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金曜 松崎美子の英国発!すこしFX☆なが〜くFX ロンドン在住の女性トレーダーによる為替&経済コラム

ズバリ解説!英中銀を取り巻くノイズ

更新日:2014年8月22日

先進国の中で、ニュージーランドに続いて政策金利を上げるのは英国だと言われ、既に半年近く経ちました。≪インフレなき経済成長≫というゴールデン・シナリオを実現させた英国では、いつごろ利上げが開始されるのか?市場関係者は固唾を呑んで、カーニー総裁の一挙手一投足を見張っているところでした。しかし今年6月のマンションハウス・スピーチ以降、カーニー総裁の発言内容が一転二転してきたのです。

海外では、政府や中央銀行だけでなく、一個人も含め、Credibility(クレディビリティー:信用度)が非常に重視されます。私も英国に住むまで、Credibilityという言葉とは無縁の生活を送っていましたが、こちらにきてからは頻繁に耳にします。これはあくまでも私の想像ですが、キリスト教圏では旧約聖書の十戒に書かれている「偽証してはならない(嘘をついてはいけない)」という教えをもとに、「本当のことを言わない人は誰からも信用されなくなりますよ!」という意味で、政府や中銀、そして個人のクレディビリティーがここまで重視されているのかもしれません。

そのクレディビリティーに赤信号が灯ったのが、他ならない英中銀であり、カーニー総裁です。同総裁の発言内容の変化には、英議会やこちらの報道関係者も、ただただ唖然とするばかり。来年5月に迫った総選挙をにらみ、政策金利を上げないよう、政府から圧力を受けているという憶測も出てきているだけに、中央銀行の独立性が傷つくことを恐れた財務省は、来月にも議会に同総裁を呼び、証言を求める動きとなりそうです。

議事録要旨

前置きが長くなりましたが、まず最初は、8月20日に公開された8月MPC議事録の要点をご紹介しましょう。かなりたくさんありますが、どれも基本的に知っておきたい要点ですので、敢えて全部書き出しました。

  • ロシア/ウクライナ・イラク・イスラエルでの紛争に代表される地政学リスクにもかかわらず、マーケットは比較的しっかりした動きを示している
  • 金利先物市場では、25bps利上げ時期として、2015年第1四半期を予想
  • 非常に少数ではあるが、一部のエコノミストは、2014年11月を最初の利上げ時期と予想
  • 世界経済を取り巻く環境はミックスしている
  • 米経済に関して言えば、Q2のGDPの数字自体は持ち直しているが、根底にある需要は不安定であると見られる。Q2に記録した生産性の向上は、企業の在庫として残っていると見られ、雇用市場の伸びも一段落した可能性が出てきた
  • ヨーロッパはQ2GDPが伸び悩んだが、5月の国民祝日の影響がどの程度反映されているのか、定かではない。域内の低インフレ傾向は失業率の高止まりの影響も受けていることが考えられる
  • 英国に関して言えば、5月時と比較し、今年下半期の景気減速の度合いは非常に穏やかなものとなりそうだ
  • 製造業の生産性がQ2に落ち込んでいるが、ポンド高の影響だという証拠は、少ない。ここからの製造業は、世界経済の回復に助けられると予想。
  • ポンド高の影響を最小限にするため、輸出企業は量を減らさず、販売価格を下げているため、収益マージンが縮小することになる。ただし、ポンドが弱かった時に収益マージンを上げた企業が多いので、今回の縮小は痛手ではない。もし今後更にポンド高が加速した場合、収益に影響する企業が出てこよう
  • 住宅市場関連では、売却物件が増えたかわりに、購入希望者は若干減ってきたので、ここからの住宅価格上昇圧力が少し和らぐと予想
  • 労働市場は力強く改善しているが、その中でも目を見張るのは、労働参加率の向上である。高齢化の影響で、本来であれば参加率が下がってしかるべき段階での改善となっている。たぶんこれは、定年が延びた影響もあると考えられる
  • 下半期の英経済は、地政学リスクなどの世界を取り巻く環境の不透明さに影響を受ける
  • その場合、投資家のリスク意欲が後退することも考えられる
  • 経済の緩み(Spare Capacity)は今後数年の間には完全に使い切ると予想
  • インフレ率は、今後1〜2年はインフレ目標である2%を少しだけ下回るレベルでの推移
  • ポンド高による輸入インフレ圧力の後退や、経済の緩みのおかげで、インフレ上昇懸念は、あまりない
  • 金融政策理事会(以下、MPC)の理事達の考えでは、今すぐ利上げに動くには、インフレ面からの圧力が足りないという見解が一般的

8月理事会の議事録を見て

今回の議事録は、今までになく市場参加者の注目を集めました。その理由ですが、政策金利0.5%据え置きは2011年夏以来ずっと、9名の理事全員が全会一致(9対0)での決定となっていました。しかし、今月の理事会直前にロイター社が行なった調査では、「1〜2名の理事が利上げ票を投じた」という見方が出てきており、3年ぶりに全会一致での決定ではなくなる記念すべき理事会になると見られていたからです。

結果は、タカ派代表:ウィール外部委員と、中立派と見られていたマカファーティ外部委員の2人が《0.25%の利上げ》に票をいれ、7対2で据え置き決定されたことが判明しました。

利上げ票を入れた理事達は、「早めに利上げに動いた方が、後々の利上げ幅が穏やかになり、市場や家計に優しいものとなるから...」とその理由を語っています。それに加え、「ここまでの経済成長が利上げを正当化しており、労働市場の健全性を見る限り、賃金上昇率は後からついてくる。」「これだけ景気回復の足取りが確固たるものであれば、少しくらいインフレ率が低くても問題ない。」とも予想しているようです。

それに対し、総裁を含む残りの7名の理事は、「英中銀の責務である物価の安定を重視し、最近のインフレ見通しを見る限りでは、早急の利上げは正当化されない」という意見。

今回の投票結果を受け、金利先物市場での最初の利上げ時期は、2015年2月から1月へ1ヶ月前倒しされました。

利上げは過半数以上の賛成が必要

議事録発表日にTwitterで質問を受けたのですが、MPCが利上げに動くには、【過半数以上】の利上げ票が必要です。つまり、少なくとも 利上げ 5名 対 据え置き 4名 にならない限り、政策金利は据え置きのままとなります。他の一部の主要国の中央銀行とは違い、英国はあくまでも多数決であり、総裁も外部委員も平等に1票を投じての決定です。

ここからの注意点として、

  • 8月に利上げ票を投じた2名の理事が、今後もずっと利上げ票を入れ続けるのか?
  • 今年11月に利上げするという予想が出ているが、果たしてあと3回 (9・10・11月)の理事会で投票配分が5対4と逆転できるのか?
  • 地政学リスクの影響を受け、英国の最大の輸出先であるユーロ圏の経済が、ますます落ち込む可能性も出てきている。果たして、この環境で利上げが必要と考える理事が増えるのか?

8月のMPC終了後に発表された7月分消費者物価指数(CPI)を見ると、6月の+1.9%から+1.6%へ下がっているだけでなく、最新の賃金上昇率はとうとうマイナス圏へ突入し、-0.2%となりました。これでも9月の理事会で利上げ票を入れる理事が増えるのかは、現在のところ非常に不確かであると言ってよいでしょう。

次の利上げ票候補は誰?

百歩譲って、ここから更に利上げ票を入れる理事が出てくると想定した場合、その候補は一体誰なのでしょうか?シティーのエコノミストの間では、以下の2人の名前が挙がっています。

・ホールデン主席エコノミスト
歯に衣着せぬ物言いで有名なホールデンさん。当然、《タカ派》に違いないという予想が、一般的。しかし就任後2ヶ月の彼の発言を聞く限り、意外とハト派的な内容が多くて、私も驚いていたところです。果たして、ハトのお面をかぶったタカなのか?私の中では、シャフィク副総裁に次ぐ注目理事の一人になりました。

・ブロードベント副総裁
MPC9名の理事の中では、≪究極の中立派≫として有名です。どうして次の利上げ票候補に、この方が候補としてあがっているのか、正直不思議です。今までの‘常識’から考えれば、同副総裁が利上げに票を入れるということは、ハト派以外の理事全員が入れてもおかしくないことになります。

私自身が一番気になっているのは、7月にMPCに参加されたアメリカ人のフォーブス外部委員。この方はアメリカ在住ということもあり、ほとんど発言が出てきません。なので、何を考えているか、全くの不明状態であり、大穴の存在。

Conspiracy theory 陰謀説

金融政策に関するカーニー総裁の発言が、あまりにもコロコロ変化するため、最近イギリスでは陰謀説が囁かれています。

それは、「カーニー総裁とオズボーン財務相は、なんらかの密約を結んでおり、2015年5月に実施される総選挙まで政策金利を上げないよう、カーニー総裁は発言内容を一転二転させて、時間稼ぎをしている」というものです。

英中銀は1997年、当時の労働党政権により独立した中央銀行となりました。しかし、あまりにもカーニー総裁が口を開くたびに意見が変わるので、以前の《財務相による政治的思惑いっぱいの金融政策》に逆戻りするのではないか?という報道も出てきています。

しかし、この国はこういう陰謀説が出たら黙って見過ごす国ではありません。シティーに代表されるロンドン金融業界で一番影響力が強いと言っても過言ではない≪財務省特別委員会≫では、来月にもカーニー総裁を証言台に招き、オズボーン財務相との関係について証言を求めることになるようです。

英国だけでなく世界の金融関係者から「英中銀は自国の金融政策見通しに対して、Clueless(確固たる見解がない)である」と悪評を得てしまった英中銀。一度信用を失うと、取り戻すまでに時間がかかります。場合によっては、取り返せないこともあります。外国人の総裁を通常の3倍の給与で雇った財務相の本当の思惑とは、一体何なのでしょうか?

ここからの金融政策見通しとポンド

それでは気になるポンド動向を調べてみましょう。

これはポンドの実力をはかる《ポンド実効レート》です。2013年春から約14%上昇したポンドですが、今年に入ってからの高値(89.1368)は、リーマン・ブラザーズが破綻した2008年9月15日につけた90.3906は越えられませんでした。

現在87台での推移となり、100日線をほんの少し下抜けした状態。次のサポートは200日線が通る86.2055

データ: 英中銀ホーム

※クリックで拡大できます

次はポンド/ドルを見てみましょう。このチャートは週足で、200週移動平均線を青いラインで入れてみました。@ABの後に入っている黄緑の横線は、200週線 ⇒ 最初の高値 からの61.8%戻しレベルです。

※クリックで拡大できます

以前のコラム記事でも書きましたが、私はポンドの長期見通しを立てる時には、必ず週足チャートに、この200週線を入れます。単純に、これより上なら買い目線、下なら売り目線です。

@ 2002年夏の200週線越え
当時、200週線は1.5200レベルにあり、抜けた後の最初の高値:1.6580近辺 = 約1380ポイント上昇。その後、61.8%を少し下廻るレベルまで調整の下げ

A 2006年春の200週線越え
当時、200週線は1.7340レベルにあり、抜けた後の最初の高値:1.9000近辺 = 約1660ポイント上昇。その後、61.8%を少しだけ上廻るレベルまで調整の下げ

B 2013年秋の200週線越え ⇒ 現在
200週線は1.5730レベルにあり、抜けた後の最初の高値:1.7180近辺 = 約1450ポイント上昇。もし今回も61.8%までの調整が入るとすれば、ターゲットは1.6290/6300レベル ±50ポイントと言ったところを見ています。

まとめ

今週水曜日の議事録発表後、初動はポンド買いとなりましたが、結局200日線を越えて推移する力はなく、そのままズルズルと100ポイント下げています。3年ぶりの利上げ票確認となったにもかかわらず、上がれなかったポンドですので、ここからもう一段の下げを演じても、何ら不思議はありません。

私の考えでは、11月まであと3回の理事会で、もう3名の理事が利上げ票をいれ、多数決で利上げ決定するようには思えません。今回の利上げ票の理由として「労働市場の健全性を見る限り、賃金上昇率は後からついてくる」となっていますが、8月のインフレーション・レポートでは、今年の賃金上昇率が5月予想の半分まで下方修正されていることを考えれば、‘後からついてくる’のは一体いつなのか、説明不足だとも感じました。

最初の利上げは、早くて来年第1四半期という予想は正しいと思いますが、文頭で申し上げたように、来年5月の総選挙に向け、カーニー総裁は財務省のプレッシャーを受けているのか、非常に気になります。仮に財務相と密約を結んでいるのが本当であれば、議会証言でポロッと本音を漏らすほど浅はかではないと思いますので、永遠に真実は封じ込められるのではないでしょうか?

ロシア制裁/イラク問題に代表される地政学リスクの影響が、どの程度深刻化するのか?9月18日に実施される≪スコットランド独立に関する国民投票≫の結果などを見てから、あらためて利上げ時期を探ってみたいと思います。

とりあえず目先は、ジャクソンホール経済シンポジウムでのイエレンFRB議長、そしてドラギECB総裁の講演を聞き、ここからのドルとユーロの動きを確認したいと思っています。これらの動きが鮮明になるまでは、ポンドはしばらく脇役になると予想しています。

 

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