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マーケットビュー

金曜 松崎美子の英国発!すこしFX☆なが〜くFX ロンドン在住の女性トレーダーによる為替&経済コラム

欧州中銀理事会とドラギ総裁記者会見

更新日:2014年11月7日

先週開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)では、予定通りに量的緩和策第3弾(QE3)が終了しました。しかし、そのわずか35時間後に、日銀・黒田総裁が、追加緩和策の発表という予想外の行動に打ってでたのです。

緩和政策からの出口戦略を鮮明にしたアメリカ、それに対して、異例なタイミングでさらなる緩和策の導入に踏み切った日本。ヨーロッパでも、スウェーデン中央銀行が10月末に、突然のゼロ金利決定という意表を突く発表をしたこともあり、「残るは欧州中銀(ECB)か?」と市場の関心は高まりました。

今回のECB理事会は、追加緩和以外にも、ドラギ総裁と他の理事の不仲説や、来年から導入される理事会での輪番制の話など、話題性に富んだものとなりました。

ECBの輪番制について

2015年1月よりリトアニアが参加するため、ユーロ加盟国は合計で19ヶ国となります。それに伴い、金融政策理事会における投票権の変更が発表されました。輪番制による政策決定では、経済大国の意見がより大きく反映される反面、年に数回の割合で投票権が与えられない月が出てきます。

わかりやすく簡単にまとめてみましたが、

・経済規模が大きい上位5ヶ国 (ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、オランダ)
5ヶ国で4票を分かち合う

・残りの14ヶ国
14ヶ国で11票を分かち合う

・専任役員6名
ドラギ総裁(イタリア)、コンスタンシオ副総裁(ポルトガル)、4名の理事  〔⇒ クーレ(フランス)、ラウテンシュレーガー(ドイツ)、メルシュ(ルクセンブルグ)、プラート(ベルギー)〕 は、恒久的投票権を持つ

非常に気になるのが、ドイツ(バイトマン・ドイツ連銀総裁)の投票権がなくなる月は、いつなのか?ということです。調べてみると、2015年5月、10月、2016年3月そして8月の理事会に投票権を喪失するようです。ただし、投票権がない月でも、全ての加盟国の中銀総裁はECB理事会に出席し、協議に参加することには変わりありません。

ECBへの出資比率が27.5%と、断トツトップのドイツよりも、経済小国に属したマルタやキプロスの投票回数の方が多いことに疑問を持つ関係者も後を絶たず、特にドイツ政界からは、早急にこの輪番制内容の見直し要請が出ています。

ドラギ総裁に物申す

今週に入りやけに目に付く報道として、「ドラギ総裁の運営方法に対するECB理事達の不満」というものがあります。いくつかの報道内容をご紹介しますと、

  • 8月末のジャクソンホール経済シンポジウムでドラギ総裁が行った講演では、インフレ内容について事前に用意された講演内容に加え、ご自身のアドリブ部分を付け足したことを、快く思っていない理事達がいる。
  • 9月理事会後の記者会見で、ドラギ総裁は、バランスシート拡大に向け、具体的な数字(2012年の規模)を出した。これに関しては、既に理事会で協議された模様であるが、具体的な数字はマーケットには公表しないと約束したはずなのに、総裁自らがそれを破ったとして、5〜7名の理事達が激怒している。
  • 金融政策委員会の最中に、ドラギ総裁は3台の携帯電話を自分の前に並べ、他の理事が発言中であるにもかかわらず、テキストメッセージを送っていたり、電話に出るため、離席することがたびたびある。
  • ドラギ総裁は、理事会前の政策文書の配布中止の決定をした。これは、ドイツをはじめとする7〜10人の理事がQE策導入に反対しているため、その決定を阻止する目的で理事会前の文書配布時に根回しをすることを防ぐためといわれている。
  • 特にバイトマン独連銀総裁との不仲はかなり度を越えており、メルケル首相が仲介役として何度か席を設けたが、最終的には和解できずに現在まで至る。

この手の報道は、時として半分くらいゴシップ化されているものもあるでしょうし、特に携帯電話の部分は、電話の相手がイエレン議長だったり、何か緊急な決定事の返事待ちということもあるかもしれませんのでなんとも言えませんが、私が一番気になるのは【バランスシート規模】の部分でした。

私をはじめ、市場関係者は「2012年の規模までバランスシートを拡大するというからには、ここから1兆ユーロの通貨量を増やすということだ!」と、具体的な数字を挙げてマーケットを見ているため、これが狂ってきてしまうと、ユーロの見通しにも変更が生じます

数々の報道を読み比べると、木曜日の理事会前日に開催される非公式晩餐会で、総裁の運営方式について話し合いを持つ可能性があるようだと書かれていました。

ECB理事会・ドラギ総裁記者会見からの発表

ECBの発表方法は他の主要中銀とは違い、標準的措置(政策金利の変更など)は、フランクフルト時間13:45に、非標準的措置(量的緩和など)は、14:30から始まるドラギ総裁の記者会見冒頭で読み上げる声明文の中での発表となります。

まず13:45には、政策金利の発表が行われ、

  • 上限貸出金利 +0.30%
  • リファイナンス金利  +0.05%
  • デポジット金利  −0.20%

全てが据え置き決定となりました。これはコンセンサス通りです。

そして14:30からドラギ総裁記者会見が始まり、いつものように声明文を読み始めた途端、予想もしない事態となり、ユーロ/ドルは2012年夏以来の安値へ急落したのです。

ここでの≪予想もしない事態≫とは、声明文の冒頭でいきなりバランスシート規模についての言及が出てきたのです。

「Based on our regular economic and monetary analyses, and in line with our forward guidance, we decided to keep the key ECB interest rates unchanged. Following up on the decisions of 2 October 2014, we last month started purchasing covered bonds under our new programme. We will also soon start to purchase asset-backed securities. The programmes will last for at least two years. Together with the series of targeted longer-term refinancing operations to be conducted until June 2016, these asset purchases will have a sizeable impact on our balance sheet,which is expected to move towards the dimensions it had at the beginning of 2012.

これが実際にドラギ総裁が読み上げた声明文の文章ですが、黒くハイライトを入れた部分が、バランスシートに関する言及部分。そして赤くハイライトをした箇所が、具体的な規模の部分。

太字の部分だけを訳してみますと、

これら(条件付き長期リファイナンスオペ(TLTRO)やカバード債など)の資産購入を通じて、ECBのバランスシート残高には多大なインパクトが生じると思われるが、その規模は2012年初期の規模に向けて増加すると期待される

本日の記者会見で一番注目を集めていたのが、≪バランスシート規模を本当に2012年のレベルに増加する意思が、ECBにはあるのか?≫ということでした。そして、私達は質疑応答の時に記者から質問が出て、そこでドラギ総裁がどうお答えになるかに注目していただけに、まさか声明文で、それも開口一番のタイミングで、その真意が明らかになるとは考えてもおりませんでした。

※クリックで拡大できます

 

バランスシート規模/拡大について

繰り返しになってしまい申し訳ありませんが、このバランスシートに関する問題は、9月理事会後の記者会見で、ドラギ総裁が

「the ECB aimed to expand its balance sheet “towards the dimensions it used to have at the beginning of 2012″ at the peak of the euro zone crisis.
欧州中銀は、ユーロ危機がピークに達した2012年のはじめの頃のバランスシート規模まで、拡大する意図がある」

と語ったことが端を発しています。


バランスシート規模を正式に採用

【2012年はじめの頃の規模】という具体的な目標は、あくまでもドラギ総裁ご自身の希望であるのか?それとも、ECB理事達が舞台裏で密かに合意したターゲットであるのか?それが全くはっきりしませんでした。しかし、今月の記者会見では、

  • 2012年はじめの頃の規模までバランスシートを増加させることが、声明文に記載された
  • 声明文に記載されるということは、正式にターゲットとして採用されたことを意味すると、マーケットは理解している
  • ECB24名の理事全員が、声明文に署名した

つまり、バランスシート拡大はドラギ総裁の単なる思いつきや願望ではなく、ECB理事会全員の合意に基づく決定内容であり、ここからターゲットに向けて拡大していくことを約束したものでした。

2012年はじめの頃とは、具体的にいつなのか?

しかし、今度は新たな疑問が生じました。

「2012年はじめの頃の規模とは、具体的にいつのことを指しているのか?」です。これに関して、記者が質問すると、驚いたことに、ドラギ総裁は具体的な時期を指定したのです。

the beginning of 2012 is meant March 2012. That is to say, right after the second LTRO. 2012年はじめの頃というのは、2012年3月を指す。ちょうど2回目のLTROが終わった直後の頃だ。」

これで、ECBは【2012年3月のバランスシート規模】まで、拡大する意向であることがわかりました。早速当時の残高を調べてみると、以下の赤枠の部分となります。

2012年9週目と12週目の差は403億ユーロありますが、大雑把に見積もって3兆ユーロ規模ということになります。ECBウェブサイトに載っている最新のバランスシート残高を調べてみると、2兆520億ユーロとなっていますので、あと1兆ユーロ規模の拡大が必要であるということがわかりました。

このチャートは、ECBウェブサイトから残高の数字を拾って、自分で作ったものです。チャート上の赤丸部分が、「2012年3月」。


バランスシートの方向性

「ECB balance sheet will continue to expand while those of other central banks will contract
他の中央銀行のバランスシートが減少する中で、ECBのバランスシート拡大は継続する」

ドラギ総裁はこう語りましたが、これはあくまでも米国を意識してのことで、日本のバランスシートは、まだまだ拡大するということには触れていないことが気になります。

 

1兆ユーロ拡大するための手段

バランスシートの拡大幅は、わかりました。次は、どのようにして、それを達成するか?です。現在ECBが行っている/行おうとしている緩和手段は、

  • ABS(資産担保証券)の購入
  • カバードボンドの購入
  • 条件付き長期リファイナンスオペ(TLTRO)の実施

※ABS+カバードボンドの購入について詳細はこちらの記事もご参照ください

※条件付き長期リファイナンスオペ(TLTRO)の実施についてこちらの記事もご参照ください

TLTRO、そしてABS+カバードボンド購入プログラム共に、当初想定された額は全部埋まらないという見方が一般的ですが、万が一全額埋まったとしても、1兆ユーロには届きません。

たぶんECBは @10月20日から始めたばかりのカバードボンド  A今月から開始されるABSの購入  B一番大事な、12月に実施される2回目のTLTROの参加額を見ながら、必要とあれば来年早々にも、社債を購入対象に含む措置を取るのではないか?と私は考えています。

気になる加盟国の国債購入を含む本格的な量的緩和(QE)策の導入については、以前にもコラム記事で書いた通り、リスボン条約で直接購入は禁止されており、流通市場での購入に関しても、24名の理事のうち、10名が反対に廻っている模様。

追加緩和の可能性

追加緩和の可能性についても言及したドラギ総裁。それによると、
 @インフレ見通しがますます悪化した場合 
 A現在ECBが実施している追加緩和では不十分だと判断された場合
に限り、追加緩和の導入を検討するようです。

私自身のイメージとしては、バランスシートの拡大規模に関する文言を声明文に盛り込み、残りの理事全員がそれに合意し署名したところまでは、素晴らしいことだと思います。しかし、

  • ECBのバランスシート拡大のスピードは依然として遅いだろうと予想してます
  • 現在の時点では、1兆ユーロ増加するという保証がどこにもないということ

など、日米の中央銀行の量的緩和策の断行と比較すると、やることなすこと後手に廻っている (Behind the curve) という印象に変更はありません。

まとめ

もう一度、ドラギ総裁の記者会見内容をまとめてみますと、

  • ドラギ総裁と他の理事達の不仲説が事前に報道されていたが、記者会見を見る限り、総裁は依然としてECBをコントロールしている感じが強かった
  • 他のECB理事達の逆鱗を買ったと噂されていた「2012年はじめの頃の規模まで、バランスシートを拡大したい」というドラギ総裁の9月の発言が、晴れて正式に声明文に記載され、それに対し理事全員が合意し署名するに至った
  • バランスシート拡大規模は、はっきりしたが、拡大手段については限定を避けた
  • 他の中央銀行のバランスシートは縮小の方向へ向かうが、ECBのバランスシートは拡大方向に向かう
  • 来月発表される(四半期に一度の)マクロ経済予測であるスタッフ予想の内容が、下方修正される可能性について、ドラギ総裁は既に示唆した
  • 追加緩和の可能性についても言及  
    @ インフレ見通しがますます悪化した場合 
    A 現在ECBが実施している追加緩和では不十分だと判断された場合

こんな感じになると思います。1兆ユーロの拡大、そして12月に発表されるスタッフ予想内容を下方修正する可能性があるなど、かなりハト派色の強い内容となり、それを受けユーロは素直に下落しました。

以前、ユーロとインフレ率との関係に関する記事を読んだ時に書いてあったのですが、ユーロが10%強くなると、ユーロ圏のインフレ率は、0.4〜0.5%低下するそうです。もしこの関係が正しければ、逆の考え方をすると、ユーロが10%下落すれば、インフレ率の押し上げ要因は、0.4〜0.5%となるはずです。今年に入り、ユーロは対ドルで11.4%の下落、実効レートベースでは、5.75%の下落となっています。たぶん、この場合は実効レートをもとに考えるのが妥当ですので、5.75%の下落 ⇒ インフレ率に換算すると、0.2〜0.25%くらい押し上げる力になると考えられます。

※クリックで拡大できます

この手の押し上げ効果が実際に数字として表れるのに、どのくらいのタイムラグを必要とするかまではわかりませんが、このままユーロが下がり続ければ、インフレ率の下落にストップがかかることになるかもしれません。

そうはいうものの、ECBの目標としている2%のすぐ下のレベルまで戻る訳ではないでしょう。債券相場を見ると、≪ドイツの日本化≫は確実に進んでいるのも事実です。このチャートは2001年から現在に至るまでの、日独それぞれの10年物国債利回り比較。これを見るとよくわかりますが、ドイツの利回りがドンドン急低下しており、≪ドイツの日本化≫が心配されている意味がよく理解出来ます。

この傾向が続く限り、よほど大規模のユーロ下落が伴わない限り、ユーロ圏のデフレリスクは、根強く居座り続けそうです。

最後になりますが、相場予想として、ユーロ/ドルは依然として戻り売りで攻めていきたいという考えに変わりはありません。ユーロ円に関しては、円安は官製相場で売り!ということは頭で理解していても、下降速度やタイミングが今ひとつ肌で感じられないため、全く手を出さずにおります。

※クリックで拡大できます

これはユーロ/ドルの週足ですが、ピンクと黄色のハイライト部分は、たぶんもう戻らないと思います。現在は、23.6%戻しとなっている1.25近辺が既に売りゾーンとなっているため、1.25〜26台にかけて、売っていこうと考えています。

相場の流れに変化が見えるまでは、ユーロ/ドルは売り。官製相場であるドル/円は下がったら買いを辛抱強く繰り返して行くのが、一番の収益源となりそうです。

Trend is your friend, until the end when it bends

トレンドには逆らわずに、仲良くしましょう〜!

 

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