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金曜 松崎美子の英国発!すこしFX☆なが〜くFX ロンドン在住の女性トレーダーによる為替&経済コラム

欧州中銀からの発表とバランスシート相場

更新日:2014年10月3日

夏枯れ相場も終わり、マーケットにボラティリティーが戻ってきました。特に9月の動きを振り返ってみると、ドル・ユーロ・円の主要3通貨がわかりやすい動きをし始めただけでなく、オセアニアや新興国通貨も一方的な動きを見せてきました。こういう相場は、方向性さえしっかり把握すれば、収益性に富んだ楽しい展開となります。

年初からの動きを総合して考えると、G7で最初の利上げ国候補となった英国のポンドが上半期に集中して買われ、夏に米国のドルにバトンタッチしました。円は淡々と値を切り下げたのですが、夏からの急速なドル高/円安を受け、110円も達成しました。

主要通貨がこれだけ動いているので忘れがちになってしまう新興国通貨ですが、ロシア制裁や最近の香港民主化デモを受け、新興国通貨一般がドルに対して売られやすい動きとなっており、ここでもドルの独り勝ち相場となっています。

本日のコラムでは、木曜日にイタリアで開催された欧州中銀(ECB)理事会とドラギ総裁からの発表を振り返り、ここからのマーケットを考えていきたいと思います。

ECB理事会直前の出来事

今月の理事会での注目材料は、【住宅ローン担保証券(RMBS)を含む資産担保証券(ABS)に加え、域内銀行が発行したカバード・ボンドを買い入れる枠組み】(以下、ABS+CB購入プログラム)に関する詳細の発表でした。これを巡り、数々の報道や発言が今週に入ってから出てきましたので、簡単にご紹介いたします。

 9月29日(月)

保険業界を代表する国際的シンクタンク:ジュネーブ会 (国際保険経済学研究会) が、年次報告書を発表。その中で、「ECBのデフレに対する対策が後手に廻っているため、早急に国債購入も視野に入れた対応をすべきである」と指摘。

このジュネーブ会には、元中央銀行理事や、ヘッジファンド、マクロファンドなどの関係者が多数参加しており、欧州最大のヘッジファンド: Brevan Howardのチーフ・ストラテジストも、報告書の担当責任者の一人に名前を連ねています。

 9月30日(火)

月末・期末・半期末が勢ぞろいするこの日に、ユーロ圏から9月消費者物価指数(HICP)速報値が発表されました。

インフレ率は、8月 +0.4%から9月速報は+0.3%へ コア・インフレ率は、+0.9%から+0.7%へ、それぞれ低下

この限りなくゼロに近い数字を受け、市場では「ユーロ圏の日本化 Japanification」という言葉が飛び交うようになってきており、ますます量的緩和策導入の可能性が高まってきたという印象を受けました。

 10月1日(水)

この日の英FT紙には、ABS+カバード・ボンド購入に関する明細の中で、「ABSとカバード・ボンドに加え、ギリシャとキプロス国債も購入対象に含むことを、ドラギ総裁は木曜日の理事会で強く押すらしい」 という観測記事を載せました。

ギリシャとキプロスの2カ国は、今でもEU/IMFからの金融支援を受けながら、自国の財政運営をしています。そして、両国の国債格付けは、ジャンク債扱いです。悪い言い方をすれば、「ドラギ総裁はデフレと戦うためであれば、ECBのバランスシート内容の毀損にも目をつぶり、ジャンク債購入に踏み切る決意があるのか? もし、そうだとしたら、他の理事達は、それに対して首を縦に振るのか?」 考えだしたら、きりがありません。

既にABS購入に対し、NOと表明しているドイツ政府/ドイツ連銀を敵に回すやり方が、どこまで有効であるのかは疑問ですが、木曜日の記者会見では声明文や質疑応答内容をめぐり、ユーロの乱高下が期待されていました。

ECB理事会からの発表・ドラギ総裁記者会見

まず日本時間20時45分に発表された政策金利については、「全て据え置き」という決定がなされました。これは、コンセンサス通りです。

そして、21時30分から始まるドラギ総裁記者会見の冒頭で読み上げる声明文では、お約束となっていた【ABS+CB購入プログラムの詳細】が読み上げられました。

 ABS+CB購入プログラムの詳細

その内容は、

  • ABS購入開始時期:  2014年第4四半期
  • CB購入開始時期:  2014年10月中旬から下旬にかけて
  • 購入期間: 最低でも2年間

更に、ECBのウェブサイトに掲載された詳細を読み進んでいくと、以下の文章が目に飛び込んできました。

「To ensure that the programmes can include the whole euro area, ABSs and covered bonds from Greece and Cyprus that are currently not eligible as collateral for monetary policy operations will be subject to specific rules with risk-mitigating measures.
ユーロ圏加盟国全てをこのプログラムの対象国とするため、現在適格担保基準*に満たないギリシャとキプロスに関しても、条件付きで対象とすることに決定。」

*適格担保基準とは?
欧州の市中銀行は、ECBが実施する流動性供給オペに参加し、企業や家計に貸し付けをする資金を引っ張ってきます。その際に、市中銀行はECBに対して、担保を引き換えに提出します。債務危機の影響で加盟国の国債格付けが年々格下げされた経緯もあり、担保資格としての最低基準は、毎年緩和されており、現在は「BBB− (BBBマイナス)格以上」 と設定されています。

BBB−以下の国々まで対象に入れることを決定したECBですが、ドラギ総裁は念のために、それら低格付け国の政府に対し、保証を付与してくれるよう要請したようですが、ドイツとフランスがそれに反対し、結局その案はたち切れとなった模様。

ただし、この決定についてドラギ総裁は、「できる限り幅広く購入したいと考えているが、慎重さも維持する」と慎重姿勢を崩しておりません。

 プログラムの規模は?

今回の購入プログラムの中でも一番大事だったのが、規模でした。

それについて、ドラギ総裁は記者会見冒頭で、「欧州時間15:30(日本時間22:30)にあらためて詳細を発表する」と語ったまま、ずっと謎のままでした。会見の途中で、「バランスシート拡大について、ABSとCB両方併せた購入プログラムの市場規模は最大1兆ユーロくらいとなるが、ECBがそれを全額購入することにはならないかもしれない」と発言されました。【1兆ユーロ】という数字にマーケットは食いつこうとしましたが、それはあくまでも市場規模であり、ECBが実際に購入に動く規模とは違うとわかって、がっかり...

マーケット参加者は、@プログラムの規模が大きければ、ECBが本気を出したと判断し、ユーロのショートカバーが炸裂 A規模が小さければ、ECBのやる気のなさに失望し、あらたなユーロ売りと、私は考えていました。

先週実施されたロイター調査では、

  • エコノミスト達の予想は、2年かけて、3,000億ユーロくらい
  • 規模の上限としては、最大5,000億ユーロくらい

そして、今週月曜日にロイターが行った短期金融市場トレーダーに対する調査では、「今後1年で購入する規模の予想平均は2,000億ユーロ」となっておりました。1年で2,000億と、2年かけて3,000〜5,000億という予想、あまり差はありませんが、「2,000億」という数字が一人歩きしたイメージが強く、市場の期待は低下したように感じました。

それに加え、今月の理事会が開催されたイタリア中銀総裁:ビスコ氏は、「6月のマイナス金利導入決定以来の3ヶ月で、ユーロは7%も下落したため、追加刺激策は必要ないかもしれない。」と発言したことも、新プログラムに対する期待値を下げた一因かもしれません。

記者会見中とその後のマーケットの反応

 為替市場

記者会見中のユーロの動きを見ると、購入プログラムの規模が拡大されるのではないか?という期待感からか、ユーロはショートカバーを巻き込みながら上昇。

※クリックで拡大できます

そして待ちに待った詳細発表時間になりましたが、≪プログラム規模が明記されていない発表≫となってしまい、マーケットは落胆の色を隠せず、ユーロは全戻し…

この「BBB−格付け以下」の扱い方に慎重姿勢を崩さなかったことから端を発し、スペインやイタリアの株や国債が急落するとは、ECB理事の誰もが想像していなかったことに違いありません。

 株式市場

ドラギ総裁の会見を聞きながら、ユーロ各国の株価指数も同時に見ていたのですが、突然イタリアとスペインの指数が急落しはじめました。結果として、木曜日の欧州株式市場は15ヶ月ぶりの下落を記録し終了していますが、格付けが低ければ低いほど、その国の株式指数の下落率が高いことには、必ず何か原因があるはずだと私は考え、理由を探りました。

ちなみに、この日の下落率は、

  • イタリアMIB  3.92%
  • スペイン IBEX 3.12%
  • フランスCAC 2.81%
  • ドイツDAX 1.99%

ドラギさんの発言を私はライブで聴いておりましたが、特にこの2つの国だけを限定して、攻撃するような発言はしておりません。しかし、目の前の画面では、両国の株価指数が他のどの国よりも早く下落しているのも、事実でした。

「どうして、イタリアとスペインの株がこんなに下がっているのか?」 と、ずっと考えていたのですが、ドラギ総裁が、ABS購入に関する格付けの部分で、「BBB-を下回る国 (現状ではギリシャとキプロス)のABS購入には、慎重になる」と発言したことを思い出し、ようやく謎が解けました。

試しにスペインとイタリア両国の格付けを調べてみると、

  • S&P BBB
  • フィッチ BBB+
  • Moody’s Baa2

となっており、BBB-と背中合わせの危険な状態。将来のどこかの時点で、ECBが全面的に国債購入も含んだ量的緩和策(QE)に踏み切ると仮定した場合、今回と同様の格付け基準が適用されてしまうと、スペインやイタリア国債が除外される可能性も出てきますので、一気に株価や国債価格が反応したと私は理解しました。

 国債市場

容易に想像がつくと思いますが、イタリアやスペインは、株価の急落だけでなく、国債利回りも急上昇(国債価格は下落)しています。

木曜日の10年物国債利回りの上昇率 (国債価格の下落率)は、

  • イタリア    1.80%
  • スペイン   2.08%
  • フランス   0.64%

ドイツは、逆に利回りが低下 (国債価格上昇)して終わっています。

ここからのユーロ圏国債市場

今夏以降の1,000ポイントに及ぶユーロ/ドルの下落の背景には、投資家による欧州株式からの資金の引き上げが挙げられています。そして最近では、「かなりピークに達したと思われる債券相場」からの引き上げの話が、既に聞こえてきています。

具体的にどの国の債券市場が≪ピークに達した≫のかは分かりませんが、世界的な低金利の影響で、少しでもリターンを求めようとファンド勢が一斉に購入に走ったスペインやイタリアなどの国債のことかな?と私はぼんやり考えています。

6月にECBがマイナス金利を導入した直後の米国とスペイン国債の利回りは、ともに2.60〜2.70%となっており、ほぼ同じ水準でした。しかしその後、スペインやイタリアの利回りのほうが、米国よりも低いレベルまで下がっており、これだけを取り上げてみても、過熱感が出すぎたと考える判断材料として挙げられるのかもしれません。

もし本当に≪投資家の資金が債券市場から引き上げる≫ことになったと仮定した場合、株式の引き上げ時以上に、ユーロを傷つけることが予想されます。

その理由は、ファンドが国債を売る ⇒ 利回りが上昇 ⇒ 各国政府にとって、借り入れ金利が上昇する ⇒ 各国政府の財政運営が苦しくなる ⇒ ECBが頑張ってデフレ脱却・景気浮揚のレールを敷いているのに、下手をするとそこから脱線してしまうリスクが浮上してくる
という負の連鎖が生じるからです。

チャート: セントルイス連邦準備銀行   2014年・経済総説  2014年8月2日付け

※クリックで拡大できます

(注意: このチャートは、6月20日までの利回り比較です)

バランスシート相場

来年のことを言うと鬼が笑うと言いますが、8月のジャクソンホール経済シンポジウム後のドラギ総裁発言を総合すると、一番力を入れているのは、バランスシートの拡大なのではないか?と、私は考えています。そして、早ければ今年の年末くらいから、遅くても来年第1四半期くらいから、【米欧、バランスシート相場】へと移行するとも考えています。

9月理事会では、「2012年のレベルまで戻したい」という希望を口にした総裁。今月の記者会見でも、参加した報道関係者から、「2012年のバランスシートと言っても、2兆6,500億ユーロから3兆1,000億ユーロまで幅広い水準となっていますが、具体的にどの水準を総裁は想定していらっしゃるのですか?」という質問が飛び出しました。それに対し、ドラギ総裁は、「具体的な数字を限定することが目的ではなく、規模そのものを強調する気はない。」と答えていました。そして、「バランスシート拡大は、インフレ率を2%近くにまで持ち上げるための手段に過ぎない。」とも付け加えています。

「バランスシートはあくまでも手段であり、そんなに重要でない」と総裁が語ったのに、私がわざわざ【バランスシート相場】にこだわっている理由としては、ECBが拡大に動くのとは反対に、ほぼ同じタイミングで、米FRBは縮小に動くからです。この全く逆の動きから来るであろう反動が、通貨や国債利回りに反映されないはずがないと思っています。

まとめ

単一通貨:ユーロは、誕生してそろそろ15年になろうとしています。この15年を長いと感じるのか、短いと感じるのかは、人により、立場により違ってくることでしょう。

しかし、この15年間の中でも一番難しい任務を背負ったのは、他でもないドラギ総裁であることには、皆さん同意してくださると思います。ドラギ氏は、債務危機がどんどん悪化してきた2011年11月に総裁に就任し、その直後にユーロ崩壊の危機に直面しました。それから半年後の2012年夏、「ユーロを救うなら何でもやる。僕を信じて欲しい」という名台詞を残し、本当にユーロを生き返らせたのです。そして、命からがら生還したユーロは、その後大きく上昇しました。

しかし、ここにきて、ドラギ・マジックが少しずつ色褪せてきてしまい、とうとう 【デフレ懸念 / ユーロ圏の日本化 Japanification】 という新たな危機が欧州を襲ってきました。

木曜日の記者会見でも、ドラギ総裁は苦しい口調で、「ユーロという通貨は、もう後戻り出来ない」 と語っていらっしゃいましたが、ここからECBが出来ることは、流動性の供給 ⇒ バランスシート拡大 ⇒ 通貨価値を下げることにより、デフレ懸念と戦うことでしょう。見方を変えれば、生き返らせたユーロを、今度はズタズタに打ちのめす作業とも言えるかもしれません。

G20では「競争的な通貨引き下げ、競争上の目的に基づく為替相場の目標設定を控えるよう」 設定されていることもあり、為替介入という手段は奪われています。そうなると、デフレ払拭のためにECBが唯一出来る通貨切り下げ方法は、流動性の供給しかありません。それが、バランスシート拡大を意味しているので、私はここに集中しているのです。

2008年秋のリーマン・ショック以前の相場を振り返ってみると、中央銀行のバランスシートを見ながら為替取引をする局面は記憶にありません。しかし、それ以降、量的緩和策(QE)という非標準的措置が一般化したこともあり、にわかにバランスシートの規模が為替動向を左右する要因のひとつとなったのです。

そこで問題となるのは、「現在の1.25〜26レベルは、将来の米欧中央銀行のバランスシート残高の行方を既に織り込んでいるのか?」です。私は、「まだ全てを織り込んだとは言えない。つまりユーロには、下げ余地が残っている」という答えにたどり着きました。

ドル/円同様、ユーロ/ドルも急速に下げ足を速めましたので、一旦調整の戻しは覚悟しています。これは、ユーロ/ドル1時間チャートにベガス方式 (私のブログ参照) の144/169EMAトンネルを表示したものです。ユーロが1.30台を下抜けして以来、1〜2回の例外を抜いて、ずっとトンネルの下での推移となっているのがわかります。

※クリックで拡大できます

現在のトンネルの上限は、1.2699ですので、これが上抜けて終了したら、黄色いハイライトを入れた下限 = 1.2810/15くらいまで調整の戻しは可能だと考えています。

しかし長期的には、1.30台に戻らない限り、黄色いハイライト部分で売りを入れるつもりです。中期的なターゲットは、変わらず1.21〜22台。

 

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