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金曜 松崎美子の英国発!すこしFX☆なが〜くFX ロンドン在住の女性トレーダーによる為替&経済コラム

ロシア危機について考える

更新日:2014年12月19日

今週は「水曜日のFOMC(米連邦公開市場委員会)が終われば、マーケットも一段落。クリスマスに向けて、いろいろ準備をしよう!」と暢気に考えておりました。しかし、週明けから、ロシア通貨:ルーブルの下落が制御不能状態となり、マーケットのボラティリティーは一気に上昇しました。

1998年夏におきたロシア危機の再来か?という内容の報道が目に付きますが、当時との状況と類似点もある反面、違いもあり、判断に悩むところです。

円高という副産物を産み出す恐れのあるロシア/新興国危機。本日のコラムでは、過去のロシア危機と今回のロシアが置かれている状況を比較し、ここからのマーケットについて考えてみたいと思います。

1990年代後半のアジア/ロシア危機を振り返る

以前、このコラムでもご紹介した1997年に起きたアジア通貨危機。

簡単に説明しますと、1996年にクリントン米大統領再選が決まり、その年だけでも米株式指数は26%も上昇しました。当時のグリーンスパンFRB議長は、「根拠なき熱狂 (irrational exuberance)」という台詞を使い、米株式市場の安定に警鐘を鳴らしたことで有名です。この資産価値の上昇がインフレ懸念を引き起こしたため、FRBは1997年3月に政策金利を0.25%アップしましたが、それがアジア通貨危機のきっかけとなったとも言われています。

今週に入ってからの新興国/フロンティア市場の通貨や株の動向を見ると、1997年当時と似ています。

12月17日のFOMCに向けて

今回のFOMCの焦点は、声明文のフォワードガイダンスに関する文言の変更の有無でした。具体的には、今までずっと使用されていた「considerable time(かなりの期間)」が削除 ⇒ 代わりに「patient(忍耐強く)」という文言に変更されるのではないか?という意見が多くなっていました。

過去にこの単語が出たときは、早くて2ヵ月後、平均するとだいたい5ヶ月後に利上げされていたそうです。もし歴史が繰り返すなら、来年6〜9月辺りであった利上げ時期の予想が前倒しされることになるため、一気にドルの先高感が高まりました。

1997年アジア通貨危機・1998年ロシア危機と米国の金融政策

過去のアジア通貨危機の時もそうでしたが、≪アメリカの金融引き締めシナリオ≫が強くなればなるほど、投資家達は高利回りであった新興国から資金を引き上げて、米国へ資金を還流させます。そうなると、新興国では通貨や株などの資産価値が下がりますので、自国通貨買いの為替介入を繰り返したり、政策金利を無意味に上げて対応することになるため、ますます経済回復を遅らせるという悪循環に陥ることがありました。

1997年3月に最初の利上げに踏み切ったFRBですが、その後のアジア/ロシア通貨危機の勃発を受け、その18ヵ月後には利下げに踏み切らざるを得ないという屈辱を味わっています。

上のチャートは、1998年当時の米10年物国債の利回りです。ロシア危機が発覚した8月中旬から、世界中の投資家の資金は、【安全性を最優先】し、米国債へ流入したため、アメリカの長期金利は大きく低下し、ドル安を引き起こしました。

当時、私はある米系投資銀行のディーリングルームに勤務しておりましたが、一番記憶に残っているのは、ドル円の暴落です。

※クリックで拡大できます

たまたま、いつもお話ししている日本の銀行のトレイダーさんから電話がかかってきて、「いったい何が起きているの?ドル円、どうしてこんなに売られるの?」と聞かれたのですが、私が出した答えは、「理由を考えるより、まず売りましょ!」の一言でした。ディーリングルームの皆が総立ちになり、ドル円の下落スピードに唖然となったことを鮮明に覚えています。

2014年版・ロシア危機

今度は、現在私たちの目の前で起きているロシア危機について、考えてみましょう。

どうして、今また「ロシア危機」なのか?

私は、今回のロシア・ルーブル暴落の原因は3つあると考えています。

・原油価格の急落
今年の6月に115ドルの高値をつけたブレント原油価格は、現在60ドルまで下がり、約半分になってしまいました。この不安定な原油価格の下落トレンドは、OPECでの減産合意がなされない限り、今後も継続すると考えられます。そうなると、原油ガス収益が国家財政の50%を占めるロシアにとっては、非常に不利に働きます。

・西側によるロシアへの経済・金融制裁
ウクライナ問題から端を発した欧米によるロシア経済制裁。今週木曜日から開催されている今年最後のEUサミットでも、この問題について協議されておりますが、サミット直前にインタビューに応じたメルケル独首相は、「ロシアがウクライナの国家主権を尊重しない限り、ロシアに対する制裁が解除されるとは考えにくい。」と発言し、挙げたこぶしをすぐに降ろす気がないことを鮮明にしました。

一部には、「ロシア危機が世界金融危機を起こす発端になるのであれば、制裁の部分的緩和に踏み切ることも手段のひとつではないか?」という意見が出てきているという報道もあるようですので、この点に関しては、今後のロシア危機の進行具合によっては、来年早々にも、欧米各国の姿勢の変化があるかもしれません。

・12月に集中するロシア企業/銀行などによるドル建て債務返済
過去のコラム記事でも指摘しましたが、12月はロシア企業/銀行によるドル建て債務の返済額が極端に大きくなります。そして、欧米の制裁強化により、ロシア系銀行の海外での資金調達が禁止されていますので、為替市場で、返済手当てとしてのドル買い/ルーブル売りが出ていることも考えられ、それが特に12月のルーブル安を加速させた大きな要因だという意見を持っています。これは、見方を変えれば、来月以降はドル手当ての額が大幅に減少しますので、ルーブル売りがおとなしくなる可能性もあるでしょう。

いずれにしても、ここまでの急速なルーブル安により、欧米のファンド勢の巨額損失が既に報告されている点、インドネシアやタイなどの新興国/フロンティア国でも通貨安や株価下落が起きている点などは、1990年代後半のロシア危機の時と状況が似ています。もし、この傾向がさらに悪化するようであれば、資本規制など早急な手段を講じないと、(1990年代後半のロシア危機の時と現在のものは状況が違いますが) あらたなロシア危機へと発展しないとも限らないでしょう。

ドル/ルーブルの推移

これは、今年に入ってからのドル/ルーブルの推移を表わしたチャートですが、「暴落」という言葉を使ってもおかしくないほどの通貨下落は、今週に集中しています。

火曜日だけでも瞬間的に約30%も暴落したルーブルですが、今週の主な材料とプライスの動きは、こんな感じです。

※クリックで拡大できます

売られているのはルーブルだけでなく、ロシア国債の価格も大きく下落し、長期金利は急上昇しています。

 

ロシア政府/中銀からの発表

・12月15日(月) 中銀による徹底介入

当初、3億ドル規模の介入を実施したと報道されていましたが、翌日になると、「実は19億ドル規模の大規模介入を実施したようだ。」という内容に変化。しかし、ルーブル安は止まりません。

・12月16日(火) ロシア中銀、政策金利上げ

通貨防衛の目的で、ロシア中銀は先週11日に、政策金利を10.5%へ上げたばかり。しかし、この日は一気に17%まで政策金利を上げると発表しました。しかし、それにもかかわらず、ルーブルはFreefall状態。

この緊急大幅利上げを知り、私の頭に浮かんだのは、1992年のポンド危機。あの時も通貨防衛の目的で、英中銀はわずか3時間くらいの間に、政策金利を10%から15%へ上げました。しかし、そんな小手先な対応で通貨下落が止まる訳がありません。その後、5%の金利上げのおかげで、実体経済はガタガタになりました。

・12月17日(水) 緊急安定化措置発表

メドベージェフ首相は、ロシア中銀総裁や関係者、エネルギー大手のロスネフチ やガスプロムの幹部、複数の閣僚を召集し、緊急会議を開催。そこでは、いくつかの緊急措置が決定され、ロシア中銀の名前で発表されました。主な内容は、

1) ロシア政府は来年、金融機関に対し資本注入を行う意向を示す
2) 銀行が保有する有価証券の時価会計を一時凍結
3) 銀行は、外貨建て取引の際に、現在の為替相場を適用せず、
7〜9月期のレートを使う例外措置も認める
4) ロシア中銀が、企業の外貨建て債務履行を支援する措置

この発表と同時にロシア中銀副総裁が声明文を読み上げ、「12月に予定されているロシア企業のドル建て債務返済に向け、ロシア中銀は外貨の供給に動く。これらの緊急措置は、外国為替市場での通貨の需要と供給を安定させる目的があり、結果としてルーブルの水準も安定すると考えられる。」 と書かれていたようです。

実際にこの措置が発表された途端、ほんの数分で、ロシアの代表的株価指数:RTSは、17%の上昇。ルーブルは、対ドルで23%強くなりました。そして忘れてならないのは、原油価格も4%の上昇となっています。

・12月18日(木)  プーチン大統領の演説

この日、プーチン大統領は今年最後の記者会見を行いました。私は英BBCニュースで放送された録画を拝見しましたが、プーチン大統領は原稿も見ずに、スラスラと答えていたのが印象的でした。あと、これは私も知らなかったのですが、この手の記者会見では記者団からの質問には答えないそうですが、この日に限っては、国内だけでなく海外の記者団からの質問にも答えるという異例の行動に出たそうです。

大統領は、「今回の危機は、原油価格の下落と西側の制裁によるもの」と非難しながらも、

  • 通貨安防衛に関しては、ロシア中銀の対応が後手に廻った
  • ロシア経済が原油・ガス収入に頼りすぎており、経済の多様化に向けた努力を怠っていた
  • 外貨準備金は十分にある
  • 外貨準備金を無駄使いすべきでない
  • 経済状態がさらに悪化した場合には、社会保障費の削減などの措置を講じる可能性
  • 今回の危機は、2年間くらい続く可能性がある
  • 通貨安における西側の経済制裁の影響は、20〜30%程度と認識

あと、為替にも経済にも全く関係ないことで恐縮ですが、プーチン大統領の肌って、すごく綺麗ですね。整形手術やボトックスの噂もありますが、実際に見て、私よりずっと滑らかで綺麗な肌だったのを知って、ショックを受けています…

ロシア危機が悪化した場合、考えられる影響は?

ある新聞の記事ですが、非常に詳しく書かれていたので、ここでご紹介しましょう。今回のロシア危機による各方面への影響として考えられるものは、

1) 債券市場での飛び火懸念

  • ロシア企業のドル建て債務返済の目処がつかなくなり、その企業の社債がデフォルトに陥る危険性
  • その社債を保有している投資家の損失
  • その損失補てんを目的とした保有資産の売却 (益出し)
  • 特に新興国の国債市場や米国のジャンク債への影響が心配される

2) 通貨市場での飛び火懸念

  • ロシアの貿易相手国や新興国への飛び火懸念による通貨安
  • 特に、トルコやインドネシア通貨のドミノ効果が心配される

3) 原油市場での飛び火懸念

  • わずか半年以内で45%も下落した原油価格によるネガティブな要因、特に産油国の財政運営の困難さ
  • 商品投資を専門としている投資家の損失
  • 損失補てん目的の高利回り国債やジャンク債の売却 (益出し)

4) 軍事面からの懸念

  • 死に物狂いのロシアが突発的な軍事行動に出ないとも限らない
  • ウクライナへの軍事介入直後、プーチン大統領の支持率は80%を超えた。もしかしたら、欧米の経済制裁に対する譲歩を引き出すため、無茶苦茶な軍事介入をし、それを譲歩の手がかりにしないとも限らない

5) 欧州のエネルギーサプライ問題

  • 制裁への対抗措置として、欧州へのガス供給をストップしないか?
  • 特に、ドイツは国内で使用されるガスのうち、3割がロシアからの輸入に頼る
  • ポーランドなどの東欧各国は、ほぼ100%をロシアに頼っている

スイス中銀からの発表

今週木曜日、スイス国立銀行(中央銀行)が、突然のマイナス金利導入を発表しました。先週開催された金融政策理事会では、特に何も発表がなかっただけに、木曜日の発表は意外でした。

そしてもっと驚いたことには、今回の決定に踏み切った理由は、「今週に入ってからのロシア危機の影響だった。」と、ジョーダン総裁が言及したことでした。これには2つ意味があり、@ロシア危機の影響で、安全資産としてのスイス買いが優勢となった  Aロシアの富裕層がルーブル安の影響を避けるため、スイスに資産を逃避させたことなどによるスイス高を阻止することが、目的だったようです。スイス中銀のマイナス金利が実際に適用されるのは、来年1月22日。そして、この1月22日という日は、欧州中銀(ECB)の2015年最初の理事会開催日と同じです。

まとめ

果たして、今回のロシア危機が1990年代後半の時のような世界金融危機の引き金になるのでしょうか?

このコラムを書くにあたり、自分なりにいろいろ考えてみたのですが、原油価格の下落さえ止まれば、ロシアは徐々に安定に向かうと考えています。そこで来年の原油価格の見通しをみると、40〜50ドルまで下がるというのが大方の予想。つまり 現在60ドル台の原油価格が、あと15〜30%も下がることになりますが、逆の見方をすれば、少しずつ「底が見えてきた」とも言えるのかもしれません。

たぶん50ドルという大台を割り込むと、「ロシア危機再燃」の危険性が高まるような気がしますが、さすがに40ドル台の原油価格は割安感を感じますので、私自身も原油ロングにしてみようかな?と思っています。たぶんファンド勢も買いにまわるかもしれません。

1990年代のロシア危機の時と比較しても、ロシアは経常黒字・貿易黒字・外貨準備高 約4,200億ドルと、かなり体力があります。それに加え、エネルギー売却から得た収入を積み立てて≪安定基金≫というものを設置しており、予定より税収が多かった時には、その上乗せ分を基金に積みましています。原油価格が下落に転じた場合の財政補填に充てられており、今回の通貨防衛に対するドル売り介入も、この安定基金から資金を回しているようです。

総合して考えると、逆オイル・ショック ⇒ ロシアや新興国危機というシナリオにとって、来年の一番のリスクは、「米国が予想より早い時期に利上げサイクルを開始する」ことかもしれません。言い換えれば、アメリカの利上げが来年Q2よりも早まるようなことにでもならなければ、ロシアをはじめとする新興国危機が、2008年のリーマン・ショックのように金融安定を脅かすことになるとは、今のところは考えておりません。

最後になりますが、円はこういうときに「安全資産」の効果を発揮します。ただし、1990年代後半のアジア危機の時とは違い、安倍政権下での≪国策としての株価安定、それに伴う円売り方向へのトレンド≫が発生し、継続している最中ですので、当時のような17円もの円高は起きづらい環境です。ただし、相場に絶対はないということも同時に肝に銘じておきたいとも思います。

 

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