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マーケットビュー

金曜 松崎美子の英国発!すこしFX☆なが〜くFX ロンドン在住の女性トレーダーによる為替&経済コラム

英総選挙特集

更新日:2015年3月13日

今年は年明け早々、ギリシャが全く予定外の総選挙を実施し、ユーロ圏では初めて中道路線から外れた政権が誕生しました。このギリシャを皮切りに、今年のヨーロッパは至る所で総選挙が実施されます。主な国の投票日を並べてみますと、

エストニア

3月1日

フィンランド

4月19日

英国

5月7日

デンマーク

9月14日 または、その日よりも前

ポルトガル

9月20日〜10月11日の間

ポーランド

10月

スイス

10月18日

スペイン

12月20日 または、その日よりも前

これだけ数多くの国が国政選挙に動けば当然、今年のヨーロッパは政治色の強い一年になることは間違いありません。

今回のコラム記事では、投票日まであと2ヶ月に迫った英国の総選挙について書いてみたいと思います。もう少し投票日が近づけば、第2弾・3弾と新しい選挙特集の記事を書くことになると思いますので、今回は【総選挙の基礎知識 + 連立政権の組み合わせ】を中心にご紹介しようと思います。

投票日までの予定

3月30日

・英下院解散
・5月7日の総選挙実施の選挙日程を発表し、事実上の選挙戦に突入
・総選挙後の新議会招集日を発表
・国会会期の開始を告げる女王による施政方針演説(クィーンズ・スピーチ)の実施日が発表

4月2日

民放:ITVで、党首によるテレビ討論会(予定)

4月9日

・立候補者受付締め切り
・立候補取り消しの最終日

4月16日

BBCテレビで、党首によるテレビ討論会(予定)

4月30日

Skyニュース/民放:チャンネル4で、党首によるテレビ討論会(予定)

5月7日

総選挙投票日
(投票時間:現地時間の午前7時から22時)

主な政党の紹介

日本では、英国の政治について時間を割いて報道することは、あまりないと思います。ですので、まず最初はイングランドの主要政党5党の党首をご紹介します。

保守党 (Tory) 中道右派
ディビッド・キャメロン 48歳 (現首相)

イートン校から、オックスフォード大学へ進学
大学卒業後、保守党調査部に勤務。その後、民放大手テレビ局に7年間勤務。
2001年初当選
エリザベス2世の遠縁にあたり、キャメロン首相の父親の代までずっと、投資銀行の経営に関わってきた裕福な家系。

労働党 (Labour) 中道左派
エド・ミリバンド 45歳

オックスフォード大学を卒業してから、民放大手テレビ局に3年勤務。
そこで労働党幹部に引き抜かれ、スピーチライターなどを勤める。
その後、父親の母校であり、教鞭を取っていたLSE(ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス)で修士課程を修了。
2005年初当選
父親は、マルクス経済学者・政治学者として有名なラルフ・ミリバンド
両親はポーランド系ユダヤ人

自由民主党 (LDP) 中道左派***
ニック・クレッグ 47歳 (現副首相)

ウェストミンスター・スクール(英国の私立男子校の最高峰)を卒業してから、1年間ギャップ・イヤーを取り、アルバイトでお金を貯め、ケンブリッジ大学へ。
その後、ベルギーのブルッセルへ移り、欧州大学大学院で修士課程を修了。
1999年欧州議会選挙で初当選、2005年に英国下院議員となる
オランダ人とロシア人の血を引く
語学の達人

*** 自民党は、そもそも自由党と、労働党右派議員で結成された社会民主党の両方が合併して誕生した中道左派政党

英国独立党 (UKIP) 欧州懐疑派
ナイジェル・ファラージュ 50歳

高校卒業後、父親が以前勤めていた金融街:シティーで職を探し、ロンドン金属取引所(LME)のトレイダーとなる。その後、数々の金融機関で商品取引トレイダーを続ける。
1999年欧州議会選挙で初当選
ファラージュ氏によると、父親はアル中で、同氏が5歳の頃、両親は離婚

緑の党 (イングランド&ウェールズ) 環境政党
ナタリー・ベネット 49歳

オーストラリア生まれの英国人
シドニー大学卒業後、英国のレスター大学で修士課程を修了。
その後ずっと、ジャーナリストとして新聞社などに勤務。

各政党の支持率

5大政党の党首については、だいたいイメージを掴んでいただけたでしょうか?
さて次は、各党の支持率について考えたいと思います。このチャートは、今年に入ってからの支持率を調べて、自分でエクセルに載せて作ったものです。驚いたことに伝統的2大政党である保守・労働党の支持率は、ほとんど同じとなっています。

【各政党の支持率推移】

伝統的2大政党は互角の対決となっている中、残りの3つの政党は、どんな具合なのでしょうか?

苦戦が予想される自由民主党 (自民党)

2015年総選挙の特徴として、2010年に「3大政党」のひとつとして有権者の人気を独占した自民党の支持率が大きく低下していることが挙げられると思います。この自民党の人気低下の理由はいくつか考えられますが、

2010年総選挙で、自民党は「大学授業料の無料化」という選挙公約を掲げていたにもかかわらず、保守党と連立を組んだ途端、クレッグ副首相(自民党首)は掌を返したように授業料値上げを認める内容の発言をするようになった。
2010年に自民党に票を投じた有権者の約6割は、労働党政権には飽きてきたし、かと言って保守党に入れる気は全くないから、変化を求めて自民党に入れただけであることがわかった。

残念なことに、2015年総選挙では、自民党の躍進はほぼ絶望的と見られています。

人気急上昇中の英国独立党 (UKIP)

自民党の支持率が落ちるのとは逆に、ユーロ圏の債務危機の悪化につれて、人気急上昇となっているのが、英国独立党(UKIP)です。

ギリシャ債務危機が発覚した2009年、保守党の最大政治献金提供者であるWheeler氏(為替証拠金会社:IGインデックス社の創設者)が、当時の保守党党首であったキャメロン氏の対欧州政策が気に入らないという理由で、代わりにUKIPに政治献金を提供しました。それ以来、この国ではUKIPの名前を耳にする機会が増えたように思います。ただし、2010年総選挙の時には、まだまだ無名に近く、得票率も3.1%を獲得したに留まりました。当然ですが、この時の選挙でUKIPの議員は一人も当選していません。

その後、ユーロ圏での債務危機悪化と移民問題などの追い風にのり、英国ではEU離脱について国民の関心が徐々に高まってきたのです。2011年、2012年とイングランド各地で実施された補欠選挙での世論調査では、自民党に迫る勢いを見せ、2013年2月に実施された補欠選挙では、とうとう保守党を抜き、第2党へ踊りでました。

それから数ヵ月後に実施されたイギリス統一地方選挙では、保守党や自由民主党が議席を減らしたにもかかわらず、UKIPは23%というとんでもない高い得票率を記録し、議席数も8議席から一気に147議席へと驚異的な伸びを見せました。

その後、UKIP人気はうなぎのぼりとなり、2014年5月に実施された欧州議会選挙では、ナント英国の第一党となったのです。UKIPの快挙は止まるところを知らず、昨年秋に実施された補欠選挙で、保守党を離脱しUKIPに移ってきた議員が2人続けて当選し、UKIPははじめて下院に2人の議員を送りだすまでに至りました。

今から10年くらい前だったと思いますが、キャメロン首相が、「fruitcakes, loonies and closet racists, mostly」と呼んだUKIPが、今度は保守党を恐れさせる立場にまで成長するとは皮肉なものです。どうしてUKIPの人気がここまで上がってきたのか、自分なりに考えてみたのですが、

有権者による既成政党への失望と不信
ファラージュ党首のストレートで「我関せず」という発言内容が、有権者の心を捉えた
政治家というより、「ご近所に住んでいる豪快なおじさん」という近寄りやすいイメージがある
2009年からのギリシャ債務危機の悪化により、ユーロに加盟していないがEUの一員である英国では、各世帯が約1,000ポンド規模のギリシャ支援金を負担することになったため、国民感情が反EUに偏りやすい
EU諸国からの移民のおかげで、英国人が支払う税金は、移民の補助金と化している
EU諸国からの移民が、英国人の職を奪っている
本来であれば英国の貧民層に割当てられるはずの公営住宅が、最近はEUからの移民に優先的に割り当てられている
医療や教育面も、大量に英国に流入してくるEUからの移民により圧迫されている
これらの問題に関する決定主権を、EUから英国へ奪い返す必要がある

などがあると思います。
そして、これら全てが、英国民が「EU離脱に関する国民投票を実施するべきだ!」と主張する根本的な理由であることも忘れてはいけません。

隠れたキングメーカー:SNP党

2014年、英国だけでなく世界中を騒がせた≪スコットランド独立を問う国民投票≫。そこで一躍有名になったのが、スコットランド国民党(SNP)でした。この日以来、党員が3倍に増えただけでなく、特に若い世代の会員が急激に増えたことでも知られています。

スコットランドの有権者の間では英国の労働党支持者が非常に多いことで知られています。2010年総選挙の時に、スコットランドの選挙区で当選を果たした労働党議員数は、40名。それに対し、SNP議員は、わずか6名だけに留まりました。しかし、今年の総選挙では、SNP党の議員が、労働党の議席を相当数奪うに違いないと見られています。

最近の世論調査をもとに具体的な議席数を予想してみると、スコットランドでの労働党議員数は、現在の40名から一気に4名程度に減少。それに対し、SNPの議員数は、現在の6名から45〜52名くらいまで、増加すると予想されています。これが現実に起きると、英国下院での構成比率に、大きな変動が起きることは避けられません。

単独政権は無理…

英国は小政党には非常に不利に働く単純小選挙区制を採用していることもあり、伝統的に2大政党制が続いています。戦後まもなく行われた総選挙では、保守党と労働党の2大政党の得票率は95%くらいが当たり前でしたが、2010年の総選挙では、両政党合わせて、67%まで低下しています。

話が少し飛んでしまい申し訳ありませんが、皆さんの中で英国の議会中継をご覧になった方はいらっしゃいますでしょうか?私は日本に住んでいた頃は、国会中継など頼まれても見ない人間でしたが、渡英後はかなり高い頻度で英国の議会中継を見ています。特に、水曜日の(現地時間)昼12時から30分に渡って繰り広げられるQuestion Time(首相への質問)では、与野党の党首が一騎打ちで討論するため、私は出来る限りこの時間帯だけでも見るように心がけています。

英国の議会中継を見るとお気づきになると思いますが、英国の議場は【与党vs野党】という「対面型」が取られています。議場の入り口から見て、向かって右側に与党の党首(首相)が立ち、左側に最大野党の党首が陣取ります。

しかし2010年には自民党が第3党となりましたが、今度はUKIP党の台頭により、4大政党制と呼んでも問題ない状態となっています。そうなると、果たしていつまで「対面型」の議場を続けられるのかが心配です。かなり早い時期に、欧州各国の議会のように「半円形」に英国も作り変えなければならないのではないか?と、私はずっと考えています。

話を元に戻して、2015年の選挙結果を先取りして考えようと思ったのですが、全く予想が付きません…。支持率をもう一度チェックしてみますと、

・保守党と労働党 それぞれ30〜35%
・UKIP 15%前後
・自民党 8%前後
・緑の党 6%前後

この支持率通りに総選挙で投票が行われたと仮定して議席数をあてはめると、UKIPが5議席前後、まぁ最大10議席くらい + 自民党 最大30議席 + 緑の党 1議席 + SNP党 50〜55議席 + その他の地域/小政党 = 合計だいたい100議席となります。

下院の定数は650議席ですので、残る550議席を保守党と労働党が争う形となりますので、いずれの政党も326議席の過半数以上の議席を獲得出来る確率は非常に低くなっています。
そのため、どう転んでも単独与党の可能性は絶望的で、2010年総選挙と同じように連立政権となることは、100%確実だと言えます。もっと恐いことには、今年の連立は、2党ではなく、3党かそれ以上になるかもしれません。

連立政権の組み合わせ

どの政党も単独過半数に届かないことを、ハング・パーラメントと呼びます。日本語では、宙ぶらりんの議会と訳しているようですね。2015年英総選挙は、ハング・パーラメントとなることはほぼ間違いないので、最近では報道各社が競って政党同士の組み合わせと議席数を予想しています。今回は最新の世論調査での支持率を使い、実際の議席数を割り出してみました。

保守党 279議席
労働党 266議席
自民党 27議席
UKIP 4議席
緑の党 1議席
SNP 52議席

保守党+自民党 合計:306議席

過半数の326議席以上に達していないため、この可能性はほぼゼロ  ×

保守党+自民党+UKIP 合計:310議席

過半数の326議席以上に達していないため、この可能性はほぼゼロ  ×

保守党+自民党+UKIP+小政党 合計:319議席

過半数の326議席に限りなく近いが、あと一歩

労働党+SNP 合計:318議席

過半数の326議席に限りなく近いが、あと一歩

労働党+自民党 合計:293議席

過半数の326議席以上に達していないため、この可能性はほぼゼロ  ×

労働党+SNP+自民党 合計:345議席

過半数の326議席を優に上回り、政策運営がスムーズに運びそう

これはあくまでも一番最近の支持率からの計算ですので、選挙に近づくにつれて、新しい予想が出てくることが考えられますので、その時にはあらためて、このコラムでご紹介したいと思います。

テレビ討論会について

文頭でご紹介した投票日までの予定表の中で、やけに目に付くのが「予定」という文字。今年の総選挙と前回2010年との最大の違いは、党首によるテレビ討論会の有無になりそうです。

そもそも、このテレビ討論会というものは、アメリカの大統領選の前に、民主党・共和党の大統領候補がテレビで生中継の討論会をし、それを見た有権者が、2人の候補者のうち、どちらがより大統領にふさわしいかを判断することで有名でした。

そして、この‘アメリカ式テレビ討論会’を導入したのが、2010年の英国総選挙でした。あの時は議会が解散してから投票日までの選挙キャンペーン中に、保守党・労働党の2大政党党首に加え、自由民主党の【3大政党】の党首がテレビで激しい議論を繰り広げました。この討論会の過程で英国人の心をわしづかみにしたのが、他でもない自由民主党のクレッグ党首。巧みな言葉で2大政党の党首よりも優れたパフォーマンスを見せた同党首のおかげで、その年の総選挙で自民党は大勝を収め、第一党となった保守党と連立を組むまでに飛躍したのです。私は日本のパスポートを保有している手前、英国では参政権がありませんが、テレビ討論会の日が来るたびに、テレビの前に釘付けになって、各党首のその日の出来ばえを勝手に評価し、そのすぐあとに放映される「有識者による感想」と照らし合わせて楽しんでいたのを、昨日のことのように覚えています。

今年も同じように、3月30日の議会解散後、総選挙投票日の5月7日まで数回に渡り、各党首によるテレビ討論会が予定されています。ただし、今回の討論会への出場に関して、突然キャメロン首相から「待った!」がかかったのです。

話は昨年10月に遡りますが、2015年総選挙に向けたテレビ討論会の放映日や参加する党首の人数などを巡り、テレビ局各社が調整に動き出しました。昨年5月に実施された欧州議会選挙で、英国の第一党となった英国独立党(UKIP)抜きでの討論会はあり得ないという意見で一致した彼らは、【3大政党】にUKIPを加える線で話を進めていたのです。

しかし、キャメロン首相は、UKIPを招待しながら、緑の党を抜かすのは不公平だという理由をつけ、「もし、緑の党が参加しないのなら、保守党も討論会には参加しない。」と発言。しかしイギリスの有権者からは、「キャメロン首相は、実は討論会に出て、他の党首に打ち負かされるのが恐いんじゃないのか?」という結論になってしまったのです。ただし、同首相のこの発言は脅しやはったりではなく、今年に入ってからの「テレビ討論会に向けた事前打ち合わせ」のミーティングには、保守党選挙委員会のメンバーの不参加が続いているそうです。

キャメロン首相がテレビ討論会への参加に積極的になれない、もうひとつの理由としては、選挙キャンペーン中にテレビ討論会をすることは、時間の無駄であり、各党はキャンペーンに全力を傾けるべきだと信じているからだそうです。実はこれには有名な話があり、2010年総選挙で、当時の保守党副幹事長が、「キャンペーン中に3回もテレビ討論会に出演することに費やした時間をキャンペーンにあてられなかったことが、保守党が過半数の議席を獲得出来なかった最大の理由だ。」と、同首相を叱りつけたようで、キャメロン首相は同じ過ちを繰り返したくないと考えているだけでなく、保守党議員の多くは、今でもこの意見を支持している手前、あまり思い切った行動には出にくいのかもしれませんね。

これはまだ決定ではありませんが、2大政党のひとつである保守党の党首抜きで討論会を放映しても意味がないため、妥協案として、4月2日と16日の2回は7政党全ての党首による討論会とし、投票1週間前の4月30日に限っては、保守党と労働党との【2大政党の党首のみによる討論会】となるよう、調整しているようです。

同首相は今でも、「投票日一週間前にミリバンド労働党党首とテレビで対決する必要はない。」とその申し入れにはYESを出していません。これに対し、ミリバンド党首は、「いつでもどこでも、キャメロン首相とテレビで討論する準備はある。」と鼻息荒い様子。

ポンドへの影響

昨年、欧州中銀(ECB)が主要国でははじめて、マイナス金利を導入して以来、スイス・デンマーク・スウェーデンなどが続けてマイナス金利導入を決断しています。そして、今週からECBが開始した量的緩和策(PSPP)の影響もあり、政策金利だけでなく、国債利回りに代表される長期金利さえもが、マイナス化となった国が出てき始めました。

ECBが開始した量的緩和策(PSPP)についてはこちら

政策金利だけを見ると全ての地域がほとんど0%に近いレベルとなっていますが、長期金利となると話は全く違ってきます。ここでは10年物国債利回りを例にとって比較しますが、利上げの可能性を先取りした米国と英国では、ともに上昇しています。具体的な金利水準は、米国が+2.1%前後、英国は+1.80%くらい。そして、緩和組の代表であるユーロ圏のドイツは、+0.20%を割るレベルまで下がっており、長期金利の二極化が確認されています。

もう一度繰り返しますが、米英欧、全ての主要政策金利は、ほぼ0%で同じですが、長期金利は、米英>欧となっています。それでは、通貨の強弱や価値をはかる物差しである実効レートは、どうでしょう?

これまた一目瞭然で、利上げ待機組のドル(青線)とポンド(黄緑線)は昨年から上昇中。緩和組のユーロ(赤線)が下落中と、非常にわかりやすいパターンとなっていました。

次は今年に入ってからのポンドとユーロ、それぞれの実効レートを比較してみましょう。綺麗に正反対の方向へ向いており、ポンドは一本調子の上昇ですが、ユーロはスイス中銀の1.20フロアー撤廃の発表でガクンと落ち、そこでつけた年初来安値(オレンジ色の横線)を下抜けしてから、さらに下落が加速しています。

【ポンドとユーロ実効レート(2015年1月2日〜現在)】

データ:
欧州中銀(ECB)ウェブサイト
英中銀(BOE)ウェブサイト

※クリックで拡大できます

最後に、ポンド実効レートを見て終わりにしましょう。ここでは、1990年から現在までの長期間に渡るデータを取ってチャートを作成してみました。その理由ですが、1992年のBlack Wednesdayとその数年後の期間は別にして、だいたい2000年からリーマン・ショックが起きた2008年までの実効レートは、95〜105の間に綺麗に収まっていたことをお知らせしたかったからです。

私はこの「95〜105」という数字に目が慣れてしまい、リーマン・ショック後に70台まで急落した時には、非常に違和感を覚えながら眺めていたことを今でも覚えています。まぁ、私の違和感は置いといて、その後数年かけてリーマン後の70〜80台に徐々に慣れてきて安心していたら、昨年くらいからジリジリと利上げ期待を受けて、実効レートがまた90台に戻ってきたのです。

【ポンド実効レート(1990年〜現在)】

データ:
英中銀(BOE)ウェブサイト

※クリックで拡大できます

現在の実効レートは、高値/安値の50%を少し超えたところにいます。リーマン・ショック前の安値(チャート上の紫の丸)と、61.8%戻しが、ほとんど同じレベルとなっているのが判りますね。とりあえず、その辺りまでの上昇は十分に可能ですが、今後はポンド取引をする時には、総選挙に絡む政治リスクに気をつけてください。

現在英国で心配されている政治リスクを挙げると、

果たしていくつの政党が組み合わさった連立政権が誕生するのか?
保守党主導の連立政権となり、キャメロン首相が再選された場合は、(特にUKIP党が連立に参加したら)EU離脱に関する国民投票の実施時期が、当初の2017年から2016年に前倒されるリスクが台頭する。国民投票の前倒しが決定となれば、企業は英国への投資決定を先送りすることが考えられ、今年後半のGDP下押し要因となりえる
労働党主導の連立政権が誕生すれば、現政権が真摯に取り組んできた財政赤字削減/財政均衡に向けた努力が水の泡となり、赤字拡大のリスクが台頭する可能性が指摘されている。労働党は伝統的に金融機関に対して厳しい態度で臨むことがあるため、銀行株の下げリスクが既に指摘されている。
つまり、保守党が勝とうが、労働党が勝とうが、ネガティブなリスクがついて廻る。
どの党が勝っても、連立交渉に時間がかかるとみられ、政治の空白は避けられない。
5月の総選挙で極端な接戦となったり、保守・労働党いずれかの連立相手と折が合わなかったりすると、最悪の場合、2回目の総選挙実施の可能性も捨てきれない
SNP党が予想をはるかに超えて議席数を増やした場合には、新たなスコットランド独立に関する国民投票の実施を含めた動きが表面化するリスクがある。

ざっと思い浮かんだだけでも、これくらいあります。つまり、金利先高観を根拠にポンドを買うことには私は反対しませんが、相手通貨をきちんと選ばないと、思わぬところで足をすくわれないとも限りません。
少なくとも、これだけ政治リスクが高い総選挙が近づけば、投資家が英国へ投資することに対して及び腰になっても当然でしょう。

特に私が恐れているのが、キャメロン政権が再選され、EU離脱の是非を問う国民投票が前倒しされることになり、ポンドが急落するリスクです。私自身は、実効レートが95を超えて一気に100まで上昇でもしない限り、ポンド/ドルはユーロ/ドルの下落を追いかける形で下げる可能性が高まると考えています。つまり英国での前倒し国民投票リスクに加え、ユーロ/ドルのパリティー(1.0000)達成という展開になった場合、以前このコラム記事でも書きましたが、ポンド/ドルは1.47台、1.45台を経て1.42台のサポート、最終的には2000年代初期に何度か試した1.40台まで下落してもおかしくありません。繰り返しますが、この動きは、あくまでもユーロ/ドルのパリティーまでの下落と≪歩調を合わして≫落ちるという意味であり、ユーロ安だけでなくドル高を巻き込んだ相場展開の元ではじめて可能となります

ある大手米系銀行は、2016年に国民投票実施の可能性を織り込むような相場展開となった時には、ポンド/ドルが1.38台まで下落し、来年も引き続きポンド安が続く公算が大きいという相場展望を述べていました。

これとは全く逆に、総選挙では予想以上に保守党が奮闘し、キャメロン氏以外の人間が首相となれば、国民投票のお約束はご破算になります。またはキャメロン首相が続投となったとしても、UKIPと連立を組まないで済んだ場合は、国民投票実施は予定通り2017年になるでしょう。そうなると、ポンドを取り巻く政治リスクが軽減しますので、ユーロ/ドルが下落しても、ポンド/ドルは上昇、または大きなレンジに入ることも可能だと思っています。その場合のレンジは、1.45〜1.55台。

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