特徴でもあるのですが、その中でもトルコは断トツ金利が高く、ブラジルの12.25%の次に魅力的です。私は新興国通貨の取引はやっていませんが、今まで漠然と「南アフリカの金利って高いよね!」と思っていたのですが、調べてみると5.75%となっており、トルコよりもずっと低いことを知りました(今更、すみません...) そのため、トルコリラ取引をするうえでは、スワップポイントが高いことが非常に魅力です。セントラル短資FX(株)さんのウェブサイトを見ると、トルコリラ/円を買い持ちした場合の一日のスワップポイントは、1万通貨単位で、100〜110円になるようですね。

コラムの最初に書いたように、トルコという国は地政学的にもアジアとヨーロッパにまたがる重要な位置にあり、ロシアCIS・EUそして中東北アフリカそれぞれの地域経済の恩恵を受けられる立場にいると考えてもよいでしょう。

そして最近話題になっている中国主導で発足するAIIB(アジアインフラ投資銀行)が発表した「新シルクロード経済構想」では、中国からヨーロッパまでの鉄道・通信網・パイプラインなどのインフラ整備を援助する意向です。この計画はトルコ抜きでは始まりません。トルコは既に2008年より、アゼルバイジャン・イラン・ジョージア・カザフスタン・キルギスと共に「シルクロード計画」を練っており、今回のAIIBの構想にも強い興味を示しています。

ただし、この構想を実現するには、協力する国の文化や宗教、政治システムや法的整備など、さまざまな問題点にぶつかる可能性は捨て切れませんが、全ての問題点が取り除かれ構想が実際に動きだせば、トルコ経済が受ける恩恵は相当大きいと察せられます。その時には、私もリラ取引をしてみたいなと考えています。

 トルコリラ取引の問題点

トルコの高金利は魅力的です。しかし、インフレ率が政策金利と同じか、それより高いため、この動向には注意しなければなりません。そして、通貨の変動幅が大きいことは、収益が上がることにも繋がりますが、同時に損失が膨らむ原因にもなりかねません。

地理的には、先ほど申しましたように、EUがすぐ隣に接していますので、万が一ギリシャがユーロ圏離脱ということにでもなれば、隣国であるトルコも完全に無傷ではいられないかもしれません。

それ以外に私が気にしているのは、国境を接しているシリアやイラン、黒海の向こう側に位置するウクライナなど、それぞれの国の治安情勢が悪化すると、安全保障という面からもトルコには、相当ネガティブな影響が及ぶ可能性は捨て切れません。

まとめ

今まで書いてきたことの繰り返しになってしまいますが、高金利であるトルコリラ。スワップポイントが魅力的ではありますが、リラと円の金利差以上に通貨の変動が起きると、スワップで貯めた「貯金」がアッという間になくなってしまうこともあります。そのため、リラだけでなく、高金利通貨を取引する際には、ポジションのサイズと損切りの設定をしっかりして、資金管理を徹底してください。

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これが過去5年間のドル/トルコリラとドル円、そしてトルコリラ/円のチャートです。アベノミクスがスタートし、円安が加速した2013年からの動きを比較しますと、ドル/トルコリラはその後1年間で22%のトルコリラ安になったのに対し、ドル円は15%に留まっています。現在までの変動率を見ても、ドル/トルコリラは47%のドル高/リラ安ですが、ドル/円は34%となっています。この期間はドル/円が一挙に円安になったので、絶対に円安の程度の方が、トルコリラ安よりも大きいだろうと考えていたのですが、それは間違っていたことがわかりました。

このように金利が高いからといって、通貨高に動くという保証はありません。為替取引をするからには、買うタイミングをしっかり狙い、自分の受け入れられる範囲の損失を設定して、取引をしたいものです。

今後日銀の追加緩和導入の可能性が高まれば、また円安にふれるでしょう。その時にトルコリラ/円が最近の安値である40円くらいまで下がっているのであれば、円安に乗っかり、トルコリラ円の上昇が期待できそうですね。

 

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