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マーケットビュー

金曜 松崎美子の英国発!すこしFX☆なが〜くFX ロンドン在住の女性トレーダーによる為替&経済コラム

ギリシャ債務交換案

更新日:2015年2月6日

新政権発足後、驚くほど早いスピードで債務問題に関する協議を進めているギリシャ。

今週は、首相と財務相が、EU本部やEU加盟国を次から次へと訪問し、新政権がやろうとしていること、そして肝心の債務問題の解決案を提示し、理解を求めています。

本日のコラムでは、先週末から今週木曜日までのギリシャ関連の報道やイベント、そして今後の起こりうるシナリオなどを自分なりに書いてみました。

ギリシャ政府の今週の動き

過去1週間におけるツィプラス首相とファルファキス財務相の日程表です。

2月1日(日曜日)

・ファルファキス財務相

週末にもかかわらず、本気を見せつけたギリシャのファルファキス財務相。この日は、フランスを訪問し、サパン財務相と会談後、共同記者会見を開催しています。そこで同財務相は、「ギリシャは金融支援を当てにする中毒患者のような立場となっている。まずこれを断ち切らなければならない。」と語りました。

それに対し、サパン財務相は、「債務の期限延長や利子のカットなどには応じるが、債務踏み倒しには、絶対に応じられない。ユーロ加盟国に住む納税者が、ギリシャ債務の肩代わりを一手に引き受けることには、ならない。ギリシャは構造改革をおろそかにしてはならない。そして、ドイツと早急に協議を開始すべきである。」と、かなり手厳しい発言。

少し話が飛んでしまい恐縮ですが、今週木曜日イタリアの現地紙に、「ギリシャ政府は、国際通貨基金と債務問題について、具体的な協議を開始した。」という報道が流れました。そこでわかったことですが、ファルファキス財務相は、この週末のパリ滞在中、国際通貨基金(IMF)欧州局長:トムセン氏とも会合を持ったようです。しかし、この≪協議内容≫に関しては、両者の意見が食い違っており、IMF側の見解としては、「ギリシャと親睦を深める話し合いは行ったが、現行の金融支援プログラムに関する債務の取り扱いについて、変更などの具体的な協議は、行っていない。」というコメントを出しています。

2月2日(月曜日)

この日のマーケットは、オープン直後から債券・株式市場ともに、値を戻してのスタートとなりました。その背景にあると言われるのが、夜中に出たアメリカ・オバマ大統領の発言。「ギリシャは数年にわたり、リセッションに苦しんでいる。そういう状態で、更なる緊縮策を頑張れ、頑張れといわれ続けても、もう搾り取れるものが何も残っていないかもしれない。今のギリシャに必要なものは、成長戦略というべき経済立て直しの策であろう。」

ある意味、メルケル首相やドイツが主張していることに対し、真っ向から対決するような発言となっています。

・ファルファキス財務相

ロンドン入りしたファルファキス財務相は、オズボーン財務相と会談。共同記者会見は、ありませんでした。

ユーロ圏には加盟しておりませんが、IMFのメンバーである英国にとって、ギリシャ問題に対する関心が高いことは、わざわざここで繰り返す必要もないでしょう。オズボーン財務相が一番心配しているのは、ギリシャ債務の取り扱い方を巡り≪ギリシャ vs ヨーロッパ≫という敵対関係が出来上がってしまうと、それが世界的な懸念材料となりかねないという点でした。

その後、ファルファキス財務相は、約100行の代表者が集まるロンドンのあるホテルに出向き、「今後のギリシャ債務問題では、民間部門の損失は絶対にない」ことを保証する内容の発言をし、金融関係者を安心させました。

そこから、同財務相は、英民放:チャンネル4の特番に出演。そこで数々の発言をしています。主な内容は、

  • ギリシャ債務問題は、もうじき、過去の問題となる
  • ギリシャ国内の銀行からの資金流出が止まり、逆に流入するような安定さが必要である
  • ヨーロッパ各国がギリシャ債務問題の解決策を見つけることで、市場には安定が戻る

そして、夕方になりFT紙とのインタビュー記事が報道されました。驚いたことに、そこではギリシャ政府が考える【債務交換案】が表示されており、「いったいいつの間に、こんな交換案を作っていたんだ?」 と、マーケットに衝撃が走りました。


・ツィプラス首相

ギリシャと同じく、金融支援の助けを借りて財政運営しているキプロスを訪問。そこで、数々の’刺激的’な発言をしたツィプラス首相。

まず最初に市場の反感をかったのは、「キプロスとギリシャは、ヨーロッパとロシアとの関係修復の橋渡し役になれる。」と発言。それに加え、「EU/ECB/IMFからなるトロイカ調査団が、ギリシャの経済・財政運営の監視を廃止することを希望する。」と語りました。

市場は、「ヨーロッパとの債務協議が失敗したら、ロシアに金融支援を頼むのか?」と疑心暗鬼になりましたが、その点に関しては、「一切、そういう計画は、ない」と否定。

トロイカ調査団の廃止に関しては、ユンケル欧州委員委員長が、賛成の意を表明しましたが、ドイツはこの意見には合意出来ないと発言し、現在も未決定のままとなっています。

2月3日(火曜日)

月曜日のFT紙に載った交換案を巡り、朝刊各紙では、数々の見解が報道されました。一致したアイデアとして、交換案の中には一言も 「ヘアーカット・債務踏み倒し」という単語がなかったためか、市場に安心ムードが広がり、この日のギリシャ株式・債券市場はオープンから大きく上昇。ただし、私は、いくつかの疑問を抱きました。これに関しては、後ほどあらためて書いてみます。

・ギリシャ短期債(Tビル)発行上限引き上げを要請

欧州委員会の匿名の高官の発言によると、週末日曜日にフランスを訪問したファルファキス財務相は、サパン財務相とモスコビシ欧州委員会委員(経済・財務担当)に対し、目先の資金需要をカバーするために、短期債(Tビル)の発行上限を現在の150億ユーロから250億ユーロへ引き上げを要請したそうです。これに対して難色を示しているのが、ECB。

・ギリシャ国内の銀行、緊急支援を受ける

ギリシャの大手3銀行が、預金流出による資金不足を解消するため、緊急流動性支援(ELA)制度を通じて、ギリシャ中銀から20億ユーロの緊急支援を受けたと報道されました。ECBは1月末にギリシャの銀行に対するELA制度を承認したばかりであり、これは確認できませんが、50億ユーロの枠を設定したとも言われています。

・ツィプラス首相とファルファキス財務相

この日、両氏は同時にイタリアを訪問しました。ツィプラス首相とレンツィ伊首相は、共同記者会見を開催しましたが、財務相会合はメディアでは報道されていません。

財政赤字で苦しむイタリアですので、ギリシャ新政権の反緊縮体制には、共感を覚えたようで、レンツィ首相は会見の席で、「ヨーロッパに必要なことは、緊縮財政策ばかりでなく、成長戦略である。」と語り、ギリシャに助け舟を出しました。

この日のハイライトは、「水曜日にドラギECB総裁、木曜日には、ショイブレ独財務相と会談することが決定した。」というファルファキス財務相からの発表でした。既に債務の踏み倒しという選択肢はなくなったと理解しているマーケットですから、ここでECBやドイツ政府が更なる譲歩の姿勢を見せれば、ギリシャのユーロ圏離脱(Grexit)というテールリスクがなくなります。

この発表を受け、マーケットはユーロのショート・カバーが炸裂。ユーロ/ドルも1.14台手前に控えていた損切りオーダーを巻き込みながら、あれよあれよという間に170ポイントくらいの大幅上昇へ。私自身も、ちょうどユーロ売り/ポンド買いのポジションを保有していたのですが、呆気なく損切りとなってしまいました。

※クリックで拡大できます

・ノーネクタイについて

突然、為替にもマーケットにも関係ない話題で申し訳ありませんが、ギリシャの首相と財務相ともに、ネクタイをせず、かなりカジュアルともいえる服装をしていることについて、いろいろな意見が出てきています。

今回訪問したイタリアでは、共同記者会見の一番最後に、レンツィ首相がツィプラス首相にイタリア製の高級ネクタイをプレゼントするという一場面がありました。これは、あくまでもジョークですので、ツィプラス首相も笑顔で対応していましたが、国によっては、ノーネクタイに拒否反応を起こすところもあります。

そのいい例が、私が住む英国。この国は、建前にうるさい国ですので、首相官邸の隣にある財務相公邸を訪問したファルファキス財務相が、アイロンがかかってない、しわのあるシャツを着て、ネクタイもせずに、非常にカジュアルなコートを着て現れた時に、「なんだ、こりゃ?」という反応をした人達がたくさんいたそうです。

地元ギリシャでも、「公私のけじめをきちんとつけることは、服装への気遣いにもあてはまることである。深刻な経済・財政状態の現状を相手に理解してもらうために、欧州各国を廻り、それらの国の元首に会見を求める立場の人間が、ネクタイもせず、週末に買い物に行くような服装で会見を申し込んだとして、いったい誰が真剣にその人の話しに耳を傾けるのか?」という意見が出ていました。

2月4日(水曜日)

この日は、ファルファキス財務相がFT紙のインタビューで語った債務交換案について、ECBが拒否の姿勢を示したという英FT紙一面報道を受け、一転してユーロは弱含みとなりました。

・ファルファキス財務相

FT紙の一面で否定的な記事が出たその日に、ドラギ総裁との会談を実施するという皮肉な結果へ。朝早い時間からの会談だったようですが、特にこれと言ったコメントも出ず、共同記者会見もなく、気がついたら終わっておりました。

この会談とは別に、フランス滞在中に要請した短期債(Tビル)の発行上限引き上げについて、ECBは首を縦に振らないだろうという観測記事が出て、前日とは打って変わり、ユーロの頭が重い展開が続きました。

同財務相は昼前に会談を終え、木曜日に予定されているショイブレ財務相との会談に向け、ベルリンへ移動。

・ツィプラス首相

この日はベルギーとフランス、2ヶ国を訪問し、数多くのEU関係者との会談をこなしたツィプラス首相。ただし、会見する相手により、出てくるコメントが違い、皆がみな、ギリシャの進む道に全面的に協力する姿勢ではないことが浮き彫りになったという印象を、私は強めました。

2月5日(木曜日)

正確には、私が住む英国時間ですと、前日木曜日の夜中に近いタイミングですが、ECBから重大発表があり、ユーロは1.14ミドルから1.13くらいまで一気に急落しました。

・欧州中銀(ECB)、特例廃止を発表

ECBが≪投資不適格であるギリシャ国債を担保として受け入れていた特例を廃止する≫と発表しました。この措置が発動されるのは、2月11日からです。 これはどういう事かと申しますと、ヨーロッパの銀行がECBから資金供給を受けたい時は、資金供給オペレーション(通称、オペ)を通して借り入れますが、その際には、国債などの担保を差し入れます。担保としてみなされるためには、少なくとも投資適格水準(S&P BBB、Moodys Baa)かそれ以上の格付けを有する必要がありました。しかし、ギリシャ債務危機以降、特に2012年にユーロ崩壊寸前の事態になった頃から、ECBは担保基準を何度も緩和し、ジャンク債扱いであったギリシャ国債も、特例として担保として扱うと発表したのです。

しかし、今週水曜日、ファルファキス財務相がドラギECB総裁と会談をしたわずか10時間後くらいに、ECBは今まで特例として認めていた【ギリシャ国債の担保受け入れ特例措置を中止する】と発表したのです。

ギリシャ債務の取り扱い方法や交換案に関して、何らかの発表があっても当然でしょうが、担保受け入れに関する内容の変更について全く期待していなかったマーケットは、びっくり。今回のECBからの発表は、内容だけでなくタイミングが実に絶妙だったと思います。

この決断に至った理由としては、ギリシャが財政再建をすすめるという条件付きでの特例措置であるため、反緊縮を公約に掲げているギリシャ新政権が誕生したからには、特例措置を継続する根拠がないというものです。しかし、これ以外にも市場参加者が考えている本当の理由としては、

@ いつまでも「特例措置」を続けて甘やかすと、ギリシャの構造改革が後手に廻ることを恐れた上での決定
A ECBから低い金利で資金を借り入れすることに依存してしまい、肝心な構造改革などが後手に廻ることを恐れたEU/ユーロ加盟国関係者が、ECBに政治的圧力をかけた
B 総選挙後、ある意味、言いたい放題であったギリシャ政府に対し、「我々はそんなに簡単に折れませんよ」という警告を与えたかった
C ファルファキス財務相がドラギ総裁と会談をした時点で、何か警告が発せられていた可能性がある

など諸説入り乱れています。

私には政治のことはよくわかりませんが、発表された内容だけでなく、この数時間後にショイブレ独財務相と会談するというタイミングでの発表には、心から驚きました。

ギリシャの財務相が繰り返し語っていたのが、「ギリシャには時間が必要だ」という点。しかし、この特例廃止の発表を受け、ギリシャが望む解決策をヨーロッパが簡単に受け入れる用意はないことが、明らかになったと思います。その点では、ギリシャが時間が欲しいといっても、ヨーロッパ側は安易に首を縦に振らないかもしれません。

個人的には、ECBが自らギリシャの金融市場を荒らしたり、預金流出により、ギリシャ国内の銀行が破綻することを助長させるような決定をするとは信じられないので、この動きはあくまでも政治的な圧力に屈してなされたものであると思いたいですが、少なくともECBは簡単にギリシャの言いなりになるような中銀ではないというメッセージが、ギリシャ政府に届いたことは確実でしょう。

・ギリシャの銀行向け緊急流動性支援枠(ELA)の上限

特例廃止を発表した数時間後、ECBはギリシャの銀行向けELAの上限を、必要に応じて100億ユーロ引き上げることを認めると発表。

これが意味するところは、先ほどの特例廃止により、資金繰りに苦労するであろうギリシャの銀行に対し、ELAを通じて資金を提供するため、銀行破たんなどが起こる可能性は低いままであるということだと理解しています。

ただし、ギリシャの銀行がELAを通じてギリシャ中銀から資金を受け取る場合、それにかかる利子は、1.55%。それに対し、資金供給オペから(国債を担保に)資金を引っ張ってくるのにかかる利子は、0.05%ですので、ギリシャの銀行にとっては1.5%もの利子の上乗せは痛い出費となることは間違いないでしょう。

・ファルファキス財務相

ドイツのショイブレ財務相と会談し、共同記者会見を開催しました。ECBからの特例廃止を受けてなのかわかりませんが、ファルファキス財務相が少しだけ元気ないように見えたのは、気のせいでしょうか?

共同記者会見は、ドイツとギリシャの考え方の溝が全く埋まっていないことが強調された内容となっており、最後までお互いの意見を譲らずに終わりました。

最初に会見に応じたショイブレ財務相は、「ギリシャ債務問題について、(それぞれの考えていることに対して)合意が出来ないという点で、合意した。」と切り出しました。つまり、ドイツはドイツの主張、ギリシャはギリシャの主張を貫いており、コブシの落としどころが、見つからなかったという意味でしょう。

それに対し、ファルファキス財務相は、「ギリシャが求めているのは、最も貴重な資源、つまり時間である。我々がヨーロッパ各国と協議を重ねるためにも、つなぎ融資が必要である。」と語り、6月1日までのつなぎ融資を要請しました。

ECBの立場

月曜日にFT紙に載った記事内容ですが、交換案をECBが受け入れるとは思えませんが、まだ最終見解が披露されていませんので、これについての自分の疑問点を書いてみます。

1)ギリシャ債務は、棒引きにならない

ユーロ加盟国にとっては、非常に安心出来るニュースですが、ギリシャの有権者で、SYRIZA党に票を入れた人達にしてみれば、「債務が綺麗さっぱりなくなる」という選挙公約が、守られない点について、どのように考えているのでしょうか?

2)他のユーロ加盟国

2009年からの債務危機では、ギリシャ以外にも、アイルランドやポルトガルが、銀行部門に限っていえば、スペインも、支援を受けました。しかし、ギリシャ以外の国は構造改革など、有権者に人気のない政策を断行し、晴れて金融支援から卒業し、自力での財政運営を可能にしています。

そうなると、いつまでたってもギリシャだけを特別扱いすることに、ユーロ加盟国やその国民から、不満が出てきてもおかしくありません。

そうなると、今回のECBからの特例措置廃止の決定が、今後のヨーロッパ側の強硬姿勢のはじまりとなるのでしょうか?

3)ECB保有のギリシャ国債の扱いについて

これについては、かなり多くの疑問が自分の中で沸いてきています。まず、債務の交換という行為自体、法律上、可能なのか?それは、法律で禁じられている財政ファイナンスという捉え方をされないのか?などです。

永久債とは、その名の通り、満期がない債券です。つまり、発行体(=ギリシャ)は永久に利子を払い続ける義務が生じますが、それを買い戻す必要がない債券です。ECBの財源は、加盟国がGDPの大きさによって払い込む出資金で成り立っている中央銀行です。もし、ECBが保有しているギリシャ国債が永遠に償還されない場合、出資しているユーロ加盟国の負担に繋がります。果たして、そのような案を、ドラギ総裁や加盟各国代表の理事たちが、首を縦に振るのでしょうか?

ギリシャ国債担保に関する特例廃止発表を受け、ECBは債務交換案は受け入れないと間接的に返事をしたとも受け取れるように思います。

ここからのシナリオ

ギリシャ新政権は180度方向転換し、財政再建を約束。
 ギリシャ国債の担保特例措置を取り戻す

ECBは特例措置を廃止した理由として、財政再建に向けた努力をするという交換条件をギリシャ政府が放棄したからとしています。

もし、新政権が方向を180度転換し、今後もEU/IMF/ECBからなるトロイカ調査団と協議を継続し、財政再建に向けた努力をすると約束した場合は、ECBは廃止措置を撤回し、あらためてギリシャ国債をオペの担保として認める措置を再導入する可能性はあります。

正直、SYRIZA政権が選挙公約を破ることは、99%ないと思いますが、万が一こういう運びになれ ば、今度はギリシャの有権者の間で抗議デモや暴動が起こり、最悪の場合には新たな総選挙実施という可能性が出てくることも考えられます。

為替への影響

ニュースが出た直後は、ユーロ買いに繋がるでしょうが、解散・総選挙などという運びになれば、あらためて財政再建達成が遅れるだけでなく、政治的不透明感が高まり、ユーロは元に戻ってくると考えています。

反緊縮政策は継続だが、債務問題などで折り合いをつけ、ユーロ圏に留まる
 選択をする

欧州各国を廻り、木曜日にギリシャに戻ったツィプラス首相は、議会で演説し、「ギリシャの緊縮財政策は、終わった。ギリシャは、(他の加盟国から)あれこれ指図を受けるだけの国ではない。もう(他の国からの)指示はたくさんだ。民主主義に乗っ取って、ギリシャ政府は誰からの指示も受けず、ギリシャ国内の声に耳を傾けたい。」と語ったようです。この演説を聴いた有権者は、早速国会議事堂の前に集まり、反緊縮政策支持の抗議デモを実施しています。

この演説を聞く限り、ギリシャ新政権が反緊縮を諦めるとは思えません。

その代わりといっては何ですが、債務の扱い方について、どうにか折り合いをつける。または、現在ギリシャが拒否しているトロイカ調査団との協議については、妥協する姿勢を見せるなど、なんらかの譲歩が見られれば、ギリシャはこのままユーロ圏に残る可能性が高まると考えています。

ただし、トロイカ調査団との協議再開ということは、裏返せば、トロイカが主張する「反緊縮財政は認めない」ということを新政権が理解したとも受け取れるため、これが実現する可能性は、あまり高くないでしょう。

為替への影響

内容がどうなるかはわかりませんが、トロイカとの協議再開というヘッドラインが出れば、ユーロはショートカバーを巻き込んで上昇すると考えています。ただし、それ以外の部分(反緊縮の継続など)で、一部相殺されると思うので、せいぜい上がっても50〜70ポイントくらいでしょうか?

反緊縮政策は絶対に譲れない、トロイカとの協議も拒否。
 ただし、つなぎ融資だけ欲しい

こういう調子の良いことを平気で要求してくるところが、ギリシャのすごいところです。
本音としては、北ヨーロッパの国々は、「やることをやってくれれば、こちらも歩み寄る準備がありますよ」という考え方でしょうが、つなぎ融資を断り、結果としてギリシャのユーロ圏離脱という結論になることを、どれほど恐れるか?が鍵を握っていると思います。

つなぎ融資が欲しいというからには、ギリシャ政府はあくまでもユーロ圏に残留するという前提で話を進めていると考えられます。果たして、これだけ一方的な要求をしておきながら、融資だけ催促するギリシャを、加盟各国が許すのでしょうか?

為替への影響

結果として、ギリシャのユーロ圏離脱という話しになるのか?ならないのか?が大事ですね。これについては、次に書きます。

Grexit

ギリシャ新政権は、ユーロ圏に残留することを望んでいるが、彼らの政策内容が全く欧州に受け入れられず、ギリシャはユーロ圏からの離脱以外、手段がなくなる場合も考えられます。

メルケル首相は以前、ギリシャのユーロ圏離脱は、以前と比較すると対応が可能かもしれない…  と語っているようで、2012年の時のような飛び火リスクが大きく消えていることは確かです。一部の報道では、ギリシャが出て行ってくれたほうが、ユーロ圏は安泰して助かるという意見も載っているようです。

ちなみに、現在のイギリスの賭け屋での「Grexit」に関する賭けを見ると、80%の可能性で「離脱は、ない」としているようです。そうなると、逆にGrexitが決定してしまうと、相当大きなショックがマーケットに走ることになるのは避けられなさそうですね。

為替への影響

2012年の飛び火懸念が高かったGrexitと、今回のGrexitでは、かなり状況が違ってきます。そのため、Grexit = ユーロ急落という簡単なシナリオにはならないことが考えられます。

・国債利回り高騰の飛び火懸念

2012年当時は、OMTなどの措置がなかったため、ギリシャの国債利回りが上昇すると、特に南欧州各国の利回りも影響を受けて、上昇する結果となりました。この長期金利の上昇が、加盟国の財政負担に繋がり、格下げなど負の連鎖を呼んでしまったことは、皆さんのご記憶に新しいことでしょう。

しかし、現在は、OMTがあるだけでなく、来月からECBは国債購入を含む量的緩和策(QE)の導入に動きますので、ギリシャの利回りが上昇しても、他の国はセーフとなっています。このQE策により買い上げられる国債の量は、イタリアをのぞく加盟国にとって、年間の新規入札額と同額か、それ以上となっているため、常識的に考えれば、(よほど、民間の投資家が加盟国の国債を投売りするなどの材料が出ない限り) 利回りが上昇する根拠がなくなります。

これが、2012年当時と現在の一番の違いだと思われます。

・反緊縮政策の飛び火懸念

今回のSYRIZA政権誕生のニュースを見て、私が一番心配したのが、「ユーロ加盟国の有権者(寝た子)を起こしてしまった」ことでした。2010年からのギリシャ債務危機を経て、ドイツ主導ですすめられてきた緊縮財政策に対する反感はあちこちで高まっており、昨年実施された欧州議会選挙では、緊縮財政だけでなく、移民問題やEU加盟そのものに対する反対するフランスの極右政党:国民戦線をはじめ、欧州議会でSYRIZA党と同じ会派に属しているスペインの左派政党:Podemos の台頭など、多岐にわたり伝統的政治システムの変更が余儀なくされたことは、皆様の記憶に新しいことと思います。

そして、今年のヨーロッパは、【総選挙で埋め尽くされた1年】となっており、特にスペインのPademosは、今年12月に実施されるスペイン総選挙で相当議席を伸ばすと噂されています。既にスペインでは、SYRIZA政党誕生を祝って、反緊縮を支持する有権者の抗議デモが繰り広げられているだけに、予断は許しません。

・それでも飛び火懸念が出てくる可能性

Grexitを追う次の国が出てくるのなら、それはイタリアだろうと私は心配しています。

ギリシャは、有権者のうち約8割が、ユーロ圏に残留希望をしています。それに対して、イタリアの有権者の5割は、反ユーロの政党を支持しているのです。

万が一、Grexitとなっても、ECBのQEがあるため、イタリア国債の利回りは低いままで維持されるかもしれません。しかし、国民感情はそれとは全く別です。もしかしたら、スペインやイタリアでも、反緊縮・反ユーロの動きに火が付き、抗議デモが拡大しないとも限りません。

やはり、いくらギリシャでも≪離脱を認めるという前例≫を作ってしまうと、それを追う国が出てくることは十分に考えられますし、それがユーロ圏で3番目に大きい経済規模を誇るイタリアとなってしまうと、問題は非常に複雑です。

その意味でも、ギリシャ離脱を気安く考えることは、私には出来ないのです。

 

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