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金曜 松崎美子の英国発!すこしFX☆なが〜くFX ロンドン在住の女性トレーダーによる為替&経済コラム

英中銀四半期インフレーション・レポート

更新日:2014年11月14日

英中銀は四半期に一度、マクロ経済・金融政策見通しを発表し、それをインフレーション・レポート(以下、QIR Quarterly Inflation Report) と呼んでいます。今週水曜日に発表された最新版のQIRは、予想以上にハト派的内容で埋め尽くされており、ポンドはこの発表を受け大きく下落しました。

過去2年に渡り、英国経済はどん底状態から、一気に息を吹き返しました。特に今年上半期における成長率の伸びは、主要国の中でも最高記録となっています。しかし、夏が過ぎロシアへの制裁が強化された頃から、グローバル規模での景気減速が指摘され、お隣りヨーロッパでは、過去に起きたユーロ圏債務危機の間もずっと一人勝ちしていたドイツが、景気減速の危機に直面してきたのです。

当然ですが、英国も無傷でいられる訳がありません。その意味も含め、今回のQIRの注目度は非常に高いものとなりました。

インフレ・レポートの事前予想

私自身はQIR発表に向けて、以下の点に注意しようと考えていました。

・マクロ経済見通し(GDP、CPIなど)
  • ⇒下方修正されることは、既に織り込み済み。問題は、修正の度合い

・最初の利上げ時期予想
  • ⇒前回QIRが発表された2014年8月には、「最初の利上げ時期」は、わからないとされていました。そして最近の世界的低インフレ率傾向を受け、金利先物市場では英国の利上げ時期予想を、≪2015年5月から8月くらい≫へ遅らせました。最近の利上げ時期を巡る予想の変化は、この表を参考にしてください。

・グローバル景気減速/欧州景気の影響
  • ⇒これについての英中銀の見解が、私は非常に気になっていました

・原油安の影響
  • ⇒原油価格が現在の80ドル台での推移となれば、英インフレ率は2015Q2末時点で、 あと0.5%下がり、+0.7%くらいまで下落するという見通しというのが、エコノミスト達の見方

・賃金上昇率の見通し
  • ⇒英中銀が一番注目している指標ですので、たっぷりと見解を聞かせて欲しいものです

・QEからの出口戦略について
  • ⇒かなり遅いペースとなるものの、早ければ来年後半には出口戦略が開始されるという見方が根強いです。英中銀は、出口戦略の専任担当として新しく副総裁職を増設し、シャフィク氏がこの夏に就任しました。

11月 四半期インフレーション・レポート発表

発表と同時にカーニー総裁、ブロードベント副総裁、そしてシャフィク副総裁が記者会見会場に登場されました。キング前総裁時代は、これ以外にも主席エコノミストや市場担当委員などが顔を並べておりましたが、カーニー総裁になってから人数が減っています。

レポート内容、そして記者会見での様子を総合すると、『予想よりも、更にハト派』な内容となり、これを受けて長期金利(10年物Gilts利回り)とポンドは下落しましたが、株価の上昇には結びつきませんでした。

GDP見通し

今回のQIRで発表された英GDP見通しです。カッコ内の数字は、前回8月のレポートでの予想。
比較すると、今回の予想は、下方修正となっていますが、個人的には思ったよりも修正幅が小さかったことに驚いています。

次は、2016年第4四半期という期間限定のGDP予想です。緑色が今回の予想、グレーの太線は前回8月の予想。

中心値が少しだけ左寄り(低め)となっているのが確認出来ます。

インフレ見通し

次は、インフレ見通しです。こちらは、GDPとは違い、2014Q4と2015Q4の数字が、大きく下方修正されていました。

しかし、2016年第4四半期という期間限定のインフレ予想となると、11月の中心値は1.95%となっており、8月の1.96%とほとんど変わりがありません。

1%を切るであろうインフレ率

今回のQIR発表で一番マーケットに衝撃(?)を与えたのは、「英国のインフレ率は、半年後くらいまでに、1%を下回ることになるかもしれない。」というカーニー総裁の発言でした。

日本に住む方にとっては、「インフレ率1%以下が、なにか?」という反応かもしれませんが、英国はあのリーマン・ショック後のドタバタ時でも、インフレ率は1%を割らず、1.1%を底に反転しました。やはりこの国に住んでみないと実感するのは難しいですが、「何もなくても、常にインフレ懸念に悩まされる国」ですので、1%以下のインフレ率というのは、ある意味異常事態!

この見解を受け、一気に利上げ時期の後退を織り込むため、長期金利もポンドも下落。

私自身も、最近の商品価格の下落を受け、英国のインフレ見通しは下がらざるを得ないという認識を持っておりますが、それに関しては後ほどあらためて書きます。

ちなみに、英国の低インフレ率の主因は、@輸入商品の価格下落   A原油価格の下落  B国内需要の低下  Cポンド高 を挙げています。特に最近のポンド高は、インフレ率 0.75%の押し下げ要因と英中銀は捉えているようです。

グローバル景気減速について

カーニー総裁の記者会見が始まってから、開口一番で、以下の台詞が飛び出しました。

「Since we last met, indicators across much of the advanced and emerging world have been moribund. A spectre is now haunting Europe - the spectre of economic stagnation, with growth disappointing again and confidence falling back.
前回のインフレ・レポート発表(2014年8月)以来、主要国・新興国ともに、世界中の国々の成長が止まった印象を受ける。その変化は現在ヨーロッパを悩まし続けており、予想を下廻る景気低迷(スタグネーション)により、そこに住む人たちの自信や信頼もどんどん低下している。」

英国の輸出の半分くらいがユーロ圏各国向けであることを考えると、英経済もここからかなりの打撃を受けることが考えられます。

将来の金利見通し

英国も世界的低インフレ傾向から逃れることは出来ないため、前回8月と比較して政策金利見通しが大きく下方修正されました。

このチャートは、QIRに載っていた「英米欧3ヶ国の金利見通し」です。いずれの国も、太線が11月の予想、点線が8月時の予想となっています。

  • 青線 ⇒ 英国
  • 紫線 ⇒ 米国
  • 黄色線 ⇒ ユーロ

以前から指摘されているように、英国が一足お先に利上げを開始する予想には変化ありませんが、政策金利水準が「米>英」へと逆転する時期は、前回の2017年末から、一気に2016年末〜2017年初へ早まっているのが気になります。

最初の利上げ時期

QIR発表直前までは、最初の利上げ時期予想は≪2015年8月≫となっておりましたが、発表後は、≪2015年10月頃≫へと後退しました。この表は、QIRに載っていたフォワード金利マーケットでの、英国政策金利の推移を予想したものです。赤い枠で囲んだものが11月、その下が8月時点でのマーケットのレベルです。

政策金利が1%になる時期を見ますと、8月には2015Q2〜Q3の間であったものが、11月には2016Q1まで後退しています。それに加え、8月の時点では、2017年末には2.5%くらいの金利水準になるという認識でしたが、最近の世界的低インフレ⇒中銀の緩和政策の強化/延長傾向を受け、現在は2017年末は1.7%というレベルまで見通しが下がってきています。

賃金上昇率見通し

今回のQIRで、唯一明るい材料となったのが、賃金上昇率に関する見解でした。これは、QIRに載っていた見通しで、赤い枠で囲んだ部分が英中銀の予想です。カーニー総裁は記者会見の席で、「最新の賃金上昇率は、ここから前向きに上昇するに違いないと予期させる内容となった。2015年末までには、2%程度の上昇となるだろう。」と語りました。

QIRが発表された11月12日は、発表の1時間前に9月分の雇用統計の発表がありました。そこで発表された一番最新(2014年7〜9月期)の賃金上昇率によると、

週賃金上昇率(ボーナスを含む) +1.0%
週賃金上昇率(ボーナスを除く) +1.3%

そして最新のインフレ率(9月分)は、+1.2%

つまり、とうとう 賃金上昇率(ボーナスを除く) > インフレ率 という関係に戻ってきたため、ここからの個人消費動向に期待が持てます。

データ:英統計局ウェブサイト

※クリックで拡大できます

世界的デフレ傾向、原油価格の急落を受け、英国のインフレ率も今後低下が見込まれるため、ここから賃金上昇率>インフレ率の関係が定着すれば、個人消費の改善が期待され、景気回復の足がかりとなるため、来年の英国もそれなりのGDPの伸びが期待されるかもしれません。

気になる発言

今回のQIR発表時の記者会見を見ていて一番気になったのは、賃金上昇率でもインフレ見通しでもなく、≪ユーロ圏の景気低迷≫を心配する発言でした。

カーニー総裁は、「ユーロ圏の景気回復を実現するために、ECBの緩和策頼みの姿勢を続けることには、無理がある。加盟各国それぞれが、必要な構造改革の遂行に向けた努力をしない限り、ユーロ圏が将来進む道が開かれてこない。財政政策も、欧州委員会が設定した財政規律を順守し、加盟国全てが協力して健全化に取り組む必要があるだろう。」 という内容の発言をしました。今までにも、ユーロ圏に対しやや悲観的な発言をすることはありましたが、ここまで踏み込んだ内容は、たぶんはじめてではないでしょうか?

この発言を裏返せば、ユーロ圏でのリセッションが深化した場合、英国も無傷ではいられないということでしょう。今回のQIRでは、英国経済に対しネガティブな内容となっていないだけに、今後のユーロ圏の動向如何では、英国の経済拡大が鈍り、利上げ時期が更に遠のく可能性も出てきます。

今のところ、英国は3%以上の経済拡大を達成しながらでの低インフレ傾向の始まりですので、購買力が大きく減少する心配は、とりあえずありません。しかし、いざユーロ圏のように、ゼロ成長・デフレリスクという事態が飛び火してきてしまうと、問題は深刻です。

まとめ

このヨーロッパからの負の飛び火が英国を沈没させないためにも、賃金上昇率上昇のトレンドが出来上がる ⇒ それが、英国のインフレ率を押し上げる ⇒ 同時に、賃金上昇率 > インフレ率の関係が継続する ⇒ GDPにとっても追い風となる  というポジティブな連鎖が必要となってきます。

次のインフレ率発表は、11月18日。もしこの時に、インフレ率が1%または1%を下回るようなことになれば、12月の英中銀金融政策理事会(MPC)では、政策金利据え置き決定の理事達の投票配分が、現在の7対2 (据え置き7人 対 利上げ2人) から、8対1あるいは9対0へと変化し、利上げ賛成者がゼロになる可能性も出てきます。

もし12月の理事会でも依然として、7対2での据え置き決定となったとしても、来年1月に発表される2014年12月分インフレ率は、ほぼ確実に1%を割ることになるでしょう。その理由は、2013年12月に英国の電気・ガス料金は6.5%利上げされましたが、今年12月には、この値上げ部分のインフレ率押上げ要因が、消滅します。この消滅により、インフレ率は0.3%の押し下げ効果が出てくるため、ほとんど確実に1%以下のインフレ率になることは避けられそうにありません。

その意味もあり、カーニー総裁は、「半年後のインフレ率は1%を下回っている可能性が高い」という内容の発言を、記者会見で繰り返したものと思われます。

最後になりますが、予想以上にハト派的内容となったQIRを受け、ポンドは14ヶ月ぶりに1.57台へ突入。今後もポンド/ドルは、ユーロ/ドルの下落の影響を強く受けると思われるため、Sell on rally を変更する気はありません。

問題は、ユーロ/ポンドです。中長期的には、ユーロの下落率の方が大きいと想定しているため、ユーロ売り/ポンド買いの方向性には変化がないと考えております。しかし、今後1〜3ヶ月間という短期的な時間軸で考えると、インフレ率が1%を下回る可能性が出てくるため、注意が必要です。

ここからのインフレ率発表の予定は、 @ 11月18日の10月分・インフレ率 A 12月16日の11月分・インフレ率。この時に1%割れが確認されると、ポンドが大きく下げる可能性も考えられます。ちなみに、英国のインフレ率が1%を下回るのは、2002年以来はじめてのこと。それだけに、かなりインパクトが大きいと私は考えています。

※クリックで拡大できます

ユーロ/ポンドの目先のレジスタンスは、ベガス式トンネルが通る0.7985〜0.8010  (チャート上の水色の丸で囲んだ部分)。同時に赤いラインを引いたレジスタンスも、0.7980/90近辺を通っています。

インフレ率が1%を割り、ポンド売りが加速し、0.80台の上にあると思われる損切りを誘発し、上昇した場合、下のチャートの黄色いハイライト部分の上限である0.8080台では、頭を押さえられると考えています。ですので、自分としては0.80ミドル台で売り開始、0.8090近辺に損切りを置いてみようと思います。

※クリックで拡大できます

 

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