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金曜 松崎美子の英国発!すこしFX☆なが〜くFX ロンドン在住の女性トレーダーによる為替&経済コラム

米欧主導の金融体制の終焉?

更新日:2014年7月18日

今週はイエレンFRB議長の半期に一度の金融政策に関する議会証言、ドラギECB総裁による四半期に一度の欧州議会での証言に加え、日銀金融政策委員会からの発表後に行なわれた黒田日銀総裁の記者会見など、重要経済指標に加え、主要国の中銀総裁による証言が相次ぎました。

週中盤に入ると、米欧がロシアに対する制裁を強化したことがきっかけとなり、ロシア株が大きく崩れ、ルーブルの急落を招きました。そしてそれと同じ日に、マレーシア機が撃墜されたという報道があり、裏ではロシアによる仕業ではないか?という噂まで立ったようです。

これだけ数多くのイベントがあったにもかかわらず、私が一番関心を寄せた今週のイベントは、【BRICS開発銀行設立】に向けて最終合意がなされたことです。

W杯が終わったブラジルで、今週月曜日から開催されたBRICS(新興5ヶ国)サミットでの発表は、米欧主導の今までの金融体制に終止符を打ち、世界経済と金融市場のあり方が大きく変わりつつあることを強く印象づける象徴的な出来事であったと、私は認識しています。

本日のコラムでは、【BRICS開発銀行】の設立、そして国際決済における基本通貨:ドルの今後について考えたいと思います。

BRICSとは?

今更わざわざ繰り返す必要もありませんが、BRICSの基本的知識を整理したいと思います。

BRICSとは、ブラジル(Brazil)、ロシア(Russia)、インド(India)、中国(China)、南アフリカ(South Africa)それぞれの頭文字をつなげた造語。私が尊敬する米ゴールドマン・サックスのジム・オニール氏が、2003年のレポートでこの造語を使ったことがきっかけで、広く使われるようになりました。

中国のGDPに黄色くハイライトを入れましたが、この国のGDP規模は、残りの4ヶ国の合計よりも大きいのです。そしてこの記事を書くにあたり、いろいろ調べているうちに驚くことを発見しました。それは、中国が飛ぶ鳥を落とす勢いで経済成長を遂げていた数年前のことですが、2010年以降、中国経済は毎年2兆ドル規模で拡大していました。これは、現在のインドの経済規模そのものです。そして四半期ごとに、ギリシャの経済規模に匹敵する富の創出をしていたということです。これには驚きました。

BRICSからの三行半

昨年3月、南アで開催されたBRICS首脳会議で、【BRICS版世界銀行】の設立に向け、公式に交渉を開始することで合意しました。この合意に至る経緯には、国際通貨基金(IMF)や世界銀行で発言権の拡大を求めていたBRICS加盟国の要求が、なかなか聞き入れられなかったことが大きく影響しています。

2008年秋に発覚したリーマン・ショック以降、IMFや世銀は、いろいろな国の救済に走りました。そこで多額の資金を使い果たしたため、IMFは2012年に資本増強の必要性に迫られたのです。BRICS各国は拠出には合意したものの、GDP規模や世界的金融市場でのBRICSの台頭を考慮し、発言権を強化して欲しいと申し出ました。

IMFでの発言権とは?

IMFにおける発言権は、出資額(クオータ)に比例して決定されますが、BRICS各国は自国の著しい経済拡大に見合ったクオータの引き上げを強く求めました。その中でも特に、ブラジルの拘りは群を抜いていたように感じます。

IMFは既に2010年に《クオータ及びガバナンスの抜本的改革パッケージ》を承認し、加盟国のクオータの計算し直し段階へ移行しています。つまり、パッケージが完全に承認されれば、新興市場および途上国のクォータと議決権シェアについて、大規模な再調整が行われることになっています。

更に詳しい説明になってしまい恐縮ですが、クオータはGDPなどを元に計算されており、詳しい計算方法がIMFウェブサイトに載っていましたので、引用させて頂きます。

IMFウェブサイトからの引用
>>>
現行のクォータ計算式は、GDP(比重50%)、開放度(同30%)、経済変数(同15%)、及び外貨準備高(同5%)の加重平均を採用しています。GDPは、市場為替レート(比重60%)を基にしたGDPと、購買力平価(PPP)為替レート(同40%)をベースとしたGDPの、混合的なGDPを使い計測されます。
<<<

これを見て、お気づきの方もいらっしゃると思いますが、計算の際には購買力平価(PPP)を使用しています。つまり新興国は先進国と比較した場合、物価が低いため、購買力平価で計算したGDPは、名目GDPを上回ります。ですので、この点からも、新興国には有利に働くはずでした。

IMFを私物化(?)したアメリカ

しかし最後の土壇場で問題が生じたのです。それは、この改革パッケージを公式に発効するには、総議決権の85%を有する188加盟国の5分の3(113カ国)の賛成が必要となります。ところが、IMF加盟国で一番大きい≪16.75%≫の決議権を保有するアメリカが、今年1月の議会でこの改革案の批准に失敗したのです。

今年4月、米ワシントンで開催されたG20会合ではアメリカに対し、IMFの改革パッケージを今年の年末までに批准するよう求め、それが達成出来なかった場合は、米国抜きでIMF改革を進めるとする共同声明を採択したいきさつがあります。

その矢先での【BRICS開発銀行設立合意】のニュースでした。

BRICS開発銀行(新開発銀行 NDB)とは?

現在までに報道された主な役割・特徴などを挙げてみましょう。

  • 新銀行名は【新開発銀行 (NDB)】
  • 国際通貨基金(IMF)/世界銀行に対抗する本格的な国際金融機関・資金調達源
  • 開発銀行と準備基金の設立には、加盟各国議会の承認が必要
  • 発足時点の資本金:総額 500億ドル (約5兆円) ⇒各国が100億ドルの出資
  • 1,000億ドルの外貨準備基金(Contingent Reserve Arrangement CRA)も設立 ⇒ 経済危機国への融資用 ⇒ 中国 41%、ブラジル・ロシア・インドがそれぞれ18%、南アが5%
  • 新開発銀行の本店は、中国・上海
  • 総裁は輪番制 ⇒ 初代総裁はインドから
  • IMFとは違い、参加する5ヶ国が同等の権利を持つ
  • 主にBRICS国家の基礎インフラ建設プロジェクトへの資金供給が目的
  • 次に貿易や金融面での繋がりを強化するために支援
  • 将来的には、他の途上国へのインフラ関連プロジェクトへ出資予定

これらの条件合意に至るまで、中国とロシアは発足当時の資本金の出資比率を高めたい意向をちらつかせたようですが、中国の影響力が高まることを恐れたブラジルとインドが徹底的に《同額出資》を主張したと言われており、特に中国がやりたい放題に動くのをけん制した経緯があるようです。

しかし、何はともあれ、【新開発銀行(NDB)】設立は、1944年にアメリカで結ばれたブレトンウッズ協定を元に誕生した国際通貨基金(IMF)と世界銀行が今まで牛耳ってきた世界の金融システムに対するBRICSからの挑戦状とも言えるでしょう。

ドル覇権に反対の声が強まる

計算高いロシア

話しが逸れますが、この決定が行なわれたBRICSサミットは、W杯終了とともにブラジルで開催されました。これにあわせ、既にブラジル入りしていたプーチン露大統領は、W杯優勝戦をブラジルのルセフ大統領と並んで観戦しただけでなく、同時期にブラジルを訪れていたメルケル独首相とも会談を行なっています。

そして一番の驚きは、ロシア中銀:ナビウリナ総裁を同行させ、訪問先の南アメリカ各国に対し、《貿易時の使用通貨から、ドルを外すよう》説得し歩いたとも伝えられています。

フランスからもドル覇権反対の声

開発銀行設立により、西側(特にアメリカ)への依存度を減らし、米国一極体制から複数基軸体制への移行を可能にしようとしているBRICS。

ただし、ドル覇権に異議を唱えたのは、ロシア中銀総裁だけではありません。なんと、私が住む英国のお隣り、フランスも同じなのです。

今年に入り、同国最大手BNPパリバ銀行が、米国の金融制裁対象国であるスーダン・イラン・キューバに対して金融取引をしていた問題で、米司法省は100億ドルの罰金を科しました。EU法では禁じられていない取引に対し、これだけ多額の罰金を支払うことになったため、フランス国民は非常に腹を立てました。この国民の怒りの矛先はオランド大統領へ向かい、同氏は米政府に対し早速異議を申し立てたのです。結果として、最終的な罰金金額は89億7000万ドルへ減額されましたが、この1兆円近い賠償額は外国籍の金融機関に対する罰金としては過去最大規模であることに変わりありません。

先ほども書きましたが、欧州ではイランやスーダンとの取引は違法ではありません。しかし米ドルで取引した場合には、米国の国内法に抵触するだけでなく、同行は米国にも拠点を置いているため、罰金の対象になってしまったのです。

この問題を重視したフランス政府/中銀/ビジネス関係者は、反撃に出ました。

・ノワイエ仏中銀総裁
国際貿易における外貨の多角化支持

・サパン財務相
決済通貨としてのユーロの地位向上を提案

・仏最大の石油会社:Total
原油代金をドルで決済しなければいけない理由はない

EU財務相会合での協議

BNPパリバ銀行への罰金支払い決定のわずか1週間後、7月7日に開催されたEU財務相会合の席で、《国際決済通貨として、ユーロの地位を高めよう》という議題で協議がもたれました。そこでは、「ドルを決済通貨として失くすことが目的ではなく、ユーロもドルと並ぶ決済通貨として使用量を拡大し、世界の決済通貨のバランスを取ろう」という内容で協議が進行したと伝えられています。

この点が、ロシアやイラン、ベネズエラのように《ドル決済を放棄することも辞さない》動きとは一線を画していると言えるでしょう。

国際通貨基金(IMF)によると、今年3月末時点の外貨準備金の内訳として、ドルは全体の60.9%、ユーロは24.5%と、断トツにドルが優位に立ったままです。

ただし、国際決済銀行(BIS)が今年3月に発表した報告書によると、「今後数年以内に、外貨準備金に占めるドルの割合は、10〜15%低下する」という予想を載せていますが、「そうなった場合でも、ドルが世界の基軸通貨であることには変わりない」と締めくくっています。

まとめ

ドルの一極体制ではなく、ユーロも含めた決済通貨のバランスを取ることには、私も賛成です。そしてこの動きは、世界中の中央銀行が保有する外貨準備金の保有通貨の選択にも反映されることは間違いありません。しかしBISも言っているように、こういう動きは一朝一夕で出尽くす種類のものではありません。何年という年月が必要になります。

ユーロはここに来て、下げ足を早めてきましたが、ユーロの実力を示すユーロ実効レートを見る限り、今年の値幅の半値戻しも達成していない状態です。

チャート:欧州中銀ウェブサイト

※クリックで拡大できます

ユーロ/ドルの見通しとしては、1.3500-1.4000のエキゾチックオプション(DNT)が消滅し、1.3475/80が下に抜けた時は、ユーロの急落があると見ています。

その逆に、ドル/スイスが0.8944近辺を下抜けて終わると、ドル安への動きが出てきて、結果としてユーロ高への反動が強くなると、現在は予想しています。

 

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