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マーケットビュー

金曜 松崎美子の英国発!すこしFX☆なが〜くFX ロンドン在住の女性トレーダーによる為替&経済コラム

最近のスイス高

更新日:2014年11月21日

日本の衆議院解散・消費増税時期の延期など、今週は日本からたくさんニュースが流れてきました。それを受けて、どんどん円安が進行しておりますが、私が密かに気にしているのがスイス高です。

スイス国立銀行(中央銀行)は、2011年9月にスイス高を是正するため、対ユーロでのスイス・フラン上限(フロアー)を1.2000に設定し、フロアーが割れるような局面では無制限に介入すると宣言しました。当時は、ギリシャから端を発したユーロ圏債務危機の真っ只中で、止むを得ない措置だったと思われます。

それから3年が過ぎ、ユーロ債務危機も収束し、特に世界規模で金融市場を脅かす材料に欠ける今、ユーロ/スイスがフロアーのある1.2000まであと一歩のところまで来ているのです。

本日のコラムでは、最近のスイス高の背景にあると思われる出来事を調べてみたいと思います。

スイスでの国民投票

2011年9月にフロアーを設定した頃からでしょうか、「スイス中銀は介入の際の資金源として、中銀が保有している金の売却をするようだ」という噂が流れました。しかしスイス国民としては、貴重な金を通貨防衛目的で売却して欲しくない という気持ちが大きかったようです。フロアー設定の数ヵ月後、『SNBの金売却の是非に対する国民投票』を実施したらどうか?という風潮が高まりはじめましたが、その後内容がどんどんエスカレートし、とうとう 「SNBの外貨準備金に於ける金の保有高を最低20%と設定する。そして二度と金の売却をしないという約束を取り付ける」という流れに変わっていきました。

それから3年経ったいま、その国民投票がとうとう実施されるのです。

国民投票内容

  • 実施日:
    2014年11月30日(日曜日)
  • 国民投票実施までの道のり:
    金準備積み増し法案がスイス議会で否決されたことを受け、スイス国民党が、10万人以上の国民の署名を集め、国民投票実施にこぎつけた
  • 投票内容:
    スイス国立銀行 (中央銀行、SNB) の金準備積み増しを義務付ける提案
  • 質問内容:
    1) スイス中銀は、国外に保管している金を、全て国内に持ち帰る
    2) スイス中銀の全資産のうち、20%を金準備とする
    3) スイス中銀は将来、金の売却を行わない
  • 可決とみなされる条件:
    投票者の半数以上のYESに加え、スイス26州の半数以上がYESとならなければいけない
  • 可決された場合:
    この問題はスイス議会での批准が必要となる。もし、議会でこれを法制化するのは危険だと判断した場合、新たな国民投票の実施という可能性も出てくる
  • 1.2000フロアー撤廃となるのか?:
    この決定に関しては、政治的協議を経て、議会での決定が必要となる
  • 金の保有比率:
    SNBの外貨準備における金の保有比率は、現在8%であるが、可決された場合は、2019年までに20%まで積み増す義務が生じる
  • 将来の金売却:
    20%まで積み増した後の売却は禁じられる

可決された場合、考えられる為替への影響

  • SNBは5年以内に、推定で1,500〜1,780トンの金を購入することになる。その際には、外貨準備で保有している外貨(ユーロやドル)を売却し、その資金で金を購入することになると予想
  • 最新(10月発表分、8月末時点)のSNBの外貨準備高は、5,466億5900万ドル
  • 9月末時点での外貨比率は、ユーロ 45%、ドル29% そして、円9%
  • 金保有を5年以内に8%から20%に増やすということは、12%増加⇒金額にすると、約656億ドルに匹敵
  • 656億ドルのうち、ユーロは45%なので、295億ドル=約240億ユーロ
  • 656億ドルのうち、ドルは29%なので、190億ドル
  • 656億ドルのうち、円は9%なので、59億ドル=約6845億円

つまり、上記の金額を5年かけて売却しながら、金を購入する計算となります。

可決された場合のスイス経済への影響

万が一、国民投票でYESが出たとしても、26州のうち半数以上のYESが必要となり、それに加え議会での批准も取り付けなければならないという気の遠くなるような手続きを経ての決定となりますが、私自身は、「たぶん、この国民投票は否決されるだろう。」と考えています。

しかし、なにごとにも絶対というものはありませんので、ここでは可決した場合の経済への影響について考えてみたいと思います。

可決後、金の保有を高めるため、スイス・フラン防衛のためのユーロ買い/スイス売りをするたびに、新たに金を購入する必要が生じます。そうなると、通貨防衛コストが膨らみますので、市場参加者の間では、「果たして、スイス中銀は、いつまで介入を実施出来るのか?」という素朴な疑問が生じてくるでしょう。

そこまで来てしまうと、【フロアー撤廃】という話まで飛び出すのは時間の問題ですので、スイス高が加速しやすい相場になりそうです。この世界的低インフレ傾向の中、自国通貨高はインフレ押し下げ要因になってしまいます。現在、スイスのインフレ率は、0%ですので、デフレに陥るのは避けられません。その場合は、スイス中銀は、欧州中銀(ECB)同様、政策金利のマイナス化を目指すでしょうが、後の祭りとなりそうです。

ロシアでの出来事

今年の夏以降のスイス高を考える上で、ロシアでの動き抜きでは語れないと思います。ウクライナ危機を通して西側がロシア制裁に動く中、原油価格は急落したため、ロシア経済・財政見通しに赤信号が灯ったからです。

これは今年4月からのユーロ/スイスのチャートですが、夏まではロシア以外の話題 (赤い文字で表示) でのスイス高となっておりますが、夏以降はロシア絡みの話題 (青い文字で表示) が後を尽きず、『有事のスイス買い』という側面がクローズアップしてきました。

※クリックで拡大できます

力尽きたルーブル防衛

今年に入ってから、対ドルで45%も通貨安となったロシア・ルーブル

以前、このコラムでも書きましたが、ロシアの通貨:ルーブルは、ドルとユーロとで構成する2通貨バスケットを中銀が設定し、毎日の変動を一定の幅に収める「管理変動相場制」という、少しややこしい枠組みの中で動いていました。

夏が終わった頃から、ウクライナ危機 ⇒ 西側からの制裁強化 ⇒ それに伴う資金流出 ⇒ 原油価格の急落というノックアウトに近いパンチを喰らったにもかかわらず、ロシア中銀はルーブル相場を一定の許容変動幅の中で動くというやり方を変更しませんでした。その代わり、変動幅自体を何度も拡大すると同時に、思いがけないタイミングで政策金利の引き上げを実施、そして介入額の制限撤廃など、次々に対策を打ち出しました。ただし、10月だけでも、為替介入に300億ドルを投じたと言われており、外貨準備金の減少が少しづつ問題視されはじめた頃から、ルーブルは連日過去最安値を記録し続け、とうとう11月10日に変動相場制への移行を発表しました。

これはロシア中銀ウェブサイトに載っていた「外貨準備高」のデータを自分でエクセルに載せて作ったチャートです。今年に入ってから、ロシア中銀は多額のドル売り/ルーブル買い介入をしたとマーケットで言われているので、自分の目で確かめてみたいと思いました。

介入はドル売り介入ですので、外貨のみの準備高 (赤いライン) の変化を見てみると、

・2013年12月31日時点  469,605 mil (4,696億500万ドル)
・2014年10月31日時点  383,283 mil (3,832億8,300万ドル)

その差は、863億2,200万ドルとなっています。マーケットの話では、ロシア中銀が今年1月1日〜10月31日までに実施した介入額は、680億ドルと言われていますので、外貨準備金の減少のほとんどが、介入に使用されたことがわかりました。

その中でも特に、10月の減少幅は大きく、短月で258億7,600万ドルの減少。かなり激しく介入していたようですね。

過去3ヶ月で、対ドルで30%近い下落をしたルーブルですが、輸入物価の上昇という形で跳ね返って来た部分の一部を、原油価格下落で相殺しているとは言え、同国のインフレ率は8.3%まで上昇しています。

国債入札に失敗!

今週水曜日、ロシアは6週間ぶりに国債入札に踏み切りましたが、結果は散々たるものとなりました。2016年5月に満期を迎える国債で、入札予定額は、50億ルーブル。

しかし、いざ蓋を開けると、入札参加額は、予定額の1割にも満たない4億9,100万ルーブルとなってしまい、応札利回りも、前回入札時の6.67%から、一気に10.06%へ上昇。この6週間の間に5回の入札を見送らざるを得なかったロシアですが、いかに投資家がロシア資産から離れていっているのかが、よくわかった皮肉な結果となりました。

対外債務支払い

ロシアでのルーブル安は、裏返すとドル買い需要がそれだけ強くなってきたとも受け取れます。規模が小さいドル買い材料としては、ルーブルという通貨の価値がどんどん毀損されてきたため、特に富裕層の間で、外貨(=ドル)を貯め込む動きが加速してきたことが挙げられるでしょう。

しかし、それ以上に大きなものは、大量の対外債務の返済期限が迫っていることかもしれません。このチャートは、ロシア中銀ウェブサイトに載っていたセクター別の対外債務返済額をまとめたチャートです。一番上の青い棒グラフは、全体像。下に載せたものは、政府・金融機関・その他と、セクター別にそれぞれ分けたものです。

データ: ロシア中銀ウェブサイト

※クリックで拡大できます

これを見ると、12月には全体で300億ドルもの返済が迫っていることがわかります。そして、このグラフには載せておりませんが、中銀の統計を見る限り、ロシア経済全体で2015年末までに返済期限を迎える対外債務は、1,400億ドルになるようです。

皆さんもご存知のように、米欧はロシアに対する制裁強化の過程で、特にロシアの大手金融グループを対象に、米欧での資金調達をさらに制限しています。そのため、彼らにとっては、債務返済に向けてのドル調達手段が奪われた形となっています。

貿易決済で使用する通貨に関しては、決済通貨をドル以外の通貨に変更することは可能でしょう。しかし既存のドル建て債務に関しては、ドルの資金が必要となるため、ロシア企業や金融機関は、12月の大型返済に向け、止むに止まれず為替市場でルーブルを売って、ドルを買っているという話しにもなっているようです。

今までは、「原油価格の下落や欧米の制裁により、ロシア財政が逼迫して、ルーブルが下落している。そこに来て、突然の変動相場制への移行で、ルーブルは、フリーフォール (Free fall) 状態」と言われいますが、この12月の大型債務返済も、ルーブル下落に相当影響していると私は考えています。

まとめ

スイスの国民投票、ウクライナ情勢、ロシアでの出来事と、「有事のスイス買い」が出てきても全くおかしくない状態が続いていることがわかりました。特に、スイスの国民投票は、「可決はされないだろう。」というのがコンセンサスになってはいるものの、やはりきちんとした結果を目にするまでは、ユーロ/スイスは1.2000フロアー近辺に張り付いたままだと考えるのが妥当でしょう。

「もし投票が実施される11月30日までに1.2000スレスレまで下がったとしたら、スイス中銀は介入するのか?」という質問を受けましたが、これは議会でも正式に決定されたことですので、中銀はその義務を一方的に放棄することは不可能だと思います。

※クリックで拡大できます

介入により外貨を増やすことをなるべく避けるため、もしかしたら、本格的な介入は1.2000を割れて、1.1990くらいからになるかもしれません。

しかし為替取引で生計を立てている私達が問うべき問題は、「世界中のマーケットがユーロ/スイスをロングにしているのに、そこでSNBが介入をしたところで、一体どのくらい戻ると言うのか?」 これに尽きると思います。

2011年9月にフロアー制を発表した時には、マーケットのポジションは、思いっきりユーロ売りに傾いておりましたので、発表を受け一斉に損切り大会が始まりました。しかし、今回は皆が皆、ロングにしているので、上がれば怒涛の利食い売りが出てきます。そのため、中途半端な介入で終われば、100ポイントも戻らないと私は考えています。

そして3ヶ月に一度開催されるスイス中銀金融政策理事会が、12月11日に予定されています。もし国民投票が否決されたとしても、欧州中銀に続き、政策金利のマイナス化という決定がないとも限りません。

既にかなり高値圏に突入しているドル/スイスですが、万が一のユーロ/スイスでの介入や、政策金利のマイナス化への可能性を考慮すると、中期的には、1.0000 (Parity)への上昇を狙っていると考えられます。

※クリックで拡大できます

このチャートは、ドル/スイス月足に、62EMA (Exponential Moving Average 指数移動平均線)を加えたものです。2002年に62EMAを下抜けして以来、ずっとこの線の下で推移しており、戻りもこの線で止められています。そして、現在、ドル /スイスはちょうどこの平均線の真上での推移となっています。

もし今月か来月にでも、この線を上抜けて終了した場合、中期的には、そこからParityに目指した動きが出てくるのではないでしょうか?逆に、再度この線に頭を押さえられて下落するようであれば、来年もドル高相場はしばらく継続すると考えておりますので、買い場提供という見方をしたいと思っています。

ただし、これらは全て、【あくまでも、スイス中銀が、1.2000フロアーを継続維持する】という大前提条件付きである点は、ご理解ください。

 

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