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金曜 松崎美子の英国発!すこしFX☆なが〜くFX ロンドン在住の女性トレーダーによる為替&経済コラム

英中銀金融政策見通し:期待から失望へ

更新日:2014年8月15日

英中銀は四半期に一度、マクロ経済・金融政策見通しを発表し、それをインフレーション・レポート(以下、QIR Quarterly Inflation Report) と呼んでいます。このインフレ・レポートが今週水曜日に発表されました。

わずか1年前までは、リセッション懸念で苦しんでいたことが嘘だったかのように、一気に息を吹き返し、今年上半期では主要国の中で最大の成長を遂げた英国。

これだけ力強い景気回復を経験した英国にとって、0.5%という歴史的に低い政策金利水準は、違和感があるのではないか?という意見がコンセンサスとなりつつあります。

今週のコラムでは、今回発表のレポート内容を読み解きながら、

@インフレーション・レポートの要点
Aカーニー総裁の発言要旨
B経済/労働市場の緩み(Spare Capacity)について
C賃金上昇率が鈍い理由
D質疑応答での出来事
E利上げ時期を探る
Fここからの重要日とポンド動向

について書いてみました。

英中銀インフレーション・レポートの要点

詳しい内容は後ほど詳しく書くとして、最初はマクロ経済予想の変更をご紹介します。

GDP見通し

2014年と2015年は、前回5月のQIRと比較すると、それぞれ0.1%アップしたが、2016年に関しては0.2%のカット

注:左側の数字→8月レポート、右側の( )内の数字→5月レポート

資料: 英中銀四半期インフレーション・レポート 2014年8月

 

これは《2016Q3 のGDP予想》ですが、緑の部分が8月予想、グレーの枠は5月のもの。両方ともに、2.5〜2.8%くらいの成長率になるという予想で一致しており、ブレがありません。

インフレ見通し

前回5月のレポート内容と大差なし。英中銀の見解では、今後2-3年のインフレ予想は、限りなく2%に近いが、2%は超えない程度の推移となると書かれています。インフレ懸念が台頭しない理由として、@経済の緩みを完全に使い切るまでに、まだ時間がかかる A今年に入ってからのポンド高で、輸入インフレが低下  を挙げています。

注:左側の数字→8月レポート、右側の( )内の数字→5月レポート

資料: 英中銀四半期インフレーション・レポート 2014年8月

 

《2016Q3 のインフレ率予想》ですが、頂上の部分を見ると、赤い8月予想の方が、グレーの5月予想より若干左側にずれてます。これは、5月時と比較して、今回は少しだけインフレ予想が下がったことを意味しています。この背景には、今年に入ってからのポンド高により、輸入物価が落ち込んだことが指摘されています。

失業率予想

雇用市場の改善が著しく、5月からわずか3ヶ月の間に、失業率予想もかなりの低下を示しています。

賃金上昇率予想

カーニー総裁は、記者会見冒頭に、「経済の緩みをはかる際に、賃金上昇率の動向には、今まで以上に重点を置く」ときっぱり宣言したほど、この数字の注目度は今後ドンドン高まってきます。

正直な感想として、2014年 1.25%から、2015年に3.25%と、一気に2.5倍近く賃金上げがあるとは思えませんが、インフレ率>賃金上昇率の関係は今年で終わり、来年からは賃金上昇率>インフレ率の関係に戻り、個人消費に安定感が出てくると英中銀は考えている模様。

カーニー総裁の発言要旨

  • 正常な政策金利は、過去の水準よりも低いものとなるだろう
  • 利上げに踏み切る決断をする際、賃金上昇率の数値目標は、ない
  • ポンド高は輸出企業にとって向かい風となっている
  • 経済/労働市場の緩みは、GDP比1%程度と予想
  • ただし、理事会では、この緩みのサイズについて、非常に数多くの意見があり、不透明感が漂っている
  • (あり得ない話だが)もし一晩のうちに、経済の緩みが一気に解消されたとしても、政策金利水準は、現在のレベルとさほど大きく変わらないだろう
  • ここからの経済成長についても、不確定要素が多い
  • ここまでの経済成長が、今後もずっと継続していくかについては、確固たる自信は持っていない
  • 政策金利決定の判断は、今後発表される経済指標次第
  • スコットランド独立の際に使用する通貨の選択が決定していないことは、英国の金融市場の安定を損なう可能性がある。
  • 穏やかな小刻みな政策金利上げは、借り入れ金利の上昇による弊害を最小限に抑えるだろう
  • 今は、利上げの時期では、ない

経済/労働市場の緩み (Spare Capacity) について

英中銀は、歴史的低金利(0.5%)の長期化を明確にし、企業や個人が安心して低金利の融資や住宅ローンを受けられるよう、フォワードガイダンス制を導入しました。一番最初のガイダンスでは、利上げに踏み切る基準として【失業率7%】という数値目標を立てましたが、その後失業率はアッ!という間に7%を下まわり、一気に利上げムード満喫となり、ポンドもそれを受けて大きく買われました。

失業率が7%を下廻った時点で、このガイダンスは効力を失ったと見なされ、今年2月に発表されたQIRの中で、英中銀は従来のフォワードガイダンス内容の変更に踏み切りました。

新しいガイダンスでは、耳慣れないSpare Capacity(緩み)という言葉が出て来ました。Spare Capacityに関する具体的な文言は、以下の通りになります。

・2月QIR

政策金利を上げるタイミングは、Spare Capacity(緩み)を完全に使い切ってからとなる
→ 2月時点でのSpare capacityの割合は、GDP比で1〜1.5%程度となっており、これを吸収するには、今後2〜3年かかると予想しています。そして、これだけのSpare capacityが英経済には存在するため、インフレ圧力がかからないとも付け加えています。

・5月QIR

Most MPC members’ central view is that the margin of slack is currently around 1%-1.5% of GDP. Companies are thought to be working their existing capital and labour at around normal rates of intensity, so slack is concentrated in the labour market, reflected in broadly equal measures in the unemployment gap and the average hours gap. There is, however, a range of opinions within the Committee and considerable uncertainty around the margin of slack

2月時の「緩みを使いきるのに、2〜3年かかる」という文言が消えましたが、依然として緩みのサイズは、GDP比1〜1.5%

・8月QIR

Not surprisingly, there is a wide range of views on the Committee about the likely degree of spare capacity in the economy. In the Committee’s best collective judgement, the degree of slack has narrowed somewhat, and our central estimate is now broadly in the region of 1% of GDP.

「理事の間でも見解がかなり分かれている」と前置きをしながら、緩みのサイズを、1%程度に縮小

普通であれば、《緩みの縮小=利上げ時期が早まる》と理解してよいのですが、賃金上昇率見通しが大きく低下していたことを受け、事前予想と比較するとレポート内容はハト派色が強いとマーケットが受け止め、ポンドは1.6730台へ急落。

賃金上昇率が鈍い理由

遅々として上昇しない英国の賃金。この説明として、QIRにはこんなチャートが載っています。

この棒グラフは労働者の熟練度を色別で表わしています。最近の労働者増加の大部分は、熟練度の低い (黄緑部分)、言い換えれば、所得が低い人達のようです。そのため、いつまで経っても、全体の賃金上昇率が上がらないというからくり。

質疑応答での出来事

インフレ・レポート発表と同時に行われた総裁・副総裁の記者会見では、総裁が声明文を読み上げた後、参加した記者達からの質疑応答の場がいつも通りに始まりました。しかしそこでは、今までには見たこともない光景が繰り広げられたのです。

3人目か4人目に質問した英ガーディアン紙の記者 (英国では知名度高い記者です)からの質問が、最初の驚きの光景となりました。彼の質問は、

「Isn't it true that the Bank hasn't got a clue what's going on out there? And anyone planning to take out a mortgage based on your guidance would be foolish to do so because they keep changing their mind?

英中銀は(ここからの英経済や金融政策について)全くわからなくなったって、本当ですか?これから住宅ローンを取得しようとしている人達は、英中銀の言うことに耳を傾ける必要が全然ありませんよね?だって、貴方達(英中銀理事)は、口を開けるたびに違う意見を言ってるでしょう?」

その場にいたら思わず拍手をしたくなる意見で、英国に住む人間であれば、誰もが同じ考えを持っています。カーニー総裁は、苦笑いをしておりましたが、ブロードベント副総裁は、「我々理事会の人間は、(ここからの方向性について)各々意見を持っている」と返答。

この後、英FT紙の記者が続いて、「The Bank is looking increasingly clueless 英中銀はますます自分達の確固たる見解がなくなってきている」と痛烈に批判。

それに対し、カーニー総裁は 「 if we can agree that the range is between perfect certainty and perfect uncertainty, it’s fair that there is more uncertainty, mainly around the issue of productivity. もし、完璧に自信がある と 完璧に不確かである を天秤にかけたら、現在の状態は、不確実性がより多い状態だ。特に労働生産性について、それがあてはまる」と答えていました。

英中銀の経済見通しはよく外れます。その責任を取る形で、今年の初夏にデール前主席エコノミストが配置移動された直後、最近辞任を発表しました。

鳴り物入りで総裁に就任したカーニー氏、しかしここにきて英中銀上層部から優秀な頭脳の流出も続いており、同総裁のハネムーンピリオドは完全に終わったという印象が強いです。

利上げ時期を探る

過去ずっとQIRに表示されていた《政策金利見通し》のチャートが、今回のレポートでは消えており、代わりに米英欧それぞれの見通しが表記されていました。

英国の金利に関しては、5月予想(青い点線)よりも、今回(青い太線)のほうが利上げ時期が早くなっており、このチャートを見る限りでは、年内利上げの可能性が出て来ました。しかし3年後には、アメリカ>英国の関係へと金利水準は逆転へ。4年後の水準は依然として2.5%近辺と変わらず。

この表は、ロンドン金融街:シティーに籍を置く金融機関やシンクタンクなどを対象に、英中銀が調査した結果です。

政策金利のところを見ると、

・1年後の金利水準 1.2%
今後12ヶ月の間に、0.25%ずつの利上げであれば、最低でも3回実施する計算

・2年後の金利水準 2%
今後24ヶ月の間に、0.25%ずつの利上げであれば、6回実施する計算 ただし、最初の12ヶ月で3回実施しているため、2年目は3回

・3年後の金利水準 2.6%
今後36ヶ月の間に、0.25%ずつの利上げであれば、最低でも8〜9回実施する計算 ただし、最初の24ヶ月で6回実施しているため、3年目は2〜3回

こんなイメージです。今後12ヶ月に3回の利上げとなると、今年11月が見送られた場合、マーケットの予想通り、来年2月が初回になる可能性が、ここからは読み取れます。

ただし、水曜日のQIR発表以降、利上げ時期予想がかなり後退してきました。銀行によっては、最初の利上げ時期を、2016年まで遅らせたところもあります。

最後に英国の利上げ時期予想について、もう一度復習してみると

さすがにQIR発表以降は、予想が立てにくくなってきたので、?としています。政策金利を動かす時に注意しなければいけないこととして、カーニー総裁は @世帯の負債規模 A政府の負債規模 B英国の最大の輸出先であるユーロ圏の経済回復が遅れている点 Cポンドの強さ D金融システムの変化 を挙げており、これらの全てを考慮して、政策金利の変更を行なうそうです。

ここからの重要日とポンド動向 

米欧の景気回復速度を上回る勢いで頑張っているイギリス経済、そのおかげで通貨高がここに来て問題になってきました。そのため、『QIR発表時の記者会見でのCluelessは演出されたものであり、意外と英中銀の通貨安政策のひとつではないか?』という意見もあるそうです。事実、ここにきて英国の製造業は、主要輸出先の欧州の景気がなかなか持ち直さないことに加え、地政学リスクとポンド高の影響もあり、苦戦を強いられています。ポンド高の弊害は製造業だけでなく、第2四半期の企業収益悪化の理由のひとつにも数えられていました。

このチャートは、米欧日と比較した英国GDPの伸びとポンド実効レートを重ねたものですが、綺麗に相関関係にあることがわかります。

そう考えると、英中銀はCluelessを演じながら、本音としては通貨安に持って行こうとしているという見方も、あながち否定できません。

しかしながら、英中銀理事達でさえ利上げ時期がわからないのであれば、一般人の私達には、予想の立てようもありません。今までは、早ければ年内にも利上げと信じていた私ですが、QIRを読めば読むほど途方にくれてしまいます。

さしあたり、ポンド動向を左右すると考えられる重要日は、

  • 8月19日(火) 消費者物価指数(CPI)
  • 8月20日(水) 8月の金融政策理事会議事録公開
  • 8月21〜23日(木〜土) 米ジャクソンホール経済シンポジウム
  • 9月18日(木) スコットランドの独立を問う国民投票

どれもこれも非常に大切ですが、20日(水)の議事録発表時には、ポンドが大きく反応するかもしれません。それは、何年にも渡り全会一致(9対0)で政策金利の据え置き決定をしてきましたが、今月から一部の理事が利上げ票を入れる可能性が指摘されているからです。万が一、1〜2名の理事が利上げに票を入れたことが確認された場合、QIRで一気に利上げ期待が後退しただけに、ポンド急騰ということも十分に考えられます。

最後になりますが、ここからのポンド動向ですが、チャートを貼ってみました。

※クリックで拡大できます

まずポンド/ドルですが、私自身がずっとターゲットにしていた1.66台は達成。ここからは、本来であれば調整が入り、黄色くハイライトした1.68ミドル〜1.6910/20くらいまで戻ったところを、あらためて売るというのが、一番わかやすいシナリオでしょう。赤いラインが通ってる1.6995/1.7000が上抜けしたら、全てのショートポジションを閉めて、あらためて考える方針でいいかと思います。

ただし、ポンド/ドルがシナリオ通りに一旦調整の上げをするかどうかを左右するのは、ユーロ/ポンドなんですね。

※クリックで拡大できます

チャート、右下にピンクの四角で囲んだところが、逆三尊だという意見が出てきました。個人的には、あまりそうは見えないのですが、いずれにしても、ネック(?)と思われる0.8030/40が上抜けすると、一気に勢いがつきそうで気味悪いです。

もし上抜けして、一気に0.81ミドルくらいまで行くとした場合、その時のポンド/ドルが1.64ミドルであれば、ユーロ/ドルは1.3406となり、十分可能なシナリオに見えます。

とりあえず来週20日の議事録公開、そして出来れば21日からのジャクソンホール経済シンポジウムが終わってから、ポンド相場にあらためて参戦しようかと考えているところです。

 

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