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金曜 松崎美子の英国発!すこしFX☆なが〜くFX ロンドン在住の女性トレーダーによる為替&経済コラム

ギリシャ大統領選、前倒し決定

更新日:2014年12月12日

2009年から始まったギリシャ債務危機が収束した2012年、今までのような債務危機を繰り返さないためにも、ユーロ制度の抜本改革の一環として、統合の深化を通じた危機の克服を目指すことで、ユーロ圏首脳達の合意に至りました。これを実現するには、加盟各国が国家主権の一部を放棄しEUに移譲する必要が出てきます。最終ゴールを「政治・財政統合」とし、まずは「通貨・金融統合」から動き始めました。

今年11月には、欧州中銀(ECB)に対し、域内の大手金融機関の監督権限が寄与され、欧州大手行のバランスシート審査も無事終了しています。

「さて、これから統合の深化だ!」という矢先に起きたのが、またまたギリシャを舞台とした政治危機です。本日はこの問題について、考えてみたいと思います。

ギリシャ大統領選挙、前倒し実施

ギリシャ大統領選挙の仕組み

今年10月のコラム記事でもお伝えした≪ギリシャ大統領選挙、前倒しの可能性≫。どうやら、それが本当におきてしまったようです。

その時のコラム記事に載せた【ギリシャ大統領選の仕組み】をもう一度確認すると、

2015年3月に任期切れとなるパプリアス大統領の後任選出選挙、本来であれば2015年2月に予定されていたものですが、いきなりクリスマス間近の今、実施の運びとなっています。

ギリシャ大統領選のポイントは、3回目の投票で180票を獲得出来なければ、そのまま議会解散 ⇒ 前倒し総選挙 という選択肢しかない点でしょう。

ギリシャ大統領選挙の日程

第一回目投票日は、12月17日
与党候補議員が200票以上獲得できなければ、2回目、3回目と投票が続きます。

2回目投票日: 12月23日
3回目投票日: 12月29日

3回目で与党選出の大統領候補者が180票を集められなければ、10日以内に解散総選挙という運びです。

この政治的不透明感を嫌気したギリシャ市場は、大きく下落しています。特に今週火曜日の下落率は激しく、ギリシャ株式指数は株式市場開始以来最大の13%下落を記録しています。これは、2009年から始まったギリシャ債務危機当時よりも大きな下げ幅。そして、今週月曜日から木曜日の下げ幅は20%となっています。この下げ幅を見ても、投資家が投票を前に投売りしているのが、わかります。

英国のFT紙も、一面の6割くらいをさいて、大統領選についての報道をしていました。

ギリシャ与野党の議席配分

与党選出候補が、果たして180票を獲得し、前倒し総選挙が避けられるのか?ここで、最新の与野党議席数(総議席数:300議席)を調べてみましょう。

※クリックで拡大できます

与党が推薦している大統領候補:ディマス元EU欧州委員/元外務相ですが、『第1回、2回投票で必要な200票を獲得するのは絶望的 ⇒ とりあえず、与党 155票 プラス 野党から16〜17票 = 172票までは固まったようです。だが、3回目投票で必要な180票はギリギリ可能かどうか…』 というのが、現時点でのコンセンサス。

気になる最大野党: SYRIZAの動向ですが、ディマス候補は支持しておらず、このまま解散総選挙にもつれこむことを希望していると伝えられています。

どうして、前倒し大統領選が必要となったのか?

どうしてわざわざクリスマス直前というタイミングで、サマラス首相は前倒しをする決心をしたのか?これには諸説あるのですが、まず今週に入ってからのギリシャを取り巻く出来事をお話しするのが、一番わかりやすいでしょう。

今週月曜日に開催されたユーロ圏財務総会合では、ギリシャ向け金融支援の打ち切り/延長に関する協議が行われました。本来であれば、今年12月31日に終了する予定だったギリシャ向け金融支援。しかし、事前に行われたEU/IMF/ECBから構成されるトロイカ調査団とギリシャ政府との度重なる協議の結果、どうしても来年度予算案の歳出削減額や財政の緩みのサイズについての合意が得られませんでした。そのため、最終合意にはまだ時間がかかるとし、ユーロ圏財務総会合で、例外的に≪2ヶ月間の延長≫を認めたのです。

前倒し大統領選とギリシャ向け金融支援期間の延長の発表が全く同じタイミングで行われたことを考えると、支援協議に向けてギリシャ政府内の意見を統一し、現政権の政治運営を潤滑にするためには、「大統領選で与党の強さを見せつけて、野党を黙らせるしかない!」という考えに基づきサマラス首相が決定したという説が、一番説得力を持ちます。そして、ここで与党推薦議員が大統領に就任すれば、最大野党:SYRIZAの政治介入が静まり、現サマラス政権は4年の任期を全うし、経済・財政の建て直しに専念出来るからです。

問題は、大統領選ではなく、総選挙

ここで問題となるのは、与党候補が3回目の投票で180票集められず、解散総選挙へもつれ込んだ場合です。

年明け早々、トロイカ調査団はギリシャに戻り、残された2ヶ月の間に数々の財政問題や構造改革についての協議をしなければなりません。その合意抜きでは、来年3月からギリシャが自力で財政運営をすることが不可能となるからです。

しかし、万が一来年早々にも解散総選挙という運びになってしまうのであれば、ギリシャ政府はトロイカ調査団と協議をする時間もないでしょう。そして最悪の場合には、現政権が大敗し、最大野党のSYRIZAが勝利を収めることになるかもしれないのです。

金融支援条件に関するSYRIZAの姿勢は、トロイカ調査団がギリシャ政府に課した金融支援条件そのものを根本的に見直すことを要求しており、これにトロイカが首を縦に振るのかも、疑問です。

今の時点でマーケットが心配しているのは、「予定通り2ヶ月以内に合意し、ギリシャが金融支援抜きで財政運営していくことが、本当に出来るのか?もし出来ると主張するのであれば、来年3月以降の財政計画が無理でないという証拠を見せて欲しい」 ということだと思います。

もしこの保証が得られなかったり、解散総選挙にもつれ込んでしまった場合は、ギリシャの財政危機という問題が再燃する可能性もあり、あらたな「ギリシャ危機」が訪れると予想するエコノミストも出てきました。

各政党の支持率

一番最新の世論調査によると、ギリシャ各政党の支持率は、

1位: 急進左派同盟(SYRIZA)     28.6%
2位: 新民主主義党(ND)        25.5%
3位: 全ギリシャ社会主義運動(PASOK)  5.5%

となっており、SYRIZAの支持率が、サマラス首相率いるND党を3%ほど抜いています。

このSYRIZAという政党、果たして昔からこんなに人気があったのか?と思い調べてみると、ギリシャ債務危機が始まる/始まった当時は、泣かず飛ばずだったようです。しかし、債務危機が悪化し、ギリシャが超緊縮財政策を強いられてから、どんどん支持率を高め、ここまでの地位にのし上がってきました。

SYRIZA党を知る

サマラス首相の決定を一番喜んでいるのが、他でもないSYRIZA党。その理由は、同党は早期解散総選挙を熱望しているからです。ここでは、同党がどのような党であるのか?について調べてみました。

2012年総選挙時のマニフェスト

全部で40項目ありますが、主なものを挙げますと

  • ギリシャ債務をもう一度見直す。そしてギリシャ経済が完全に立ち直るまで、債務返済の義務は一時的に凍結。そして利払いの金利についても再交渉する
  • 欧州中銀(ECB)の責務の変更を欧州委員会(EU)に申し出る。変更後は、加盟国の公共投資などの財源を、ECBが直接ファイナンスすることを可能にする
  • EU条約内容に対する国民投票の実施
  • ギリシャの銀行、飛行場や鉄道、道路などの国営化
  • 無料保険制度の充実 (GDPにおける医療負担を欧州平均6%へ引き上げる。現在のギリシャはGDP比3%に留まっている)
  • NATOからの離脱
  • 年間所得が50万ユーロ以上の者には、所得税率75%を適用
  • 大企業に対する法人税上げ (欧州の平均税率に近づける)
  • 金融取引のうち、投機に近いデリバティブ取引を禁止する
  • 最低賃金を、月: 750ユーロに上げる
  • 教会や銀行、政府系ビルディングを、ホームレスのために使用
  • 低所得の子供たちに、公立学校の給食を無料で配布
  • 低所得層に対し、住宅ローンの30%を上限として、補助金を支給

こんな感じになっています。まぁ、驚く内容ばかりですが、想像していたのとは裏腹に、反欧州・反移民の政党ではないことがわかりました。よく読んでみると、ギリシャがEUとユーロ圏に留まることには、賛成しています。このあたりは、他のEU加盟国の反欧州・反移民政党と一線を画す点ですね。

3ヶ月ほど前に、SYRIZA:ツィプラス党首が行った演説

  • ギリシャ国債のヘアーカット
  • ギリシャ世帯に対する電気・ガス代の無料化
  • 無料医療制度の復活
  • 年金基金、130億ユーロの積み増し
  • 最低賃金50%アップ
  • ECBによるギリシャ国債の直接買い取り ⇒ 社会保障の充実に向け、国債発行が急増する。そうなると、国債利回りが高騰するので、それを防ぐためECBにギリシャ国債を直接買い取り、利回りの安定を保証して欲しい
  • 富裕層に対する増税
  • 雇用創出プログラム ⇒ 財源は欧州委員会が受け持つ
  • 個人の銀行債務の帳消し

まぁ、呆れて言葉も出ませんが、公共料金の無料化、医療制度の無料化など、これを実現するための財源全てをECBに保証してもらおうと考えているようです。本気でこんなこと考えているのであれば、EUのほうからギリシャに出て行ってくださいと言いかねない内容ですね。そして、絶対にあり得ませんが、こんな条件に欧州委員会が少しでも譲歩する姿勢を見せたりしたら、他の加盟国からの不満が噴出することは疑いの余地がありません。当然ですが、ドイツが黙っていないでしょう。

そして、一番最初に挙げた「ギリシャ国債へのヘアーカット」が現実化してしまうと、2011〜12年に経験したようなギリシャ系銀行の経営不安が出てきて、預金流出という事態にもなりかねません。その証拠に、今週のギリシャ株式指数の下落でも、金融機関株の下落が目立ちました。そして、木曜日からは、Grexit (Greek Exit ギリシャのユーロ離脱)という懐かしい単語が、やたらと目に付ようになりました。

まとめ

繰り返しになり恐縮ですが、万が一来年早々にも前倒し総選挙が実施される場合、来年2月上旬まで暫定政権となり、重要な政策決定が出来なくなります。つまり、トロイカ調査団が協議をしたくても、きちんとした政府が2月上旬まで不在となります。

市場予想では、2015年上半期の利払い分の資金は、財務省が確保していると伝えられていますが、今回の金融支援の延長は2ヶ月、つまり来年2月末までですので、果たしてその後の財政運営がどうなるのか、ますます不透明感が高まるのは避けられないでしょう。

場つなぎ的に短期債の入札を繰り返し、食いつないで行くことが想像されますが、こういう事態になると、不透明感を嫌った投資家が入札に参加しないため、入札予定額が埋まらないという事態もあり得るでしょう。

今週に入ってから、この前倒し大統領選の報道を受け、ギリシャ金融市場では、株も債券も売りが強烈に出ています。週前半は、ユーロ圏周縁国への影響は見られませんでしたが、水曜日くらいから、特に債券市場で、周縁国の利回りが少し上昇(国債価格下落)してきました。しかし、そうは言っても、スペインやイタリアの10年債利回りが2%台という低いレベルにいるので、ユーロ売りなど直接的なフローは、まだ出てきていないようです。

12月はユーロ/ドルの月足が陽線になることが多いため、ギリシャ・ネタだけでユーロ売りを仕掛けるのはやめておこうという決め手になっているのかもしれません。しかし、来年になり、本当に前倒し総選挙実施という事態になれば、ギリシャ市場だけでなく、スペインやイタリアへの飛び火の度合いを確認する必要性が出てくることでしょう。

もともと、ECBの国債購入を含む量的緩和策(QE)の思惑で、ユーロ売り/ドル買い方向を見ておりますが、そこにギリシャ総選挙という運びになると、来年早々にもユーロ売りが加速する可能性もあります。

最後になりますが、ユーロ取引をする際に私はいつも実効レートを参考にしています。一番最新のレートは、99.9147

このチャートをご覧になるとわかりますが、今年の秋から3回ほど99を割る動きが出ましたが、3回ともサポートされています。過去の値動きをみても、99というレベルは何度か重要なサポートとして機能しているのがわかりますね。

ですので、私が本格的にユーロを売ろうと考えているのは、ユーロ/ドルが1.25〜26台へ戻したところ、または実効レートが99を綺麗に下抜けして、そこがレジスタンスとなった時です。その場合、次のサポートの目安は、1999年ユーロ誕生以来の実効レート高値/安値の50%レベルである97.7735。そして究極のサポートとして、94を視野に入れています。

 

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